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働きやすく、成長し続けられるエンジニア組織を目指して / Growth-Ready Eng...

働きやすく、成長し続けられるエンジニア組織を目指して / Growth-Ready Engineering Team

Qiita Conference 2022で登壇した際の発表資料です。
https://qiita.com/official-campaigns/conference/2022

2020年2月以降、どのようにエンジニア組織を変えてきたのか、当時の課題感から現在までの取り組みを説明しています。

登壇時のアーカイブ動画はこちらで配信されています。
https://youtu.be/rzm5xfd71-Q?t=9941

株式会社カオナビ

July 01, 2022
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Transcript

  1. © kaonavi, inc. 自己紹介 2001/04 2005/08 2011/01 2014/10 2020/02 SE

    アーキテクト 都築電気 株式会社 株式会社 オープンストリーム エンジニア 株式会社 サイバーエージェント CTO 株式会社 トランスリミット CTO 株式会社 カオナビ 松下 雅和 / @matsukaz 株式会社カオナビ CTO • AWS, Node.js, TypeScript, PHP, Go • 二児(姉妹)の父 • 漫画, アニメ, ゲーム, カメラ, 自転車 2
  2. © kaonavi, inc. 4 カオナビに情報を一元化し、人事や経営の課題を解決する 他システムのデータ 属人的な情報 エクセルのデータ 紙の情報 人材情報の

    一元化・見える化 人事業務の効率化 経営の意思決定支援 評価運用の効率化 採用のミスマッチ・ ハイパフォーマー分析 人材配置・ 要員シミュレーション スキル管理・ 人材育成 モチベーション分析・ 離職分析 ES調査・ エンゲージメント向上
  3. © kaonavi, inc. 5 タレントマネジメントシステム市場シェアNo.1 利用企業数推移 業界シェア 導入企業数は年々増加 7 各種アワードも受賞

    GOOD DESIGN AWARD 2016 グッドデザイン賞 HRテクノロジー大賞2017 総合マネジメントサービス部門受賞 優秀 賞 ASPIC IoT-AI-クラウアワード 2018 ベストイノベーション賞 導入企業 大手からベンチャーまで 業界規模問わず導入 年連続 ※ITR「ITR Market View:人材管理市場2022」人材管理市場-ベン ター別売上金額シェアで7年連続1位(2015~2021年度予測)  ( 2022年3月末日時点)
  4. © kaonavi, inc. カオナビの歴史 6 導入社数 2000 1500 1000 500

    0 2013/03 2014/03 2015/03 2016/03 2017/03 2018/03 2019/03 2020/03 1791 1293 854 445 203 98 40 21 2061 2021/03 2500 2022/03 2497 東証マザーズ上場
  5. © kaonavi, inc. カオナビの歴史 7 導入社数 2000 1500 1000 500

    0 2013/03 2014/03 2015/03 2016/03 2017/03 2018/03 2019/03 2020/03 1791 1293 854 445 203 98 40 21 2061 2021/03 2500 2022/03 2497 黎明期(オンプレ型) サービス リプレース (SaaS型) 急速な 組織化
  6. © kaonavi, inc. カオナビの歴史 8 導入社数 2000 1500 1000 500

    0 1791 1293 854 445 203 98 40 21 2061 2500 2497 黎明期(オンプレ型) サービス リプレース (SaaS型) 急速な 組織化 SES中心の開発 エンジニアが 徐々に増加 職能別組織へ エンジニア人数 エンジニアが急増 チーム開発へ 2013/03 2014/03 2015/03 2016/03 2017/03 2018/03 2019/03 2020/03 2021/03 2022/03
  7. © kaonavi, inc. カオナビの歴史 9 導入社数 2000 1500 1000 500

    0 1791 1293 854 445 203 98 40 21 2061 2500 2497 黎明期(オンプレ型) サービス リプレース (SaaS型) 急速な 組織化 SES中心の開発 エンジニアが 徐々に増加 職能別組織へ エンジニア人数 エンジニアが急増 チーム開発へ 2020/02 カオナビ入社 2020/09 CTO就任 2013/03 2014/03 2015/03 2016/03 2017/03 2018/03 2019/03 2020/03 2021/03 2022/03
  8. © kaonavi, inc. カオナビの歴史 10 導入社数 2000 1500 1000 500

    0 1791 1293 854 445 203 98 40 21 2061 2500 2497 黎明期(オンプレ型) サービス リプレース (SaaS型) 急速な 組織化 SES中心の開発 エンジニアが 徐々に増加 職能別組織へ エンジニア人数 エンジニアが急増 チーム開発へ 2020/02 カオナビ入社 2020/09 CTO就任 2013/03 2014/03 2015/03 2016/03 2017/03 2018/03 2019/03 2020/03 2021/03 2022/03 今日のお話
  9. INDEX © kaonavi, inc. 11 • エンジニアとしての取り組み 2020/02 〜 2020/08

    • CTO・組織全体の取り組み 2020/09 〜 • CTO室の立ち上げ 2022/04 〜 • まとめ
  10. © kaonavi, inc. 働く環境 15 • 原則出社勤務 ◦ 「ぎゅっと働いて、ぱっと帰る。」 ▪

    いかに時間を使わず、効率よく成果を出せるかが求められる
  11. © kaonavi, inc. 働く環境 16 • 2020年2月以降は、新型コロナウイルス感染症対策で大きく変化 ◦ コアタイムが10時〜15時 ◦

    在宅勤務許可(3/3) ◦ スイッチワーク導入(4/17) 11時〜15時(2/18) 在宅勤務推奨(3/10) 出社禁止(4/7)
  12. © kaonavi, inc. エンジニア文化 17 • ボトムアップによる変化を歓迎 ◦ jQuery /

    JavaScript React / TypeScript ◦ 一部システムでのGo採用 ◦ スクラムの導入 ◦ エンジニア勉強会 (2019/05から隔週開催) https://vivivi.kaonavi.jp/articles/owaribe-komatsu-210629/
  13. © kaonavi, inc. エンジニア文化 18 • ビジネスサイドとの連携 ◦ 全社スプリントレビュー ▪

    週に1回、全社員を巻き込んだ共有・フィードバックの場 ▪ 毎回70名以上、多いときは100名以上が集まる ▪ これもボトムアップで生まれた仕組み
  14. © kaonavi, inc. 23 • 会社としてのグレード制度まで • 目標設定や評価がやりづらい ◦ スキルアップのモチベーションにも関わる

    • 今後の社員の増加を見込んでキャリアパスの整備が必要 キャリアパスが整っていない
  15. © kaonavi, inc. 27 • 開発スピードが上がらない ◦ 複雑度が高く、影響範囲の把握が困難 • 生産性がスケールしない

    ◦ 機能開発が相互に影響する可能性があり、同時開発が困難 • リリースにかかる工数が大きい ◦ リリース対象が大きくなり、影響調査やテストに時間がかかる • マイクロサービスに対する過度な期待 モノリシックなシステム
  16. © kaonavi, inc. 28 • 機能開発が優先されてしまう • 対策として、技術品質改善活動を推奨 ◦ 制度として週に2時間の活動が可能

    ◦ 活動は個人に任されており、取り組んでいたのは一握り ◦ 時間も短く、大きなカイゼンはできない 技術的負債の蓄積
  17. © kaonavi, inc. 29 • 開発者によって品質がばらつく ◦ コードレビューはしているものの、全ては見きれない • 機能面ではQA組織が品質を保証

    ◦ エンジニアの品質に対する意識が弱くなる ◦ 開発の最後にQAを通すため、手戻りが発生しやすい • ドキュメントも不十分 ◦ 実装から理解するのが困難な仕様も 品質管理の難しさ
  18. © kaonavi, inc. 入社時の立ち位置 31 • 前職ではCTOを経験 ◦ 球拾い精神で、こぼれ落ちるあらゆるタスクをこなす日々 ◦

    とはいえ少人数のスタートアップ、経営のことは分からず… • もっと会社組織を知りたい、経営層と近い位置で働きたい
  19. © kaonavi, inc. 入社時の立ち位置 32 • 前職ではCTOを経験 ◦ 球拾い精神で、こぼれ落ちるあらゆるタスクをこなす日々 ◦

    とはいえ少人数のスタートアップ、経営のことは分からず… • もっと会社組織を知りたい、経営層と近い位置で働きたい • 執行役員 兼 プロダクト本部長の下で、横断的に動く立ち位置に
  20. © kaonavi, inc. 着実な成果を出す 33 • システム改善 ◦ 性能改善 ◦

    不具合改修 ◦ 脆弱性診断で見つかった問題の対応 • 開発支援 ◦ いくつかの大きめのプロジェクトで設計・開発を支援 ▪ 軌道に乗るまでスクラムイベントに参加し、随時フォロー
  21. © kaonavi, inc. ここまでに学んだもの・得たもの 35 • 採用している技術スタック ◦ ほぼ未経験だったもの •

    システムとドメイン知識 ◦ タレントマネジメントシステムに求められる特有の要件 ◦ マルチテナントなSaaSサービスの仕組み ◦ カオナビならではのシステム構成
  22. © kaonavi, inc. ここまでに学んだもの・得たもの 36 • 開発全般の流れ ◦ スクラム開発 ◦

    開発・コードレビュー・MR・リリースまでの流れ • 頼れる仲間 ◦ 主体的に仕事に取り組んでいる人 ◦ まわりの人を積極的に支援してくれる世話焼きな人 ◦ より良い組織に変えるために、まわりを巻き込んでる人 ◦ マネージャーも含め、変化を嫌う人は誰もいなかった!
  23. © kaonavi, inc. チーム間の連携強化 38 • EMと議論し、エンジニア分科会を新たに設置 ◦ テックリードやEMが課題の検討・対応方針を決める ▪

    チームを横断する技術課題 ▪ エンジニア組織の改善 ▪ ルールの作成・改訂 ◦ 決まった内容は、全エンジニアが集まるエンジニアMTGに持ち込ま れ、共有や意思決定が行われる
  24. © kaonavi, inc. モノリシックなシステムの対応方針を提案 40 • マイクロサービス化計画を立案 ◦ 具体的な対象機能やフェーズ、マイルストーンを作成 ◦

    マイクロサービスに寄せる過度な期待をコントロール ◦ ただしマイクロサービス化はあくまで手段、ゴールにはしない
  25. © kaonavi, inc. ボトムアップではできないこと 42 • 組織全体に働きかけることが困難 • 即戦力のエンジニア採用が急務 ◦

    採用に深く関わることができない • 大きな施策を進めることは難しい ◦ 進むべき方針は示せても、具体的な体制はつくれない
  26. © kaonavi, inc. Before After • 技術領域ごとに一人しかいない ◦ フロントエンドTL、バックエンドTLなど •

    チーム外から支援する立ち位置 ◦ チーム内で誰がリーダーシップを 持つかはチーム次第 • TL決定プロセスが不明瞭 • 一般的なTLのイメージと異なる • チームに一人設置 • 技術でチームをリードする ◦ リーダーシップが重要 • チームの生産性を最大化させる • リリース・運用・保守に責任を持つ • TL同士が連携し、全体最適を図る • 品質管理、開発進捗管理 • 本人の意思+CTO/VPoEの合意で決定 TL (テックリード) を再定義 52
  27. © kaonavi, inc. チームにおけるロールの立ち位置 53 PdM Director EM TL Expert

    技術領域 人・チーム 領域 プロダクト 領域 支援 支援 Expert=特定領域に優れた知識やスキルを持つエンジニアをCTO/VPoEが認定
  28. © kaonavi, inc. サバイバルモードから学習モードへ 56 • 忙しいときほどゆとり時間が大事 サバイバルモード 学習モード 自己組織化モード

    • 学ぶ時間がない • 定期的に火消し作業 • 遅れと残業 • 十分なゆとり時間 • スキルの習得時間がある • 誤りを許容する • チームにスキルがある • 自分たちで意思決定できる • 衝突を内部解決できる • ゆとり時間を作る • 残業を減らす • 見積もりし直す • チーム自身で 自分たちの問題を解決 できるように教える
  29. © kaonavi, inc. スナバ 57 • 将来的に事業貢献・プロダクト改善につながる可能性がある、あらゆる活 動を自由に行える時間 (2h/週) •

    未来の自分、未来の誰かのために、ゆとり時間を用意する制度 • 技術品質改善活動の制度をリニューアル
  30. © kaonavi, inc. スナバ 58 • 最初はあまり使ってもらえなかった • 自ら進んで活用することで、多くの人が使ってくれる状態に! ◦

    Slack上の特定の投稿にスレッドで返信すると、画面上にメッセージが 流れるアプリを開発 (Comment Screenに近いもの)
  31. © kaonavi, inc. イドバタ 59 • 業務時間外で開催される学びの場 • お酒を飲みながらラフにメンバーと共有・交流することで、 カジュアルにコラボレーションを促す

    • 過去の開催内容 ◦ あなたのターニングポイントは? 〜私、その時に覚醒しました〜 ◦ 開発と品質 ◦ RSGT2022セッション動画上映会 ◦ FY2021納会
  32. © kaonavi, inc. カタリバ 60 • 社内勉強会に名前を付けただけ • 引き続き隔週開催しており、現時点で74回を迎えた •

    最近は枠があっという間に埋まるぐらいに登壇希望者が増えている • 先述のMessage ScreenでSlackも大盛りあがり!
  33. © kaonavi, inc. 採用広報チーム新設 62 • エンジニア採用は年々困難に ◦ エンジニアの協力は不可欠 ◦

    明日の仲間を見つけるために、主体的に関わって欲しい • 全エンジニア向けに仲間を募集! ◦ 採用チーム + 有志で集まったメンバーで採用広報チームを新設 ◦ publicなチャンネルでいつでも参加可能に • 週次のミーティングで様々な施策を立案・実行 ◦ まずはカオナビの開発組織を多くの方に知ってもらう
  34. © kaonavi, inc. 採用広報チームの実績 63 • Advent Calendar 2021 ◦

    一人2日以上を覚悟していたが、無事に25人集まった! • 他にもイベント協賛・登壇、カジュアル面談など https://qiita.com/advent-calendar/2021/kaonavi
  35. © kaonavi, inc. 採用広報チームの実績 64 • 2022年1月からはkaonavi Tech Talkを毎月開催中! ◦

    カオナビの開発組織の文化・人を多くの方に知ってもらいたい ◦ 社内外で学びを循環させ、コレボレーションを実現する場を創出した い https://kaonavi.connpass.com/
  36. © kaonavi, inc. マイクロサービス化タスクフォースを発足 68 • 全体最適の視点で開発組織全体を巻き込む ◦ 方針や進捗を共有しながら進める •

    マイクロサービス化はあくまで手段、最適な方法を常に模索する • オーナーシップをCTOが持つ • 共通基盤となりうる箇所の実装把握・リファクタリングから ◦ Big Rewriteを避けるため ◦ 着実に進めていく
  37. © kaonavi, inc. QAからQCへ 71 • 本来のQAは、本部外から品質を保証する役割 • 実際は本部内のQAチームで品質担保の役割を担っていたため、 QA(Quality

    Assurance)ではなくQC(Quality Control) へ • QA組織を解体、チーム内にQCとして配属 ••チーム ✕✕チーム QAチーム QC QC ••チーム ✕✕チーム QC QC QC横串組織
  38. © kaonavi, inc. エンジニアの当たり前品質を明文化 73 • 新卒から経験豊富なエンジニアまで、品質にはばらつきがある • 当たり前品質を明文化することで、品質のばらつきを抑止 ◦

    実装時に計算量を意識する ◦ データ量に制限を設ける ◦ ORM利用時も実行されるSQLは必ず確認する ◦ ログ出力に個人情報が含まれないようにする ◦ etc…
  39. © kaonavi, inc. ポストモーテム運用 74 • 失敗に対する振り返り・学習・再発防止活動 • インシデントレベルの高い事象を対象に ◦

    クリティカルな失敗からの学びを優先 • 実施による変化 ◦ 組織全体として取り組むことで、根本的・恒久 的なカイゼンが進む ▪ 開発フローの改善・プロダクト品質向上・ 組織成長へ
  40. © kaonavi, inc. カオナビの組織的な課題 77 業務委託に 依存 チーム間の 連携が不十分 キャリアパスが

    整っていない 技術責任者が 不在 採用広報活動 エンジニア組織の ロール再定義 エンジニア組織の ロール再定義 CTO就任 技術力向上の 促進
  41. © kaonavi, inc. カオナビの組織的な課題 78 業務委託に 依存 チーム間の 連携が不十分 キャリアパスが

    整っていない 技術責任者が 不在 採用広報活動 エンジニア組織の ロール再定義 エンジニア組織の ロール再定義 技術力向上の 促進 トップダウン ボトムアップ トップダウン トップダウン トップダウン CTO就任
  42. © kaonavi, inc. カオナビの技術的な課題 80 モノリシックな システム 技術的負債の 蓄積 品質管理の難しさ

    技術的負債 解消へ 品質の改善 QA体制の 見直し 採用広報活動 技術的負債 解消へ
  43. © kaonavi, inc. カオナビの技術的な課題 81 モノリシックな システム 技術的負債の 蓄積 品質管理の難しさ

    技術的負債 解消へ 品質の改善 QA体制の 見直し 採用広報活動 技術的負債 解消へ ボトムアップ トップダウン トップダウン ボトムアップ ボトムアップ トップダウン ボトムアップ
  44. © kaonavi, inc. CTO室のチーム構成 86 FEST (Front-End Support Team) BERT

    (Back-End Re-architecturing Team) +SRE (Cross-sectional SRE) 採用チーム • 全社的な技術・運用課題の解決 • 各チームのフロントエンドが抱える 問題を解決 • カオナビのフロントエンドの改善 • 開発組織の採用にコミット • バックエンド領域に関わる技術的 負債の解消 • マイクロサービス モジュラモノリス
  45. © kaonavi, inc. CTO室メンバーに求めるマインド 87 • 主体性 • 巻き込み力・飛び込み力 ◦

    横断的に動くためには、組織全体へ飛び込み、巻き込んでいく必要 がある • コラボレーション (協調性・全体最適) • 誠実さ • 失敗を恐れない