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エンゲージメント向上のための人事制度改革 - 管理部門におけるExploratoryの活用

エンゲージメント向上のための人事制度改革 - 管理部門におけるExploratoryの活用

2022/03/25(金)に開催した「学校からはじまるデータサイエンスの民主化」セミナーの追手門学院様のご登壇資料です。

Ikuya Murasato

March 18, 2022
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Transcript

  1. 2 2 学校法人追手門学院を構成する各学校 Copyright Otemon Gakuin 法人事務局, 2022 学校法人追手門学院 (1888年創立)

    追手門学院大学 (1966年開設) 追手門学院中・高等学校 (1980年開設) 追手門学院大手前中・高等学校 (高:1950年 中:1947年開設) 追手門学院小学校 (1888年開設) 幼保連携型こども園追手門学院幼稚園 (1969年創立)
  2. 3 3 各学校の立地 Copyright Otemon Gakuin 法人事務局, 2022 茨木安威校地 茨木総持寺校地

    豊中校地 大手前校地 •茨木安威校地 追手門学院大学 •茨木総持寺校地 追手門学院大学 追手門学院中・高等学校 •大手前校地 追手門学院大手前中・高等学校 追手門学院小学校 •豊中校地 追手門学院幼稚園
  3. 4 4 追手門学院の系譜 (西日本最古の私立小学校) Copyright Otemon Gakuin 法人事務局, 2022 1888年

    追手門学院小学校の前身である「大阪偕行社付属小学校」創設 当時、陸軍中将であった高島鞆之助(1844-1916)が、近代国家として成長を遂げる我が国に真に必要 とされる「国家有為の人材の育成」を行うため、帝国陸軍の将校准士官の親睦・互助・学術研究組織として設 立された大阪偕行社の付属小学校として設立した。 明治時代の正門 右手が本館 奥が東館と講堂 創立者 高島鞆之助
  4. 5 5 追手門学院 緒元 Copyright Otemon Gakuin 法人事務局, 2022 学院生数:11,590名

    教員数:651名 内 専任教員数:416名 職員数:284名 内 専任職員数:155名 事業活動収入:149億6,767万円
  5. 2025年 未来の働き方プロジェクト 8 8 組織設計・人事設計における組織や人事はあくまでも手段であって、目的ではありません。 この「2025年 未来の働き方プロジェクト」の目的は、 「①戦略目標の実現に向けた組織・人事の実現」 「②未来の働き方の実現」 という2つを実現することです。

    【目的①】 戦略目標の実現に向けた組織・人事の実現 【目的②】 未来の働き方の実現 「長期計画2030」の実現に向けた組織・人事 ◆ 「長期計画2030」が定める経営目標を実現する手段とし ての組織 ◆ 「長期計画2030」が定める行動計画を推進していくエン ジンとしての組織 New Normal時代におけるワークライフバランス ◆ 個々人のパラダイムシフト(固定概念を変え、新たな価値 観を共有する) ◆ 組織のパラダイムシフト(「生産性の向上」、「再現性ある パフォーマンスの向上」、「イノベーションの創出」) Copyright Otemon Gakuin 法人事務局, 2022
  6. なぜ今、このプロジェクトを進めなければならないのか 9 9 ◆ 18歳人口が減少し続ける中で、長期計画 2030は、事業活動収入200億円を目指 すなど、成長志向の戦略を掲げており、事務 職員は一丸となって戦略目標の達成に向け た取り組みが求められる。 ◆

    同時に長期計画2030では、事業活動収 支差額20億円の目標が掲げられており、単 なる収入増だけではなく、徹底したコストダウ ンといった生産性向上のための取り組みが求 められる。 【長期構想2040(抜粋)】 教職員が一丸となって取り組んでいく先にあるものは、 イノベーションの源泉としての本学院です。 わたしたちは、イノベーションの本質は「人」であること を踏まえ、本学院に集うすべての者が、学びがいや研 究しがい、そして働きがいを感じることのできる学院へと 深化します。 誰もが「追手門学院で良かった」と思える総合学院 となることを念頭に、2040年の学院像および各学校 像を定義します。 長期計画2030が定める 成長志向の戦略目標を実現 未来の働き方を物理的にも ゼロから設計するチャンス 長期構想2040が定める 「誰もが追手門で良かった」 縮小する業界の中で 成長し続ける必要 総持寺Ⅱ期棟竣工による 事務機能の移転 ◆ 2025年の総持寺キャンパスⅡ期棟竣工に 伴い事務機能の移転を実施。 ◆ Ⅱ期棟6階部分に新たなオフィス設計を行う にあたり、物理的にもゼロから働き方を設計 できる最後のチャンス。 ◆ 2025年に未来の働き方を実現するために は、2025年にオフィスを設計すればおのずと 実現できるものではなく、今の段階から未来 に向けた準備をしなければならない。 個々人に寄り添う エンゲージメント経営へ 200億円 20億円 事業活動収入 事業活動収支差額 Copyright Otemon Gakuin 法人事務局, 2022
  7. エンゲージメント経営への移行 ~エンゲージメントとは~ 10 10 学院・仕事 学院・仕事 学院・仕事 学院・仕事 尽くす 求める

    個人的 相互的 つながり ロイヤリティ コミットメント モチベーション エンゲージメント 本来ロイヤリティとは、個人が組織に「尽くす」ことを意味するが、時代はロイヤリティを個に求めてきた。 またコミットメントやモチベーションも経営に重要な要素ではあるが、一方通行であることがわかる。 学院は第Ⅲ期中期経営戦略(2019~2021)から、エンゲージメント経営に移行した。 Copyright Otemon Gakuin 法人事務局, 2022
  8. エンゲージメントと類似概念の違い 11 11 エンゲージメント 【Engagement】 とは・・・ 会社と個人の相互が理解を深めていきながら、従業員が会社に対して愛着を持つ状態を指す。 従業員の一人ひとりが、仕事の意味をよく理解し、組織に愛着を持ち、 そのビジョンのために自発的に貢献しようとする状態を「エンゲージメントが高い状態」と言える。 ロイヤルティ

    【Loyalty】 とは・・・ 会社と従業員の関係でのロイヤルティとは、従業員が会社へ「忠誠」や高 い「帰属意識」を持って「忠実」に行動すること。会社が圧倒的に権力を 持っており、従業員が会社に尽くす状態。主従関係、上下関係がある。 会社 個人 【会社と個人は対等な関係】 【会社が個人に対して圧倒的に強い】 会社 上下関係 個人 異なる意味合いを持つ 従業員満足度 【Employee Satisfaction】 とは・・・ 従業員がどれだけ会社や職場に満足しているかを定量化した もの。「満足している状態」と「自発的に貢献しようとする状態」 は必ずしもイコールとはならない。 熱意 貢献 意欲 報酬 待遇 環境 【与えられるモノの上に成り立つ】 従業員満足 会社 個人 報酬 待遇 環境 出典:新居佳英、松林博文,『組織の未来はエンゲージメントで決まる』,2018年、柴田彰,『エンゲージメント経営』,2018年 Copyright Otemon Gakuin 法人事務局, 2022
  9. エンゲージメントがもたらす組織のパフォーマンスへの影響 12 ①企業業績への影響 上位25%・下位25%のチームの中央値の差を表したもの(ギャラップ調べ) 収益性 生産性 EPS(株価収益率) 顧客満足度 品質の欠陥 離職率(高い組織)

    離職率(低い組織) 事故 欠勤 22% 21% 47% 10% -41% -25% -65% -50% -37% ➢ エンゲージメントが高いチームは低いチームより、収益性が22%、生産性が21%、 顧客満足度も10% 、EPS(株価収益率)は47%も上回るという結果が出た。 ➢ 離職率は大幅に低く、事故や品質の欠陥、欠勤も少ないという相関も明らかになっ ている。 ②離職率への影響 アメリカの経営・人事管理コンサルティング会社CEBが実施した27か国、10業種 59社、5万人を対象とした大規模な調査。 9.2% 1.2% エンゲージメントの特に低い従業員 エンゲージメントの特に高い従業員 ➢ エンゲージメントの高い従業員が1年以内に離職する可能性は1.2%、 低い従業員は9.2%と大きな差がある。 ➢ エンゲージメントの低い従業員に何らかの働きかけを行って、そのエンゲー ジメントを向上させることが出来れば、離職を87%減らせる。 -87% 1年以内の離職可能性 出典:新居佳英、松林博文,『組織の未来はエンゲージメントで決まる』,2018年 Copyright Otemon Gakuin 法人事務局, 2022
  10. エンゲージメントドライバー(エンゲージメントの高低に関わる要素) 13 13 個人 (従業員) 会社 ◦理念戦略 ・ミッション・ビジョンへの共感 ・会社の方針や事業戦略への納得感 ・経営陣に対する信頼

    ◦組織風土 ・キャリア機会の提供 ・挑戦する風土 ・部署間での協力 ・称賛への妥当性 ◦環境 ・職場環境への満足度 ・ワーク・ライフ・バランス ・給与への満足感 上司 仲間 仕事 組織 風土 理念 戦略 自己 成長 支援 承認 健康 環境 人間 関係 職務 ◦人間関係 ・上司との関係 ・仕事仲間との関係 ◦承認 ・成果に対する承認 ・発言・意見に対する承認 ・評価への納得感 ◦自己成長 ・達成感 ・成長機会 ◦支援 ・職務上の支援 ・自己成長への支援 ・使命や目標の明示 ・同僚からの困難時の支援 ◦職務 ・やりがい ・裁量 ◦品質・顧客思考 ・質の高いサービスの提供 ・顧客中心 ◦健康 ・仕事量 ・ストレス反応 品質・ 顧客思考 Employ Engagement 組織に対する 自発的な貢献意欲 Work Engagement 主体的に仕事に取り組んでい る心理状態 出典:新居佳英、松林博文,『組織の未来はエンゲージメントで決まる』,2018年、柴田彰,『エンゲージメント経営』,2018年 Copyright Otemon Gakuin 法人事務局, 2022
  11. 2019年度 事務職員対象エンゲージメント調査アンケート結果サマリ 14 14 組織 風土 理念 戦略 自己 成長

    支援 承認 健康 環境 人間 関係 職務 品質・ 顧客思考 総合評価(eNPS値)▲43.4% ドライバー スコア 平均 乖離 会社 理念戦略 組織風土 環境 仲間 人間関係 承認 上司 自己成長 支援 仕事 職務 品質・顧客志向 健康 総平均 推奨者 中立者 批判者 13.2% 30.2% 56.6% 総合 学院に対する評価が 相対的に低い 健康に対する不安 Copyright Otemon Gakuin 法人事務局, 2022 詳 細 数 値 は 非 公 表
  12. 【参考】eNPSの業界平均値等 15 15 https://www.bebit.co.jp/column/article/enpsresearch-1 一部上場 二部上場 未上場 【2017年度 業界別eNPS値】 【2017年度

    業界別eNPS値】 「正当な報酬を得られている」とeNPSが高くなる 「正当な評価が得られている」とeNPSが高くなる 「顧客のために仕事をしている」とeNPSが高くなる 【eNPS値を向上させる三大要素】 1位 正当な報酬を得られていると感じること(報酬) 2位 正当な評価を得られていると感じること(評価) 3位 顧客への貢献実感を持つこと(貢献実感) 正当な報酬を得られていると感じるか 正当な評価を得られていると感じるか 顧客のための仕事をしていると感じるか eNPS eNPS eNPS 教育業は -55% Copyright Otemon Gakuin 法人事務局, 2022
  13. 3年間のエンゲージメント推移 16 16 2019年度 総合評価(eNPS値)▲43.4% 推奨者 中立者 批判者 13.2% 30.2%

    56.6% 総合 2020年度 総合評価(eNPS値)▲35.5% 推奨者 中立者 批判者 14.1% 36.4% 49.6% 総合 2021年度 総合評価(eNPS値)▲29.0% 推奨者 中立者 批判者 15.3% 40.5% 44.3% 総合 3年間で14.4%の改善! Copyright Otemon Gakuin 法人事務局, 2022
  14. 2019年度 事務職員対象エンゲージメント調査アンケート結果サマリ 19 19 【報酬】 【評価】 【顧客貢献実感】 二極化 やや二極化 相対的に高い

    極めて少数ながら組織に対する 嫌悪的不満層が存在 極めて少数ながら組織に対する 嫌悪的不満層が存在 eNPS値を向上させる三大要素である「報酬」・「評価」・「顧客貢献実感」のスコア分布を密度曲線で表示すると、 「報酬」と「評価」については、スコアが二極化しており、満足している層と、不満足な層に顕著に分かれている。 しかしながら、「顧客貢献実感」については、右寄りのロングテール型となっており、ほとんどの専任職員が学生等に対 して高いモチベーションと貢献実感をもって、業務に当たっていることがわかる。 すなわち、学校教育機関で働くことの意義と役割を的確に見据えている職員像で構成された健全な組織であると いうことがいえるものの、報酬や評価に対しては一定層が不満を持っていることも課題といえる。 Copyright Otemon Gakuin 法人事務局, 2022
  15. 2019年度 事務職員対象エンゲージメント調査アンケート結果サマリ 20 20 属人情報(役職・年齢・給与水準など)の違いは、eNPSに有意な差を見出すことはできなかった。 【分析方法】 eNPSを目的変数に設定し、属人情報(役職・年齢・給与水準など)を含めた全パラメータを予測変数として、線形回帰分析を実施。 なお、有意とするP-Valueは0.05に設定。 【変数重要度】 メソッドは”First

    Variable”、信頼区間0.95、ブートストラップ法はパーセンタイル20回の反復で実施。 【データの前処理】 サンプル数50,000のランダムシードを1つ作成して実施 結論として、役職の有無や年齢・性別・給与といった 属人情報の違いは、eNPSの高低に影響を与えないということがわかる。 Copyright Otemon Gakuin 法人事務局, 2022
  16. 2019年度 事務職員対象エンゲージメント調査アンケート結果サマリ 21 21 何をどうすればeNPSの数値を高められるか? 最も効果的な因子を機械学習(ランダムフォレスト)で推定。 第1位: (理念戦略) Q4. 追手門学院で働くことに誇りを感じる

    第2位: (理念戦略) Q3. 経営陣の学校運営が信頼できると感じる 学校法人追手門学院におけるeNPS向上のためには、 ・ 組織で働くことの誇り ・ 経営陣の学校運営への信頼 が最も強い因子として働いていることが予測された。 Q3 eNPS Correlation:0.81269329689 P-Value:8.97941e-24 Q4 eNPS Correlation:0.77613889917 P-Value:1.56948e-20 Copyright Otemon Gakuin 法人事務局, 2022
  17. 2019年度 事務職員対象エンゲージメント調査アンケート結果サマリ 22 22 何をどうすれば「経営陣の学校運営への信頼」を高められるか? 最も効果的な因子を機械学習(ランダムフォレスト)で推定。 Q7. 学内で誰かが評価されたとき、その評価は適切であると感じる Q8. 成果を出すための効果的な組織体制が整備されていると感じる

    これらランダムフォレストに基づく予測から導ける仮説は ・組織においてeNPSを向上させるためには、「経営陣の学校運営への信頼」を高めることが必須であり ・そのためには組織内における「評価の客観性」と「組織体制整備」が重要であるとわかる Copyright Otemon Gakuin 法人事務局, 2022
  18. 25 組織・人事制度改革の検討 4つの職務区分 時間からの解放 ➢ 職域&職責による4つの職務区分 ➢ 専門職は、専門性の高さに応じて、フェロ―、 上級専門職、中級専門職を設定 ➢

    総合管理職と専門職はポスト制 ➢ 専門職と特定事務職は、JOB型として、原則 異動なし ➢ 個人のキャリア志向に応じて、区分を選択す ることも可能 ➢ 2025年の総持寺への全面移転に伴うフリー アドレス化や「NEW NORMAL」を前提として、 時間からも解放された働き方の実現 ➢ 勤務時間中「居ればよい」という発想から「成 果」や「仕事を納品する」というワークスタイル への転換 Copyright Otemon Gakuin 法人事務局, 2022
  19. 修正案のメリット 27 27 この修正案の方向性のメリットについて、どのように考えますか? 働き方に対する意識の変化 ➢ 明確に成果を意識した働き方に変わって いくという認識を大多数が持ち始めている。 キャリア志向が尊重される ➢

    自身のキャリア志向やキャリアパスが尊重 されながら、専門性などを含むキャリアの 積み重ねが可能となる。 モチベーションの向上 ➢ 自身のキャリアが尊重され、成果を出すこ とで、より一層の給与への反映が実現す ることにモチベーションの向上を感じる。 Copyright Otemon Gakuin 法人事務局, 2022
  20. 修正案のデメリット 28 28 この修正案の方向性のデメリットについて、どのように考えますか? 【マネジメント的視点】 評価制度に対する不安 ➢ マネジメントにより、部署ごとに成果に対する取り 組み方の差がでてきてしまうのではないか。 ➢

    成果に直結しない業務に取り組まざるを得ない 職員がでてきてしまうかもしれない。 【個人的視点】 ➢ 上司のマネジメントや評価次第で大きく結果が 変わってくるのではないか。 ➢ 成果を出せる職員と出せない職員の格差が拡 大するのではないか。 2021年1月30日理事会における 監事講評にて指摘された通り、 適切な評価制度の運用は必須事項 Copyright Otemon Gakuin 法人事務局, 2022
  21. 職務区分別 評価視点イメージと現行制度との親和性 29 新たな職務区分の制度を導入したとしても、これまでの制度を大きく変えるものではない。 現状の制度・システムの中で、役割・機能や評価要素をより一層明確化することが主眼。 【現行の評価制度】 評価項目 評価要素 評価の定義と対象 ①重点目標

    成果目標の達成状況 成果目標の達成状況を含めて、その過程と 成果を評価する。 ②役割基準 各等級に求められる 役割としての行動 日々の職務状況を含めて、在位する等級の 役割を果たせているかの状況を評価する。 ③-1 求められる能力 能力要件 職務の遂行に必要な知識・経験・技量等を 含めて、在位等級に相応しい能力要件を評 価する。 ③-2 職務遂行能力 (管理職のみ) 能力要件 職務の遂行に必要な知識・経験・技量等を 含めて、役職に相応しい能力要件を評価す る。 ③-3 マネジメント・コンピテンシー (管理職のみ) 管理職の責務と組織開発 業務成果、人材育成、改革改善、組織開 発を評価する。 重点目標は、長期計画2030や中 期経営戦略に基づく部局の成果 (部局目標)やKPIの達成であるこ とを明確化する。 政策・企画立案へのコミットが強く求 められる総合職と、専門性をもって定 型・定常業務にコミットする専門職と で期待される役割・機能を明確化す ることで、個々人のキャリア志向・働き やすさを担保しながら、組織としての 目指すべき成果を生み出す。 評価システムそのものを変更するわけではありません! 管理職の役割・機能を明らかにしつつ、 待遇に沿った組織への強力なコミット メントを求める。 降格制度等を整え、新陳代謝を図る。 Copyright Otemon Gakuin 法人事務局, 2022
  22. 属性分析による反対意見保有者の傾向 30 30 賛成:83.0% 2020年12月 意見交換会 反対 17.0% 賛成:91.0% 反対

    8.9% 2020年12月 意見交換会 属性による有意差なし 2021年1月 意見交換会 属性による有意差を検出 2021年1月 意見交換会 Copyright Otemon Gakuin 法人事務局, 2022
  23. 勤続年数 評価結果 性別 累積超過勤務 年齢 役職 等級 年収 属性分析による反対意見保有者の傾向 「勤続年数」、「評価結果」、「性別」といった属性により、賛否が分かれるという結果が出た。

    31 【ロジスティック回帰による分析】 AUC:0.93 正解率:0.93 適合率(Precision):1 検出力(Recall):0.88 P値:0.0027 SMOTEによる不均衡の調整済み Copyright Otemon Gakuin 法人事務局, 2022
  24. 女性の観点から見るデメリット 33 33 家庭との両立に不安 ➢ 成果主義が突き詰められていくことで、 人事異動や給与の差に対する不安が 見られる。 ➢ しかし、これらの不安の源泉は、「家庭」、

    「育児」、「時短」、「ライフイベント」など、 仕事と家庭の両立に関する不安から出 ていることがわかる。 ➢ これからの「成果」を意識した働き方への シフトの中で、育児をしながら働くことな どについて周囲の理解を得られるのか、 組織風土への不安も現れている。 女性の意見だけを抽出・分析することで、全体に埋没してしまった女性が抱える不安を焙り出す Copyright Otemon Gakuin 法人事務局, 2022
  25. 学内へのメッセージ 34 34 ◆ 賛成が9割を超えたことを踏まえ、当該方向性で詳細設計を進める。 「成果主義が、個人を犠牲にすることは無い」ことを徹底する ※成果というと、どうしても「厳しい無限ノルマ」のイメージを有している人がいる。 しかし、ここでいう成果とは、中期経営戦略等で定めた「KGI」そして「KPI」を意味しており 無限の成果を求めているのではなく、組織にコミットされた成果に限定されている。 大多数の職員が方向性には賛成しつつも、「評価」への懸念が払拭されていない。

    マネジメントの在り方や評価制度の運用を中心に、丁寧に議論を進める。  懸念事項の克服が必須 反対意見を有する方々の不安に対して、丁寧に応えていく。 → 激変緩和策を設けることに加え、排斥が目的ではないことを丁寧に説明。 特に女性の不安を解消するため、「働きやすさ支援策」を充実させていく。 → 時短制度が無くなると誤解されている方への、正しい説明なども必須。  少数意見への配慮 ◆ 引き続き、背景や考え方についての理解と浸透も徹底する Copyright Otemon Gakuin 法人事務局, 2022
  26. エンゲージメントドライバー 「経営陣への信頼」 35 35 2019 2021 ランダムフォレストによって学院のエンゲージ メント向上に最も関係するとされた「経営 陣への信頼」は、2019年から2021年の 3年間で、改善の向きへ!

    全体的に右寄りへ 【私たちの気づき】 ➢ 私たちは統計の専門家ではなく、経営 に責任を負っており、最速で最善の選 択肢を取りたいだけ。 ➢ Exploratoryによって、これまでの私 たちでは得ることのできなかったインサイ トを、誰でも普通に得ることができるよ うになった。 Copyright Otemon Gakuin 法人事務局, 2022
  27. 3年間のエンゲージメント推移 36 36 2019年度 総合評価(eNPS値)▲43.4% 推奨者 中立者 批判者 13.2% 30.2%

    56.6% 総合 2020年度 総合評価(eNPS値)▲35.5% 推奨者 中立者 批判者 14.1% 36.4% 49.6% 総合 2021年度 総合評価(eNPS値)▲29.0% 推奨者 中立者 批判者 15.3% 40.5% 44.3% 総合 3年間で14.4%の改善! Copyright Otemon Gakuin 法人事務局, 2022