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周波数共用におけるデータ駆動型電波伝搬推定の動向と課題

53d3f29f13e9e46874b3460fbe23c435?s=47 Koya SATO
November 20, 2020

 周波数共用におけるデータ駆動型電波伝搬推定の動向と課題

スマート無線研究会 パネル討論「稠密な周波数共用の実現に向けた干渉計算の在り方」での発表スライドです。

発表日: 2020年11月20日
発表場所: (オンライン)

当日のプログラム:
https://www.ieice.org/ken/program/index.php?tgs_regid=ff6457f72df9c2b775ef053f982d3d8cd3a854da089308a4ce03b3f5afb69fd3&tgid=IEICE-SR

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Koya SATO

November 20, 2020
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Transcript

  1. 周波数共用におけるデータ駆動型 電波伝搬推定の動向と課題 -パネル討論「稠密な周波数共用の実現に向けた干渉計算の在り方」- 2020年11月20日(金) 佐藤光哉 東京理科大学 工学部電気工学科 助教 k_sato@ieee.org

  2. 自己紹介 所属 東京理科大学工学部電気工学科 助教 (2018-) 主要な研究テーマ • クラウドセンシング及び電波マップによる周波数 資源の開拓 (2013-)

    • 分散機械学習向けの通信設計 (2019-) キーワード 周波数共用, 無線リソース, 空間統計, 機械学習, etc. 本討論に関連する佐藤の発表論文 • K. Sato, K. Inage, and T. Fujii, "On the Performance of Neural Network Residual Kriging in Radio Environment Mapping," IEEE Access, 2019. • K. Sato, K. Inage, and T. Fujii, "Modeling the Kriging-Aided Spatial Spectrum Sharing over Log- Normal Channels," IEEE Wireless Commun. Lett., 2019. • K. Sato and T. Fujii, "Kriging-based Interference Power Constraint: Integrated Design of the Radio Environment Map and Transmission Power," IEEE Trans. Cogn. Commun. Netw., 2017.
  3. データ駆動型電波伝搬推定の例 メインアイディア: 端末が実測した結果をクラウドに集約し活用 • TVホワイトスペース用データベースへの空間統計の応用を中心に検討 • 機械学習の発展に伴い (6Gへの期待もあり)議論が活発化 • 一方で周波数共用での利用には根本的な課題も多い

    ※セルラのMDT (Minimization of Driving Tests)と理論面で強い互換 クラウド 送信局 位置: (xi , yi ) 受信電力: Pi [mW] 位置: (xk , yk ) 受信電力: Pk [mW] 位置: (xj , yj ) 受信電力: Pj [mW] 観測ノード 5G 5G 5G 補間の結果 観測結果 ・ガウス過程回帰 ・ニューラルネット 等により補間 平均受信電力 統計情報 (例: 電波マップ)
  4. ニューラルネットによる距離減衰推定の例 [Ayadi+, 2017] • 入力 ➢ 距離, 周波数, アンテナ高, 構造物情報

    • 出力 ➢ 距離減衰量 [dB] • UHF帯にて既存モデル比で誤差を 2.5dB程度改善との報告 M. Ayadi et al., "A UHF Path Loss Model Using Learning Machine for Heterogeneous Networks, " IEEE Trans. Antennas Propag., July 2017. ※以下の文献より抜粋 構築後の学習機は従来の経験則モデルと同様に1つの関数として使用可能 ➢ データベースにおける干渉計算を高精度化できるのでは?
  5. 現行の議論の傾向と発表者が気になっている点 位置: (xi , yi ) 受信電力: Pi [mW] 位置:

    (xk , yk ) 受信電力: Pk [mW] 位置: (xj , yj ) 受信電力: Pj [mW] 5G 5G 5G 補間の結果 観測結果 補間 平均受信電力 傾向2: 精度良く測定されたデータセットの活用が主 ➢ (大事なステップではあるが)実際にはデータ観測時の課題多し ➢ 特に肝心の保護エリア端での観測が難しい 傾向1: 与えられたデータセットでどこまで精度を出せるか (≒ピーク精度) ➢ 結局既存システムは保護できるのか? (誤差の見積もりが重要では?)
  6. 課題1: 本番環境での誤差の見積もり ニューラルネット(NN)による学習の例 与えられたデータ内で誤差を最小化 (いわばベストエフォート) ➢ 学習結果を鵜呑みにすると共用規範を満たせない可能性大 パラメータベクトル データセット 損失関数

    ・ ・ ・ 確率的勾配降下法 周波数共用規範の例 データ数に依存せず満たす必要 (≒誤差に応じた干渉マージン設計が必要) 所望SINR アウテージ確率
  7. 関連技術: ブートストラップサンプリング, バギング • 所持データからのリサンプリングと推定, 評価を繰り返す • 推定手法の精度などの特性を所持データ内で評価可能 • 推定手法を問わず適用可能

    Data Data*1 Data*2 Data*B Data*3 ・ ・ ・ 重複を許容したランダムサンプリング (ブートストラップサンプリング) S(Data*1) S(Data*2) S(Data*3) S(Data*B) ・ ・ ・ 推定結果 推定結果, 誤差 確率 これらの活用により既存システムを保護できるかの議論が重要では?
  8. 課題2: 保護領域端での電波観測の難しさ • 周波数共用で欲しい情報:既存システムの通信エリア端の情報 (低SNR) ➢ 一方で、信号が雑音に埋もれるため信号を過大評価 ※パケット長128bitのBPSK信号を2mごと1000回観測 (距離減衰+フェージング+シャドウイング) ※復調成功した場合電力を正確に測定可能,

    誤りが検出された場合はデータを捨てると仮定 過大評価 平均雑音電力 真の特性 推定結果
  9. 課題2: 保護領域端での電波観測の難しさ • 高SNR領域の観測情報のみ用いるとどうか? 使用データセット 推定対象 • NN, 空間統計: 基本的に観測範囲と推定範囲が同一エリア(空間内挿)

    ➢ 一方で上記は空間外挿に分類 ➢ 何も考えずに推定すると劣悪な精度になる
  10. 関連技術: 他次元情報の活用 方針1: 低周波数情報の活用 (空間-周波数補間) 該当周波数での電波観測以外の領域にブレイクスルーのきっかけが? 方針2: 構造物情報の活用 (画像処理, レイトレースの併用)

    • 構造物情報も俯瞰視点では画像とみなせる ➢ 畳み込みニューラルネット(CNN)のような画像処理向けの学習機を適用可能 • レイトレースの併用も1つの案? 1500MHz 800MHz(補間) 400MHz 800MHz(真) • 平均受信電力の周波数相関に着目し、補間を周波数軸に拡張可能 • 低周波数の観測情報のみから高周波数の情報を推定することも可能 ➢ K. Sato et al., “Space-Frequency-Interpolated Radio Map," IEEE TVT (accepted w/ minor revisions)
  11. その他の課題 測定環境の影響 (特に一般ユーザのフィードバックに頼る場合) • (暗に)標準アンテナが仮定されるがその影響は? • 端末間で受信結果に数dB単位で個体差が生じる。その対策は? • 加えて持ち方や方角依存で減衰 時変する伝搬環境への対応

    • 構造物の取り壊し/新築などにより数ヶ月単位で変動 • 推定結果はいつまで有効か? ➢ 頻繁にクラウドセンシングを実施すると肝心の周波数利用効率に影響 観測コストの問題 • ユーザへの報酬をどのように考えればよいか? • 頻繁なデータの回収はかえって周波数資源を逼迫しうる ➢ コスト-精度のバランスはどこにあるか?
  12. 終わりに • 周波数共用を目的とした際のデータ駆動型電波伝搬推定全般に共通する課 題を述べた • データ駆動型で精度が出せるとの報告は年々増えている • 関連検討の多くは「理想条件下で取得されたデータセットを用いて」「どこま で精度を出せるか」が主な興味の対象であった ➢

    周波数共用特有の問題を加味すると、 • 「劣悪な(目的に即した)観測環境でも」 • 「確実に既存システムを保護できるか」 の観点が重要と考えられる