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企業で"も"活躍できる人材像: 企業が院卒者のためにできること、教育機関としての大学に望むこと

Masatsugu Hangyo
September 01, 2023

企業で"も"活躍できる人材像: 企業が院卒者のためにできること、教育機関としての大学に望むこと

言語処理学会第27回年次大会ワークショップ "若手研究者交流のニューノーマルを考える"で発表した際のスライドです。

Masatsugu Hangyo

September 01, 2023
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Transcript

  1. 2 自己紹介 萩行 正嗣 (はんぎょう まさつぐ) 2014年3月: 博士を京大黒橋・河原研で取得(D4) 当時のテーマ: ゼロ照応解析

    京都大学ウェブ文書リードコーパス(KWDLC)の構築 2014年4月:ウェザーニューズ(WNI)入社 2014年6月: 航海気象予測チーム配属 2014年11月: AIプロジェクトの立ち上げにともない異動 2018年11月- : SIP「国家レジリエンス(防災・減災)の強化」 防災チャットボットの開発に従事
  2. 5

  3. 9 博士課程を振り返って ▪ D1: 修士の時のテーマ(語彙知識獲得)を続けるも芽が出ず ▪ D2: ゼロ照応解析にテーマ変更 ▪ D3:

    ➢ 3-5月: 少しだけ就活(2社)してやめる ➢ 11月:PACLIC 26 初めての国際会議 ▪ D4: ➢ 1-5月: 就活。複数の会社に落ちた後、現職に内定。 ➢ 10月: EMNLP2013 ➢ 1月: 「自然言語処理」コーパス特集号採択通知 ➢ 4月: 「自然言語処理」採択通知 就活の時の話は、Dの会の招待講 演でやらせてもらいました。 スライド欲しい方はDMください
  4. 13 専門性を活かさない? ▪ NLPの知見は活かさないの? ➢ ブームがいつまで続くのか分からない ➢ 言語学系の人もいる ➢ 個人の想いとしては、博士課程全体のテーマとしたい

    ➢ 現状では強みになるのは事実 ▪ エンジニアは? ➢ 就活において強みになるレベルのコーディングは厳しい ➢ 世の中とNLPの技術スタックに差がある時期は逆風が吹き荒れる ➢ エンジニアリングは研究にも役立つのも事実
  5. 14 博士のイメージを変える ◦ 優秀だから博士に進学している 給料を高くしないといけない ◦ 研究の仕事をすべき ◦ 専門性を活かす =

    専門職に付くべき × コミュニケーションが苦手そう × 仕事を選り好みしそう × 年をとっていて面倒そう × 社会人スキルなさそう ◦ 優秀じゃない人もいる 厚遇しなくてもいい ◦ 研究以外の仕事をしたい人もいる ◦ 専門性は以外な場面で活きてくる × コミュニケーションは人に依る 「ウェーイ!」って感じだけがコミュ ニケーションじゃない × 仕事を選り好みする余裕ない人もい る × そもそも年齢関係ないのでは? × Officeの扱いとかプレゼンとかテク ニカルライティングとか強い
  6. 15 学生自身 ▪ 就活をするなら真面目にやる ➢ 馬鹿馬鹿しい就活マナーもちょっとは知っとく ➢ 就活マナーに価値があるわけではなく、世の中に合わせられるとい うアピール ➢

    大学のキャリアセンターなども活用 ▪ 博士号を取得することをゴールにしない ➢ 論文を書くこと以外に様々なスキルをしっかり身に付ける - IT開発力 - プレゼン力 - ディスカッション力 - 教育力 - 幅広い学術知識 ”The illustrated guide to a Ph.D.” Ph.D こういう形にしない
  7. 17 企業 ▪ 年功序列、学歴、資格で固定的に評価しない、 仕事を決めつけない ▪ 自社の評価軸で育った、同年齢の社員と比較しない ▪ 博士課程は3年でとれる保障はないことを理解する ➢

    面談時に「博士取れるか分からない」って言われてもひかない ➢ 内定時には3年でとれなかった場合について学生と相談 - 取らずに就職できるか?待遇は?
  8. 19 さいごに ▪ きたるべき冬の時代に備えて ➢ 博士課程の学生の数を保つことは分野にとって重要 - 進学リスクを減らす ➢ 分野に依存しない博士課程のキャリア形成

    - 他の分野の博士の学生にも優しい手を ➢ 「学会運営支援」「秘書」みたいなアカデミック知ってるからでき る職を増やす?
  9. 20