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技術的負債になりかけていた機能をリアーキテクティングしたらめちゃくちゃ改善した話 / A st...

技術的負債になりかけていた機能をリアーキテクティングしたらめちゃくちゃ改善した話 / A story that improved a lot when re-architecting a function that was about to become technical debt

2023/06/22 AWS DEV DAY 2023 TOKYO
技術的負債になりかけていた機能をリアーキテクティングしたらめちゃくちゃ改善した話
https://aws.amazon.com/jp/events/devday/japan/

ソフトウェアエンジニア
鈴木 健太郎

株式会社カミナシ

June 22, 2023
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    rights reserved. J U N E 2 2 , 2 0 2 3
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    rights reserved. © 2023, Amazon Web Services, Inc. or its affiliates. All rights reserved. 技術的負債になりかけていた機能を リアーキテクティングしたら めちゃくちゃ改善した話 鈴木 健太郎 (@szk3) C - 3 ソフトウェアエンジニア 株式会社カミナシ
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    rights reserved. 鈴木 健太郎 / Kentaro SUZUKI @szk3 株式会社カミナシ エンジニアリング本部 Harami Enginieering 第2ユニット ソフトウェアエンジニア 自己紹介
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    rights reserved. 想定受講者 • バッチ処理のリプレイスや改善を検討しているアーキテクト、 ソフトウェアエンジニア ゴール • 紹介事例を通じて、設計の選択肢が広がること 本セッションは
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    rights reserved. • AWS CodeBuild • AWS Batch • AWS Fargate • AWS AppConfig 登場する主なAWSのソリューション/サービス
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    rights reserved. 話すこと • 技術的負債になりかけていた機能のリアーキテクティング事例紹介 • AWS Batch を使ったリアーキテクティング • AWS AppConfig を使った段階的ロールアウト 話さないこと • 各AWSのソリューション/サービスの具体的な説明や詳細な使い方 話すこと、話さないこと
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    rights reserved. • 旧アーキテクチャと、抱えていた課題 • 新アーキテクチャと、解決できた課題 • 安全な段階的ロールアウトを実現する • AWS AppConfig の知見共有 • まとめ アジェンダ
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    rights reserved. © 2023, Amazon Web Services, Inc. or its affiliates. All rights reserved. 旧アーキテクチャと、抱えていた課題
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    rights reserved. お客様は業務上発生する紙への記録(点検, 食品衛生管理 など)を、 タブレットやスマートフォンで入力することができます ( ※これらは、カミナシが提供する機能のひとつです ) 前提 カミナシの提供するサービス
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    rights reserved. Excel変換 • カミナシに保存された帳票記録をExcel形式に変換して出力する機能 • 定期的に繰り返される バッチ処理による変換出力 リアーキテクティングの対象となった機能 帳票記録DB xlsx
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    rights reserved. 利用状況の変化 • 設計当初と課題になりつつあった時期を比較すると、 記録された帳票の数は約4倍ほどに増加していた • 利用者の増加とともに、設計当初のシステムアーキテクチャが 技術的負債となっていた リアーキテクティングの背景
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    rights reserved. goroutine (1..n) 旧システムアーキテクチャ AWS Cloud AWS CodeBuild Amazon EventBridge Amazon Elastic Container Registry (Amazon ECR) Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) Container R / W Write xlsx Triger Image pull Docker run 1 2 3 4 Create xlsx file Amazon Aurora
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    rights reserved. 1.バッチ処理のスループットを上げにくい 2.AWSリソースの利用コストが無駄にかかる 3.バッチ処理が失敗するとスクラムに影響が大きい 旧システムアーキテクチャ課題
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    rights reserved. バッチ処理の 完了時間や処理量が見積もりにくい • 1回のバッチで処理するデータ量は利用状況により変動する • 特定のタイミング(月末/月初など)で処理時間が長くなる 1. バッチ処理のスループットを上げにくい(1/3)
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    rights reserved. バッチ処理の実行環境である AWS CodeBuild がタイムアウトする という問題が発生 • AWS CodeBuild のタイムアウトを段階的に伸ばす暫定対応を実施 1時間 → 3時間 → 8時間(※AWS CodeBuild の仕様上の上限値) 1. バッチ処理のスループットを上げにくい(2/3)
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    rights reserved. また、タイムアウトを上限まで伸ばしたタイミングで、 AWS CodeBuild の 割当リソース設定も限界までスケールアップ • 本対応の目的は、”少ない工数”で障害になりにくい状態を作ること • バッチ処理に長い時間がかかる事実は変わらない • この時点で、スケールアップの余地はなくなった • バッチ処理の改修や、インフラのスケールアウトなしに スループットを上げにくい状態になっていた 1. バッチ処理のスループットを上げにくい(3/3)
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    rights reserved. 予測が難しい負荷を考慮し、上限までスケールアップした結果 • AWS CodeBuild の 利用コストは約4倍になった ※ ほとんどのバッチ処理で、これほどのリソースは不要 2. AWSリソースの利用コストが無駄にかかる
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    rights reserved. バッチ処理は1プロセスで動くため、プロセスごとエラーになると 全ての変換処理に対して、リカバリ処理を行う必要があった 3. バッチ処理が失敗するとスクラムに影響が大きい(1/2) goroutine (1..n) job job job job xlsx Wait Wait container Timeout at AWS CodeBuild Recovery targets process kill
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    rights reserved. 3. バッチ処理が失敗するとスクラムに影響が大きい(2/2) リカバリ担当者による手動オペレーションが必要 • 当時のシステムはクラウド側でリトライすることを前提とした コードやシステムアーキテクチャになっていなかった ・ エンジニアが、ローカル環境でソースコードを書き換えて、 ハイコンテキストなリカバリ処理を実行 ・ 経験豊富なエンジニア1-2人で1営業日程度の時間を要した
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    rights reserved. 1.バッチ処理のスループットを上げにくい 2.AWSリソースの利用コストが無駄にかかる 3.バッチ処理が失敗するとスクラムに影響が大きい 旧システムアーキテクチャ課題 (再掲)
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    rights reserved. © 2023, Amazon Web Services, Inc. or its affiliates. All rights reserved. 新アーキテクチャと、解決できた課題
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    rights reserved. Design Doc を記述 し、関係者の認識をあわせる • これまでの対応状況と現状の整理 • リアーキテクティングのアウトカムの定義 • 課題を解決するためのアーキテクチャ設計案 リアーキテクティングの事前準備
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    rights reserved. リアーキテクティングの結果、どんな状態になりたいのかを言語化 • 変換処理が集中する月初の目標処理時間を1時間以内に • 2-3 年後を想定した変換処理量を問題なく処理できる リアーキテクティングのアウトカムを定める
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    rights reserved. 新システムアーキテクチャ AWS Cloud Amazon EventBridge Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) xlsx Triger Find conversion targets Job Submit 1 2 3 4 AWS Batch AWS Fargate Amazon Elastic Container Service (Amazon ECS) Container AWS Fargate Amazon Elastic Container Service (Amazon ECS) Job Scheduling 5 6 Find export data Create xlsx file Amazon Aurora
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    rights reserved. AWS Batch を中心に再構築 し、スケーラビリティを確保 • アプリケーションを責務で分離 • リカバリ処理の効率化 • AWS Batch と AWS Fargate で全体的なコストの最適化 新システムアーキテクチャのポイント
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    rights reserved. AWS CodeBuild のコンピュートリソース上で実行していたコンテナを AWS Batch on AWS Fargate で実行 するように再構築 非同期処理にAWS Batchを採用、変換処理のスケールアウトを実現 AWS Batch を中心に再構築 AWS CodeBuild AWS Fargate AWS Batch Docker Container before after
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    rights reserved. バッチ処理をスケールアウトさせることができ、運用負荷が低い • スケーラブルなキューイング機能 • コスト最適化されたスケーリング性能 • AWS Batch 自体の利用は無料 (※ ジョブを実行するコンピュートリソースなどは有料です) • リトライの容易さ AWS Batch を選んだ理由
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    rights reserved. • 1つの変換処理で最大20分程度かかるケースを観測していた為、 AWS Lambda は最大実行時間の制限により選択肢から除外 ( ※現時点での最大実行時間は15min ) AWS Fargate を選んだ理由
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    rights reserved. AWS Batch への Job Submit の部分は、AWS Lambda を用いる設計 も検討したが、現状のメンバーで運用していくことを見据えながら、 変えすぎない部分について議論 し、チームで合意した 優先させたこと • 既存の技術スタックに合わせる • 既存のデプロイフローの流れに寄り添う AWS Fargate 以外の設計案
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    rights reserved. アプリケーションを "変換処理のEnqueue" と "変換処理" に分割 • 変換処理を非同期的に処理し、スケールアウトできるようにする • 変換処理を独立して処理し、失敗時の影響範囲を限定的にする アプリケーションの分割
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    rights reserved. 責務の分割 AWS Cloud xlsx Triger Find conversion targets Job Submit 1 2 3 4 AWS Batch AWS Fargate Container AWS Fargate Job Scheduling 5 6 Find export data Create xlsx file 変換処理のEnqueue 変換処理 Amazon Aurora
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    rights reserved. 非同期処理とスケールアウトの実現 AWS Cloud xlsx Triger Find conversion targets Job Submit 1 2 3 4 AWS Batch AWS Fargate Container AWS Fargate Job Scheduling 5 6 Find export data Create xlsx file 非同期処理、変換処理のスケールアウト Amazon Aurora
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    rights reserved. 影響範囲の限定化 AWS Cloud xlsx Triger Find conversion targets Job Submit 1 2 3 4 AWS Batch AWS Fargate Container AWS Fargate Job Scheduling 5 Find export data 影響範囲の限定化 Amazon Aurora
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    rights reserved. リカバリ手法を再設計し、AWS Batch で再試行を自動化 • AWS Batch で 3回まで再試行を実施 • 再試行で失敗であれば、ジョブをクローンしリトライする リカバリの効率化 https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/batch/latest/userguide/job_retries.html
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    rights reserved. 利用するリソース利用料の最適化 • AWS CodeBuild の 利用コストを約90%程度削減 コストの最適化
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    rights reserved. 通知の導入 • AWS Chatbot を使ったSlackへの連携 処理失敗時の検知の仕組み ※画像は一部マスクしています
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    rights reserved. AWS Batch と AWS Fargate でリアーキテクティングした結果 1.バッチ処理のスループットを上げにくい ▶ スケールアウトできる仕組みの実現 新システムアーキテクチャ まとめ(1/3)
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    rights reserved. AWS Batch と AWS Fargate でリアーキテクティングした結果 2.AWSリソースの利用コストが無駄にかかる ▶ AWSリソースの利用コストを約90%程度削減 (※ ほぼAWS CodeBuild のコストだった) 新システムアーキテクチャ まとめ(2/3)
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    rights reserved. AWS Batch と AWS Fargate でリアーキテクティングした結果 3.バッチ処理が失敗するとスクラムに影響が大きい ▶ 監視の仕組みを追加 ▶ リトライ処理の効率化 新システムアーキテクチャ まとめ(3/3)
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    rights reserved. 変換処理が集中する月初の目標処理時間を1時間以内に ▶ 先月比較で2時間7分(127分) → 29分 = 処理時間は 約1/4 に (※ 移行時の数値 ) 2-3 年後を想定した変換処理量を問題なく処理できる ▶ 今のスループットから、十分に処理できると判断 アウトカムの達成度
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    rights reserved. 実装しなかったこと • 変換処理失敗時のチケット管理システムへの連携 • 処理の重み付けのような、既存にはない機能 やらなかったこと
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    rights reserved. © 2023, Amazon Web Services, Inc. or its affiliates. All rights reserved. 安全に段階的ロールアウトを実現する
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    rights reserved. 新旧システムを併用しながら、機能フラグ(Feature Flags)を用いて 段階的なロールアウトを実施した • おそよ1ヶ月程度の併用期間 • カスタマーサポート(CS)チームがサポートしやすい移行計画 安全に段階的ロールアウトを実現する
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    rights reserved. 本番ワークロードにおいて新システムがもたらす不確実性を排除する • ロールバックのしやすさを重視 • リリースとカットオーバーを分離し、ビッグバンリリースを避ける • 想定されるリスクの段階的検証 機能フラグを用いる背景
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    rights reserved. • 環境変数 • コンテナに反映するのに Amazon ECS タスク定義 の修正が必要 • AWS Systems Manager Parameter Store • 必要最低限で良い (設計当初の第一候補) 機能フラグの実装案(1/3)
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    rights reserved. • Amazon DynamoDB テーブル • データ構造を柔軟に管理できるがゆえに、迷いを生む可能性 • Amazon CloudWatch Evidently • Validation name が 大量になるようなケースへの適用は難しい (※ 設計当時の考慮から漏れてたので、後から考えた結果このように判断) 機能フラグの実装案(2/3)
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    rights reserved. • AWS AppConfig 機能フラグ • 段階的ロールアウトの移行粒度を表現しやすかった • とはいえ、AWS Systems Manager Parameter Store でも 実装は可能 機能フラグの実装案(3/3)
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    rights reserved. 機能フラグのマネージドサービスとして、知見を貯めたかった • ソースコードのデプロイが不要 • フラグの制約やバリデーターなどのガードレール (※) • CloudWatch アラーム をトリガーにフラグの自動ロールバック (※) (※ これらは選んだ理由としてはあげていますが、今回のタイミングでは使えておりません) AWS AppConfig を選んだ理由
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    rights reserved. • 仮に何かしらのトラブルが発生した際に、カスタマーサポート/ サービスチームと連携し、迅速に対応したかった • ロールアウトの粒度は、帳票記録の利用頻度や想定される出力処理 の量などを可能な限り調査し、お客様を5つのグループに分類して、 グループ単位でロールアウトしていった 段階的ロールアウトの計画 利用頻度が低い 利用頻度が高い Group 5 Group 4 Group 3 Group 2 Group 1
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    rights reserved. not exists AWS AppConfig 機能フラグ に数値配列を選択し移行対象のIDを設定 • 両システムから最新の機能フラグを取得し、移行対象のIDを処理 機能フラグを使った段階的ロールアウトの設計 1 AWS Cloud AWS AppConfig Container Previous system Current system AWS Fargate exists 1, 2 1, 2, 3, 4 1, 2, 3, .. n 1, 2, 3, .. 7 v1 v2 v3 v4 latest
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    rights reserved. 新旧環境の併用における、Amazon Aurora への負荷のリスク • 旧システムと新システムは排他制御で、処理の総和は変化しない • 新システムはスケールアウトするので、瞬間的に負荷が高くなる リスクが想定されていた 想定されるリスクの段階的検証 AWS Cloud Container Previous system Current system AWS Fargate Amazon Aurora
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    rights reserved. AWS Batch の 最大vCPUとAWS Fargate の vCPU から ジョブの並列度をコントロールできることがわかった • 例)最大vCPU 40 / 2.0 vCPU = 20並列 • これで、新システムの並列度をコントロールできる ようになった ※ 公式Docではコンピュート環境にFargateを使うときの "無効な" パラメータの一覧は存在するが、 その中に maxvCpus が "ないので使える" と判断した。実際の挙動を元に問い合わせを行い maxvCpus が使えると確定 スケールアウトをコントロールする https://docs.aws.amazon.com/batch/latest/userguide/fargate.html#fargate-compute-environments
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    rights reserved. 無事に全ての移行が完了 • 特に 大きなトラブルなし • 段階的ロールアウト中に、失敗時のRunbookが有効性を確認 • AppConfig 関連のリソースやソースコードは削除 • 旧システムも経過観察後にシャットダウン 安全に段階的ロールアウトを実現する - まとめ
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    rights reserved. © 2023, Amazon Web Services, Inc. or its affiliates. All rights reserved. AWS AppConfig の知見共有
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    rights reserved. Terraform 経由で想定したリソースが作成できなかった • 当時の AWS Provider が古く、機能フラグではなく 自由フォーマットのリソースとして作成されてしまった ▶ AWS Provider の verupで解決 (v3.57.0 -> v4.46.0) AWS AppConfig 関連のトラブル(1/3)
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    rights reserved. Terraform で差分が出続ける • aws_appconfig_hosted_configuration_version の content の `_updatedAt` が apply の度に変わる ▶ content を ignore changes することで回避 AWS AppConfig 関連のトラブル(2/3)
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    rights reserved. 本番環境の AWS AppConfig リソースが作られる前に、旧システムの 改修コードがデプロイされてしまった • 前述のトラブルを解消するために開発環境で検証が継続中だった • IaCのデプロイフローとアプリケーションのデプロイフローが別 ▶ 関係各位を巻き込み、リカバリ対応を行った AWS AppConfig 関連のトラブル(3/3)
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    rights reserved. 最新の設定をもってくる GetLatestConfiguration API は有料です • バッチ処理のくらいの起動頻度であれば許容できるコストも、 大量のトラフィックを受けるWebサイトなどでリクエスト単位で コールすると、コストが想定以上になる可能性があります AWS AppConfig GetLatestConfiguration API https://docs.aws.amazon.com/appconfig/2019-10-09/APIReference/API_appconfigdata_GetLatestConfiguration.html
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    rights reserved. AWS AppConfig のサイドカーコンテナ が公開されている • 内部的に設定をキャッシュしてくれてローカルのHTTPリクエストを 通じて機能フラグを取得してくれて、実装もシンプルになる AWS AppConfig の サイドカーコンテナ https://gallery.ecr.aws/aws-appconfig/aws-appconfig-agent
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    rights reserved. © 2023, Amazon Web Services, Inc. or its affiliates. All rights reserved. まとめ
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    rights reserved. AWS Batch と AWS Fargate で システムアーキテクチャを刷新 し、 AWS AppConfig を使って 段階的なロールアウト を実現 バッチ処理のリアーキテクティング AWS AppConfig AWS Batch AWS Fargate
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    rights reserved. スケールアウトの上限をコントロール ▶ AWS Batch のコンピューティングリソースで試算可能 非同期処理により、スループットの向上 ▶ 繁忙時間帯の処理時間は4分の1以下 コントロールしやすいスケールアウト
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    rights reserved. 変換処理の信頼性を向上 ▶ アプリの責務を分割し、エラー時の影響範囲を限定的に ハイコンテキストで時間がかかるリトライ作業からの脱却 ▶ AWS Batch の Job を再実行するだけに リカバリ負荷の低減
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    rights reserved. AWS CodeBuild から AWS Batch へシフト ▶ AWS CodeBuild リソース利用量を 約90%削減 ▶ AWS Batch 自体の利用は無料 AWSサービス/リソースの利用コストを最適化
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    rights reserved. AWS AppConfig の 機能フラグ (Feature Flags) を用いて、 本番ワークロードへの段階的ロールアウトを実現 ▶ 影響範囲を最小化 ▶ ロールバックしやすい状態の構築 機能フラグ を用いた段階的ロールアウト
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    rights reserved. アーキテクチャやコンテキストが完全に同じものは存在しない。 だからこそ、最適なアーキテクチャを検討しつづける 必要がある。 故に当時の設計を安易に否定せず、受け入れてちょっとだけ改善し 今のメンバーで一緒に前に進んでいくことが大切。 最後に(1/2)
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    rights reserved. ベストプラクティスが正解である保証はどこにもありません。 選んだアーキテクチャを正解にしていくという姿勢が大事。 (最大限考慮してやってダメなら、またやり直せばいい) 最後に(2/2)
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    rights reserved. © 2023, Amazon Web Services, Inc. or its affiliates. All rights reserved. We're Hiring! CTO Tori Kaminashi, Inc.
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    rights reserved. Thank you! © 2023, Amazon Web Services, Inc. or its affiliates. All rights reserved. 鈴木 健太郎 @szk3