RSGT2022で使用した発表資料です。
https://confengine.com/conferences/regional-scrum-gathering-tokyo-2022/proposal/16122
マネージャーが、スクラムチームとともに良い未来をつくるためにできること
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石毛 琴恵(いっしー)エンジニアリングマネージャー@アカツキoturu333furoshiki.fm2
石毛 琴恵(いっしー)エンジニアリングマネージャー@アカツキoturu333furoshiki.fm3
4新規チームエンジニアリングが必要な変更(機能改修、機能追加)運用チームエンジニアリングが不要な変更(イベント追加、ガチャ更新等)プロジェクトPL190人
5新規チーム 運用チームセクションセクションセクションセクションセクションセクションプロジェクトPL
6新規チーム 運用チームセクションセクションセクションセクションセクションセクション● プロジェクト全体の課題解決● エンジニア / SMのコーチング、目標設定、評価● エンジニア採用、社内異動プロジェクトPL
7新規チーム 運用チームPLセクションセクションセクションセクションセクションセクションプロジェクト全体の課題解決プロジェクト
8新規チーム 運用チームPLLeSSの導入2020/01〜2021/03SMにパスセクションセクションセクションセクションセクションセクションプロジェクト全体の課題解決プロジェクト
9新規チーム 運用チームPLLeSSの導入2020/01〜2021/03SMに委譲セクションセクションセクションセクションセクションセクションプロジェクト全体の課題解決プロジェクトScrumFestOsaka2021CEDEC2021
10新規チーム 運用チームPL プロセス改善2021/04〜現在セクションセクションセクションセクションセクションセクションプロジェクト全体の課題解決プロジェクト
11新規チーム 運用チームPLセクションセクションセクションセクションセクションセクションプロジェクト全体の課題解決プロジェクト
12新規チーム 運用チームPLセクションセクションセクションセクションセクションセクション● エンジニア / SMのコーチング、目標設定、評価● エンジニア採用、社内異動プロジェクト
13今日お話すること2021/01のLeSSな開発プロセスの導入から1年が経ち、導入直後はSMとして、導入から3ヶ月たった頃から、マネージャーとしてスクラムチームと関わるようになりました。その中で自分がどのように関わることによって、スクラムチームを阻害せず、より良い方向へ進んでいけるのかを迷い、試してみたことをお話します。
14アジェンダ◂ マネージャーはスクラムチームが自律する邪魔になる?◂ SMとの認識がずれ始めた?◂ まとめ
1.マネージャーはスクラムチームが自律する邪魔になる?
16SMをやめたときに思っていたこと◂ スクラムチームから距離を取ったほうが、メンバーが自律的に動けるようになるだろう◂ SMもいるので、自分がやることはもうないだろう
17離れて観察してみて気づいたこと自発的に改善のための行動をする人が少ない◂ 気になっても言わない、やったら良いと思っているのに提案しない◂ 1on1で話を聞くと、メンバーは「こうしたら良い / やりたいと思うけど、チームに望まれているか分からない」という趣旨の発言が散見した
「自分たちで考えて改善していくことを望んでいる」と言葉では伝えているが、伝わっていない18
19自分に何が出来るか● プロジェクト目標(プロダクトゴール)がある● セクションごとに目標を立てる文化があるが、スクラムチームで認識が揃っていないために達成できない(自分たちだけでは実現できない)ものも多い○ 例えば「速度改善をしていきたい」と目標を掲げても、優先度次第になる個人目標セクション目標個人目標 個人目標スクラム(新規)チームプロジェクトプロジェクト目標(プロダクトゴール)
20自分に何が出来るか個人目標セクション目標個人目標 個人目標スクラム(新規)チーム目標を作る文化は定着しているし、意識されている。ただ、達成できないことも多いため、やや形骸化している。良いかんじに目標設計を整理してやってほしいことを明確に伝え、認識が揃ったセクション目標を立てられれば良いのではないか。????プロジェクトプロジェクト目標(プロダクトゴール)
21やったことPLやPO、SMと相談して、スクラムチームの行動目標を作り、セクション目標を新規チーム内で共有する場を作った。● 常に改善し続けよう● 保守的にならず、小さく失敗して学んでいこう● HRTを大事にしよう● 相手(仲間、ユーザー)の立場に立って考えよう個人目標セクション目標個人目標 個人目標スクラム(新規)チームスクラムチーム行動目標プロジェクトプロジェクト目標(プロダクトゴール)
すると、良い行動が生まれ始めた22セクション目標が実現性があり、自発性を感じるものに変わった。そこから行動が見られるようになった。◂ ペアワーク・モブワークが増えた◂ エンジニア主導で、HackDayを提案 & 実施◂ 2日 / 半年、重すぎないが後回しになる改善タスクへの着手をしてみよう◂ 大きな改善に取り組むためのチームができた
感じたこと◂ 行動目標という共通言語があることで、立場に関わらず動きやすくなったんだろう◂ 「自己管理をしてね」と思っていたが、セオリーと違っていても、結果的に自己管理ができるチームになれれば良いんだな23
2.SMとの認識がずれ始めた?
25◂ SMとは隔週で1on1し、SMのデイリーMTGも大体参加していた◂ 中長期的にSMがやりたいことが見えなくなったような違和感。SM同士でもずれている気がする◂ どこまで関与して良いのか分からない…SMに任せておいたほうが良いのだろうか…SMを離れてから半年ほどが経ち…
SMも悩んでいた◂ 大規模スクラムだと、SMが複数人いて(弊社だと3名)、みんなで認識を合わせるのが大変、時間がかかる◂ SMの交代もあり、都度の認識合わせの時間が増えた◂ みんながこれをやりたいのか分からない26
やったこと◂ SMと1on1をして◂ 悩みの壁打ちをする◂ 問いかけをしてみるあまり効果はなかった27
SMの1人の個人目標設定をきっかけに…◂ 個人の目標を立てようとしたときに、SM内で優先度や現在地の認識のズレが顕著に◂ そこで「みんなはいつまでにどんな状態になっていたら良いと思ってる?」と聞いてみた◂ SM同士で、SMにとっての理想を話し合うことになった28
SMの目標(共通認識)ができたSMにとっての理想の状態と、自分からの情報(PLの考えや、運用チームの情報)を伝え合いSM-EM間でありたい姿や温度感の認識を揃えることができた。「SMの目標」として、アウトプットができた。29
良い変化があった◂ チームメンバーだけでは対応が難しい課題にSMが動いてくれることになった◂ これまで自分がハブとなっていた人たちともSMが直接会話をし、一緒に改善していこうとするアクションが見られた30
感じたこと31◂ SMを委譲してスクラムチーム以外と仕事をするようになり、持つ情報が増えた。そこで得た情報をスクラムチームに共有することにより、スクラムチームにとっても良いことがあった◂ スクラムマスターに悩みを打ち明けることで一緒に解決してくれる仲間が増えた
3.まとめ
“33スクラムマスターは、スクラムチームと、より⼤きな組織に奉仕する真のリーダーである。スクラムガイド
“34ミドルマネージャーの役割は全体を見渡し、素晴らしいプロダクトを作るために強い組織を作ることです。チームとスクラムマスターが取り組んでいる障害の排除と改善を手助けすべきです。less.works
より良い未来を作るとは「あたりまえ」を変え続けること35POたくさん作るにはたくさん人が必要効率を上げていくことも大事エンジニアレビューで認識を合わせるリーダーが忙しいのは普通ペアワーク・モブワークリーダーでなくてもできる仕事はみんなできるようになろう検証テスト項目を作れる人は一部のみテスト項目を全員作れるようになろうLeSS導入以降、「あたりまえ」は変化し続けている
スクラムチームとともにより良い未来を作るためにマネージャーとして、自分ができること36変化をしたい人たちの背中を押す主体的に行動しやすい環境作りや、情報提供、個人への声かけ。改善のプロセスをサポートする現状把握、理想のない状態は改善ができない。少し離れているからこそ、そういった状態にアドバイスができる。
(余談)あくまで間接的であることが大事37新規チーム(なくなったミッション)● エンジニアの目標設定、評価● エンジニア採用、社内異動エンジニアの目標設定、評価(ついでに採用)は、段階的に委譲しました。「評価者」という状態は影響力が強いので、良かったかなと思います。