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トークンコストを抑制から配分 その先へ〜トークン完全従量制でのコストマネジメントの景色〜

トークンコストを抑制から配分 その先へ〜トークン完全従量制でのコストマネジメントの景色〜

* Coding Agentの導入で開発組織のトークンコストが完全従量制へ移行しました。
* 当初は予算枠内への抑制が現実解でしたが、アウトカムの管理が課題でした。
* 抑制から付加価値創出のための配分モデルへ考え方をシフトしています。
* 知識整備、仕組み化、使う人への意識づけがコスト最適化の鍵です。
* ブレーキとアクセルを使い分け、開発生産性を高める仕組みを構築中です。

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Kazuhiro Hashimoto

September 05, 2026

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Transcript

  1. 自己紹介 Timee 橋本 和宏(@kaz_utb) 株式会社タイミー Agent Harness G Manager ▪

    インフラ出身 … ネットワーク → クラウド → SRE → プラットフォーム → セキュリティ ▪ 2024/7 タイミー入社 … Platform Engineering チームマネージャー ▪ 2026/5〜 … Agent Harness G マネージャー • 主に Coding Agent を中心とした AI ワークフローで開発組織へ寄与する組織として設立 本日は、開発組織のトークンコストとの向き合い方を現場の実践 からお話しします。 2
  2. 新規参⼊企業の増加の中でも圧倒的な業界プレゼンスを確⽴ 新規参⼊増加により競争環境に変化が⽣じるものの、先⾏者優位性や⾼い業界知名度により、サービスの地位は不変。 ⽇本におけるパイオニアとしてのNo.1のポジション ※5 競合優位性① ⼈が集まる 稼働率:87% 競合優位性② ※1 競合優位性③

    ワーカーの 働きぶりが良い 営業による ⼿厚いサポート リピートワーカー率:65%※2 無断⽋勤率:約0.2%※3 営業⼈数:791⼈ サービス利⽤率 ※6 求⼈掲載数 ※7 ※4 タイミー A社 B社 マーケットシェア推計 ※8 ※1:FY26/4 1Qの稼働⼈数を募集⼈数で除して算出 ※2:2026年4⽉末時点における、サービス開始以降、レビュー済ワーカーのうち同⼀の職場で2回以上勤務経験のあるワーカーの割合 ※3:無断⽋勤は申告なしの⽋勤を指す。分⼦は2026年2⽉から2026年4⽉の無断⽋勤数。分⺟は同期間に充⾜された求⼈数。 ※4:株式会社タイミー(単体)の2026年4⽉時点の営業⼈数 ※5:ワーカーの観点ではサービス利⽤率※6、クライアントの観点では求⼈掲載数※7に基づく ※6:調査委託先 マクロミル 調査⽅法 インターネット調査 調査時期 2025年1⽉31⽇から2025年2⽉4⽇ 調査対象 直近1年以内にスキマバイトを経験したことのある18から69歳の男⼥1,033⼈ ※7:調査機関 ⽇本マーケティングリサーチ機構 調査期間 2025年5⽉13⽇から2025年6⽉12⽇ 調査概要 2025年6⽉期_スキマバイトにおける市場調査 ※8:スポットワーク市場規模の推計レポート(スポットワーク研究所)( https://spotwork.timee.co.jp/entry/report/marketsize-2024 ) 4
  3. ワーカーの属性※1 ー 若年層を中⼼に多様なワーカーが登録 代表的なワーカーの一 例 ※ 2 [職業]パート [年齢]30-40代 夫と⼩学6年⽣、3年⽣の⼦どもと暮ら

    しており、家計を⽀えるべくほぼ毎⽇ タイミーを利⽤して複数の職に従事 [職業]フリーター [年齢]20-30代 趣味のイベントに参加するため、シフ トの柔軟性を重視。 メインのバイトでは希望する時間の 60-70%しかシフトに⼊れないため、バ イトに加えてタイミーを利⽤
  4. クライアントの属性 ー 物流、飲⾷、⼩売が中⼼ その他内訳 ホ テ ル 調理補助 ⽫洗い •

    クリーニング• ビルメンテナンス • ⾷品製造 等 介 護 調理補助 ⼊浴介助 梱包 ピッキング ⼩ 売 レジ 品出し‧陳列 物 流 バッシング オーダー 飲 ⾷ 検品 洗い場 配膳 7
  5. 業務プロセスを踏まえた提案( BPR) STEP 1 STEP 2 STEP 3 各企業の業務プロセスを踏まえて、 業務カテゴリごとに区分け

    ワーカーがスポットでできる 業務を特定し、切り出し タイミーを利用した求人掲載を 拡大し、コスト削減を実現 ※物流事業者様の例 8
  6. OTHER BUSINESS 新規事業について タイミーのワーカープールを活かし、正社員候補となる⼈材を事業者様へご紹介するサービスです。 タイミー上の勤務データやリスキリング機会を活かし、事業者様のニーズに合わせたご紹介が可能です。 タイミーキャリアプラス タイミー STEP1 STEP2 STEP3

    STEP4 STEP5 タイミーで働く スキルや勤務実績 が貯まる 正社員の求⼈ が紹介される 体験勤務 正社員として⻑期就業 タイミーを使⽤して スキマバイト タイミーで働いてバッジをゲット! スキルや勤務実績が貯まる スキルや勤務実績を 元に求⼈を紹介 タイミーを通じて 紹介された職場で働ける お互いがマッチしたら 正社員として雇⽤される リスキリング講座 キャリア相談 資格や免許取得、スキル習得のための 講座を受講できます。(⼀部選考あり) 仕事の悩みや今後の⽅向性など、 ご⾃⾝のキャリア周りについて相談できます。 9
  7. Timee 会社ごとにやや違う前提 - 弊社での場合 誰が使うか 何を対象とするか ▪ プロダクト開発組織 … PdM・デザイナー・エンジニア

    ▪ Coding Agent … Claude / Cursor / Devin ▪ 95%は開発用途 … 一部Biz組織利用はあるが現時点では ▪ 対象外 … Notion AI・Slack AI・Gemini等は情シス管理の全 例外的 社ツール 「ここでのトークン」の発生源は Coding Agent のみ、プロダクト開発組織中心 11
  8. Timee CodingAgent = 全て従量制へ移行 2025/5〜コスト構造が変わった。 それまで:定額の安心感 ▪ Claude Team …

    定額のサブスクリプション ▪ 予算 … 人数×単価で確定、増減しない そこから:すべて従量制 ▪ Claude Enterprise 移行 … Coding Agent がすべて従量 制に ▪ Cursor / Devin … もともと従量課金 定額の安心感が完全に消え、「使えば使うほど積み上がる」コスト構造 へ。 12
  9. 目先の対処としてやったこと Timee まずやったこと: 予算に対してコントローラブルにする。 ▪ ▪ もともと、一人あたりの AI 予算額を定めて予算見積もりしていた •

    その枠内に収まる運用を構築 • 予算計画は「一人あたり額 × 人数」で立つが、膨張傾向・Claude Enterprise化で加速する懸念 いきなり「 AI予算オーバーするので増額稟議を上げます」とは言えない • だからこそ、予算対比でコントローラブルであることが前提になる 経営に対する説明責任は果たせている 。(ここまでは現実解) 13
  10. コスト統制は理想か? No: なぜなら、分母しか見ていない 生産性 = Output(何を生み出したか) Input(トークン) 管理できていること(分母) ▪ トークン支出

    … 一人あたり予算の枠内にコントロールできて 扱えていないこと(分子) ▪ いる ▪ Timee 経営への説明責任 … 予算対比の報告は成立している 何に変換されたか … トークンが何の Output になったか帰 属が取れない ▪ 適切だったか … その Output がアウトカムにつながるものか も不明 「◯円/人に収まった」だけで安心しない。支出統制の成功は、 アウトカム については何も語っていない (= 分母の 管理のみ) 14
  11. この3ヶ月やってきたこと・分かったこと ▪ 実効トークンコスト = 名目トークンコスト + 検証税 … 請求書に出るのは名目だけ ▪

    使途の3区分 … 普段使い / 実験 / アウトカム投資 — 区別がつかないと帰属が取れない ▪ 「使わなさすぎ」の罠 … 「枠内に収める」の目標化は「使わないことが正義」を生む ▪ 抑制モデル vs 配分モデル … 問うのは「いくら使ったか」ではなく「何を生んだか」 Timee 目指すのは、抑制ではなく、付加価値創出のための配分 。 15
  12. コストに効く要素 : 現状3つの大きなものがありそう? # 要素 中身 1 知識や情報 ハーネスの整備、Tips や教育

    2 トークンを抑制・配分する仕組み 申請フローやトークン予算引当のシステム化 3 使う人そのもの コストを左右する主たる変数は、使う人 Timee 独自性のある部分 を中心にお話ししたいと思います。 17
  13. 要素1:知識や情報 — だが効くものは偏っているかも? Timee やったことと、計測から分かったこと。 ▪ Tips整備・周知を通じた教育 /ハーネス整備 ▪ OTel

    等でトークン消費を計測し、コストへの影響度を分析 → ハーネス反映 • キャッシュヒット率は誰でも 90% 以上 — 個別のキャッシュ最適化は差を生まない • cache read 自体は安価だが膨らんだコンテキスト(1M の 20〜30% 超)で何度も読まれると累積で高コストに ▪ 効果は大きく 2つ に集中 — まず モデルを適切に選び、セッションを適切に区切る • planと実装/実行でセッションとモデル選択を変えることも有効 モデル選択 ≫ セッション衛生( /clear・/compact) ≫ [大きな壁] ≫ その他の対策 18
  14. 要素2:トークンを配分する仕組み — よりアウトカム志向へ Timee 予算の見え方を、ツール別から用途別 へ。 これまで これから • Coding

    Agent(Claude / Cursor / Devin)独立管理 • 何に使うのか、使ったのかに注意を向ける • 予算内か・はみ出すか でしかコントロールできない • アウトカムにより投資されるようにしたい AIトークンコストという大きなくくりから、何にどれぐらいのトークンが使われたのか へ 従量制は大変だがトークンの使途を組織として意識 するきっかけに 19
  15. 要素2:トークンを配分する仕組み — アクセルとブレーキ Timee 承認ゲートで抑えるのではなく、機動的に払い出す 。 これまで ▪ 承認ゲートを強くして抑制 (同期承認の多段ゲート)

    これから(企画 →段階実施予定) ▪ 申請フローを同期から非同期 にして簡素化 ▪ システム化 によって機動的にトークンを払い出す ▪ プロジェクト的な使い方や突発的な作業に、個人へ機動的に 付与できるように(したい) ブレーキは効かせつつも、アクセルも踏み分けられる ようにする。(これから) 20
  16. 要素3:コストを左右する主たる変数は、使う人 Timee 仕組みと知識を整えても、最後に残るのは使う人。 ▪ /clear・/compact をいつ打つか、コンテキストをどこで区切るか — AI は自律的にやってくれない •

    現時点の Coding Agent(特に Claude)では、使う人間が操作する(※Auto Compactionは考えないものとする) ▪ コストに効くレバー(モデル選択・セッション衛生)は、人が意識的に引く必要がまだまだある ▪ スキルを配っても、ハーネスを整備しても、それだけでは達成されない 人を律する部分がどうしても必要 — 直近改めて分かったこと。 21
  17. まとめ:完全従量制でのコストマネジメントの景色 Timee トークンコストを抑制から配分、その先へ。 • 予算統制(抑制)が初手の現実解。だが、分母の管理でしかない — 配分へ踏み出していきたい ◦ • 従量制は大変。だが、コスト意識や効果的なアウトプット(≒アウトカム)が意識されるきっかけに

    大きな3要素が見えてきた: 知識や情報の整備 / トークン管理の仕組み化 / 使う人自身 ◦ トークン効率に効くのは意外にも偏っている — モデル選択とセッション衛生 かもしれない ◦ 組織全体・開発生産性へダイレクトに作用する仕組みづくり が大変だが面白い • 仕組みは、承認ゲート → 統制も効かせつつ機動的に払い出す 方向へ(アクセル&ブレーキ) • まだまだ走りながら仕組みを作って試行錯誤をしているところです コストを左右する主たる変数は結局「使う人」・ブレーキとアクセルを 組織として 踏み分け れるように 22