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猫でもわかるFusion360 ~ヤマハMT-01のキャリパサポートをアルミ削り出しで作ろう~
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K.Masaki
PRO
June 14, 2024
Technology
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55
猫でもわかるFusion360 ~ヤマハMT-01のキャリパサポートをアルミ削り出しで作ろう~
猫でもわかるFusion360
~ヤマハMT-01のキャリパサポートをアルミ削り出しで作ろう~
バイクのカスタムパーツの作り方の解説です。
K.Masaki
PRO
June 14, 2024
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Transcript
超初心者対象の Fusion360のモデリング・造形教室です。 ボクでも出来るよ♡ MTシリーズ 元ネタ: 鳥取県の「猫の焼き芋屋さん」がすごいモフモフ! 2足歩行で接客する姿に「私も会いたい」「かわい い」の声 https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1905/14/news 080.html
ヤマハ発動機 元ネタ:猫でもわかるプログラミング http://www.kumei.ne.jp/c_lang/ 特別企画: ※作例はイメージです。 ※A7075超々ジュラルミン 2022.11.2 株式会社B&B Lab. 代表取締役 眞崎康平
ガキンチョ 真似すんな 参考: 国土交通省 保安基準等 https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_fr1_000075.html
CAD CAM CAEの使い方や最新トピックスを分かりやすく発信する技術メディア キャド研 https://cad-kenkyujo.com/fusion360/ 個人や学生向けには無料で提供されている3次元CADで このソフトで3Dプリンタのデータを作ることができ、アイデアをカンタンに形にすることができます。
ヤマハ発動機株式会社が開発・製造しているスポーツバイクの現行主力ラインナップ https://www.yamaha-motor.co.jp/mc/lineup/mt/
MTシリーズの元祖にして唯一無二の存在のスーパー変態バイク ※複数オーナーの率直な感想ですw 参考: Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/ヤマハ・MT-01 参考: MT-10の系譜 ~MT-01(5YU)-since 2005-~ https://bike-lineage.org/yamaha/mt/mt-
01.html
〇Louis Vuitton Style 〇顔変3人衆 バイク本体に負けず劣らずクセの強いオーナーにより魔改造が施されている。 〇Dark side of …… ※オーナーの方々、画像の無断引用すいませんw
※数も数えられないらしいw
オーナーですら理解不能な魔改造が過ぎて原型を留めないw 〇6pod リアキャリパ移植 〇油圧センサ 純正部品を加工して取付 〇FZS1000カウル装着 ※全部ワンオフで自作w 〇ドライカーボン製 ナンバーステー 〇虹色に光るイリュージョンメーター
動画でご確認ください
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リアブレーキにも 枝豆! フロントのモノブロック6podキャリパ(通称:枝豆) が付けたいんじゃ!!!! そこからすべてが始まった
実車から取り外すと乗れなくなるので オークションなどで中古部品を入手 まずスケールと一緒に撮像して外形を2D CADでトレース ※望遠で引いて撮像したほうが画像のゆがみは少ない (ズーム内蔵デジカメ、またはスマホ推奨)
採寸ノウハウ 1.写真を2DCADでトレース 既知の寸法でスケーリング 2.主要寸法をスケール、ノギス、 デジタルハイトゲージで採寸 ※著者はDraftSight(ダッソーシステムズ)を使用 差異があればCADデータに差異を反映させて 作業を繰り返す ※写真だとディスク径が既知 3.コピー用紙に原寸で印刷し
現物に当てて寸法を確認する デジタルだと ゼロ点設定ができるので段差などの 測定が精密にやりやすい 中国製だと3000円 ぐらいである。 マイクロメータもあればよいが 基本なしでも問題なし ※実測値ではなく設計値を合理的根拠のもと算出するため
ポイント 1.主要部分の寸法さえ押さえられていれば問題ない。必要ないところはモデリングしなくてよい 重要度の低い部分(他の部分の干渉がないRの部分)はそれっぽい形になればOK 2.重要部分の寸法は設計値としてキリがよい数値が設定されているはずなので、再設計するつもり で設計者の気持ちになり、仮説を立てて合理的な設計値をリバースエンジニアリングで求める。 ※海外製ではインチ換算でキリがよく設計されている可能性がある。 3.はめ合い、ネジの寸法などはJIS規格などで規定があったり、設計ノウハウ(シャフト穴径は 0.1mm大きくする)など規格や経験値を適用する必要がある。 設計に 使わない部分は
省略してよい
実車から取り外すと乗れなくなるのでオークションなどで中古部品を入手 逆輸入車等国内正規販売されていない車種の パーツは、車体番号がないと発注できない 場合があるので注意! Step1と同様にパーツの採寸を行う。ポイントは以下の通り 1.マウントボルトとディスクのセンター(ディスクの逃げのスリットの中央面)を正確に測定する 2.ディスクの中心と、キャリパ座面の関係は実測が難しいので オリジナルの搭載車種のディスク径 パッドの当たり面の外周 これが一致するものと仮定して主要寸法がキリのいい数字になる条件を2DCAD上で探す。
3.機能に関係ない部分は見た目が一致するようにラフに書いても問題はない
パーツを移植するための主要寸法を割り出す 他の構成パーツも同様にモデリングする ※直接関係しないパーツ 図中8,9 はモデリングしなくてもいい 汎用部品はネットから 探してダウンロードする ※ここで頑張ると出来上がりかけてきた際のモチベーションや、干渉チェックなどの効率が上がる
参考 パーツリストの分解図 モデリングをやり込んだ後、組みたてが完成した充実感はヤバい!
実車やWeb上のカスタムパーツのカタログ 有志がモデリングした3Dモデルを元に必要部分のみをモデリング
1.本格的なモデルを作る前に、寸法決めのジグをモデリングする。 それを用いて干渉しない位置に当たりをつける 位置決めジグ 回転させて干渉しないギリギリの位置を探る 特に形状に凝る必要はない
2.デザインの素案と位置決め結果をもとに大まかなデザインを決める Ver.1 干渉などをチェックしながら、最初の試作版のモデルを作る 干渉に関しては最初はある程度マージンをもって作成することを推奨する
3.ナイロン素材で試作する 2~3週間 このサイズで15000円程度 DMM.Make 等の3Dプリンティグサービスで依頼可能 ⇒出力形式はSTL形式などプリンティングサービスの仕様に合わせる 仕上がりのクオリティは表面がざらざらとした 細かい砂のような感じで仕上がる 人間の力では容易に変形、破損しない程度の強 度はある。
※これぐらいの大物だと熱溶融型の3DプリンタでABS樹脂 では不安と、そもそもの造形の再現性が疑問があるので 個人的見解では干渉チェック程度しかできないと考えている。
4.加工、実車へのフィッティング タップ加工 ※ねじピッチが特殊な場合があるため 事前に調査、タップ手配のこと タップ加工 ※ねじピッチが特殊な場合があるため 事前に調査、タップ手配のこと シャフトの嵌めあい 今回、シャフトが通らなかったためヤスリで加工して穴を広げた。 最初からアルミ素材で作ると修正が大掛かりになるためナイロン素材
で試作したほうが無難 スイングアームのストッパとの 取り合い確認 無事装着が確認
5.ブレーキとしての機能確認 CADによる事前シミュレーション 実車装着による確認 確認の動画 確認の動画 確認事項 ・ディスクとキャリパの平行度 ・ディスクの外周とパッドの外周が一致していること ・相応の剛性感があるか。 ※ディスク径が流用元と違うため完全には一致しないが
容認可能な誤差の収まっていることを確認する
6.設計のブラッシュアップ 赤枠の余白が大きいのがダサい 見直し前 一次試作時に大きく取ったマージンを見直す 見直し後
6.設計のブラッシュアップ 見直し後 見直し前
7.削り出しでの制作に向けた設計のブラッシュアップ 見直し後 見直し前 確認事項 ・切削工具の径に対して無駄に細かい Rをつけない ・加工の不連続点をなくすモデリングにする ・応力集中につながりそうな部分を修正 ・肉抜きの検討
8.強度検討 Fusion360のFEM機能を使って安全率などを確認・検討する。 ストッパーの 下面で拘束 アクスルシャフト でラジアル方向 に拘束 キャリパボルト座面 で仮にディスク円周方向 に車重分の加重を加える
250kgf ( 2.45kN ) シミュレーションのために キャリパの代わりに 剛体とみなせるブロック (素材 A7075)を装着 条件としてはかなりマージンはありそう ※リアブレーキの実質の制動力は小さい 確認手順 1.素材を決める。今回はA7075(超々ジュラルミン)を用いる。 2.荷重の条件を車両の諸元、法規制などを参考に定める。 3.拘束条件に必要なパーツをモデリングする ・荷重をかけるキャリパーをモデリングした剛体とみなせるブロック ・スイングアーム上にあるブレーキトルクを受けるためのストッパ 4.荷重、拘束条件を設定する ・アクスルシャフトにラジアル方向に拘束(回転はできる) ・ストッパーの下面で拘束(すべりはOK) ・荷重はキャリパをモデリングしたブロックに円周上にかける。
8.強度検討 https://www.naltec.go.jp/publication/regulation/fkoifn0000000ljx-att/fkoifn0000000oax.pdf 参考資料 独立行政法人自動車技術総合機構審査事務規程 別添 4(4-15 関係) 改造自動車審査要領 ブレーキの破壊安全率は1.6以上 を法的には要求されているので
満たす必要がある。 •Professional Engineer Library 工業力学 •本江 哲行 (著), 久池井 茂 (著), PEL編集委員会 (監修) •出版社 : 実教出版 (2016/10/20) •発売日 : 2016/10/20 •言語 : 日本語 •単行本 : 204ページ •ISBN-10 : 4407337893 •ISBN-13 : 978-4407337891 荷重条件の検討などに役に立つ文献 Amazon購入先リンク その他、 ・強度検討書などのキーワードで検索を掛ける ・陸運支局の職員に相談する など検討の余地がある。
素材/表面仕上げ A7075 アルマイト加工 制作費用 / 依頼先 ¥65,670(税込み) / 株式会社カブク https://www.kabuku.co.jp/
納期 3週間(中国製造)
CG image 実車装着 Normal 2ポッドピンスライドキャリパ 6Pod モノブロック 対抗ピストンキャリパ ※ディスク径は267mm ※車両の3Dモデルはネットから拝借
車検対応的には特に現行の法制度では改造申請不要 ・二輪の民間車検場の検査員(行きつけのバイク屋店員)に確認 ・以下の書籍で確認 メチャクチャコントロール性が上がって おススメのカスタマイズ
代表 眞崎康平
[email protected]
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