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個人から巡るAI疲れと組織としてできること - AI疲れをふっとばせ。エンジニアのAI疲れ治療...

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November 19, 2025

個人から巡るAI疲れと組織としてできること - AI疲れをふっとばせ。エンジニアのAI疲れ治療法 ショートセッション -

「AI疲れをふっとばせ。エンジニアのAI疲れ治療法」の登壇資料
https://techlife-asahi.connpass.com/event/369534/

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November 19, 2025
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  1. © LayerX Inc. 3 ⾃⼰紹介 LayerX • バックエンド軸のフロントエンドちょっとできるエンジニアとして入社 ◦ 2023/04〜

    SWE ◦ 2023/07〜 Engineering Manager ◦ 2025/07〜 HCM開発部 部長 • 電子帳簿保存・請求書発行プロダクトのEMを経て現在の立場に至る 趣味 • 子ども・育児、ゲーム、 ボードゲーム、コーヒー、etc… 経歴 新卒から常駐系SIer、Webソーシャルゲーム開発、ECの開発、アフィリエイトサー ビスプロバイダーやGoogleMap系のSaas開発などを経て現在に至る 株式会社LayerX バクラク事業部 HCM開発部 部長 菊池 翔(キクチ カケル)
  2. 4 © LayerX Inc. 「すべての経済活動を、デジタル化する。」をミッションに、AI SaaSとAI DXの事業を展開 事業紹介 バクラク事業 企業活動のインフラとなる業務を

    効率化するクラウドサービス Fintech事業 ソフトウェアを駆使したアセットマネジ メント‧証券事業を合弁会社にて展開 Ai Workforce事業 社内のナレッジやノウハウをデータ ベース化するAIプラットフォーム AI SaaSドメイン AI DXドメイン
  3. 5 © LayerX Inc. 「すべての経済活動を、デジタル化する。」をミッションに、AI SaaSとAI DXの事業を展開 事業紹介 バクラク事業 企業活動のインフラとなる業務を

    効率化するクラウドサービス Fintech事業 ソフトウェアを駆使したアセットマネジ メント‧証券事業を合弁会社にて展開 Ai Workforce事業 社内のナレッジやノウハウをデータ ベース化するAIプラットフォーム AI SaaSドメイン AI DXドメイン
  4. © LayerX Inc. 11 個⼈が感じるAI疲れ クリエィティブ出⼒ 画像‧動画などマルチ モーダルな取り組みも可 能に ⽣成AIの登場により”仕事”は新しい局⾯を迎えようとしている

    曖昧な内容から出⼒ ⾃然⾔語で多少の⽂脈を 理解してよしなに働くこ とができる 休まず⾼速で出⼒ コンピューティングリ ソース‧キャッシュの限 り無限量の働きができる 膨⼤な知識から出⼒ ⼀定の前提を与えれば 専⾨知識を有した⽣成を ⾏うことができる
  5. © LayerX Inc. 12 個⼈が感じるAI疲れ 知的財産の侵害 出⼒物の学習元に対して 著作権の違反リスクが⾼ まる ⼀⽅でEvilと感じる瞬間も散⾒されてきている

    無駄な⽂脈が⼊る 伝えていない内容を勝⼿ に判断されて不必要な アウトプットにまみれる ⼈間の処理能⼒限界 仕事のボトルネックが ⼈間のキャパシティ‧ ケイパビリティに強依存 する 知恵のない活動 知識に幅を利かせた活動 により過ぎたアウトプッ トが増える
  6. © LayerX Inc. 13 個⼈が感じるAI疲れ リファレンス管理 引⽤に近いものに対して 法的リスクがないか常に 気にしながら… AIを使う会社員にのしかかる疲労と恐怖

    管理責任‧出⼒査読 AIの出⼒をコントローラ ブルにする⽴ち回りを 必要と感じて実践する… キャリアクライシス 同じ仕事はAIが量を担保 し、ハイスキル⼈財だけ が⽣き残るかのような焦 燥感… 意図不明な物の保守 AIが⾃⼰管理不能になっ たものを⽀えるセーフ ティーネットな⼈…
  7. © LayerX Inc. 14 個⼈が感じるAI疲れ リファレンス管理 広報担当‧法務担当が最 終防衛ラインとして機能 している組織 …実は今に始まった話ではない?

    管理責任‧出⼒査読 テックリードがメンバー のPRをチェックして過不 ⾜を修正してもらう キャリアクライシス できる⼈間は多い中でい かに経験を積んで学習を 重ねていくかが勝負 意図不明な物の保守 退職した⼈が残した膨⼤ な技術資産を考古学して いく
  8. © LayerX Inc. 15 個⼈が感じるAI疲れ AI疲れの切り⼝‧正体とは 情報量 判断頻度 複雑度 技術的な

    複雑さ LLMの進化 LLMの 不確定性 LLMの 安全判断 ⾼頻度な 意思決定 AIマイン スイーパー AI利⽤の ノウハウ AIの 処理速度 ダメージ!! ダメージ!! ダメージ!! ダメージ!! 脳疲労では…? 対⼈での課題と同じだったとしても流量と流速が圧倒的に多いのがAI
  9. © LayerX Inc. 16 個⼈が感じるAI疲れ AI疲れも脳疲労と考えられるので実施できるアプローチは多い 1. 補給を適切に⾏う ◦ 抗酸化作⽤のある⾷(マグロ‧かつお‧鶏むね⾁‧ビタミンC)

    ◦ 脳のエネルギー供給を助ける⾷(うなぎ‧豚⾁‧⾖類‧クエン酸) 2. 休息を適時取る ◦ 合間の適切な休憩(ポモドーロ、散歩) ◦ オフタイムで副交感神経を優位にする(ぬるま湯に浸かる) ◦ 積極的休養と消極的休養のバランスを取る 疲れにくい脳の状態を作るために、個⼈としてAIに振り回されない知識‧知恵を培う • AIの特性を技術側⾯から理解する • LLMを使ったアプローチを泥臭く実施して魂で理解する 個⼈としては⾃分の脳‧⾝体と精神‧知識を磨くしかない
  10. © LayerX Inc. 17 個⼈が感じるAI疲れ AI疲れも脳疲労と考えられるので実施できるアプローチは多い 1. 補給を適切に⾏う ◦ 抗酸化作⽤のある⾷(マグロ‧かつお‧鶏むね⾁‧ビタミンC)

    ◦ 脳のエネルギー供給を助ける⾷(うなぎ‧豚⾁‧⾖類‧クエン酸) 2. 休息を適時取る ◦ 合間の適切な休憩(ポモドーロ、散歩) ◦ オフタイムで副交感神経を優位にする(ぬるま湯に浸かる) ◦ 積極的休養と消極的休養のバランスを取る 疲れにくい脳の状態を作るために、個⼈としてAIに振り回されない知識‧知恵を培う • AIの特性を技術側⾯から理解する • LLMを使ったアプローチを泥臭く実施して魂で理解する 個⼈としては⾃分の脳‧⾝体と精神‧知識を磨くしかない 個⼈だと限界あるだろ…!!
  11. © LayerX Inc. 19 1. 組織(会社‧チーム)としてAIの推進が必要であることを強くメッセージングする 2. AI Enablingを⾏う⼈財を⽴ててAI関連の学習(input)と社内向けの発信(output)をミッションにする 3.

    組織内の全員で同じAIツールを利⽤して知⾒を貯める 4. 定期的なトピック共有で組織のAI筋⼒を⾼める 組織として曖昧な判断を求められている時間を最⼩化して新しい知⾒獲得に対しての負荷を下げる 逆案 組織(会社‧チーム)としてAIの推進が”今は”必要でないことをメッセージングする 組織的なADRでその情報を溜めておいて、いざやるべき時に判断をするコストを下げる 組織としてやるべきか?いまじゃない?の恣意的解釈をなくして議論の時間を少なくする 組織としてAI疲れに抗うアプローチ 1. AI(LLM)利⽤の知識を会社組織のナレッジとしてストックする 実践的 観念的
  12. © LayerX Inc. 20 ⼤事なのは共有⽅法 アンラーンタイミングで必要なのは⽣々しい実地的な体験の共有 例 • AI Codingをどういう⼿順‧順序で⾏っているかをリアルタイム配信して⾒る会

    • 半⽇以上をブロックしてAI AgentのハンズオンでAgentの開発体験をする会 etc… 同期的‧インタラクティブな会話で集合知にする 組織としてAI疲れに抗うアプローチ 1. AI(LLM)利⽤の知識を会社組織のナレッジとしてストックする 実践的 観念的
  13. © LayerX Inc. 21 GreptileやCodeRabbitなどのユーザーフィードバックをコンテキストとして利⽤できるようなツールを 積極的に活⽤する 「⾯倒なことはAIにやらせよう」 SOC1レポートなり⼈間のレビューが必須になるケースなどでも1次レビューアとしてムダなコミュニケー ションロスを減らして業務負担の軽減にはなる Min案

    Cursor, CloudeCodeにlocalでコードレビューしてもらう ここで⼤事なのはAIに考えさせるようなことはなるべく避けること 例:「重⼤なロジックミスを指摘してください」「セキュリティ的な懸念を指摘してください」 組織としてAI疲れに抗うアプローチ 2. コードレビューでコンテキストを考慮する仕組みを⼊れる 実践的 観念的
  14. © LayerX Inc. 22 組織としてAI疲れに抗うアプローチ New Joinerや異動などでドメインのナレッジが⽋乏している状態に対してAI Codingを抑える 意図的にペアプログラミングの機会を作り、ティーチングベースでドライバーに知⾒を深めてもらう →

    いずれAIをマネージする⼈を育成し、AI奏者が何が起きているかわからないを防ぐ フロントエンドのエンジニアがAI Codingでいきなりバックエンドのタスクができるわけではない • 知る → わかる → できる → 教えられる 左の段階ほどになるほどAIの恩恵を得られなくなりやすいので、泥臭い⼿段に頼る 3. あえてAIに頼らないCodingによりインサイトの獲得を促す 実践的 観念的
  15. © LayerX Inc. 24 組織としてAI疲れに抗うアプローチ 誰にとっても正しい選択‧判断なんてものは存在しない 少しずつ曖昧さや不確実性を潰すアプローチを素早く試して早く「これはうまくいかない」を知⾒として 溜めていくしかない アマラの法則 「私たちは技術の短期的な効果を過⼤評価し、⻑期的な効果を過⼩評価する傾向がある」

    > We tend to overestimate the effect of a technology in the short run and underestimate the effect in the long run. 短期的なハイプ(過熱状態)で⼀喜⼀憂するのではなく、 ⻑期的に “確実に” 起きている変化を捉える、順応する登り⽅を選択する。 この無限マラソン編のような状態が⼀番⼼労を感じる要因かもしれませんが… 今は「未知の未知」と「既知の未知」でGapが広がるフェーズ 実践的 観念的
  16. © LayerX Inc. 26 まとめ 我々の感じているAI疲れというのは脳疲労からくるところがある • 抗うために脳の補給‧休息と継続的な知識と知恵の獲得を進める → 個⼈としてできることはやっていくに越したことはない

    組織としてAIの不確実性を乗りこなす仕組みを整備する必要がある • 組織としての意思決定の明確化、ナレッジ⼿段の確⽴ • ⼿段的なAIの登⽤とあえて使わないポイントの設定 個⼈で脳疲労を軽減しつつ、組織で漸進的なアプローチを続ける
  17. © LayerX Inc. 27 LayerX Open Door アカウント登録が一切不要なカジュアル面談を公開しています ・私と雑談してみたい ・質問したいことがある

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