2022/09/11 iOSDC Japan 2022 Day 1で話した資料です:)
あなたの知らないARの可能性を空間レベルで拡げるVPSの世界 https://fortee.jp/iosdc-japan-2022/proposal/91c9a436-a974-43aa-afdf-31f263f77c31
あなたの知らないARの可能性を空間レベルで拡げるVPSの世界2022-09-11 11:05~11:45 iOSDC Japan 2022 Track E レギュラートーク株式会社ZOZO技術本部 技術戦略部 創造開発ブロック / CTOブロックブロック長 / XR Specialist諸星 一行 a.k.a @ikkou (HEAVEN chan)Copyright © ZOZO, Inc.SpeakerDeck公開版
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● 本資料はSpeaker Deckに公開済みです!○ URLはハッシュタグ #iOSDC つきでツイート済みです!● 録画映像は 2022-08-28 現在の情報に基づいています!● 表記上、®マークや™マークを省略しています● Speaker Deck公開版の資料はPDF化しているため動画等が再生されませんはじめに
© ZOZO, Inc. 2022-09-11 iOSDC Japan 2022 - あなたの知らないARの可能性を空間レベルで拡げるVPSの世界 Speaker Deck 公開版Snap社のCustom Landmarker、ARCoreのGeospatial API、Niantic社のLightship、そしてARKit 6で東京にも対応したLocation Anchorなど、これらはすべてVPSと呼ばれるものです。ここで言うVPSは“Virtual Private Server”ではなく“Visual Positioning System”です。緯度経度をもとにするGPSこと“Global Positioning System”に対し、画像による空間情報をもとに自己位置推定する技術がVPSです。本セッションでは、今後ARにおける重大な要素技術となりうる"VPS"そのものとその周辺技術、実例や概況に加え、VPSソリューションを用いた「実際に動作するデモ」を交えて解説します。プロポーザル
© ZOZO, Inc. 2022-09-11 iOSDC Japan 2022 - あなたの知らないARの可能性を空間レベルで拡げるVPSの世界 Speaker Deck 公開版ZOZO, Inc.創造開発ブロック / CTOブロック DevRel諸星 一行 a.k.a @ikkouAvatar Name: HEAVEN chanXR(VR/AR/MR) × Fashionという軸で試行錯誤中メタバースやWeb3も守備範囲● 2022-2023 Microsoft MVP for Mixed Reality● 日本バーチャルリアリティ学会VR技術者● 知的財産管理技能士TwitterではHEAVEN chanとして生きていますがVTuberではありません:)https://twitter.com/ikkou
© ZOZO, Inc. 2022-09-11 iOSDC Japan 2022 - あなたの知らないARの可能性を空間レベルで拡げるVPSの世界 Speaker Deck 公開版こんな人ですiOS 15.4におけるWebXR Device APIの現状確認Zenn#WebXR ( WebVR/WebAR ) の現状確認 2021 WinterZennコロナ禍におけるWebXR (WebVR/WebAR ) のイマ!CEDEC2021WebXR 最前線 2022 メタバースとWeb3を添えてCEDEC2022iOSではじめるWebARiOSDC Japan 2020iOSではじめるWebAR 2021iOSDC Japan 2021
© ZOZO, Inc. 2022-09-11 iOSDC Japan 2022 - あなたの知らないARの可能性を空間レベルで拡げるVPSの世界 Speaker Deck 公開版本日お話しすること1. VPSとはなにか?2. 既にこんなにあるVPS3. 来たるべきVPS時代
VPSとはなにか?Source: https://unsplash.com/photos/Q1p7bh3SHj8
© ZOZO, Inc. 2022-09-11 iOSDC Japan 2022 - あなたの知らないARの可能性を空間レベルで拡げるVPSの世界 Speaker Deck 公開版VPSとはなにか?● カメラ経由で得た周囲の映像と、事前に登録されている周囲の情報を照合して、「位置」と「向き」を高精度で合わせる技術● GPSよりも高精度での位置合わせを実現できる● 現実世界に作用する「AR」と相性が良い画像引用元: ARを進化させる「VPS」とは?特定の位置と向きに ARを表示する仕組みを解説| TIME&SPACE by KDDI 画像引用元: Lightship VPS – Niantic Lightship Persist AR content across sessions and users
© ZOZO, Inc. 2022-09-11 iOSDC Japan 2022 - あなたの知らないARの可能性を空間レベルで拡げるVPSの世界 Speaker Deck 公開版HYPER-REALITYの世界画像引用元: HYPER-REALITY - Keiichi Matsuda, 2016Question: 「HYPER-REALITY」の世界はVPSが普及すれば遠くない?
© ZOZO, Inc. 2022-09-11 iOSDC Japan 2022 - あなたの知らないARの可能性を空間レベルで拡げるVPSの世界 Speaker Deck 公開版既に実現できる世界動画提供: https://twitter.com/korinVR/status/1527212311861411840 - こりん@VR (@korinVR), 2022「ARCore Geospatial APIによる位置合わせ」と「PLATEAUを利用したオクルージョン」で実現
© ZOZO, Inc. 2022-09-11 iOSDC Japan 2022 - あなたの知らないARの可能性を空間レベルで拡げるVPSの世界 Speaker Deck 公開版Yelp's Monocle画像引用元: Updated Yelp for Android lets you explore menus (pictures) - CNET 2012周囲の状況に応じてコンテンツを重畳するコンセプトはこれまでにも複数存在している
© ZOZO, Inc. 2022-09-11 iOSDC Japan 2022 - あなたの知らないARの可能性を空間レベルで拡げるVPSの世界 Speaker Deck 公開版セカイカメラ画像引用元: SekaiCameraDemoVideo of TechCrunch50 - tonchidot, 2008iPhone 3Gと同じ2008年にリリースされた「セカイカメラ」はカメラ映像 + GPS + 方位磁石でエアタグを平面に重畳
© ZOZO, Inc. 2022-09-11 iOSDC Japan 2022 - あなたの知らないARの可能性を空間レベルで拡げるVPSの世界 Speaker Deck 公開版ARの定義● ARはAugmented Realityの略、学術的な日本語訳は拡張現実感○ AppleのAR関連ライブラリはARKit、汎用的なライブラリの先駆けは“国産”のARToolKit● 15,000件近い被引用数を誇るAzuma氏の“A Survey of Augmented Reality”に拠るARの構成要素は次の3つ1. Combines real and virtual現実世界とバーチャルな世界の組み合わせ2. Interactive in real time実時間で動作する3. Registered in 3-D三次元の整合性が取れているReal desk with virtual lamp and two virtual chairs.画像引用元: A Survey of Augmented Reality, Azuma 1997
© ZOZO, Inc. 2022-09-11 iOSDC Japan 2022 - あなたの知らないARの可能性を空間レベルで拡げるVPSの世界 Speaker Deck 公開版ARの種類1. Vision based AR○ 1.1Marker-based AR■ マーカーに基づいてコンテンツを重畳する● 二次元コード、ポスターなど事前に定めたものの画像認識 etc.○ 1.2 Markerless AR■ マーカー以外のものに基づいてコンテンツを重畳する● 地面などの平面認識、ARメイクなどの顔認識 etc.2. Location based AR■ 場所に基づいてコンテンツを重畳する● GPS、VPS画像引用元: AR.jsのHiroマーカー画像引用元: パーフェクト株式会社ARメイクのプレスリリース画像引用元: 『ポケモン GO』とは?『ポケモン GO』公式サイト
© ZOZO, Inc. 2022-09-11 iOSDC Japan 2022 - あなたの知らないARの可能性を空間レベルで拡げるVPSの世界 Speaker Deck 公開版空間レベルで拡げる?画像引用元: Niantic, 2022画像引用元: 株式会社リクルート プレスリリース, 2021Room scale City scaleVPSによってARが及ぼす範囲をRoom scaleから、より広い空間・領域が対象のCity scaleにスケールアップしやすくなる※ City scaleが優れていてRoom scaleが劣っているという話ではない
© ZOZO, Inc. 2022-09-11 iOSDC Japan 2022 - あなたの知らないARの可能性を空間レベルで拡げるVPSの世界 Speaker Deck 公開版GPSだけでは実現できない?VPSとGPSの違いVPS GPSを含むGNSS位置合わせカメラ映像 + 事前に取得した3DマップVPSによってはGPSも併用している各種センサー例えばiPhone 13系に搭載されているセンサーは内蔵GPS、GLONASS、Galileo、QZSS、BeiDou向き 3次元で取得できる取得できない地図アプリなどは方位磁石を併用して2次元で取得誤差◎数mmから数cm単位◯数mから数十m屋外◎ただし3Dマップが展開されているエリアに限られる◯ただしトンネルなどの遮蔽物やビル街では精度が低下する屋内◎ただし3Dマップが展開されているエリアに限られる△屋内はデータが受信できなくなるので精度が低下する必要なもの カメラ、3Dマップ測位衛星、測位衛星のデータを受信できるセンサーと受信できる環境
© ZOZO, Inc. 2022-09-11 iOSDC Japan 2022 - あなたの知らないARの可能性を空間レベルで拡げるVPSの世界 Speaker Deck 公開版「みちびき」なら数センチ単位の位置合わせができるのでは?「みちびき」を使ってもiPhoneなどのスマートフォンで数センチ単位の位置合わせはできない● 前提としてGPSによる位置合わせには4機の衛星が必要○ 三角測量用の3機 + 衛星の原子時計とスマートフォンのクォーツ時計の差分を補正する1機● 「みちびき」はGPSと互換性を持つ国産の準天頂衛星システム(QZSS)○ 4機体制で運用中、ただし常に日本の上空にいるのは1機以上○ iPhoneシリーズの場合、iPhone 6s以降からQZSS(L1C/A)を利用できる● 「みちびき」の性能を100%活用するためには国内の電子基準点に対応した専用の受信チップが必要となる○ センチメータ級 測位補強サービスのL6信号の受信が必要○ スマートフォンに搭載するにはコストやバッテリー消費量の問題がある画像引用元: iPhone 6s - 技術仕様画像引用元: みちびき(準天頂衛星システム:QZSS)公式サイト - 内閣府2022年8月現在
© ZOZO, Inc. 2022-09-11 iOSDC Japan 2022 - あなたの知らないARの可能性を空間レベルで拡げるVPSの世界 Speaker Deck 公開版カーナビはGPSを使っていても道路から何mもズレていないのでは?カーナビはGPSに加え、ジャイロセンサー、加速度センサー、そしてカーナビ特有の膨大な地図データを利用して自己位置を補正しているさらに最近のカーナビは「SBAS」に対応している● カーナビはカメラ経由のVPSとは異なる形で地図データを用いて補正している○ この『マップマッチング』による補正はカーナビメーカー各社によるノウハウの賜物● みちびきの『SBAS』(衛星航法補強システム)で精度を上げられる● 搭載されているセンサー類が異なるのでスマートフォンのカーナビは車載用のカーナビよりも精度が低くなることがある画像引用元: 自車位置精度 ナビ能力 パイオニア株式会社
© ZOZO, Inc. 2022-09-11 iOSDC Japan 2022 - あなたの知らないARの可能性を空間レベルで拡げるVPSの世界 Speaker Deck 公開版VPSとNFTの違い● NFT(Natural Feature Tracking)はいわゆる「画像認識」の仕組み○ Non-Fungible Tokenを意味するNFTではない○ WebARライブラリのAR.jsはNFTではなくImage Trackingと表現している● 特定の2D画像にあわせてオブジェクトを重畳させる● VPSのような3Dマップを必要としない代わりに、対象となる画像の特徴点が必要○ 特徴点の少ない画像(単色や反射が多い)は向いていない○ VPSのような3Dの空間を特徴点にはできない● 例えばマーカーとなるポスターの上にオブジェクトを重畳させるケースなど、平面には向いているが、VPSと比較して距離や一定以上の角度に弱い○ 向き不向きの話でありVPSではなくNFTが適しているケースもある画像引用元: palanAR お知らせ無料AR作成サービスpalanARで画像認識機能の精度が向上しました!
© ZOZO, Inc. 2022-09-11 iOSDC Japan 2022 - あなたの知らないARの可能性を空間レベルで拡げるVPSの世界 Speaker Deck 公開版VPSの位置合わせ(Localization)● 「カメラ経由で得た周囲の映像」と、「事前に得ている周囲の情報を照合」して、「位置と向きを合わせる」● どのようにして周辺の情報を事前に得るのか?○ 独自に収集■ GoogleやAppleなど○ ユーザー自身が登録■ SnapやNianticなど○ 衛星写真から3Dマップを作成■ Sturfee● 座標系の話は割愛画像引用元: Google AI Blog: Using Global Localization to Improve Navigation, 2019
既にこんなにあるVPSSource: https://unsplash.com/photos/-1_RZL8BGBM
© ZOZO, Inc. 2022-09-11 iOSDC Japan 2022 - あなたの知らないARの可能性を空間レベルで拡げるVPSの世界 Speaker Deck 公開版既にこんなにあるVPS● ARKit Location Anchors @ Apple● ARCore Geospatial API @ Google● Azure Spatial Anchors @ Microsoft● Lightship VPS @ Niantic● Custom Landmarkers @ Snap● Immersal @ Hexagon AB● Sturfee @ Sturfee (KDDIと戦略的パートナーシップを締結)● Pretia @ プレティア・テクノロジーズ● Vuforia Area Target @ PTC● Indoor Visual Positioning @ Blippar※ 本ページで取り上げている項目は代表的な一例であり、すべてではありません
© ZOZO, Inc. 2022-09-11 iOSDC Japan 2022 - あなたの知らないARの可能性を空間レベルで拡げるVPSの世界 Speaker Deck 公開版ARKit Location Anchors● ARKit 4から搭載された緯度経度・高度を指定してオブジェクトをピンポイントで設置できるiOS/iPadOS向けの機能○ ARKit 4、ARKit 5まで日本は非対応○ ARKit 6で東京・大阪・京都・名古屋・福岡・広島・横浜の一部地域が対応🎉● Apple純正「マップ」アプリで「ARウォーキング」として利用されている○ ARKit 6での対応に先行して2022年5月から国内の対象地域で実際に試せる● ARKit 6リリース以降にリリースされるであろうアプリが待ち遠しい😆アップル純正「マップ」アプリで雷門から浅草駅までの経路を「ARウォーキング」で表示Objective-CSwift
© ZOZO, Inc. 2022-09-11 iOSDC Japan 2022 - あなたの知らないARの可能性を空間レベルで拡げるVPSの世界 Speaker Deck 公開版ARCore Geospatial API● Google I/O 2022で発表された機能● GCPを併用して緯度経度・高度、向きを指定する● 先行してGoogleマップの「ライブビュー」としてリリースされている機能○ ARCore Geospatial APIの対象エリアはGoogleマップのストリートビューの対象エリア● “ARCore”という文字列が含まれているがARKitが動作するiOS/iPadOSでも動作する○ AndroidはARCoreが動作する端末が必要Googleマップで雷門から浅草駅までの経路を「ライブビュー」で表示Unity JavaObjective-C
© ZOZO, Inc. 2022-09-11 iOSDC Japan 2022 - あなたの知らないARの可能性を空間レベルで拡げるVPSの世界 Speaker Deck 公開版サンプルコードをビルドして試すARCore Geospatial API1. git clone https://github.com/google-ar/arcore-ios-sdk.git2. Google Cloud Platform(GCP)で任意のプロジェクトを作成3. GCPのAPI ライブラリからARCore APIを有効化4. GCPの認証情報を作成からAPI キーを作成してコピー5. ViewController.mにGCPで作成したAPI キーを貼り付ける6. ターミナルでpod install7. ビルドしてiPhone実機で実行ARCore Geospatial APIのサンプル #1周囲の情報を取得できていない状態※ACCURACYは低いほど精度が高いM1 MacBook Air / macOS 12.5 Monterey beta 5 / ARCore SDK for iOS v1.33.0 /Homebrew 3.5.10 / rbenv 1.2.0 / ruby 3.0.0p0 の環境においてRosettaを使用せずにビルドできることを可能
© ZOZO, Inc. 2022-09-11 iOSDC Japan 2022 - あなたの知らないARの可能性を空間レベルで拡げるVPSの世界 Speaker Deck 公開版もっと簡単にノーコードではじめるARCore Geospatial APIOrange moon社の「AR Street Editor」はARCore GeospatialAPIベースのVPSコンテンツをノーコードで作成できるツール● エディタ上でオブジェクトごとに緯度経度・高度、拡大倍率、回転を設定○ 緯度と経度はGoogleマップベースのウェブエディタから設定可能● 表示できるコンテンツはテキスト、画像、3Dモデル(GLBファイル)の3種類● ユーザーは専用アプリ「AR Street」を利用○ 全ユーザーに公開されるので特に自宅周辺でのテストは要注意● 非商用利用に限り無料AR Streetで雷門前の交差点に鯨の3Dモデルを表示 #1Glass whale Free 3D modelRoyalty Free License
© ZOZO, Inc. 2022-09-11 iOSDC Japan 2022 - あなたの知らないARの可能性を空間レベルで拡げるVPSの世界 Speaker Deck 公開版Lightship VPS● 2022年5月の「Lightship Summit」で発表したNianticによるVPS○ パブリックベータ版が公開されている● 専用アプリ「Niantic Wayfarer」でユーザーから集めたWaypointを利用○ Ingress Prime のレベル 10 以上またはPokémon GO のレベル 37 以上のユーザーが対象○ 開発者であればTestFlightで配布されているNiantic Wayfarerアプリを利用できる● 日本は東京、京都、大阪、名古屋に対応Lightship VPSが対応しているエリア、左から東京、京都・大阪、名古屋画像引用元: Lightship VPS – Niantic LightshipUnity
© ZOZO, Inc. 2022-09-11 iOSDC Japan 2022 - あなたの知らないARの可能性を空間レベルで拡げるVPSの世界 Speaker Deck 公開版Custom Landmarkers● SnapchatによるVPS● もともとは一部地域でのみ利用できた機能が2022年3月世界中に開放された○ 26の名所はLandmarker Templatesとして配布されている● 誰でも簡単にVPSのスポットとなるCustom Landmarkersを作成してノーコードでそのスポットに重畳されるARコンテンツを設定できる○ スキャンにはLiDARを搭載しているiPhone/iPadが必要■ ARCoreには非対応○ コンテンツの作成にはWindows/macOS向けのLens Studioが必要画像引用元: Landmarker Guide - Lens Studio DocsSnapchat
© ZOZO, Inc. 2022-09-11 iOSDC Japan 2022 - あなたの知らないARの可能性を空間レベルで拡げるVPSの世界 Speaker Deck 公開版ノーコードではじめるCustom Landmarkers (1/2)SnapchatのCustom Landmarker CreatorとLens Studioを使ったCustom Landmarker作成の流れ1. Snapchatでの作業(右の動画を参照)● Custom Landmarker Creator Lensから作成画面を起動● LiDAR搭載iPhone/iPadで対象をスキャンしてメッシュを作成● 作成したメッシュをアップロード2. Lens Studioでの作業● Lens Studioを起動してCustom Landmarkerのテンプレートにメッシュを読み込んでオブジェクトを配置○ Landmarker Meshは非表示を推奨● 公開Custom Landmarker Creatorでの作成画面
© ZOZO, Inc. 2022-09-11 iOSDC Japan 2022 - あなたの知らないARの可能性を空間レベルで拡げるVPSの世界 Speaker Deck 公開版ノーコードではじめるCustom Landmarkers (2/2)Snapchatで本ページのマーカーをスキャンすると、株式会社ZOZOの西千葉オフィスの屋外に設置されているブロンズ製ZOZO箱のモニュメントで実際の挙動を確認可能!周囲のメッシュを作成しているのでブロンズ製ZOZO箱の周りを歩いてもオブジェクトが固定して表示されているブロンズ製ZOZO箱のモニュメントの上部にiOSDC Japan 2022のテキストが表示されるブロンズ製ZOZO箱のモニュメントで試せるCustom Landmarkerを起動するマーカー
© ZOZO, Inc. 2022-09-11 iOSDC Japan 2022 - あなたの知らないARの可能性を空間レベルで拡げるVPSの世界 Speaker Deck 公開版Immersal● 2021年にHexagon ABが買収した“City-scale AR”を謳うVPS● 2D写真をもとに自身で必要な3Dマップを作成する(LiDARは使わない)○ スキャンに必要なImmersal MapperアプリはiOSとAndroid用がそれぞれ提供されている● スマートフォンだけではなくNrealLightやMagic Leapなどのデバイスにも対応● 今回挙げているVPSの中では先行しているので利用事例が多い画像引用元: ノエビアスタジアム神戸での実証実験の様子 - 楽天モバイル プレスリリース 画像引用元: ノエビアスタジアム神戸の3D点群とビジュアルマップのイメージ - 楽天モバイル プレスリリースUnity Swift
© ZOZO, Inc. 2022-09-11 iOSDC Japan 2022 - あなたの知らないARの可能性を空間レベルで拡げるVPSの世界 Speaker Deck 公開版VPSソリューションの選び方● 公共の既にある3Dマップを使いたい○ 地図情報をもとにした広い範囲■ iOS/iPadOSに最適化させたいならARKit Location Anchors (一部地域)■ iOS/iPadOSに加えてAndroidも対象にしたいならARCore Geospatial API (日本全域)○ 狭い範囲■ Niantic WayfarerのWaypointを使いたいならNiantic Lightship VPS● 自分で登録した3Dマップを使いたい○ 室内などの狭い範囲からサッカースタジアムなどの広い範囲まで汎用的に使いたいならImmersal○ 直径10m以内でLiDARによる高精度の位置合わせを実現したいならNiantic Lightship VPS● アプリを開発するリソースがない、または一時的なキャンペーンなどで利用したい○ SnapのCustom Landmarkers※ 本ページで記載している選び方はあくまで一例であり、用途によって最適な手段は異なります
© ZOZO, Inc. 2022-09-11 iOSDC Japan 2022 - あなたの知らないARの可能性を空間レベルで拡げるVPSの世界 Speaker Deck 公開版VPSを生かしたコンテンツ開発で気をつけたいこと● 多くのVPSソリューションはUnityでの開発を前提としている○ 年間20万USD (≒2,750万円) 以上の収益がある企業での商用利用はUnity Proの契約が必要● “自然なAR”を実現するオクルージョンはVPSだけでは実現できない○ ARKitで実現できるのは人を対象とした「ピープルオクルージョン」のみ○ 都市ベースであれば国土交通省のPLATEAUで解決している事例がある● ロケーションベースARであるがゆえに現地でのデバッグが重要○ ARCore Recording and Playback APIを適用できるのであればリモートデバッグも可能● 現実空間に重畳する3Dアセットが表現の大半を左右する
来たるべきVPS時代Source: https://unsplash.com/photos/HOrhCnQsxnQ
© ZOZO, Inc. 2022-09-11 iOSDC Japan 2022 - あなたの知らないARの可能性を空間レベルで拡げるVPSの世界 Speaker Deck 公開版ARコンテンツにおける歩きスマホ問題● 多くのARコンテンツはスマートフォンで動作する● 特にGPS、VPSを利用した場所に基づくARコンテンツは「歩きスマホ」が発生しやすい● 事故などを防ぐためには「歩きスマホ」への対策が必要となる○ Googleマップの「ライブビュー」は立ち止まっているときにARで経路が表示されるが、その状態で数歩歩くだけで警告メッセージが表示される● スマートフォンを周囲に「かざす」という行動が、他者からは「撮られている」という勘違いを引き起こす可能性があるGoogleマップの「ライブビュー」で意図的に警告を表示させている様子※周囲を十分に警戒し人通りが少ない時間帯に撮影
© ZOZO, Inc. 2022-09-11 iOSDC Japan 2022 - あなたの知らないARの可能性を空間レベルで拡げるVPSの世界 Speaker Deck 公開版ARグラス(眼鏡型ARデバイス)● ARやVPSの普及とあわせて語られることの多いARグラス● 現在はスマートフォンと物理的に繋ぐテザー型が一般的● VPSが“融けた”世界では常に身につけているARグラスのようなデバイスが向いている?○ 結果的に「歩きスマホ問題」を解決する一助となるか?○ 現時点では眼鏡 on 眼鏡、バッテリー消費や熱の課題などが挙げられるNrealLightとVPS技術を組み合わせた「HYPER LANDSCAPE」画像引用元: 株式会社Psychic VR Lab プレスリリース画像引用元: NrealLight - au SMARTGLASSES
© ZOZO, Inc. 2022-09-11 iOSDC Japan 2022 - あなたの知らないARの可能性を空間レベルで拡げるVPSの世界 Speaker Deck 公開版AR空間は誰のものか?屋外広告の上にARオブジェクトを重畳することの法的課題VPSが当たり前の技術となり、多くの人がCity scaleのVPSで彩られた時代、屋外広告Aの上に競合他社が意図的に屋外広告Bを“ARで重畳”した場合の問題は?● 前提として“AR”に関する法律は存在しない○ “物理的な”屋外広告は「屋外広告物法」が適用される○ 権利侵害に関するものは「著作権法」が適用される○ “スマホAR”で適用されるその他の事例としては「不法侵入」に関するものが挙げられる○ 例えば誹謗中傷にあたるものであれば名誉毀損として問えるか?■ 名誉毀損の成立要件は“現実世界の社会的評価の低下”とされている中、中の人が公知の事実となっているVTuberへの名誉毀損が認められる判決が出ている● 技術の発展に法律が追いついていないが、頭の片隅に入れておく必要がある
© ZOZO, Inc. 2022-09-11 iOSDC Japan 2022 - あなたの知らないARの可能性を空間レベルで拡げるVPSの世界 Speaker Deck 公開版ARKit 6の正式リリース後にARKit Location Anchorsを使用したVPSコンテンツは増えるか?● 増えてほしい(希望)● 実際の対応エリアが重要○ 日本国内において“一部地域にのみ対応”という点はLightship VPSと同じ○ 狭い範囲を対象とした“点”のLightship VPSに対し、ARKit Location Anchorsは道路を基準とする“面”に対応している● 重要なのはインストールする必然性のあるVPSコンテンツかどうか○ VPSは「目的」ではなく「手段」● 将来のARグラス的なデバイスに期待?
おわりにSource: https://unsplash.com/photos/CKlHKtCJZKk
© ZOZO, Inc. 2022-09-11 iOSDC Japan 2022 - あなたの知らないARの可能性を空間レベルで拡げるVPSの世界 Speaker Deck 公開版あなたの知らないARの可能性を空間レベルで拡げるVPSの世界● VPSが普及することでARの可能性が「手元から部屋へ」、「部屋から建物全体へ」、「建物全体から街へ」と空間レベルで拡がっていく● 各社の動向を鑑みるにVPSはこれからますます普及していく○ 今はまだ“VPS”と銘打つことが多いが、将来的には社会に“融けた”自然な形になることを期待したい● もちろんVPSだけでは解決できない問題も多い○ VPSを生かしたコンテンツには、オブジェクトを自然に配置するオクルージョンや、高精細なアセットを描画するためのクラウドストリーミング、スマートフォンに代わるARグラス(眼鏡型ARデバイス)などの合わせ技が必要● ARKit Location Anchorsが正式リリース済みの来年のiOSDCに乞うご期待!?
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