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生成AI活用機能のプロンプト設計と開発の裏側
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Kana Haebaru
April 15, 2025
Technology
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240
生成AI活用機能のプロンプト設計と開発の裏側
女性エンジニア歓迎!公平性を実現する生成AIプロダクト設計【WAKE Career主催】
https://wake-career.connpass.com/event/350535/
Kana Haebaru
April 15, 2025
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Transcript
生成AI活用機能のプロンプト設計と開発の裏側 -女性エンジニア歓迎!公平性を実現する生成AIプロダクト設計 2025.04.12-
女性エンジニアの選択肢を広げるために 現状の課題 「自信がない」 、 「強みがわからない」などの理由で、多くの 女性エンジニアが選択肢を狭めてしまっている。 本当はもっと評価されるべき経験やスキルがあるのに、それ をうまく言葉にできずにいる。 WAKE Careerでの解決策
テクノロジーの力で、そんな現状を変えたい。すべての女性 エンジニアが 自分の可能性を最大限に発揮できるように。 生成AIで“可能性を言語化”、“魅力に気づくきっかけ”、“背中 を押す”機会を提供
アジェンダ 自己紹介 1. WAKE Careerで生成AIを用いた機能紹介&開発背景と課題感 2. プロフィールAI生成 適正年収診断 求人マッチ 公平性を意識したプロンプト設計
3. まとめ 4.
自己紹介 南風原 香奈(Haebaru Kana) X: @kanasann1106 2018年:Webエンジニアになる 2019年:建設SaaSの事業会社に転職 プロダクト開発・EM・PdMを経験 2023年:フリーランスになる
WAKE Career(女性IT/Webエンジニアのためのハイ スキル転職サイト) 将来やりたいこと:地元の与那国島にTechカフェを作 り、島の人たちにプログラミングを教えながらまった り過ごすこと
生成AIを用いた機能紹介&開発背景と課題感 プロフィールAI生成 適正年収診断 求人マッチ
プロフィールAI生成 自己PR 直近の開発実績 この先やってみたいこと プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000035.000105436.html
プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000035.000105436.html
プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000035.000105436.html
プロフィールAI生成の開発背景 女性エンジニアが自己評価を低く見積もる傾向を解消し、自分の経験や強みを表現できるようにサポート 強みの発見 自分では気づかない才能やスキルを見え る化 入力の簡易化 簡単な選択肢でプロフィールの作成を支 援 エンパワメント ユーザーが自信を持って自己PRを言語化
できるようにサポート
適正年収診断 プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000036.000105436.html
プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000036.000105436.html
適正年収診断の開発背景 賃金格差の現状 ITエンジニア業界でも男女間の 賃金格差が存在している。女性 の金銭交渉の回避傾向と自己評 価の低さが背景にあります。 格差再生産の構造 多くの企業が「前職年収」を基 準に年収交渉を行うため、格差 が再生産される傾向にありま
す。 希望年収の課題 「希望年収」での交渉を推進していますが、女性エンジニアの提示する 希望年収が低いという課題がありました。 プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000105436.html
求人マッチ機能 プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000038.000105436.html
インフラエンジニアの求人×私の場合 経験職種 フロントエンドエンジニア:5年〜 PM・PL:2〜3年 スキル HTML/CSS:LV5 Javascript:LV5 TypeScript:LV5 React:LV5 Vue.js:LV5
Next.js:LV5 PHP:LV3 Laravel:LV3 Python:LV1
フロントエンジニアの求人×私の場合 経験職種 フロントエンドエンジニア:5年〜 PM・PL:2〜3年 スキル HTML/CSS:LV5 Javascript:LV5 TypeScript:LV5 React:LV5 Vue.js:LV5
Next.js:LV5 PHP:LV3 Laravel:LV3 Python:LV1
求人マッチの開発背景 自己評価の課題 女性エンジニアはスキルや経験を過小評価する傾向がある。技 術面よりもソフト面のスキルをアピールしがちなため、本来得 られるべき結果を逃してしまう現状。 応募の障壁 求人を見た女性エンジニアが応募に至る割合は、男性に比べて 16%低い。 男性エンジニアが求人票の条件を60%満たしていれば応募する のに対し、女性エンジニアは100%満たしていないと応募資格
がないと考えてしまう傾向がある。 (LinkedInの調査) AIによる解決 適正なスキル評価と求人マッチングを提供します。自己評価の 適正化とキャリア可能性の拡大を支援。
プロンプト設計の基本 明確な指示 あいまいな言葉を避け、具体的に記述します。 コンテキストの付与 役割、目的、背景を伝えます。 出力形式の指定 期待する出力形式を具体的に指示します。
プロンプトテンプレート設計 どの要素がよく使われているか 指示(Directive)86.7% 1. 背景情報(Context)56.2% 2. 出力形式(Output Format/Style)39.7% 3. 制約(Constraints)35.7%
4. 引用(LLMアプリケーション約1,500事例から学ぶプロンプトテンプレート) :https://ai-data-base.com/archives/87853
プロンプトテンプレート設計 最も効果的な並べ方 役割(Profile/Role) 1. 指示(Directive) 2. コンテキスト(Context)とワークフロー(Workflow) 3. 出力形式(Output Format/Style)と制約(Constraints)
4. 例示(Examples) 5. 引用(LLMアプリケーション約1,500事例から学ぶプロンプトテンプレート) :https://ai-data-base.com/archives/87853
プロンプトテンプレート設計 変数(プレースホルダ)の効果的な配置 指示優先 (タスク指示 → 知識入力 → ユーザー質問) 1. 変数優先
(知識入力 → タスク指示 → ユーザー質問) 2. 「指示優先」パターンだと、最初に読んだ指示内容が忘れられてしまう可能性があるが、 「変数優先」パターンでは最後に読んだ指示 を覚えやすいためと考えられている。 引用(LLMアプリケーション約1,500事例から学ぶプロンプトテンプレート) :https://ai-data-base.com/archives/87853
公平性を意識したプロンプト 設計 技術的な強みのアピール 女性エンジニアはソフトスキルに過度に焦点を当てがちなので、技術力 も明確に打ち出せるよう指示する。 数値や実績での成果明示 自己評価が控えめになりがちな方に対しても「事実」で語れる構成 にする。 インポスター症候群への配慮 成果を過小評価せず、自信を持った表現になるよう設計してい
る。 ポジティブな前向きな表現 出力される文章はポジティブな表現、背中を押す表現にす る。
適正年収を算出する際に意識 するポイント Web系、SIer系エンジニア、PM、SEの市場動向(需給、平均年収)を考 慮する。 女性は転職において、希望年収を下げがち。自信を持って適正な希望年収 を提示できるようにする。 賃金格差の再生産を防ぐ。社会構造にとらわれず、市場単価で交渉できる 材料を提供する。 海外市場は含めず、日本市場のみで試算する。
求人マッチのプロンプト設計で意識したポイント スキル面の評価基準 必須スキルを80%以上カバーしているか 歓迎スキルの有無 マッチ理由を具体的に記述 例) 「SPA開発のため、Reactスキルが活かせる」 不足スキルがある場合も前向きに補足 例) 「TypeScriptは実務未経験だが、React開発で継続学習中」
プロフィールに記載のない情報は推測しない
求人マッチで意識するポイント ポジション面の評価基準 ポジション要件を70%以上カバーしているか 業務内容・役割に対してどう貢献できるかを具体的に記述 例) 「過去に類似プロジェクトをリードした経験があるため、即戦力として活躍できる」 経験のギャップは前向きに補足 例) 「マネジメント経験は浅いが、少人数チームでのリーダー経験がある」 記載のない経験・スキル・意欲は推測しない
まとめ:公平性を実現する生成AIプロダクト設計 プロンプト設計の基本原則をおさえる 明確な指示、コンテキスト、出力形式など プロンプトエンジニアリング関連の論文を読む 論文はハードルが高いと感じる方におすすめ:AIDB(論文紹介メディア) 公平性を意識した設計 LLMにもバイアスは存在することを前提に、社会的構造やジェンダーバイアスを理解し、その影響を取り除くようなプロンプ ト設計を心がける UI/UXやプロンプト設計を通して、自信や行動を後押しする設計を心がける(エンパワーメントの視点)