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Local×Organic×Technologyから見えてきたもの

 Local×Organic×Technologyから見えてきたもの

2021関西農業Week 専門セミナーでの講演資料
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ローカル・オーガニック志向は自立分散型の流通形態に親和性があるが、それを支えるシステムを適切にデザインすることが今後重要になる。生産・流通の現場が抱える諸課題の解決のため、多様な事業者が農産物や物流の情報をシェアする取組を進めるなかで見えてきた課題と展望を語る。

iga-vegy-murayama

February 24, 2021
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Transcript

  1. ローカル
    VS
    オーガニック から見えてきたこと
    VS
    テクノロジー
    2021年2月 関西農業WEEK セミナー講演
    伊賀ベジタブルファーム株式会社 村山 邦彦

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  2. 本日の流れ
    • 自己紹介
    • 全体像~立ち位置の確認
    • 事例紹介
    • 注目している周辺の動きなど
    • まとめ~ブレイクスルーへの展望

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  3. 自己紹介

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  4. 自己紹介
    • エネルギー科学専攻~機械・プラント開発エンジニア~高校理科教員
    • 環境・エネルギー問題のこと、自身の生き方を考えて脱サラ
    • 2007年 各地での研修を経て、三重県伊賀市で独立就農
    葉物・トマトなど有機栽培~宅配業者への契約出荷中心

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  5. • 2010年 伊賀地域の有機農業推進事業に参画、農業技術講座開催
    販売促進~産地形成、地域活性化などの取組を行う
    • 2012年 農場を法人化して 伊賀ベジタブルファーム㈱ 設立
    • 2013年 地域流通の新たな仕組づくりを目指し ㈱へんこ 設立

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  6. • 各地の農業関係者と連携し、多くのプロジェクトの運営に関与
    ー みえ次世代ファーマーズmiel (三重県内の農業経営者)
    ー 次代の農と食をつくる会 (全国の有機農業関係の事業者)
    ー 京都オーガニックアクション (京都周辺の流通事業者ら) ほか
    • 現在は 野菜の生産、産地卸売、業務システム開発等の事業経営、
    技術指導・講演・コンサルティングなどを行う

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  7. 【VISION】
    思い描く社会のかたち
    自立と共生
    ★誰もが自分の生き様を自分で決定
    ★多様な個性が互いに磨き合って成長
    ★いのちの連鎖・全体性を常に実感

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  8. 【MISSION】
    「自立と共生」の関係に基づく
    食の生産と流通のしくみ
    を提案・実現する
    ・多様なプレーヤーが主体的に連携
    ・原価計算に基づいた透明性の高い取引
    ・生産や流通に関わる技術の継承と革新

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  9. 全体像~立ち位置の確認

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  10. 令和2年2月 農水省
    生産局農業環境対策課資料より

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  11. 令和2年2月 農水省
    生産局農業環境対策課資料より

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  12. 様々な問題群を見据えながら
    持続可能な発展を模索する流れ

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  13. エネルギー資源は
    既にピークアウト
    化成肥料の窒素は天然ガス由来
    問題群

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  14. 鉱物資源もピークアウト
    問題群

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  15. 農薬の生態系への影響
    問題群

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  16. 日本の高齢化~人口減少
    問題群

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  17. 世界の人口構成の変化
    問題群

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  18. 世界における日本の
    経済的地位の低下
    問題群

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  19. 社会における格差拡大
    問題群

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  20. 農産物流通構造の変化
    平成28年9月
    生産者に有利な流通・加工構造の確立
    に向けて(農水省食料産業局)
    問題群

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  21. 農産物中間流通の弱体化
    平成28年9月
    生産者に有利な流通・加工構造の確立
    に向けて(農水省食料産業局)
    問題群

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  22. そもそも今、本当に大切なこと(イシュー)は何か?
    持続可能な農と食のあり方はどういうものか?
    「有機農業」という表現やスタイルにこだわりすぎない
    エネルギーや資源、社会のあり方、一人一人の暮らしと健康 など
    社会や自然に関わる長期フレームワークに絶えず目を向けながら
    よりよい生産・流通の形を常に考え続ける 結果としてオーガニック

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  23. ローカル・自律分散型農業の未来を決めるのは?
    【社会的連携基盤づくり、リーダー人材の育成】
    農協、市場など公的な機関がカバーできない隙間を埋める
    事業者連携のデザインおよび運営ノウハウの蓄積(ファシリテーション/管理)
    一人のリーダーシップで地域はガラッと変わる → 「人」を支える仕組づくり
    【テクノロジーの適切な導入(ハード、ソフト)】
    生産技術、経営管理(プロジェクト管理)、受発注・決済などの業務合理化・高度化
    テクノロジーに対する意識転換 業界内の技術情報共有
    中小事業者のためのERP ~ 業務連携システム・データ連携体制の構築

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  24. 事例紹介

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  25. 科学的アプローチを重視した
    有機栽培の実践からスタート

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  26. 新技術導入・開発
    オーガニックフェスタ
    就農希望者向け理論講座
    グリーンツーリズム
    伊賀有機農業推進協議会
    の取組例(地域の基盤構築)

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  27. 講義資料&動画は
    こちら(フリー)
    ↓ ↓ ↓
    技術の基本となるリテラシー(科学)を学ぶ場づくり

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  28. 新規就農希望者のための学びの場の例
    アグリイノベー
    ション大学校
    ↓ ↓ ↓
    令和2年2月 農水省
    生産局農業環境対策課資料より

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  29. 地域の農業経営者同士の連携の場づくり

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  30. へんこWeb
    ↓ ↓ ↓

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  31. 有機・こだわり農産物のマッチング スポット取引から通年契約まで
    生産者を支える基盤づくり

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  32. 地域の農産物の取りまとめ(卸売)を
    支えるために必要なシステムの構築
    受発注・決済
    作付情報集約
    物流最適化
    販売データ解析
    販売システム

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  33. 農産物流通に関わる業務一つ一つのDX化
    へんこの業務ツール生態系 → ERP統合を進めている

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  34. 個々の生産者の管理業務と対応する様々なアプリ(例)
    圃場オペレーション
    資材購入・使用・在庫管理
    圃場の作付計画管理
    生産工程管理(計画・記録)
    作業者労働時間管理
    収穫~出荷管理~指示
    有機JAS申請
    (生産管理記録、格付記録)
    販売管理
    出荷可能商品の連絡
    受注一括化
    ピッキングリスト
    納品書などの管理
    月末の請求処理
    入金管理
    財務管理
    経費入力
    資産管理
    確定申告
    財務分析
    労務管理
    給与計算
    社会保険事務(労働保険、年金、健保)
    補助金申請など
    人事規定~
    研修など
    Agrion販売
    Corec
    弥生会計 Money Foward
    freee 農業会計ソリマチ
    弥生販売
    弥生の給与計算
    Agrion
    アグリノート
    ソリマチ農業日誌
    アプリ間でデータ統合ができないか?
    取引先とデータ連携できないか?
    業界全体でオープンイノベーションを!

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  35. 全国の取組を串刺しで支えるための仕組づくり
    メンバー
    代表理事 千葉康伸(NO~RA)
    副代表理事 西辻一真(マイファーム)
    種藤潤(OVJ)
    事務局 間宮俊賢
    監事 高橋勉(JONA)
    小野邦彦(坂ノ途中)白土卓志(ICAS)他

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  36. オーガニック・エコ農産物のポータル構築事業
    ⇒ farmO (マッチング支援アプリ)
    開発運営は・・・

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  37. 京都エリア
    南丹エリア
    京丹波エリア
    福知山エリア
    京丹後エリア
    与謝野エリア
    綾部エリア
    ローカル ⇔ 都市をつなぐ仕組づくり
    生産者・流通業者ら関係者の連携
    各地域に集荷・配送拠点を設けて共同集荷・配送
    各エリアに連携コミュニティ形成
    地域の取組と業界全体のイノベーションをつなぐ「物流シェア」
    【京都オーガニックアクション】

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  38. 受発注情報の一元化~共有
    ⇒ 集配送ピッキングリスト生成
    farmOを受発注情報を共有する
    プラットフォームとして活用

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  39. 情報共有を可能にする関係の醸成
    ⇒「協議会」のフレームづくり
    技術勉強会
    濃密な意見交換会
    マルシェ開催
    八百屋マップ制作
    実需者産地訪問
    ~作付調整など

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  40. 注目している周辺の動きなど
    (とりわけプラットフォーム関連の動き)

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  41. 卸売市場を巻き込んだ農産物情報プラットフォーム

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  42. 物流がカギになる~今、注目の取組は やさいバス
    加藤百合子氏

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  43. 農産物物流情報共有のためのヒント
    ★バスの運行情報の全国統一データベース規格
    GTFS-JPを土台にして
    弊社ではローカル向け
    農産物物流情報共有
    プラットフォーム構築中

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  44. 農業認証のデジタル化統合 プラットフォーム構築(国の動き)
    有機JAS、G-GAP認証機関
    日本オーガニックナチュラルフーズ協会
    (JONA)と連携して
    生産・流通業務システムを
    認証プロセスに直結でつなげる
    データ共有システムを構築中

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  45. 日本の農業関連情報 API プラットフォーム

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  46. アフリカ農業~最後のフロンティア/リープフロッグ効果に注目

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  47. まとめ ~ ブレイクスルーへの展望

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  48. 卸売業務基幹システムと周辺諸機能のDX化
    • 農産物ロジスティック改善のために様々な試み
    中間流通へのテクノロジー導入・情報利用スキル向上が鍵
    • 【卸売機能】⇒ネットワークをつなぐ重要な役割・情報集積ポイント
    現実的には「ブローカー」・・・ DX化が進みにくい構造的問題
    煩雑で蛸壺化しやすい業務を分析・整理する地道な作業が必要
    • 大きなプラットフォームより、統合規格設定&「ミドルウェア」開発が重要では?
    商品コードや受発注データ形式を統合
    個々の事業者の業務は千差万別・・・個々にかなりのカスタマイズが求められる

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  49. 生産者を支える連携と業務改善の仕組
    • 生産者の連携と学びのためのインフラ構築
    新規就農者~経営者同士の学び合い
    生産技術、経営管理、ヴィジョンやミッション
    • 各種アプリの開発、リモート技術の浸透、自律分散メディア拡大などはプラス
    中小規模の生産者らの「クラスタ」をつくり、それをネットワーク化
    キューレーション、ハブvsハブ接続がますます重要に

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  50. 農業界における自律分散システム開発
    • 生産者や八百屋が自分で業務システムをつくる・カスタマイズする時代
    EXCEL利用 ⇒ データベース構造化、オンライン化
    • ローコード開発環境が整ってきた
    コーディングができなくてもシステム開発できるハードルが下がっった
    弊社ではFilemakerを活用~データハンドリング技術を学び続けている
    • 流通の構造は世界共通 … グローバル連携へ
    世界各地の生産者ハッカーらとの連携を模索中

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