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映像×AI×IoT:領域を越境するプロダクトマネージメント

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August 31, 2025

 映像×AI×IoT:領域を越境するプロダクトマネージメント

セーフィーにおけるサービス郡とそれに紐づくPdM組織、サービス開発における組織課題ついて解説します。

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August 31, 2025
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Transcript

  1. クラウド録画サービス「セーフィー」について カメラをインターネットにつなぐだけで、スマホ・パソコンから、いつでもどこでも映像を確認できます。 他システムとの連携や AI解析による業務効率化や課題解決も可能なサービスです。 01 02 05 03 01 クラウドドリブンなカメラOS

    豊富なB2B向けカメララインナップの提供 クラウドからデバイス・映像データの制御 02 強固なセキュリティ 暗号化などによるセキュアなネットワーク通信経路設計 03 誰もが使える高品質なUI・UX 置くだけ簡単のサービス UX設計高画質・高圧縮の映像品質を提供 04 他システムとのAPI連携 映像データと他システムを連携することで業務効率化が可能 05 AI解析による業界の課題解決 映像データを AIで解析することで業界課題を解決 映像 映像 解析データ ソリューション OS クラウド プラットフォーム データ 連携 画像 解析 データ 分析 API 技術的ポイント 入口/出口の インターフェイスは 問わない 04
  2. Safieの事業全体像 「現実世界の出来事をデータ化し、価値に変える会社」 • 事業の3つの柱: 映像 × AI × IoT •

    Safie Cloud Platformを基盤に各領域が連携し価値を創出 • 映像を通じて現実を可視化し意思決定を支援する
  3. サービスを支える3つの PdM組織 映像 AI IoT クラウドマネージドソリューション部 IoTソリューション部 AIソリューション部 映像の閲覧・管理ツール デバイスの管理ツール

    ユーザー権限コントロールツール CSオペレーション ※前島はここ所属 デバイスの開発 ネットワークサービス 電源ソリューション 物理的な品質管理 物流・在庫管理 マーケティングツール 安全管理ツール 万引き防止ツール AIプラットフォーム
  4. それぞれの領域の専門性 映像技術の基礎:解像度、フレームレート、 ビットレート、圧縮方式( H.264/H.265など) ネットワークと配信:帯域制約、遅延要因、ス トリーミングプロトコル UX視点の映像利用:ユーザーが体験する 「見やすさ」「操作感」 セキュリティとプライバシー:暗号化、アクセ ス権限、法規制

    映像品質とUXのトレードオフを判断する力 ネットワーク・インフラチームと議論できる技 術リテラシー 映像サービスのKPI(遅延秒数、視聴完了率 など)設計能力 機械学習の基礎:モデル精度指標 (Precision/Recall、F1-scoreなど) データライフサイクル:データ収集、アノテー ション、学習、推論 AI特有の課題:バイアス、過学習、データドリ フト AIの実運用知識:推論コスト、リアルタイム 性の制約 ユースケースに応じた精度要件の定義(どの 程度の誤検知まで許容可能か) AIエンジニアと議論できるスキル PoCと実運用の橋渡し ユーザー体験とAI精度を結びつけて語れる 力 デバイスハードウェアの基礎:消費電力、 バッテリー寿命、センサー特性 通信規格:Wi-Fi、LTE/5G、LPWA (LoRaWAN, Sigfoxなど) 設置・運用知識:屋内外環境、耐候性、メン テナンスの実態 セキュリティ/認証:デバイスID管理、ファーム ウェア更新 現場導入を見据えた「実装可能性」判断力 デバイス制約を踏まえた仕様調整力(例:省 電力と機能性のバランス) Bizサイドに現場制約を説明できる力 製造業者のコントロール 映像 AI IoT
  5. AIの難しさと面白さ Edge AI Edge AI Edge AI Edge AI Edge

    AI Safie Cloud (Cloud AI) 3rd Party Service Generative AI IoT内処理 サーバー処理 エッジAIとクラウドAIの両輪 EU閲覧環境
  6. 領域横断の難しさ:トレードオフの連続 一つの改善が、他の領域で新たな課題を生むジレンマ 良かれと思った施策が… • AIの認識精度を上げるため、 高解像度 の 映像を利用 • IoTデバイスのバッテリーを長持ちさせる

    ため、通信頻度 を削減 • スピード重視でツール毎に 個別実装 思わぬ影響を及ぼす • ネットワーク帯域を圧迫し、 映像遅延や コスト増 につながる • AIが検知するべきイベントを見逃し、 検知精度が低下 する • 同じような機能でバラバラな UIが量産
  7. 越境するためのアプローチ 「部分最適」の罠を越え、「全体最適」を実現するための仕組み PJT発足 / 役割定義 それぞれの領域から必要な PdMをアサインしチームを発 足 目標設定 プロダクトビジョン

    の浸透 共通KPIを ユーザー体験基準で設計 同じゴールに向かって スペシャリストが協業 プロセス PdM同士の定期 ディスカッション 検証プロセスの共通化 担当領域を明確化し複数の PdMがマネージメントを実施 エンジニアやCSなども早期に 巻き込み影響を可視化
  8. 成果と課題 協業プロセスが生んだ成果と、次に乗り越えるべき壁 現在の到達点 (成果) • 部門間連携スピードの向上 • 技術的トレードオフの早期判断 • プロダクトロードマップの整合性向上

    • 手戻りの防止 残された壁 (課題) • 新規技術領域 への迅速な対応 • 事業部間の優先度衝突 • 社外パートナーとの 情報非対称性
  9. 本日のまとめ • Safieは 映像 × AI × IoT の掛け算で価値を創出 •

    全方位PdMは存在せず、協業が不可欠 • 越境を促進する仕組みの構築と文化を醸成する • 変化に対応し、中長期で成長を描く のがPdMの役割