Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
第1回栽培技術・経営力向上研修会
Search
iga-vegy-murayama
June 30, 2022
Technology
1
370
第1回栽培技術・経営力向上研修会
奈良中央卸売市場オーガニック流通推進協議会 曽爾村プロジェクトの一環で2022年6月からスタートした、地域でオーガニックを目指す農業者向け講習会資料
iga-vegy-murayama
June 30, 2022
Tweet
Share
More Decks by iga-vegy-murayama
See All by iga-vegy-murayama
KOA取組紹介プレゼン資料_rev20190715.pdf
kmurayama
0
370
伊賀地域の農業者連携の取組.pdf
kmurayama
0
38
KOA協議会R2年度実践拠点づくり事業取組報告
kmurayama
0
45
Local×Organic×Technologyから見えてきたもの
kmurayama
0
100
和束技術講義_2020第2回ver2.0.pdf
kmurayama
0
190
R2 茶源郷セミナー 第1回
kmurayama
0
180
生産・流通の両面から見た 有機農業が抱える課題とこれからの展開について
kmurayama
0
68
Other Decks in Technology
See All in Technology
コンピューティングリソース何を使えばいいの?
tomokusaba
1
160
Post-AIコーディング時代のエンジニア生存戦略
shinoyu
0
280
ZOZOTOWNカート決済リプレイス ── モジュラモノリスという過渡期戦略
zozotech
PRO
0
320
第65回コンピュータビジョン勉強会
tsukamotokenji
0
130
[mercari GEARS 2025] Keynote
mercari
PRO
0
240
はじめての OSS コントリビューション 〜小さな PR が世界を変える〜
chiroito
4
310
これからアウトプットする人たちへ - アウトプットを支える技術 / that support output
soudai
PRO
18
5.4k
探求の技術
azukiazusa1
7
2.1k
今、MySQLのバックアップを作り直すとしたら何がどう良いのかを考える旅
yoku0825
0
350
Quarkusで作るInteractive Stream Application
joker1007
0
140
AWS オブザーバビリティサービスアップデート
o11yfes2023
0
110
それでは聞いてください「Impeller導入に失敗しました」 #FlutterKaigi #skia
tacck
PRO
0
120
Featured
See All Featured
Cheating the UX When There Is Nothing More to Optimize - PixelPioneers
stephaniewalter
285
14k
[Rails World 2023 - Day 1 Closing Keynote] - The Magic of Rails
eileencodes
37
2.6k
Thoughts on Productivity
jonyablonski
73
4.9k
jQuery: Nuts, Bolts and Bling
dougneiner
65
8k
Balancing Empowerment & Direction
lara
5
740
StorybookのUI Testing Handbookを読んだ
zakiyama
31
6.3k
Done Done
chrislema
186
16k
実際に使うSQLの書き方 徹底解説 / pgcon21j-tutorial
soudai
PRO
192
56k
Creating an realtime collaboration tool: Agile Flush - .NET Oxford
marcduiker
34
2.3k
Context Engineering - Making Every Token Count
addyosmani
9
380
Git: the NoSQL Database
bkeepers
PRO
432
66k
Bash Introduction
62gerente
615
210k
Transcript
植物生理の基本 奈良中央卸売市場オーガニック流通推進協議会/曽爾村農業公社 伊賀ベジタブルファーム㈱ 村山邦彦
今日のポイント その1.光合成と窒素のバランス その2.植物体内の物質移動
その1 光合成と窒素のバランス ・植物のからだ ・光合成と窒素吸収 ・窒素バランス
4 ▪生体をつくる材料 = 有機物 C , H , O ,
N 有機物 C H O (炭水化物) C H O – N (窒素を含む有機物) でんぷん(貯蔵用) セルロース(繊維=骨 格) 他 油脂など タンパク質(からだ主 材料) 他核酸など 基 本 単 位 糖 (グルコース、ショ糖等) アミノ酸 (21種類グルタミン酸等)
▪細胞をつくる材料 5 細胞壁 (繊維=骨 格) 細胞質 (なかみ) セルロース CHO たんぱく質
CHO-N 核 ⇒ 核酸
▪細胞をつくる材料 6 細胞壁 =構造体 鉄筋部分 ⇒繊維 (セルロース) セメント部分 ⇒ペクチン (フルーチェ)
ブロックを積んで 体を支えるイメージ
▪細胞をつくる材料 7 細胞壁 細胞質 (なかみ) CHO 窒素不要 CHO-N 窒素が必要 (あれば充実)
▪細胞をつくる材料 8 CHO はどうやって作られる?? ★まず【光合成】で基本材料の糖(CHO)をつくる ↓ 〇糖を沢山つなげて(合成して)炭水化物 〇糖に窒素(N)をつなげてアミノ酸→タンパク質 CHO-N たんぱく質
炭水化物
▪光合成 9 CO2 + H2O ⇒ CH2O +O2 有機物合成のスタート
▪糖の貯蔵と輸送 10 からだの各部に送られる 葉でデンプンとして(仮)貯蔵 ⇒ 糖の形に戻して各部の細胞へ (転流/夜間に活発化)
▪窒素吸収 11 からだの各部に送られる からだをつくる窒素はどこから来る?? 土の中の窒素分 【肥料】 「蒸散」の流れに乗せて吸 収
12 ▪窒素(アミノ酸)の輸送 無機窒素、糖を使いアミノ酸合成 ⇒ 各部の細胞へ (生⾧点にはアミノ酸が届く ※無機窒素は送らない)
▪窒素(肥料)と光合成のバランス 13 N > CHO N < CHO 肥料不足 肥料過多
▪窒素(肥料)と光合成のバランス 14 窒素不足 骨格優先 小さい 筋っぽい 黄色い… 窒素過多 なかみ優先 伸び伸び
軟弱(とろけやすい) 緑色が濃い N > CHO N < CHO
▪病害虫の被害はどちらに 15 N > CHO N < CHO 肥料不足 肥料過多
?
▪有機質肥料を使うメリットについて 16
その2 植物体内の物質移動 ・水の属性/溶けるとは? ・浸透圧 ・蒸散と転流 ・植物体内の物質移動
▪水と電気 18 水は極性分子(電気的に偏りがある)
▪イオンが水に溶ける様子 19 イオン になる(電気を持つ)と溶けやすい
▪浸透圧 20 異なるものが同じになろうとする・・・熱力学第2法則 「薄い」⇒「濃い」の方向へ動く 濃い液 薄い液 半透膜
▪浸透圧 21 なめくじ に塩を振る ⇒ 濃い液に触れる
▪植物が「水を吸う」とは? 22 「根」 … 膜に覆われた細胞 根が水を吸う とはどういうことか? 団粒の隙間の 土壌溶液 濃い?薄い?
細胞の内部の 生体液 濃い?薄い? 土壌粒子 細胞
▪植物体内の水の移動メカニズム 23 植物体内の水(物質)の移動 ① 蒸散 (道管) 葉での蒸散 ⇒ 吸い上げ圧力を生む ②
転流 (師管) 浸透圧を利用して養分を各部に送る
▪蒸散流 24 葉:気孔から蒸散 茎:毛管現象 根:土壌から吸入
▪蒸散 25 植物は<蒸散>で養分を吸い上げる ◎葉で蒸散が行われないと何も吸えない! ◎周囲の湿度に大きく依存 (乾燥⇒蒸発促進) 対流(風)も影響 ◎気孔の開閉 ⇒ 栽培のキモ
土や空気、体内の水分量を感知して開閉
▪蒸散に影響を与える要素 26 根周辺の乾湿 空気の湿度 (飽差) 日照 気温 生体液濃度 (膨圧) 土の養分濃度
根圧
▪転流 27 養分を各部へ → 転流
▪浸透圧を利用して移動 28 糖の濃度差をつくる
▪肥料(窒素)が植物のからだに使われるまで 29 ①肥料の分解(水に溶けるまで…) ②根による吸収 (基本的には無機体窒素) ③蒸散流に乗って「上へ」 水は蒸発してNが葉の気孔周辺に残る ④アミノ酸合成(葉の糖と合成) ⑤転流(葉から各部へ) ⑥生⾧点で細胞合成
(アミノ酸 ⇒ たんぱく合成)
▪植物体内の物質移動 おさらい 30 ①溶ける
31 ②根から吸収 団粒の隙間の 土壌溶液 濃い?薄い? 細胞の内部の 生体液 濃い?薄い? 土壌粒子 細胞
▪植物体内の物質移動 おさらい
32 葉:気孔から蒸散 茎:毛管現象 根:土壌から吸入 ③蒸散流 ▪植物体内の物質移動 おさらい
33 からだの各部に送られる 土の中の窒素分 【肥料】 「蒸散」の流れに乗せて吸 収 ④アミノ酸合成 ▪植物体内の物質移動 おさらい
34 アミノ酸の濃度差 ⑤転流 ▪植物体内の物質移動 おさらい
35 糖 セルロース、でんぷん アミノ酸 タンパク質 (ペプチド) ⑥合成 ▪植物体内の物質移動 おさらい
36 細胞壁 (繊維=骨 格) 細胞質 (なかみ) セルロース CHO たんぱく質 CHO-N
核 ⇒ 核酸 ▪植物体内の物質移動 おさらい