「中央大学 AI・データサイエンスセンターオンライン・レクチャーβ:社会の未来」株式会社日本データ取引所

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AI・データサイエンスセンター  オンライン・レクチャーβ：社会の未来   株式会社日本データ取引所（上島邦彦）  2022年3月3日  1 ※本発表は登壇者の見解に基づいて行われ、所属組織の公式見解を示すものではありません。

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自己紹介 ▪略歴上島邦彦（1988-）。創業メンバーとして事業企画に従事。データマーケットプレイス企画推進、データ戦略・実践コンサルティングに携わる。「データ流通市場の歩き方」編集部員。研究データ利活用協議会「データ共有・公開制度検討部会」委員。データ社会推進協議会技術基準検討委員会「データ品質TG」副主査。 ▪対外発表など「データ流通市場から見た研究データへの期待」（2018）「PR効果測定のための複数組織間のデータ流通プロセス設計（2019）「プロモーション効果測定フレームワークを応用した時系列解析」（2020）「研究データの公開・利用条件指定ガイドラインの策定」（2020）「データ流通市場におけるデータ公開の事例・論点」（2020）「ウェブアーカイヴの市場価値とビジネス利用をめぐって」（2021）「日本における研究データ公開の利用条件明確化のためのワークフロー検討・開発」（2021）「センシングデータのデータ品質基準策定に向けた提案」（2022）

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はじめに……前提共有 • 会社紹介……データ取引所とは？ • これから求められる人材像……データブローカーとは？ • 社会の未来について……「データの民主化」とは？ 3 目次

view only 4 はじめに 

前提共有1 2月24日、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が現実のものとなりました。「国際秩序」を揺るがす行為に世界は激しく動揺。ウクライナ危機は、わたしたちが暮らす日本にも深刻な影響を及ぼそうとしています。出所：NHKニュースWEB「ウクライナ危機　～いま、世界で起きていること～」

前提共有2 出所：厚生労働省「データからわかる－新型コロナウイルス感染症情報－」（CC-BY 4.0）

前提共有3 出所：日本赤十字社「新型コロナ禍と若者の将来不安に関する調査（ 2021年）」（n=600のうち、大学生の回答率） 49.0％何もしたくなくなる、無気力 35.0％孤独を感じ1人でいるのが不安 51% （日本・Z世代）今後12か月間の経済見通し「悪化する」出所：デロイトトーマツグループ「ミレニアル・ Z世代年次調査（2021年）」（n=801） 84.6% （16～29歳）新しい知識や教養を身につけておきたい出所：NHK「全国メディア意識世論調査（2020年）」（n=2055, 16～29歳はn=227）

前提共有4 入学してからずっとコロナ禍で、入学した実感が無く、このまま卒業してしまうと、何のための4年間だったのか分からなくなる。特に去年は早く社会人になりたいと思うほどに大学生活に魅力を感じられなかった。サークルが出来ずに2年になってしまい、友達がほとんどいない、もう諦めている。ゼミ選びや就活について、気軽に相談したり愚痴を言える友達があまりいない。いつ何をすれば良いのかがつかめない。パソコンに向かうだけの授業だと、身についているのか不安。パソコンやスマホを見る時間が長く、視力が落ちた。今、大学に入学して良かったことが思いつかない自分に焦る。（2年/女性/自宅）出所：全国大学生活協同組合連合会「新型コロナ禍と若者の将来不安に関する調査（ 2021年）第57回（2021年秋実施）学生生活実態調査　速報」

前提共有5 「社会の未来」について話すのは、正直なところ気が重いです。

前提共有6 明るい話はあまりできませんが、私たちのありのままを伝えます。将来について冷静に、別の視点から考えるきっかけになれば、うれしいです。

view only 11 会社紹介 

事業紹介 • データ戦略・実践コンサルティングとデータマーケットプレイスのふたつを手がけています。データ戦略・実践コンサルティング戦略策定、企画立案、制度設計、パートナー探しから実用化までご支援します。お手持ちのデータを簡単に出品できて、欲しいデータをすぐに探せます。データマーケットプレイス

• データ活用の各工程で求められる実務サポート、知識・スキルの習得支援、助言提供などを行っています。データ戦略・実践コンサルティング A.情報収集 01.国際潮流の理解 02.対象市場の動向把握 03.自組織の事情聴取 F結論づけ 16.示唆と教訓 17.企画と提言 18.実践と展開 E.分析 13.基本集計・グラフ・図表化 14.データビジュアライゼーション 15.統計解析と機械学習（AI） B.問題設定 04.基本戦略 05.組織開発 06.ビジネス課題の特定 C.調査計画 07.リサーチデザイン 08.データの探索と吟味 09.データ調達と契約 D.データ準備 10.メタデータ管理 11.データ前処理 12.データパイプラインデータリテラシー／リーガルマインドデータハンドリング／サイエンス批評精神・想像力

• 社内データ活用、複数社のデータ共有、社外とのデータ売買まで、組織のデータ戦略・実践をサポートしています。企画立案、制度設計、法的相互運用性の検討、パートナー探しから実用化までご支援しています。データ共有事業エコシステム形成調達元の探索から契約統括、分析会社との連携、データ活用法の共同考案までをご支援。データ購入・販売サポート社内外データ活用の高度化に向けた先端事例調査、調査企画支援、データ活用コンサルティングを行います。データ活用戦略・実践プロデュースサービス区分マーケティング効果測定のための KPI体系化及びダッシュボード開発複数メディアをまたがるマーケティング施策を簡易に評価できるダッシュボードを開発したい。データ選定から支援してほしい。顧客の社内データと契約中の第三者データを棚卸しし、消費者行動に即した評価指標を体系化。市販BIツールで可視化しました。ご支援例ご相談例地球環境データ共有プラットフォームメタデータ戦略・法的課題の整理国内外の研究者が共同利用する地球環境情報プラットフォームの構築推進プログラムの認知・利用拡大、法的相互運用性の確保、メタデータ戦略の整理などを行いたい。利用規約、プライバシーポリシー、ライセンス表示、データ引用、メタデータ項目定義などについて、省庁、運営主体、参画機関、研究者、弁護士等との共同で、全体戦略に対する助言、解決策の企画・立案、実務サポートなどを行いました。メディアデータ調達（仲介）データ戦略部門の新設にあたり、デジタルメディアのデータ活用を支援してほしい。新しいデータや技術を用いた分析も行いたい。データ理解、ツール比較、データ加工、レポート作成など一連の業務をマンツーマンで支援。関連データの新規取扱いにつながりました。データ戦略・実践コンサルティング

JDEXとは？ • 自宅でもオフィスでも、売りたいデータを簡単に出品できて、欲しいデータをすぐに探せる会員制ECサイトです。 https://www.service.jdex.jp/

JDEXとは？ • さまざまな機能・サービスを通じて、信頼できる自由なデータ流通をサポートします。 https://www.service.jdex.jp/

例：新型コロナウイルス感染症データライブラリ構築事業 • 2020〜2021年度の新型コロナウイルス感染症に関する主要な情報を要約。 • JDEX会員ならどなたでも無料でダウンロードできます。デザイン：平林美咲制作：「データ流通市場の歩き方」編集部

view only 19 これから求められる人材像 

「数社を渡り歩いて」「限界まで働く」のが当たり前に • 30年前と比べてやや長期化しているものの、日本企業の平均勤続年数は約12年。 • やや古い統計ですが、企業の20年後生存率は約50%ほど。20年後は「5人に2人が75歳まで働く」との推計もあります。出所：国税庁「令和3年分民間給与実態統計調査」、中小企業庁「平成 23年版中小企業白書」 12.4年（’91年比+2）平均勤続年数 52% 企業の20年後生存率出所：社会保障・人口問題研究所「性，年齢（５歳階級）別労働力率の将来推計： 2017～40年」 40.5% （’17年比+12.8%） 70～74歳の労働力率（2040年推計）

専門人材はなかなかいない出所：独立行政法人情報処理推進機構社会基盤センター「DX白書2021 日米比較調査にみる DXの戦略、人材、技術」約 34万人事業会社のIT人材約 101万人 IT企業のIT人材約 6,724万人日本の就業人口出所：厚生労働省「令和 2年版厚生労働白書」（2020） • 「理想の人材像」は数多く語られていますが、「専門知識・スキルを持つ職員」が日本には多くありません。

データマーケットプレイスの利用者像 • データビジネスの現場では、データサイエンス・統計解析のスキルだけでなく、多様な専門家の活躍が求められます。出所：JDEX公式サイト（ https://www.service.jdex.jp/ ）

当社が会社として維持・向上したい知識・スキル高度な言語操作能力複数の難文全体から情報を探してまとめ、類似および対照的な考え方・見解を要約したり、証拠に基づいた議論を評価できる。（出所：「国際成人力調査」読解レベル5）データ製品及び取引に関する知識複数のデータ種類について、有力なデータ提供者や主要なデータ製品の概要、その入手・活用法について知識を持つ。また、著作権を含む知的財産権、営業秘密、個人情報などの関連法令・ガイドライン、国際潮流、共同規制などのソフトローについて知識を持つ。リサーチデザインの経験質の高い新知識を速やかに、効率よく生み出すために、独力または複数人で、課題の設定、構成概念の限定、概念モデルの構築、仮説設計、調査手法の選択などを行える。情報請求・検索戦略のノウハウ知識習得の方法に関するメタ知識を持ち、専門知識のない分野であっても、検索対象とすべき情報源の探索、選定、吟味を行える。 • 多くの大学／大学院で一般的に学べることは、「情報生産者としての知識・スキル」の習得に直結します。

データマーケットプレイスに品揃えしたいデータ製品種類 • いま、勉強していることが、いつか役立つときが来ます。苦しい日々だと思いますが、学ぶことを諦めないで。広告・報道・アーカイヴ国勢・世論・社会調査金融・貿易・保険企業経営・コンサルティング飲食・服飾・家事医療・薬事・生物工学工場・機械・機器交通・運輸ゲーム・ホビー・スポーツ・アウトドア文字・記号・度量衡図書館・書誌目録・辞典コンピュータ（計算機、人工知能）哲学・倫理・ジェンダー宗教・民族・冠婚葬祭行財政・国際協力法律・税金・選挙教育・育児・学術数学・物理学天気・宇宙地球科学労働・貧困・社会福祉視聴覚文化感情・表情・心理警察・軍事・防犯生物・生態系農林・畜産・水産エネルギー・材料・化合物都市・土木・建築住宅・家具言語・テキスト・音声観光・考古学・歴史その他鍛冶・彫刻・工芸・手芸 JDEX32分類（出所： https://www.jdex.jp/, 要登録）

さまざまな職能を極めた専門家チームの一員を目指して • 数万人に1人の才能を持つスペシャリストでない限り、「データをさわるだけ」で仕事が完結することはありません。 • 例えば、当社の従業員に目指してほしい「データブローカー」は、複数の基本職をマスターした上級職です。記者（ジャーナリスト）……取材・調査・執筆編集者（エディター）……企画・構成・選定司書（スチュワード）……検索・整理・管理監督（ディレクター）……設計・采配・統括助言者（コンサルタント）……要約・考察・提言分析者（アナリスト）……処理・分析・推計技術者（エンジニア）……設計・開発・運用独力ですべてをこなすのは無理。得意なことを専門に！

view only 26 社会の未来 

民主化とは？ • 多くの先行研究が、組織・集団の民主化レベルを推し量る複数の視点を提案しています。経済基盤 • 平和（統治・経済・外交の独立が果たされ、戦乱・内紛・騒擾が起きていない） • 心身の安全・余裕がある • 最低限の教育機会と生活手段の保証 • 経済活動及び財政の安定例視点オーナーシップ • 共同体へ自由に参加／離脱する資格を持つ • さまざまな資本の使用権限と管理責任を自らが持てる • 望ましい知識・発想を好ましい時点で得られる（表現と内心の自由） • 著しい格差や制限なしに、然るべき能力・手段を身につけられるガバナンス • 組織維持と経済成長のための政策・戦略・計画がある • 共通の語彙・世界観を参照でき、多様な言語・思想が共存できる • 資源の品質、供給網、設備が整っている • 危害を察知するための監視・点検がなされている制度 • 合理的な慣習・規範・作法が根づいている • 基本手法、技術標準・規格が普及している • 権利・義務・責任範囲が明示されている • 公正な再分配がなされている

データの民主化とは？（1/2） • ビジネス現場のあり方に置き換えると、「データの民主化」とは次のような状態を示すと言えるでしょうか。経済基盤 1. 本人が実在し、事業が存続しており、一定規模の経済活動を行える 2. 役職員が心理的安全性、業務裁量、学習機会、自己効力感を得られている 3. 十分な品質のパソコン、通信機器、事務ソフトウェアが自由に利用できる 4. 与えられた予算・権限のなかで容易かつ速やかに収入／支出判断できる例視点オーナーシップ 1. 参加資格が低労力・低負荷・低侵襲で入手でき、維持しやすい 2. 必要な情報に、必要な時点で、必要なだけアクセスできる 3. 推奨／許容／禁止される行動とその結果が分かりやすい 4. 求めるべき知識・能力・発想・手段をなめらかに得られる ――参考例：データサイエンティスト協会スキルチェックリスト、DX Criteria、ITSS＋/「データサイエンス領域」

データの民主化とは？（2/2）ガバナンス 1. データマネジメント戦略（戦略、対話、管理機能、参考例、資金援助） 2. データガバナンス（権限管理、業務用語集、メタデータ統制） 3. 基盤・仕組み（設計手法、設計標準、管理基盤、データ統合、データ保存） 4. データオペレーション（要求定義、ライフサイクル管理、供給網） 5. データ品質（品質戦略、鑑定、品質検査、データ洗浄） 6. 支援手順（診断・分析、手順管理、作業品質監査、リスク管理、設定管理） ――参考：CMMI「Data Management Maturity Model」例視点制度 1. デジタル文化資本が慣習・規範・良識として身についている 2. 技術標準・規格との相互運用性が保たれている 3. 合理的な賞罰体系のもとに、類型化されたライセンスを場面ごとに使い分けられる 4. 包括的で周到な規則に基づき、権限・責任を信任できる • ビジネス現場のあり方に置き換えると、「データの民主化」とは次のような状態を示すと言えるでしょうか。

So What? 技術･政策･商業それぞれの側面を考慮したフレームワークを用いて、データ連携の体系的トラスト欠如に対応することが必要不可欠出所：世界経済フォーラム第四次産業革命日本センター「【開催報告】データ取引市場に関するグローバル・ワークショップ・シリーズ」（2021） • 「The Web Is dead. Long Live Internet」が発表されたのは2010年のこと。 • 自由で公正なデータ流通の安全保障は、私企業の自助努力に留まらず、国際社会の先端課題となっています。

Now What? • プロセスとツールよりも個人と人との関わり • 包括的なドキュメンテーションよりも実用的な分析 • 契約交渉よりも顧客とのコラボレーション • 大規模な先行設計よりも実験、関わり、およびフィードバック • サイロ化された責任よりも業務の機能横断的な所有権出典：DataOps 宣言 • 数年後にあなたが所属したい／することになった組織は、「10年後も働きやすい職場」でしょうか。 • この問いは、学生のみなさんを職場に受け入れる私たちこそが、真剣に考えるべきものですが――。

view only 33 終わりに 

本日のまとめ • 厳しい時代は続き、社会の未来は楽観できない • 「事実」への需要を支えにデータ流通ビジネスは発展途上 • ビジネスの現場は「データの民主化」がさらに進む（と期待） • 大学で学ぶことは将来の専門知識に絶対つながるので安心して

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35 日本データ取引所（Jdex）は、「データの総合商社」を目指すベンチャー企業です。企業のデジタル変革やエビデンスに基づく意思決定の支援を手がけています。また、2019年12月から兼松、Dawexと戦略的パートナーシップを形成し、日本向けデータ取引市場の共同企画・運営を進めています。このたび私たちが募集するのは、「日本のデータを民主化する」を目標に、データ製品の企画、開発、売買に携わることで、データ流通産業の成長に草創期から貢献できる職種です。さまざまな専門知識を身につけながら、公平な姿勢を忘れず、自由で柔軟な働き方で、先見的なビジネスに取り組みたいと考える方のご応募をお待ちしています。性別、年齢、国籍、宗教その他のアイデンティティに関わらず、個人の素質と能力が最大限に活かせる職場を、他のメンバーと協力して作り上げたい方を歓迎します。出所：日本データ取引所「採用情報」（https://j-dex.co.jp/careers.html）

お問合せ先当社バーチャルオフィス（ Horizon Workroomにて）東京都渋谷区猿楽町 9-8 URBANPARK 代官山I 代表取締役　森田直一メールアドレス： [email protected] Webサイト： https://j-dex.co.jp/ ブログ： https://blog.j-dex.co.jp/ Twitter： https://twitter.com/datamarketguide Facebook： https://www.facebook.com/datamarketguide/

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