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Polkadot Governance
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Masaki
May 23, 2019
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Polkadot Governance
Masaki
May 23, 2019
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Transcript
Polkadot Governance
Who am I? 現在: Unchained Researcher Polkadotアンバサダー 早稲田大学国際教養学部 過去: Humboldt
Universitat zu Berlin留学 Inbot Inc.でインターン in Berlin カナダの田舎高校 南出 聖希 @masakiminamide
ガバナンスとは コトバンク ガバメントは政府が上の立場から行なう、法的拘束力のある統治システムである。 ガバナンスは組織や社会に関与するメンバーが主体的に関与を行なう、意思決定、 合意形成のシステムである。 Wikipedia 統治のあらゆるプロセスをいう。ガバナンスにおいては、関係者がその相互作用や 意思決定により、社会規範や制度を形成し、強化し、あるいは再構成していく。 ガバ メントすなわち政府と比較すると、公的な組織ではなく、関係者の相互作用を意味
する点が異なる。
ガバナンス( Governance ) 参加者の相互作用による意思決定のためのシステムの制度 Rules over the system not within
the system. ガバメント( Government ) 支配、政府
DAO(Decentralized Autonomous Organization) にはGovernmentのいないGovernanceが必要
よくある誤解 Autonomous governance != Coin Voting Blockchain != Bitcoin
・エコシステムの成長と進化は長期的生存のために 必須(Survival of the fittest) ・脆弱性の対策 なぜガバナンスが必要か:①エコシステムの進化
Outward relations 非中央集権クリプトエコノミックは電子国家となるため、ステイクホールダー間の関係を 管理するシステムが必要
なぜガバナンスが必要か:②リソース管理 ・システムにとって最適なリソース配分方法は? ・意思決定者の不在 ・中央集権的なGrantsの課題
None
Metaprotocol Traditional(e.g. Bitcoin) ・公式ルールを要しない ・プロセスやルールが遵守されることを保 証しない ・透明性/説明責任(誰がいつ、何をしたか をトラック)を保証できない ・曖昧で非効率的なプロセスや個人によっ て異なる意思決定を招く
・停滞、フォーク、サイレントクーデターのリ スク Metaprotocol(e.g. Polkadot) ・公式ルールが必要 ・プロセスは自動執行 ・アカウンタビリティ ・コンセンサスと高速な進化を導く ・ボラティリティーと崩壊のリスク 緊急時にはいつでもTraditionalモデル に”Fallback”できる
On-chain Governance v.s. Off-chain Governance On-chain (Dfinity/ Tezos/ Polkadot): •
変更はマイナー/コイン保有者の投票によって決定される • フォークのリスクがない • ノードのアップデートの意思決定が不必要 Off-chain(Bitcoin/ Ethereum): • 合意に達するのに時間がかかる • ノードのアップデートに意思決定が必要
On-chain Governanceのデメリット ・Vote-buying ・金権政治 ・弱小保有者への低い参加インセンティブ
Governanceまとめ ・エコシステムの高速な進化を促進 ・リソースの最適管理、配分の意思決定 ・アカウンタビリティ
Polkadot Governance の重要要素 ・一般投票(Referendum) ・協議会(Council) ・Lock-vote multiplying, delayed vote enactment
Referendaとは ・ステーキングにより重み付けされた投票システム ・set_codeをコールし、プロトコルに変更を加えることができる ・2週間ごとに最もステイクされた額が多い提案がReferendumされる
協議会(Council)とは 6〜24のOn-chainアカウントによって構成された集団。 役割: ・重要な投票を提案する ・危険、悪意のある投票をキャンセルする ・受け身なステークホルダーを代表する
協議会の特権: ・QueueなしでReferendaのプロポーズ ・満場一致でNegative投票率バイアス ・協議会多数で多数決 ・1回だけ拒否権(Veto)
Polkadot Governance Overview 大まかな流れ 1. 投票の提案 (Referenda) 2. 提案へ投票 (Locking)
3. 投票の集計 (Turnout Bias)
Referendaの流れ 大まかな流れ 1. 投票の提案 (Referenda) 2. 提案へ投票 (Locking) 3. 投票の集計
(Turnout Bias) 4. 提案の執行/制定(Enactment Delay) Queue (2 weeks) Referendum 提案へ投票 Enactment Delay (2 weeks) 提案 執行 投票の集計
1. 投票の提案 3つの方法: 1. パブリック 2. 拒否権が使われなかった協議会のマジョリティ、または、 満場一致 3. 前のreferendumの実行による提案
投票の重み=トークン数 X 期間 DOTトークンの数:所持者のDOTトークンのうちロックされていないトークン ロック期間:トークンがロックされる期間n (n=1,2...6) x 制定遅延(2週間) 例) ・1000DOTsを3期間ロックした場合→3000票分の投票
・6DOTsを1期間 == 1DOTを6期間→どちらも6票分の投票 2. 提案への投票
3. 投票の集計 3つの方法: Majority(多数決): ・協議会からの多数決 ・パブリック投票率100% Positive Turnout Bias: 投票率が100%未満
Negative Turnout Bias: 協議会からの満場一致の提案
Adaptive Quorum Biasing B+(aye,nay) = aye × √t/T > nay
B−(aye,nay) = aye > nay × √t/T T ≡ 発行済みトークン t ≡ 投票されたトークン
None
協議会メンバーの選定 ・6人から始まり、将来的には24人(2週間ごとの選挙で9ヶ月) ・任期は12ヶ月 ・Approval-Voting(boolean)を通した選挙
協議会メンバーの選定 ・2週間ごとに一つの枠が投票で交代になる ・参加者は候補者リストから投票する ・選ばれなかった候補者(10人くらい)は得た投票を次に持ち越し
協議会メンバーの選定選挙
None
None
まとめ ・Governance 共同体の相互関与によって行われる意思決定のプロセス ・Referenda: ステイク重み付けされたプロトコルに変更を加えるための投票システム ・Council 〜24アカウントの集団。エコシステムにとって重要な意思決定を促進
課題 ・トークンホルダーの中央集権化→Multichain GOVERNANCEの可能性 ・Vote-buying -> vote-locking, enactment delay ・金権政治(貨幣経済の延長)ICO ・弱小保有者への低いインセンティブ->vote-lockingでレバレッジ
参考 Governance: ・「Web3.0時代に政府は必要か」 ・「忙しい人のためのLiberal Radicalism」 Substrate/Polkadot: ・Substrate Kitties ・「初心者のためのPolkadot」