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マネージャーが、スクラムチームとともに良い未来をつくるためにできること / RSGT2022

Kotoe Ishige
January 06, 2022

マネージャーが、スクラムチームとともに良い未来をつくるためにできること / RSGT2022

Kotoe Ishige

January 06, 2022
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Transcript

  1. マネージャーが、
    スクラムチームとともに
    良い未来をつくるために
    できること

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  2. 石毛 琴恵(いっしー)
    エンジニアリングマネージャー@アカツキ
    oturu333
    furoshiki.fm
    2

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  3. 石毛 琴恵(いっしー)
    エンジニアリングマネージャー@アカツキ
    oturu333
    furoshiki.fm
    3

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  4. 4
    新規チーム
    エンジニアリングが必要な変更
    (機能改修、機能追加)
    運用チーム
    エンジニアリングが不要な変更
    (イベント追加、ガチャ更新等)
    プロジェクト
    PL
    190人

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  5. 5
    新規チーム 運用チーム





    セクション
    セクション
    セクション
    セクション
    セクション
    プロジェクト
    PL

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  6. 6
    新規チーム 運用チーム





    セクション
    セクション
    セクション
    セクション
    セクション
    ● プロジェクト全体の課題解決
    ● エンジニア / SMのコーチング、目標設定、評価
    ● エンジニア採用、社内異動
    プロジェクト
    PL

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  7. 7
    新規チーム 運用チーム
    PL





    セクション
    セクション
    セクション
    セクション
    セクション
    プロジェクト全体の課題解決
    プロジェクト

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  8. 8
    新規チーム 運用チーム
    PL
    LeSSの導入
    2020/01〜2021/03
    SMにパス





    セクション
    セクション
    セクション
    セクション
    セクション
    プロジェクト全体の課題解決
    プロジェクト

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  9. 9
    新規チーム 運用チーム
    PL
    LeSSの導入
    2020/01〜2021/03
    SMに委譲





    セクション
    セクション
    セクション
    セクション
    セクション
    プロジェクト全体の課題解決
    プロジェクト
    ScrumFestOsaka2021
    CEDEC2021

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  10. 10
    新規チーム 運用チーム
    PL プロセス改善
    2021/04〜現在





    セクション
    セクション
    セクション
    セクション
    セクション
    プロジェクト全体の課題解決
    プロジェクト

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  11. 11
    新規チーム 運用チーム
    PL





    セクション
    セクション
    セクション
    セクション
    セクション
    プロジェクト全体の課題解決
    プロジェクト

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  12. 12
    新規チーム 運用チーム
    PL





    セクション
    セクション
    セクション
    セクション
    セクション
    ● エンジニア / SMのコーチング、目標設定、評価
    ● エンジニア採用、社内異動
    プロジェクト

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  13. 13
    今日お話すること
    2021/01のLeSSな開発プロセスの導入から1年が経
    ち、導入直後はSMとして、導入から3ヶ月たった頃か
    ら、マネージャーとしてスクラムチームと関わるよう
    になりました。
    その中で自分がどのように関わることによって、スク
    ラムチームを阻害せず、より良い方向へ進んでいける
    のかを迷い、試してみたことをお話します。

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  14. 14
    アジェンダ
    ◂ マネージャーはスクラムチームが自律する邪
    魔になる?
    ◂ SMとの認識がずれ始めた?
    ◂ まとめ

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  15. 1.
    マネージャーはスクラムチームが
    自律する邪魔になる?

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  16. 16
    SMをやめたときに思っていたこと
    ◂ スクラムチームから距離を取ったほうが、メ
    ンバーが自律的に動けるようになるだろう
    ◂ SMもいるので、自分がやることはもうないだ
    ろう

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  17. 17
    離れて観察してみて気づいたこと
    自発的に改善のための行動をする人が少ない
    ◂ 気になっても言わない、やったら良いと思ってい
    るのに提案しない
    ◂ 1on1で話を聞くと、メンバーは「こうしたら良
    い / やりたいと思うけど、チームに望まれている
    か分からない」という趣旨の発言が散見した

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  18. 「自分たちで考えて改善していく
    ことを望んでいる」と言葉では
    伝えているが、伝わっていない
    18

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  19. 19
    自分に何が出来るか
    ● プロジェクト目標(プロダ
    クトゴール)がある
    ● セクションごとに目標を立
    てる文化があるが、スクラ
    ムチームで認識が揃ってい
    ないために達成できない(
    自分たちだけでは実現でき
    ない)ものも多い
    ○ 例えば「速度改善をしていき
    たい」と目標を掲げても、優
    先度次第になる
    個人目標
    セクション目標
    個人目標 個人目標
    スクラム(新規)チーム
    プロジェクト
    プロジェクト目標(プロダクトゴール)

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  20. 20
    自分に何が出来るか
    個人目標
    セクション目標
    個人目標 個人目標
    スクラム(新規)チーム
    目標を作る文化は定着している
    し、意識されている。ただ、達
    成できないことも多いため、や
    や形骸化している。
    良いかんじに目標設計を整理し
    てやってほしいことを明確に伝
    え、認識が揃ったセクション目
    標を立てられれば良いのではな
    いか。
    ????
    プロジェクト
    プロジェクト目標(プロダクトゴール)

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  21. 21
    やったこと
    PLやPO、SMと相談して、ス
    クラムチームの行動目標を作り
    、セクション目標を新規チーム
    内で共有する場を作った。
    ● 常に改善し続けよう
    ● 保守的にならず、小さく失
    敗して学んでいこう
    ● HRTを大事にしよう
    ● 相手(仲間、ユーザー)の
    立場に立って考えよう
    個人目標
    セクション目標
    個人目標 個人目標
    スクラム(新規)チーム
    スクラムチーム行動目標
    プロジェクト
    プロジェクト目標(プロダクトゴール)

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  22. すると、良い行動が生まれ始めた
    22
    セクション目標が実現性があり、自発性を感じるもの
    に変わった。そこから行動が見られるようになった。
    ◂ ペアワーク・モブワークが増えた
    ◂ エンジニア主導で、HackDayを提案 & 実施
    ◂ 2日 / 半年、重すぎないが後回しになる改善タ
    スクへの着手をしてみよう
    ◂ 大きな改善に取り組むためのチームができた

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  23. 感じたこと
    ◂ 行動目標という共通言語があることで、立場
    に関わらず動きやすくなったんだろう
    ◂ 「自己管理をしてね」と思っていたが、セオ
    リーと違っていても、結果的に自己管理がで
    きるチームになれれば良いんだな
    23

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  24. 2.
    SMとの認識がずれ始めた?

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  25. 25
    ◂ SMとは隔週で1on1し、SMのデイリーMTG
    も大体参加していた
    ◂ 中長期的にSMがやりたいことが見えなくなっ
    たような違和感。SM同士でもずれている気が
    する
    ◂ どこまで関与して良いのか分からない…SMに
    任せておいたほうが良いのだろうか…
    SMを離れてから半年ほどが経ち…

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  26. SMも悩んでいた
    ◂ 大規模スクラムだと、SMが複数人いて(弊社
    だと3名)、みんなで認識を合わせるのが大変
    、時間がかかる
    ◂ SMの交代もあり、都度の認識合わせの時間が
    増えた
    ◂ みんながこれをやりたいのか分からない
    26

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  27. やったこと
    ◂ SMと1on1をして
    ◂ 悩みの壁打ちをする
    ◂ 問いかけをしてみる
    あまり効果はなかった
    27

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  28. SMの1人の個人目標設定をきっかけに…
    ◂ 個人の目標を立てようとしたときに、SM内で
    優先度や現在地の認識のズレが顕著に
    ◂ そこで「みんなはいつまでにどんな状態にな
    っていたら良いと思ってる?」と聞いてみた
    ◂ SM同士で、SMにとっての理想を話し合うこ
    とになった
    28

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  29. SMの目標(共通認識)ができた
    SMにとっての理想の状態と、
    自分からの情報(PLの考えや、
    運用チームの情報)を伝え合い
    SM-EM間でありたい姿や温度感
    の認識を揃えることができた。
    「SMの目標」として、アウトプ
    ットができた。
    29

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  30. 良い変化があった
    ◂ チームメンバーだけでは対応が難しい課題に
    SMが動いてくれることになった
    ◂ これまで自分がハブとなっていた人たちとも
    SMが直接会話をし、一緒に改善していこうと
    するアクションが見られた
    30

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  31. 感じたこと
    31
    ◂ SMを委譲してスクラムチーム以外と仕事をす
    るようになり、持つ情報が増えた。そこで得
    た情報をスクラムチームに共有することによ
    り、スクラムチームにとっても良いことがあ
    った
    ◂ スクラムマスターに悩みを打ち明けることで
    一緒に解決してくれる仲間が増えた

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  32. 3.
    まとめ

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  33. 33
    スクラムマスターは、スクラムチーム
    と、より⼤きな組織に奉仕する真のリ
    ーダーである。
    スクラムガイド

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  34. 34
    ミドルマネージャーの役割は全体を見渡
    し、素晴らしいプロダクトを作るために
    強い組織を作ることです。チームとスク
    ラムマスターが取り組んでいる障害の排
    除と改善を手助けすべきです。
    less.works

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  35. より良い未来を作るとは「あたりまえ」を変え続けること
    35
    PO
    たくさん作るにはたくさん人
    が必要
    効率を上げていくことも大事
    エンジニア
    レビューで認識を合わせる
    リーダーが忙しいのは普通
    ペアワーク・モブワーク
    リーダーでなくてもできる仕事
    はみんなできるようになろう
    検証
    テスト項目を作れる人は一部
    のみ
    テスト項目を全員作れるよう
    になろう
    LeSS導入以降、「あたりまえ」は変化し続けている

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  36. スクラムチームとともにより良い未来を作るために
    マネージャーとして、自分ができること
    36
    変化をしたい人たちの背中を押す
    主体的に行動しやすい環境作りや、情報提供、個人への声か
    け。
    改善のプロセスをサポートする
    現状把握、理想のない状態は改善ができない。
    少し離れているからこそ、そういった状態にアドバイスがで
    きる。

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  37. (余談)あくまで間接的であることが大事
    37
    新規チーム
    (なくなったミッション)
    ● エンジニアの目標設定、評価
    ● エンジニア採用、社内異動
    エンジニアの目標設定、評価(ついでに
    採用)は、段階的に委譲しました。
    「評価者」という状態は影響力が強いの
    で、良かったかなと思います。

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