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組織の“見えない壁”を越えよ!エンタープライズシフトに必須な3つのPMの「在り方」変革 #pm...

組織の“見えない壁”を越えよ!エンタープライズシフトに必須な3つのPMの「在り方」変革 #pmconf2025

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Masakazu Inaba

November 21, 2025
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  1. © Findy Inc. 2 ⾃⼰紹介 稲葉 将⼀ プロダクトマネジメント室 室⻑ @bachio178

    ファインディ株式会社 新卒でリクルートに⼊社。国内転職事業‧海外HR事業にて、 プロダクトマネジメントや事業企画等を経験した後、ファイ ンディにジョイン。プロダクトマネジメント室を⽴ち上げ、室 ⻑として管掌。 2025年上半期はインド市場⽴ち上げにコミットメント。 よく使う⽣成AIツール
  2. © Findy Inc. ファインディが展開するエンジニアプラットフォーム サービス紹介 ※ 各種数値は、2024年6月時点のFindy転職、Findy Freelance、Findy Team+、Findy Globalの4サービスの累計での社数及び登録者数です。

    
   なお、1社又は1名の方が複数のサービスに登録している場合は、そのサービスの数に応じて複数のカウントをしています。 組織分析SaaS GitHubやJiraを解析し、エンジニア組織の ⾒える化と⽣産性向上をサポート。 エンジニア組織の⾒える化 マッチングサービス 約12万⼈のエンジニアと880社以上の テック企業をマッチング。 正社員エンジニアの採⽤ 開発ツールメディア 実際に利⽤している企業の声を元に、 開発ツールの導⼊や検討に必要な情報を 集約。企業の技術選定をサポート。 開発ツールのレビューサイト ⽣成AIツールの利⽤状況を分析し、⽣ 成AIを⽤いてボトルネック発⾒〜利活 ⽤向上施策⽴案‧実⾏をサポート。 ⽣成AIツールの利活⽤促進 AI 5万⼈以上のフリーランスエンジニアの 成功報酬型の⼈材紹介サービス。 フリーランスエンジニアの採⽤ マッチングサービス 商談や問い合わせデータを元に、⽣成AIが 企画を⽣成。ディスカバリー領域を最適 化。 AIで課題発⾒から企画まで⾃動化 AI 4
  3. © Findy Inc. 6 今⽇お話すること 経営と開発現場をつなぐAI戦略⽀援SaaS「Findy Team+」のグロースにまつわるお話 BtoB SaaSのエンタープライズシフト推進 SMB‧MMでの成功から⼤企業向けのPMFへのトライ

    1年で新規売上のエンプラ⽐率 20% → 60%超へ 戦略的な機能価値とGTM設計のアップデート 急拡⼤組織でのコミュニケーション改善 事業部メンバーが1年で20→50名超に増加
  4. © Findy Inc. 開発⽀援ツールのデータを活⽤し、3ステップでビジネス成果の改善を促進 Findy Team+とは|ビジネス成果を最⼤化する開発DXプラットフォーム データ連携/ 統合 1 可視化

    開発ワークフローを可視化し 明確なインサイトを取得 2 AI分析 AIを活用して、開発効率と 開発者体験を最大化するための課 題を自動で特定 3 改善 データに基づいた意思決定で ビジネス成果を最大化 プルリクエスト、イシュー、 ミーティング等の活動データ 10
  5. © Findy Inc. Findy Team+とは|開発プロセスを⼀気通貫した可視化‧分析を実現 プロダクト開発における戦略⽴案〜プロジェクト評価のプロセスを可視化‧分析 プロジェクト投資分析 (新機能やリファクタリングの 開発投資割合 等)

    投資設計∕リソース計画 ソフトウェア開発ライフサイクル(SDLC) 戦略⽴案 プロジェクト評価 要件定義∕設計∕コーディング∕テスト∕デプロイ∕メンテナンス ROI評価∕ナレッジ蓄積 開発投資のROI最⼤化 Four Keys∕プルリク∕イシュー∕CI‧CD分析 (デプロイ頻度‧リードタイム‧プルリク作成数‧変更⾏数 等) 開発者⽣産性の可視化‧向上 開発者サーベイ∕ミーティング分析 (サーベイスコア‧ミーティング時間 等) 開発者体験の可視化‧向上 プロジェクトアウトカム分析 (売上‧NSM‧KPI 等) 開発投資のROI最⼤化 EM∕ソフトウェアエンジニア∕SRE 事業責任者∕PdM CTO∕開発部⻑ AI開発⽀援ツール分析 (ツール利⽤率‧利⽤習熟度 等) AI駆動開発の可視化‧推進 11
  6. © Findy Inc. 20 新機能リリース前の社内向け説明会では、質問がなく進⾏が進んでいた PM側は、責務を果たしたと捉えているが、実態は「理解しきれていない」状態になっていた 「質問がない」 = 「理解している」 ではない。

    急拡⼤する組織では、古参メンバーにナ レッジが集中。 新メンバーは「こんな基本的なことを聞い てよいんだっけ?」と考えがち。 結果、 サイレントに「分からないまま、弱 い訴求で売りにいく」状態が常態化する。 ? ? ? ? ?
  7. © Findy Inc. 22 エンタープライズシフトにおける本当の”⾒えない壁”の正体。 プロダクト4年⽬、事業部20→50⼈に急拡⼤、PMも2→5⼈に増加。例に漏れず、部⾨間の壁ができていた。 コンテキストの消失 開発意図や背景が、 組織間(PM→Sales)で 伝⾔ゲームのように消失

    プロダクト理解度の 乖離 組織急拡⼤により、新⼊社 員や他部署のプロダクト理 解が追いつかない ⼈員増に伴う ⼼理的障壁 「今更こんなこと聞いてい いのか?」という遠慮が、 認識ズレを増⼤させる
  8. © Findy Inc. 24 ドメインの専⾨性が近しい海外プロダクトの事例 Enterpriseセグメントを攻めるほとんどのプロダクトで、PMが価値の「伝達役」を担っていた。 Sales帯同の徹底 PMがユーザー調査だけでな く、アライアンスセールス に直接帯同して価値を伝達

    PM as Field CTO PMが技術的な信頼性を担保 する"Field CTO"として、 顧客の課題を再定義 導⼊コンサル 導⼊コンサルティングをPM チームが初期に提供し、 PMMと⼆⼈三脚で型化
  9. © Findy Inc. 27 3つのアプローチ PMとしてのコンフォートゾーンを超え、組織の「⾒えない壁」を乗り越え、Ent市場へトライ 1.組織の壁を越える 機能価値の定義から、デリ バリーまで、各チームの役 割を拡張‧再定義。

    顧客に価値が伝わる状態へ 2.ナレッジの壁を越える 新旧メンバー間でのナレッ ジ差分を仕組みで解消。 聞く側‧聞かれる側、双⽅ の体験を向上へ 3. 役割の壁を越える PM⾃⾝が、新たなターゲッ ト攻略に向けて、顧客折衝の 最前線に⽴つ。 営業と同⽬線で数字を追う。
  10. © Findy Inc. 28 1.組織の壁を越える - PMMを配置。役割と価値訴求の品質を標準化。 デリバリーに向けた主要なタスクの責務をRACI的に整理。役割の定義により、責務が明確化し、品質向上 タスク PM

    Product) PMM Marketing) Sales 価値定義 設計 サポート フィードバック ストーリー設計 レビュー 定義 検証 デリバリー 実行支援・伴走 ツール(資料)提供 実行
  11. © Findy Inc. 29 1.組織の壁を越える - Feature Champion Hub(機能別の分科会)実⾏ 分科会形式にすることで、⼼理的な距離の近さだけでなく、「誰に聞けばよいか?」が明確に。

    クロスファンクショナル PM/FS/CS/IS/Marketing それぞれが参加。 各チームにナレッジを還元 マイクロコミュニティ 機能価値カテゴリごとの ⼩さなコミュニティ 集中して理解を促進 高速PDCA 学習した内容を即実践 勝ちパターンを 素早くフィードバック
  12. © Findy Inc. 30 1.組織の壁を越える - Figmaの事例 デザイン価値の「翻訳者」の育成をPMが主導。 初期フェーズのEnterpriseシフトにおいて、 PM‧Designer‧Salesの混成チームを形成。

    PMが、 デザイナー特有の⽤語をビジネス価値 へ翻訳する役割を担い、全社への浸透を加速さ せた。 https://www.youtube.com/watch?v=-Bk3E_L9cKA
  13. © Findy Inc. 31 2.ナレッジの壁を越える - プロダクトナレッジRAG-botの設置 Slack上で、気軽に質問できるRAGベースのbotを提供。書いてある事、前に聞いた事でも気にせず質問! Slackでbotに質問すればAIが、各種ドキュメン トのナレッジを参照して回答。

    導⼊1ヶ⽉で300件以上の質問を解消。 「⼈への配慮」で聞けなかった質問をゼロに また、PMやエンジニアの回答コスト‧⼯数の 増加を防ぐことにも繋がった。 直近は、裏でDevin Searchを⾛らせ詳細仕様 の把握まで可能に。
  14. © Findy Inc. 32 2.ナレッジの壁を越える - databricksの事例 理解ギャップ解消プログラムとして、価値定義と、Slackベースでのナレッジ回答ツールを構築。 Enterprise拡⼤期にPM, PMM,

    Field Engが連携。 PMが全ての機能に対し「なぜ経営課題に効くか」 の意味付けを付与し、価値を再定義 Slack上で機能に関する質問の80%をClaudeベー スのAIが即答する仕組みを構築 • • https://www.databricks.com/blog/harnessing-enterprise-ai-innovations-wins-databricks
  15. © Findy Inc. 34 3. 役割の壁を越える - snowflakeの事例 PMによる現場同⾏が推奨されていて、営業のパートナーとしてエンタープライズ攻略に寄与。 PMが営業活動に同⾏することを推奨し、

    "PM as Field Partner"というスタンスで協働。 技術的な複雑さを解消するだけでなく、顧客の ビジネスゴールに対するデータ基盤の価値をPM ⾃⾝の⾔葉で語り、Enterprise成⻑率の向上に 寄与した。
  16. © Findy Inc. 36 学び 組織拡⼤期には、気付いた時には⼿遅れで、、、となりがち。3つのポイントを常に意識していく。 プロダクトの良さ ≠ 伝わりやすさ 組織成⻑と理解度の

    乖離に備える 良い機能を作るだけでなく、 その価値をステークホルダー に効果的に伝える能⼒が必要 組織が急成⻑するほど、プロ ダクト理解の共有が難しくな ることを認識し、先⼿を打つ PMの役割を常に アップデート 「作る⼈」から「価値を実現 する⼈」へと役割を拡張し、 顧客との対話を重視する
  17. © Findy Inc. 39 最後に - PMとしての在り⽅を考える5つの問い BtoB SaaS 1週⽬のプロダクト組織としてだけでなく、すべてのプロダクトマネージャーへ

    あなたは最後に⾃分の機能を⾃ら売ったのはいつですか? 組織が急拡⼤する中で、失われている事はないですか? 最後に顧客との対話から洞察を得たのはいつどんなものですか? 「それは営業 or 〇〇の仕事だ」とすぐに線引きしてませんか? PMとしての「コンフォートゾーン」を⾶び出せてますか?