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生成AI活用で「一人当たり売上高140%」の実現 / generativeai-summit-...

生成AI活用で「一人当たり売上高140%」の実現 / generativeai-summit-5-link-and-motivation

生成AIサミットVol.5
リンクアンドモチベーション登壇資料(2025/05/28)

『生成AI活用で「一人当たり売上高140%」の実現 〜社内浸透に挑んだ、本気の2年間〜』

#生成AIサミット5 #リンモチ
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【イベント情報】
■イベントページ
https://generativeai-summit-5.peatix.com/

【株式会社リンクアンドモチベーション】
■お問い合わせ
 [email protected]
■テックブログ
 https://link-and-motivation.hatenablog.com/
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Transcript

  1. 2 © Link and Motivation Group 自己紹介 株式会社リンクアンドモチベーション 常務執行役員 /

    プロダクト開発室室長 会社全体における 生成AI活用推進の責任者 コンサル事業DXの プロジェクト責任者 柴戸 純也 Shibato Junya 2つの企業で執行役員を務め、1社を上場へ導く。 「社会を前進させるプロダクトをつくりたい」という思いから、 2018年に1人目のエンジニア社員としてリンクアンドモチベーションに入社。 現在は「モチベーションクラウド」の開発責任者を務めると同時に、常務執行役員としてグループ全体のDXも牽引。 株式会社リンクアンドモチベーション DX推進ユニット ユニットマネジャー 河野 智則 Kawano Tomonori 2011年に株式会社サイバーエージェントへ入社し、プロダクトの立ち上げから 運用まで幅広く携わった後、グループ子会社の開発責任者に従事。 2020年にリンクアンドモチベーションへ入社。EMとして開発生産性の向上に貢献。 2024年より、生成AIを中心とした先端技術の活用を推進し、全社規模のDX変革をリード。
  2. 3 © Link and Motivation Group 会社紹介 創業年月日|2000年4月7日 上場市場 |東京証券取引所

    プライム市場 従業員数 |約1,500名 (グループ全体) 売上 |374億 (グループ全体) ※2024年12月期 事業内容 |国内初の組織改善クラウドサービス AI活用 |専門チームを立ち上げ、方針・ツール・ナレッジを一元化 株式会社リンクアンドモチベーション
  3. 4 © Link and Motivation Group 会社紹介 経営と現場をつなぐ オールインワンのサービス 国内最大級の12,870社、532万人(※)のデ

    ータベースをもとに組織状態を可視化・分析可 能。エンゲージメントサーベイだけではなく、 個人開発(360度診断)機能やWeb社内報(社 内ポータル)機能もご利用可能。 (※)2025年3月末時点
  4. 5 © Link and Motivation Group 目指す生産性 開 発 生

    産 性 プ ロ ダ ク ト 価 値 非 開 発 生 産 性 20 倍向上 5 倍向上 大幅向上 開発効率の飛躍的改善 業務プロセスの最適化 顧客体験の革新
  5. 6 © Link and Motivation Group 目指す生産性 開 発 生

    産 性 プ ロ ダ ク ト 価 値 非 開 発 生 産 性 5 倍向上 大幅向上 開発効率の飛躍的改善 業務プロセスの最適化 顧客体験の革新 本 日 の テ ー マ 20 倍向上
  6. 7 © Link and Motivation Group 非開発領域の取り組みレベル Lv. 1 既存業務フロー前提の業務改善

    生成AI前提の業務プロセス再構築 Lv. 2 本 日 の 主 題 将 来 的 課 題 地 道 な 業 務 改 善 可視化→設計→実行 を徹底 (人・AI・RPA・GASの協働)
  7. 8 © Link and Motivation Group 実際の成果 特定部署で、スモールサクセス→モメンタムを醸成 事業インパクト コンサル部門の従業員

    一人当たり売上 前年比約 140% 業務効率化 業務時間 10,560h/年 削減 AI活用 AI活用人材割合 96% 初期 モメンタム フェーズ 成功事例の 型化・展開 フェーズ 2024年からコンサルティングに従事する24名の事業部を対象に、業務改善を実施 事業インパクト到達までの流れ ①提案の準備工数が50%削減→②提案件数が70%増加 + 受注率・リピート率が増加→ ③売上140%達成 特定部署の23/24人が対象
  8. 9 © Link and Motivation Group 実際の成果 業務効率化 業務時間 AI活用

    AI活用人材割合 ツール開発 独自AIツール数 200個超 80% ノンエンジニアのリスキリングで AIツールを量産 全社で、再現性を持ったAI活用メソッドの検証・連鎖 初期 モメンタム フェーズ 成功事例の 型化・展開 フェーズ 2025年からリンクアンドモチベーションに所属する約530名に、AI活用メソッドを横展開 LM所属の420/530人が対象 71,000h/年 削減 ※ 2025年5月27日時点
  9. 10 © Link and Motivation Group 主な活用AI技術 生成・要約 情報収集 自動化・業務支援

    ※上記に加え、以下のツールも活用 NotebookLM / Genspark / Felo / Gamma / イルシル / Marp /Napkin AI / tl;dv / Tactiq / Vrew 目的に合ったツールを選び抜き、徹底活用する ChatGPT Claude Gemini Dify n8n Agentforce Deep Research perplexity
  10. 11 © Link and Motivation Group 直面したトラブル(転倒体験) 『全社一斉導入』したが、『使われない』 『配っただけ』で現場に『定着しない』 『効果測定をしない』ので『改善につながらない』

    ツールを提供するも、現場で生じた 「3つの壁」 1 2 3 パーキンソンの法則に陥った 業務時間を削減した分、「ゆっくりご飯を食べられる」ように。 しかし、フタを開けてみると残業は減らず、生産性も横ばいのまま。
  11. 12 © Link and Motivation Group 直面したトラブル(転倒体験) 『全社一斉導入』したが、『使われない』 『配っただけ』で現場に『定着しない』 『効果測定をしない』ので『改善につながらない』

    ツールを提供するも、現場で生じた「3つの壁」 1 2 3 パーキンソンの法則に陥った 業務時間を削減した分、「ゆっくりご飯を食べられる」ように。 しかし、フタを開けてみると残業は減らず、生産性も横ばいのまま。 ツールを入れただけでは、組織は変わらない
  12. 13 © Link and Motivation Group 方針転換:「カップケーキ型」への移行 特定部門での徹底した深掘り • 個別ユースケースを徹底的に深掘りし、価値を研ぎ澄ます

    • 広く浅い「スポンジケーキ型」から、狭く深い「カップケーキ型」へ 広く 浅く 深く 狭く スポンジケーキ型 カップケーキ型 PwC社の調査: 「活用効果が期待を大きく上回る企業はわずか9%」大きな活用効果を狙うこの方針が妥当
  13. 14 © Link and Motivation Group 方針転換:「カップケーキ型」への移行 特定部門での徹底した深掘り • 個別ユースケースを徹底的に深掘りし、価値を研ぎ澄ます

    • 広く浅い「スポンジケーキ型」から、狭く深い「カップケーキ型」へ 広く 浅く 深く 狭く スポンジケーキ型 カップケーキ型 PwC社の調査: 「活用効果が期待を大きく上回る企業はわずか9%」大きな活用効果を狙うこの方針が妥当 成果は 「広く浅く」ではなく「狭く深く」生み出す
  14. 15 © Link and Motivation Group 「プロダクトマネジメント×組織変革」という手法の導入 • プロダクトマネジメント:ちゃんと社内にPMFさせる •

    組織変革:人間の態度変容を導く(Unfreeze→Change→Refreeze) 人の意識が変わって、初めて生産性は上がる。 人の共感とプロダクトの価値が合わさるからこそ、成果が生まれる。 AI導入は、「技術課題」ではなく「組織課題」である
  15. 16 © Link and Motivation Group 9セル地図(アクションの全体像) 地図を描くことで、次に何をすべきかが明確になる。 経営層 生成AI

    推進チーム TA (各部署推進者) 『経営トップが本気を示す』 Unfreeze Change Refreeze 『経営トップが本気を示す』 • 生成AIを経営課題に格上げ • 経営トップからのメッセージ発信 『気軽に試せる環境をつくる』 • マネージャー陣とキックオフ実施 • 安心して試せる環境を構築・提供 • 外部アドバイザーの力を借りる 『課題を可視化、危機感を醸成』 • 時間浪費マップで「痛み」を 可視化し、共感形成 『明確なKPIの設計&計測』 • 凹みを許容する短中長期KPIを承認 • ROIはコスト削減+売上向上の両輪 『小さな成功を量産&拡散』 • アンバサダー制度+週次勉強会で スモールサクセスを拡散 • 業績までのバリューマップを作成・ 展開 『価値にこだわり トライ&エラー』 • 利用者と共に使えるものをつくる • MVPをつくって何度も検証を重ねる • 短期サイクルで改善を繰り返す 『成果を計測、挑戦を賞賛する』 • KPIを経営会議で確認、数字で判断 • 表彰制度を導入しヒーロー創出 • DX責任者・TA専任化を決定 『習慣化を仕組みで後押し』 • 成功事例を自動収集し、 Slackに配信、横展開速度を可視化 • バリューマップを随時更新 『with AIを当たり前化する』 • n8n / Difyで100+のワークフロー を量産し、積極的に他部署展開 • 日常業務での活用を当たり前に
  16. 17 © Link and Motivation Group Action① 時間浪費マップ Unfreeze Change

    Refreeze ワークフローに沿って時間を可視化し、ボトルネックを「見える化」 ボトルネックを特定し、解決策を示すことで組織が動き出す。 1案件あたりの工数 代替可能性 削減効果の期待値 削減時間の合計 業務名 頻度 年間 工数 工数 割合 AI RPA 人 削減時間 (AI) 削減時間 (RPA) 案件数 総工数 削減 時間 スケジュール設計 1 10 4% 50% 0% 50% 5 0 30 300 150 プロセス設計 3 30 12% 30% 0% 70% 9 0 30 900 270 進捗管理 50 100 40% 20% 50% 30% 20 50 30 3000 2100 アポイント準備 20 80 32% 20% 10% 70% 16 8 30 2400 720 定例アポ 15 30 12% 0% 0% 100% 0 0 30 900 0
  17. 18 © Link and Motivation Group Action② バリューマップ 「生成AI活用」と「事業成果」の関係性を可視化 Unfreeze

    Refreeze Change 見えないつながりを見える化する。それが現場の納得感を生む。
  18. 19 © Link and Motivation Group Action③ 徹底した価値検証 Unfreeze Refreeze

    Change プロダクトづくりと同じ、徹底した仮説の構築・検証 開発 テスト 利用 改善 ▪4フェーズ ツール開発を4フェーズ・32ステップで徹底検証 ▪32ステップ
  19. 20 © Link and Motivation Group Action④ KPIの月次レビュー ツールの利用状況や削減時間をすべて測定し、 月次の経営会議でモニタリングしてPDCAを回す

    Unfreeze Change Refreeze 成果を『打ち上げ花火』で終わらせない。 持続的な成果には、PDCAが『自然に回る』仕組みが必要。 部署名 部署人数 業務削減時間 (1人あたり) 業務削減時間 (部署全体) AIツール 利用率 利用ツール数 利用頻度 (回/日) A事業部 20 25 500 80% 25 4.8 B事業部 30 30 900 95% 20 5.3 C事業部 15 40 600 90% 20 6.2 D事業部 40 15 600 55% 10 3.7 E事業部 25 20 500 60% 40 5.2
  20. 21 © Link and Motivation Group 成功のポイント • 「カップケーキ型」で、象徴事例を創出 •

    利用者と共創し、本質的価値を実現 • 「Unfreeze」と「Refreeze」を徹底重視 • 計測・効果測定の徹底 成功のポイントは 小さくはじめて、深く掘り下げ、徹底的に測ること