Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
データサイエンス入門教育の現場から - 46歳新任教員2年間の苦闘
Search
Ikuya Murasato
March 18, 2022
Education
0
500
データサイエンス入門教育の現場から - 46歳新任教員2年間の苦闘
2022/03/25(金)に開催した「学校からはじまるデータサイエンスの民主化」セミナーの多摩大学様のご登壇資料です。
Ikuya Murasato
March 18, 2022
Tweet
Share
More Decks by Ikuya Murasato
See All by Ikuya Murasato
トピックモデル分析を活用した問合せ業務の効率化
ikuyam
1
230
回帰分析の活用による新商品の販売力予測
ikuyam
1
160
生存分析モデルを利用したLineのブロック要因分析
ikuyam
0
110
自動車トラブルと気象条件などの探索的データ分析
ikuyam
0
81
データサイエンス「も」使えるチェンジメーカー輩出への挑戦
ikuyam
0
380
ExploratoryとRによる全学データサイエンス教育
ikuyam
0
540
エンゲージメント向上のための人事制度改革 - 管理部門におけるExploratoryの活用
ikuyam
0
1.7k
「学ぶ」分析技術から「使う」分析技術へ - Exploratoryによるドリル演習
ikuyam
0
410
弱小データアナリストが成果を出せるまで
ikuyam
0
130
Other Decks in Education
See All in Education
ふりかえり研修2025
pokotyamu
0
1.2k
生成AI
takenawa
0
5.2k
2025/06/05_読み漁り学習
nag8
0
140
演習問題
takenawa
0
5.2k
2025年度春学期 統計学 第10回 分布の推測とは ー 標本調査,度数分布と確率分布 (2025. 6. 12)
akiraasano
PRO
0
130
仮説の取扱説明書/User_Guide_to_a_Hypothesis
florets1
4
310
生成AIとの上手な付き合い方【公開版】/ How to Get Along Well with Generative AI (Public Version)
handlename
0
470
IMU-00 Pi
kanaya
0
360
OJTに夢を見すぎていませんか? ロールプレイ研修の試行錯誤/tryanderror-in-roleplaying-training
takipone
1
150
The Art of Note Taking
kanaya
1
130
JOAI2025講評 / joai2025-review
upura
0
160
女子商アプリ開発の軌跡
asial_edu
0
390
Featured
See All Featured
GraphQLの誤解/rethinking-graphql
sonatard
71
11k
Large-scale JavaScript Application Architecture
addyosmani
512
110k
Optimising Largest Contentful Paint
csswizardry
37
3.3k
Why Our Code Smells
bkeepers
PRO
337
57k
We Have a Design System, Now What?
morganepeng
53
7.7k
Building Adaptive Systems
keathley
43
2.6k
[RailsConf 2023] Rails as a piece of cake
palkan
55
5.6k
Bash Introduction
62gerente
614
210k
Six Lessons from altMBA
skipperchong
28
3.9k
Build The Right Thing And Hit Your Dates
maggiecrowley
36
2.8k
Performance Is Good for Brains [We Love Speed 2024]
tammyeverts
10
930
Cheating the UX When There Is Nothing More to Optimize - PixelPioneers
stephaniewalter
281
13k
Transcript
データサイエンス入門教育の現場から 46 歳新任教員の苦闘 崎濱栄治/
[email protected]
多摩大学経営情報学部専任講師/博士 (経営学)
内容 1. 自己紹介 2. 講義概要 3. Exploratory 導入の経緯 4. ソフトウェア実習をメインとする講義ならではの気付きと改善点
5. 学生の感想と課題例 6. まとめ 1
自己紹介
崎濱栄治:自己紹介 (転職 8 回目へ) ファンドマネージャー/アドテクを経験し2020 年より多摩大学経営情報学部専任講師. 2015 年にデータ分析コンサルティング会社を設立.他,VC 出資・スタートアップ 2
社で顧問. 2022 年 3 月博士 (経営学) 学位取得. 2
インタビュー記事 https://www.uxd-j.com/member/012.html https://note- infomart.jp/n/n56bb4d934188 3
講義概要
担当データサイエンス系講義の概要 データ分析実践【3 年生~】 :春学期 15 回 マーケティング・データ分析【2 年生~】 :秋学期 15
回 • データの入力・加工方法、集計やグラフ化による基本的なデー タの特徴の捉え方、データ間の関連性を統計的に明らかにする 方法を習得する. 4
履修登録者数,講義方式 • 2020 年春学期:データ分析実践 (17 名) 14:40-16:10, リアルタイムオンラインのみ • 2020
年秋学期:マーケティング・データ分析 (59 名) 18:00-19:30, ハイブリッド • 2021 年春学期:データ分析実践 (23 名) 14:40-16:10, 対面のみ • 2021 年秋学期:マーケティング・データ分析 (117 名) 13:00-14:30, 対面のみ *Exploratory による実習,課題提出を実施. * 全ての回において Google Form によるアンケートを収集 * 課題やアンケートは Google Classroom にて実装. 5
Exploratory 導入の経緯
導入の経緯 データサイエンス系講義を担当する他教員 2 名と相談し,講義で利 用するソフトウェアを統一した方が望ましいと判断. 初学者にも直観的な操作が可能 であること, 高度なデータハンドリング・可視化・分析手法 を搭載していること, 更にアカデミック版は無償提供
であること などから採用となった. 6
取り上げたデータセット例 • 乃木坂 46 メンバーデータ • 企業提供のアンケートデータ • Exploratory 事例データ
(従業員,Youtube) • Covid19,各国統計 • オリンピックメダル獲得数 7
ソフトウェア実習をメインとする 講義ならではの気付きと改善点
講義運営の難易度は? • 2020 年春学期:データ分析実践(17 名) 14:40-16:10, リアルタイムオンラインのみ • 2020 年秋学期:マーケティング・データ分析(59
名) 18:00-19:30, ハイブリッド • 2021 年春学期:データ分析実践(23 名) 14:40-16:10, 対面のみ • 2021 年秋学期:マーケティング・データ分析(117 名) 13:00-14:30, 対面のみ * 全て異なる教室で開催. 8
1.2020 年春学期:データ分析実践(17 名) オンラインのみ 良かった点 • ブレイクアウトルームでグループ分けを行い,チームごとに発 表 (バランス良く振り分ける) •
画面共有による Exploratory の操作 • 講義録画で就活欠席対応できた 反省点 • インストール時のサポート • 着任 1 年目で春学期は出校の機会がなかった 9
2.2020 年秋学期:マーケティング・データ分析 (59 名) ハイブリッド 良かった点 • 1. の履修者 1
名が SA(Student Assistant) として主にオンライン参 加者をサポート (各回メモを作成) • 優秀レポートについては発表の機会を設定 • ハイブリッドだったため ZOOM で各回の講義を録画しており, 体調不良による欠席対応に活用できた. • オンライン参加の参加画面 (基本ビデオ ON) を投影し一体感を持 たせた. • 開講時間が遅かったため結果的に履修者スクリーニングとして 機能した. 反省点 • 15 名程度がオンライン参加.対面での学生に注意が向いてしま った. 10
3.2021 年春学期:データ分析実践(23 名) 対面のみ 良かった点 • 1. の履修者 1 名が引き続き
SA として参加 (各回メモを作成) • 教室を暗くすることができて,プロジェクターが見やすかった 反省点 • 秋学期のマーケティング・データ分析の履修者 (Exploratory 経験 者) とデータ分析実践で初めて Exploratory に触れる履修者が混 在したことで,課題設定が 2 パターン必要となった. 11
4.2021 年秋学期:マーケティング・データ分析(117 名) 対面のみ 良かった点 • 2.3. の履修者 2 名が
SA として参加し大活躍. 反省点 • 大教室かつ日中講義のため教員の操作画面が見えにくい問題が 発生. • 100 名超の履修者登録者のため Exploratory だけでなく PC 操作 (Windows,Mac) スキルのバラツキが大きく対応が困難. • 欠席した際の学修内容をフォローせざるを得ず講義内容の理解 の積み上げに苦労. • 単位取得のみを目的とする学生の存在. 12
学生の感想と課題例
学生の (ポジティブな) 感想 ・とても分かりやすく Exploratory について詳しくなることが出来ました。自分自身の未熟さを理 解し、このマーケティング・データ分析で学んだグラフ製作技術や知識を活かして今後のキャンパ スライフを充実したものに出来るように努力したいと思います。 ・今回の講義では〇〇君、〇〇君といった発表者がいると触発され、よりよいものに仕上げようと 意気込みが出来るのでありがたかった。気づいたら
Exploratory 結構好きになってました。 ・今回で最後と考えると少し名残惜しい気分もあるがそれ以上に役立つソフトウェアに遭えたこと が自分にとっても予想以上の幸運だった。 ・同じ学生でここまでハイクオリティな研究ができるんだなと思い非常に尊敬できると思いま した。 ・授業内や課題を通してデータを Exploratory を使って分析していく中で、データ分析を行うこと に興味を持ちました。将来仕事をするうえで、とても役立ちお金になる知識だと思ったので今後も データ分析の勉強を続けていきたいです。 13
学生の (率直な) 感想 14
まとめ
まとめ ポイント • 操作画面は ZOOM 等の画面共有 • SA によるサポート •
課題共有による学生間の相乗効果 • アンケート収集による声の収集 • 興味を引くデータセット 課題 • 上位層,中位層,下位層へのアプローチ • Exploratory の使い方を自習できるか (280 ページ) • 欠席時の対応 (録画?,教材?,未フォロー?) 15