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和束技術講義_2020第2回ver2.0.pdf

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iga-vegy-murayama

October 22, 2020
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  1. 「茶葉を生かした野菜」の栽培技術習得セミナー
    第2回 発酵・分解のイメージを掴む
    講師/伊賀ベジタブルファーム㈱ 村山 邦彦

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  2. 前回の課題設定を受けて…
    今回の講座で深めたいテーマ
    • いい土とは?(根圏、分解発酵と微生物、腐植、 C/N、堆肥)
    • ミネラルって何故必要? どう補う?
    時間あれば・・・
    • 実践面で施肥(窒素)を考える ~ 肥料の種類による違い/無肥料で育つ?

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  3. おさらい
    ①光合成と栄養(窒素)のバランス

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  4. ■細胞をつくる材料
    4
    細胞壁
    (繊維=骨格)
    細胞質
    (なかみ)
    セルロース
    CHO
    たんぱく質
    CHO-N

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  5. ■窒素(肥料)と光合成のバランス
    5
    N > CHO
    N < CHO
    肥料不足
    肥料過多

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  6. ■窒素(肥料)と光合成のバランス
    6
    窒素不足
    骨格優先
    小さい
    筋っぽい
    黄色い…
    窒素過多
    なかみ優先
    伸び伸び
    軟弱(とろけやすい)
    緑色が濃い
    N > CHO
    N < CHO

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  7. ■病害虫の被害はどちらに
    7
    N > CHO
    N < CHO
    肥料不足
    肥料過多

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  8. ■光合成(CHOをつくる)
    8
    CO2 + H2O ⇒ CH2O +O2
    有機物合成のスタート

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  9. ■糖の貯蔵と輸送
    9
    からだの各部に送られる
    デンプンとして(仮)貯蔵
    ⇒ 糖の形に戻して各部の細胞へ
    (転流/夜間に活発化)

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  10. ■窒素吸収
    10
    からだの各部に送られる
    からだをつくる窒素はどこから来る??
    土の中の窒素分
    【肥料】
    「蒸散」の流れに乗せて吸収

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  11. おさらい
    ②体内循環のメカニズム
    ※肥料が吸われて身になるまで。。。

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  12. 12
    ①溶ける 電気

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  13. 13
    ②根から吸収
    団粒の隙間の
    土壌溶液
    濃い?薄い?
    細胞の内部の
    生体液
    濃い?薄い?
    土壌粒子
    細胞
    浸透圧

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  14. 14
    葉:気孔から蒸散
    茎:毛管現象
    根:土壌から吸入
    ③蒸散流

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  15. 15
    からだの各部に送られる
    土の中の窒素分
    【肥料】
    「蒸散」の流れに乗せて吸収
    ④アミノ酸合成

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  16. 16
    アミノ酸の濃度差
    ⑤転流

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  17. 17
    糖 セルロース、でんぷん
    アミノ酸 タンパク質 (ペプチド)
    ⑥合成

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  18. 18
    細胞壁
    (繊維=骨格)
    細胞質
    (なかみ)
    セルロース
    CHO
    たんぱく質
    CHO-N
    核 ⇒ 核酸

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  19. ③土を観るポイント

    水はけ・肥料持ち 根圏生物相
    ミネラルバランス

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  20. 水はけ・肥料持ち

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  21. 21
    ■ 土の成り立ち
    ①鉱物 岩石が風化を受けて細かく砕けたもの(無機物)
    ②生物 植物の根や土壌動物(ダニ、ミミズ、線虫)
    微生物(糸状菌、放線菌、細菌)
    ③腐植 生物の遺体が長い年月をかけて化学反応した
    分解されにくい暗色の物資(難分解有機物)

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  22. 22
    ■鉱物ってどんな物質?
    ケイ酸 SiO2 が基本材料
    副材料:鉄 Fe とアルミニウム Al 、カルシウム Ca
    ナトリウム Na・カリウム K・マグネシウム Mgなど
    ミネラルの酸化物

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  23. 23
    ■地球の大半はマグマ…

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  24. 24
    ■地球表面に存在する元素

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  25. 25
    ■岩石の風化過程

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  26. 26
    ■岩石の風化過程

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  27. 27
    ■土壌粒子(鉱物)の大きさと土性

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  28. 28
    ■粒径と粘着力
    粒が小さくなるほど電気的性質が色濃く
    ⇒ 静電気が強い!!

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    ■土の構造(三相分布)

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  30. 30
    ■毛細管現象との比較
    細い隙間には水がくっついて離れない(静電気)

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  31. 31
    ■肥料持ちが良い土とは?
    土のなかの鉱物(MSiO4)はマイナスに帯電
    ⇒ 陽(プラス)イオンを抱えることができる

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  32. 32
    ■鉱物とCEC

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  33. 33
    ■ 土の粒子の大きさによる影響まとめ
    砂 → 壌土 → 埴土
    細かくなるほど・・・
    ★水持ちがよい(水はけが悪い)
    ★肥料持ちがよい(CECが高い)
    (※電気的性質が強まる)
    水はけ・肥料持ち

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  34. 34
    ■ 良い土といえば・・・
    ★水はけのよい
    (雨が降っても水溜まりにならない)
    ★水持ちのよい
    (簡単には乾きずらい)
    両立は可能なのだろうか?

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  35. 35
    ■団粒構造 → 植物が育ちやすい環境「土壌」が形成される
    小さい粒子が集まって大きい粒子を形成
    「水はけのよい、水持ちのよい土」 が可能に

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  36. 根圏生物相

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  37. 37
    ■植物の根と土の相互作用(共生) 「根圏」
    「根圏」: 植物と微生物の共生エリア
    土 → 1cm3あたり数億の生物 「生態系」
    植物の根
    ・土中の生態系で重要な役割
    ・ pHや栄養条件などが周囲の土と著しく異なる
    生物相

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  38. 38
    ■植物の根と土の相互作用(共生) 「根圏」
    【土(環境)が生物を育て、生物が土(環境)をつくる】

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  39. 39
    ■根粒菌
    空気中の窒素ガスを無機態に変えて植物に供給
    (マメ科と共生)

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    ■菌根菌
    リンを遠くから植物に供給するカビのなかま

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  41. 41
    ■根こぶ病~根こぶ線虫

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  42. 42
    ■微生物の多様性 ⇒ 植物の生育にとって重要

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  43. 43
    ■微生物のはたらき(物質の分解) → 堆肥の発酵過程

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  44. 44
    ■微生物のはたらき(物質の分解) → 堆肥の発酵過程

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  45. 45
    ■微生物のはたらき(物質の分解) → 食品の発酵

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  46. 46
    ■食べる/消化する ⇒ 土の分解機能と同じ!?

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  47. 47
    ■腐植って??
    土壌の有機物は微生物により分解
    ⇒ 最終的に消滅
    でも・・・一部は土壌にとどまる
    (暗色、構造は無定形の高分子化合物)
    腐植= 「分解途中の有機物のカス」

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  48. 48
    ■ 腐植の形成
    腐植: 有機物とアルミニウムや鉄が
    結合してできた物質
    ☆鉱物の風化過程でできる
    ☆植生が大きく関係
    ※火山灰土壌のイネ科草原で多く蓄積
    (→黒ボク)

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  49. 49
    ■ 腐植の形成

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  50. 溶ける ~ pH ~ ミネラルって何だ?

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  51. ■イオンが水に溶ける様子
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    イオン になる(電気を持つ)と溶けやすい

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    ■水に溶けるときの形 ⇒ 陽イオンと陰イオン
    陽(プラス)イオン
    → おもに金属の仲間(ミネラル)
    陰(マイナス)イオン
    → 「~酸」という名前がつく
    「塩」 ・・・水から析出
    陽イオンと陰イオンがくっついてる状態

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  53. 53
    陽(+)イオンのなかま
    おもにミネラル
    陽(+)イオンのなかま
    おもに「酸」

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  54. 54
    ■水に溶けるときの形 ⇒ 陽イオンと陰イオン
    「塩」の例
    「炭カル」
    カルシウムイオン
    Ca
    炭酸イオン
    CO3
    炭酸カルシウム
    CaCO3
    2+
    2 -

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    ■ pHとは?
    陽イオンが多い状態
    pH高>7 【アルカリ性】
    陰イオンが多い状態
    pH低<7 【酸性】
    +と-がバランスしている状態
    pH=7 【中性】

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  56. 3つのミネラルとそのバランス

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  57. 57
    細胞壁のなかのペクチン酸カルシウム(フルーチェ)
    Ca
    細胞壁
    骨格=繊維
    セメントを流し込む
    フルーチェ
    カルシウム
    石灰

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  58. 58
    Mg
    光をキャッチする緑色の
    【クロロフィル】
    マグネシウム
    苦土

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  59. ~植物にとって浸透圧は超重要~
    59
    生体が体内濃度の制御に使う
    濃い液
    薄い液
    半透膜
    K カリウム
    加里

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  60. 60
    ■土壌分析の見方 ~ CECと塩基飽和度

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  61. 61
    ■土壌分析の見方 ~ CECと塩基飽和度
    塩基飽和度 = 「既に埋まっている席の割合」

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  62. 62
    ■ミネラルバランスと塩基飽和度の目標値
    ★最適塩基バランス<例>(meq比) 石灰 苦土 カリ 比
    Ca:Mg:K = 5:2:1 (あるいは 7:3:1 ←締める時)
    ★最適塩基飽和度
    80%程度に調整(CEC15~20の場合) ちょい酸性
    ※ただしCECが低い時は飽和度を高めにする

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    ■ミネラル同士の拮抗関係
    石灰 ⇔ カリの関係 <石灰は締める ⇔ カリは緩める>
    夏:石灰多め 葉物:石灰多め
    冬:カリ多め 果菜類・根物:カリ多め

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