Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
SRETT#6_Terraformのtfstateについて考える
Search
SUZUKI Masashi
June 22, 2023
Technology
2
2.6k
SRETT#6_Terraformのtfstateについて考える
SUZUKI Masashi
June 22, 2023
Tweet
Share
More Decks by SUZUKI Masashi
See All by SUZUKI Masashi
2024-03-29 SRETT9 Cloud SQLの可用性について
masasuzu
0
390
2023-12-18 SRETT8 Terraform使いがPulumiに入門する
masasuzu
0
2k
2023-12-01 吉祥寺.pm ベストプラクティスと組織とIaC
masasuzu
1
1.5k
SRETT#4黒い画面をもっと効率的に(使って自動化の時間を捻出)
masasuzu
2
410
2022-04-12 吉祥寺.pm 29
masasuzu
0
1.4k
2015-12-12-chiba.pm7
masasuzu
0
3.4k
2015-09-17_gotanda.pm6
masasuzu
0
3.5k
2015-07-10-kichijoji.pm4_yurui_template
masasuzu
0
1.3k
2015-06-25_gotanda.pm5
masasuzu
0
1.6k
Other Decks in Technology
See All in Technology
UI State設計とテスト方針
rmakiyama
2
320
Qiita埋め込み用スライド
naoki_0531
0
860
マイクロサービスにおける容易なトランザクション管理に向けて
scalar
0
110
Fanstaの1年を大解剖! 一人SREはどこまでできるのか!?
syossan27
2
160
大幅アップデートされたRagas v0.2をキャッチアップ
os1ma
2
520
[Ruby] Develop a Morse Code Learning Gem & Beep from Strings
oguressive
1
150
OpenAIの蒸留機能(Model Distillation)を使用して運用中のLLMのコストを削減する取り組み
pharma_x_tech
4
540
Snowflake女子会#3 Snowpipeの良さを5分で語るよ
lana2548
0
220
watsonx.ai Dojo #5 ファインチューニングとInstructLAB
oniak3ibm
PRO
0
160
10分で学ぶKubernetesコンテナセキュリティ/10min-k8s-container-sec
mochizuki875
3
320
Amazon VPC Lattice 最新アップデート紹介 - PrivateLink も似たようなアップデートあったけど違いとは
bigmuramura
0
190
成果を出しながら成長する、アウトプット駆動のキャッチアップ術 / Output-driven catch-up techniques to grow while producing results
aiandrox
0
180
Featured
See All Featured
Sharpening the Axe: The Primacy of Toolmaking
bcantrill
38
1.9k
A designer walks into a library…
pauljervisheath
204
24k
Making Projects Easy
brettharned
116
5.9k
What's in a price? How to price your products and services
michaelherold
243
12k
Visualizing Your Data: Incorporating Mongo into Loggly Infrastructure
mongodb
44
9.3k
The Art of Programming - Codeland 2020
erikaheidi
53
13k
Practical Orchestrator
shlominoach
186
10k
Visualization
eitanlees
146
15k
KATA
mclloyd
29
14k
Keith and Marios Guide to Fast Websites
keithpitt
410
22k
BBQ
matthewcrist
85
9.4k
Fantastic passwords and where to find them - at NoRuKo
philnash
50
2.9k
Transcript
3-shake SRE Tech Talk #6 Terraformのtfstateを考える
© 2022 3-shake Inc. 2 自己紹介 • 所属 ◦ Sreake
事業部 2022/6入社 ◦ AWS上で動くサービスのインフラ構築 /運用支援が主 • Skills ◦ AWS ▪ ほんのちょっとだけわかる ◦ Google Cloud ▪ 最近あまり触ってない ◦ Terraform ▪ 最近書くコードの9割はHCL すずきまさし (@masasuz)
3-shake SRE Tech Talk #6 Terraformのtfstateを考える
© 2022 3-shake Inc. 4 tfstateとは • Terraformが管理しているリソースの状態を表す json形式のファイル •
tfファイルで宣言したリソースと実際のリソースの紐づけを保存している • terraformコマンドを実行する際に tfstateとtfファイルと実際のリソースの状態をそれぞれ参照している • `一般的には`直接変更せずterraformコマンドを通して変更する • `一般的には`ユーザはtfstateを直接見ることはない • Backend Configuration - Configuration Language | Terraform | HashiCorp Developer
© 2022 3-shake Inc. 5 tfstateの課題 本日はこれらの課題について考えていきたいと思う • tfstateの管理場所 ◦
保存場所はどうする ? • tfstateを管理するリソースの管理 ◦ tfstateを保存するS3バケットはどうやって管理する ? • tfstateの分割単位 ◦ 開発環境と本番環境同じ構成だけどどうやって分ける ? ◦ 管理リソースが増えてくると意味がある単位で分けて見通しを良くしたいよね ?
© 2022 3-shake Inc. 6 tfstateの管理場所をどうするか問題 • local • S3/Google
Cloud Storage • GitLab • Terraform Cloud 主な保存場所
© 2022 3-shake Inc. 7 tfstateの管理場所をどうするか問題 • デフォルトで同じディレクトリの terraform.tfstateに保存される •
1人もしくは変更頻度が著しく低い状況など特殊なとき使える • git管理して複数人で使うこともできるが、ロックの仕組みが無いので、衝突が発生しうる • 基本的には複数人で terraformを使用するときは非推奨 local
© 2022 3-shake Inc. 8 tfstateの管理場所をどうするか問題 • 標準的(当社比) • S3はDynamoDBを使用してstate
lockを実現する • Google Cloud Storageは単体でstate lockをサポートしている • tfstateの参照権限をクラウド側の権限管理で制御する • Backend Type: s3 | Terraform | HashiCorp Developer • Backend Type: gcs | Terraform | HashiCorp Developer S3/GCS
© 2022 3-shake Inc. 9 tfstateの管理場所をどうするか問題 • tfstateを管理するリソースを管理する必要がない • GitLabを使っている場合親和性が高い
• GitLab-managed Terraform state | GitLab GitLab
© 2022 3-shake Inc. 10 tfstateの管理場所をどうするか問題 • tfstateを管理するリソースを管理する必要がない • 500
Managed Rsourcesまで無料で使える ◦ 以前は5ユーザまでの制限だった ◦ HashiCorp Terraform: Enterprise Pricing, Packages & Features • web上からリソース差分の確認、 applyが可能 • Terraform Cloud | Terraform | HashiCorp Developer Terraform Cloud
© 2022 3-shake Inc. 11 tfstateを管理するリソースをどう管理する問題 S3/GCSを使う際に考えないといけない問題 GitLabやTerraform Cloudを使う場合には起きない 以下の方法が考えられる
• terraform + local state管理 • CloudFormation • aws/gcloudコマンド
© 2022 3-shake Inc. 12 tfstateを管理するリソースをどう管理する問題 • terraformを使うので変更管理ができる • stateファイルはgitで管理
• かたくなにterraformでリソース管理したい人向け terraform + local state 管理
© 2022 3-shake Inc. 13 tfstateを管理するリソースをどう管理する問題 • AWS限定 • IaCツールを2種類使うそこはかとない気持ち悪さはある
CloudFormation
© 2022 3-shake Inc. 14 tfstateを管理するリソースをどう管理する問題 • クラウドのCLIコマンドで作成する ◦ スクリプト化してTerraformを管理するレポジトリと一緒に
git管理する • 基本的には一度作れば変更はしないのでこれで十分 aws/gcloud コマンド
© 2022 3-shake Inc. 15 tfstateをどう分割するか問題 第一に考えるのが環境の分離。この分離の仕方だけ他とは系統が違うので独立して説明する。 一部差分があるだけで、以下のような形でほぼ同じ構成の環境を作ることはよくある。 • 開発環境
• ステージング環境 • 本番環境
© 2022 3-shake Inc. 16 tfstateをどう分割するか問題 環境を分離するパターンとして 2つ紹介する • ディレクトリ分離パターン
• backend-configパターン 環境分離パターン
© 2022 3-shake Inc. 17 tfstateをどう分割するか問題 • 環境ごとにディレクトリを分割 • 環境ディレクトリを実行単位とする。
• 環境の切り替えはディレクトリ移動 • 環境ごとの差分が大きいときに使う • 記述量が多くなる ◦ 共通部分をModule化することである程度 は記述を減らせる ディレクトリ分離パターン
© 2022 3-shake Inc. 18 tfstateをどう分割するか問題 • backend-configオプションとvars-fileオプションを組み合 わせて、環境を切り替える。 •
${ENVDIR}/terraform.tfvarsに環境ごとの差分パラメータ を定義 • ${ENVDIR}/backend.tfvarsに環境ごとのtfstate保存先を 定義 • 環境差分が少ないときに使う • 記述量が少なくてすむ • 差分が多くなるとcount, forでの分岐地獄になり読みにくく なる • オプションを毎回付けないといけないのが少し煩雑 backend-configパターン
© 2022 3-shake Inc. 19 tfstateをどう分割するか問題 設定ではbackendをs3と指定しておき中身はオプションで指定する。 terraform init –reconfigureして適用する環境を切り替えることができる。
plan/applyはvars-fileを指定して環境ごとのパラメータを差し替える。 backend-configパターン
© 2022 3-shake Inc. 20 tfstateをどう分割するか問題 • workspacesは同じような環境を複製するときに使う。 • シングルテナント環境を量産する場合や開発環境を複数作る場合などに使う。
• 開発環境、本番環境という形で分割する目的には推奨されてない • 自分自身がworkspacesを実運用で使ったことがないので多くは語れない。 • State: Workspaces | Terraform | HashiCorp Developer workspace(おまけ)
© 2022 3-shake Inc. 21 環境分離以外の分割をどうするか問題 • 管理するリソースが増えると plan/applyの時間が増える。 ◦
この時間が意外に馬鹿にできない。 ◦ 並列数増やしても限界がある • 記述量も増えて見通しが悪くなる。 • ある程度大きくなったら tfstateを分割して、リソースの管理範囲を分割する。 • ディレクトリもしくはレポジトリを分割することで tfstateを分割する • が、これをどうやって分割するかが自分の中で答えが出ていない
© 2022 3-shake Inc. 22 環境分離以外の分割をどうするか問題 自分の中でおぼろげに浮かんだ観点をあげる • プロバイダー •
管理権限 • 変更頻度 分割する観点
© 2022 3-shake Inc. 23 環境分離以外の分割をどうするか問題 プロバイダー単位で分割する • 例 ◦
AWS ◦ Datadog アプリケーションリソースとアプリケーションの監視を近いところにおいたほうが見通しがよいのではという観 点もある プロバイダーで分割
© 2022 3-shake Inc. 24 環境分離以外の分割をどうするか問題 チームの権限で分割する。ディレクトリではなくレポジトリ自体も分割するとよりよい • 例 ◦
ネットワーク ⇒ インフラチーム ◦ アプリケーション ⇒ 開発チーム 管理権限で分割
© 2022 3-shake Inc. 25 環境分離以外の分割をどうするか問題 変更をあまりしないリソースを変更が頻繁なリソースと一緒の plan/applyするのは無駄なので変更の頻度で tfstateを分割する •
例 ◦ 変更が少ない ⇒ DB/ネットワーク ◦ 変更が多い ⇒ EC2/ECS 変更頻度で分割
© 2022 3-shake Inc. 26 環境分離以外の分割をどうするか問題(補足) terraform_remote_stateを使うことで、参照元の Terraformでoutputした内容を別のTerraformで動 的に利用することができる。 ここで注意したいのは参照の方向性を
1方向にす るようにtfstateを分割し、相互参照しないようにす ること tfstate間のリソース参照
© 2022 3-shake Inc. 27 まとめ • すっきりとした結論ではないが、正直正解はない • サービス規模や性質によって変わる
• 選んだ技術要素に関しては選定理由を説明できるようにはしておきたい ◦ 可能であれば選ばなかった技術に関しても検討内容を残しておくとベスト