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プロダクト開発を加速させるためのQA文化の築き方 / How to build QA cult...

miisan
December 16, 2024

プロダクト開発を加速させるためのQA文化の築き方 / How to build QA culture to accelerate product development

2024/12/16に開催された「QA組織のお悩み相談会」のLTセッションの発表資料です。
https://findy-tools.connpass.com/event/337980/

▼概要
令和トラベルでは、「NEWT(ニュート)」コアローンチ直前にQA組織を新設し、『品質とスピードはトレード・オンできる』というテーマを掲げ、プロダクト開発に向き合ってきました。私はQA文化の土壌のなかった環境で、QA文化を醸成し、根付かせていく活動を行いました。どのようなプロセスや課題設定をおきながら、プロダクトチームを巻き込み、組織にQA文化を築いてきたか振り返ってみます。
プロダクト開発を加速させるための品質活動を行うための文化作りや取り組みについて一緒に考えていきます。

miisan

December 16, 2024
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Transcript

  1. © 2023 Reiwa Travel, Inc.
 2
 ⾃⼰紹介 Background 2018年よりメルペイにQA Engineerとして参画しコア

    ローンチに携わる。Lead QA Engineerを経て、EMとして サービス全体の品質向上、QA組織作りをリードする。 2022年より令和トラベルで1⼈⽬QA Engineerとして、QA 組織の⽴ち上げや『NEWT』の品質⽂化を推進。 現在はEngineering Officeを新設し、プロダクト開発組織 全体のマネジメントや戦略‧組織作りを担当。 Other スタートアップ企業のQA⽀援や⼥性エンジニアの推進  活動に取り組む。(参考) 趣味は、旅⾏✈とダイビング🤿 Engineering Manager miisan
  2. © 2023 Reiwa Travel, Inc.
 具体的な取り組み 9
 1 共通認識を揃える 定量的な品質管理

    改善活動 クイックウィンをつくる 2 3 4 …の前にやったこと
  3. © 2023 Reiwa Travel, Inc.
 1. 共通認識を揃える 13
 “品質”は抽象度の⾼い概念なので、品質の定義や解釈を揃えることで、 チーム全員が⾃⾛した形でプロダクト開発に向き合えると仮説をおいた。

    • 「品質保証をする」は、会社やプロダクト、サービスの特性によって変わる ◦ さらに、フェーズやカスタマーニーズの変化によっても変わっていってしまう • 品質におけるゴール設定の解釈が異なれば、当然バラバラのアウトプットやゴール   に辿り着いてしまう ◦ あらゆるプロセスにおいて、品質とスピードをトレード‧オフさせない意思決定  や優先順位付けを促すためにも、全体で品質に対する共通認識をもつ必要があった
  4. © 2023 Reiwa Travel, Inc.
 2. 定量的な品質管理 14
 “品質”に対する解釈や解像度をチームで揃えた上で、 プロダクト品質を定量的にはかり、⾒える化することに取り組んだ。

    • プロダクトの健康状態を定期的にモニタリングできる状態を構築 ◦ 不具合レベルなどを統⼀していたため、QAエンジニアが1⼈でも、各機能の    品質レベルは全体管理しやすい状態になっていた ◦ 具体的には、新機能開発において発⽣した不具合分析と、インシデントに関する  分析を⾏った ◦ デプロイ頻度、変更失敗率、平均修復時間などは、初期フェーズからモニタリング できる体制を構築して、現在も開発指標などに活⽤している
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 4. クイックウィン 16 早期に成果を作り、変化に寛容な組織を築こうとした。 「品質活動って良い効果がある!」の納得感をチームに作ることで、

    QA活動をさらにスケールしやすい環境を整えた。 半年間で⽬標としてた障害発⽣率も安定化👏 • 結果、開発メンバーも障害対応に疲弊しない ので、新規開発に向き合える • 良い状態でリリースすることの効果も体感 結果
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 2年半経って現在 リリース件数は毎⽉増加 障害発⽣率は減少‧⽬標達成 スピード

    品質 “良いもの”を作るから、”はやい”を実現👍 トレードオフを乗り越え、事業とサービスは成⻑した🎉🎉🎉
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 何がよかったのか? 1 ビジョンの掲げ⽅ どこまで先の未来を⾒据え

    戦略を描くか? 2 “Day1”から掲げたプロダクト開発の⽅向性 予定調和にはいかないが、 戦略は組織の未来を左右する
  8. © 2023 Reiwa Travel, Inc.
 戦略とは 23
 「やること」と「やらないこと」を決める 戦略は「やること」と「やらないこと」を明確にし、 組織の⼤まかな⽅向性をしめすこと。

    結果的に、組織やプロダクト、事業の選択肢が 中⻑期的には増えていることが好ましい。 ⾜元を⾒ながら、数年先の⼤局を⾒据える👀
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 QA戦略 27
 機能が全然ないし、とにかくバンバン リリースしちゃおう。 問題が起きたら、後から直せば⼤丈夫

    リリースはしましょう。 でも、品質基準は守りましょう。 チームで⽅法を考えましょう🤝
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 QA戦略 28
 機能が全然ないし、とにかくバンバン リリースしちゃおう。 問題が起きたら、後から直せば⼤丈夫

    スタートアップは常に⾜りないものばかり。 あとから問題を直せる時間もリソースも、ほとんどの 場合はない。つまり、問題は負債として残るだけ。
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 QA戦略 29
 リリースはしましょう。 でも、品質基準は守りましょう。 チームで⽅法を考えましょう🤝

    プロダクトも組織もスケールすることを想定していた からこそ、初期段階から容易に品質を妥協せず、 品質向上プロセスをチームで磨きこむ戦略をとった。
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 3カ年計画 31
 ⽣産性最⼤化 組織の スケールアップ

    スケールアウト step1 step2 step3 step0 コアリリースの清算
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 3カ年計画 32
 ⽣産性最⼤化 組織の スケールアップ

    スケールアウト step1 step2 step3 コアリリースの清算 step0 リリースしてすぐは、コアローンチ時に抱えていた課題が散⾒🐛 ◦ インシデント発⽣ & 超凡ミスみたいなこともしばしば ◦ すぐに打ち⼿をアプローチして、改善へ 課題
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 3カ年計画 33
 生産性最大化 組織の スケールアップ

    スケールアウト step1 step2 step3 コアリリースの清算 step0 半年間で目標としてた障害発生率も安定化👏 • 安定して機能開発に向き合えるように • プロダクトの状態を可視化したことで、何か起きるまでは安定していられる 😊 • OS差分など細かい違いもバックログに積んで、状況を見える化 結果
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 3カ年計画 34
 生産性最大化 組織の スケールアップ

    スケールアウト step1 step2 step3 コアリリースの清算 step0 • 初期フェーズの最重要ポイント = PMF ◦ 小さく、たくさん、はやくリリースすること がすべて ◦ かつ、旅行サービスとして必要な体験や機能が全然足りない -> 生産性最大化が、プロダクト価値の向上に直結するフェーズ  プロセス整備、仕組み化、意図的な属人化 による効率性を優先させた ポイント
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 3カ年計画 35
 生産性最大化 組織の スケールアップ

    スケールアウト step1 step2 step3 コアリリースの清算 step0 ポイント • プロダクトチームが10~15名規模から30名規模の組織へ急速変化 ◦ 個々のファインプレーでなく、当たり前のパフォーマンスの強化 -> 自動化やテストパターンの標準化など、属人化からの脱却 を意識
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 3カ年計画 36
 生産性最大化 組織の スケールアップ

    スケールアウト step1 step2 step3 コアリリースの清算 step0 ポイント • 小さなチームがそれぞれ自走し、自律的な活動ができる状態を目指す ◦ 並行開発の実現 = 開発環境の複数整備 ◦ QAできたものから即リリース = リリースプロセスのアップデート ◦ QAチームだけに依存しないQA活動 = QAスキルの民主化  QAがいなくても品質保証が回る組織基盤を設計中(← なう)   現在QAチームは5名まで拡大したが、ますます拡大予定!
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 まとめ ⼀⼈でできることには限りがあるから、チームで協⼒しよう🤝 ✅ 「良いものを作る

    “から” はやい」はつくれる。 変化に強い組織でありたい。改善なくして⾮連続な成⻑は⽣まれない⤴ ✅ クイックウィンを意識し、改善活動を続けよう。 ✅ QA活動を通して何を⽬指すのか?戦略を描こう。 試⾏錯誤は前提でありつつ、羅針盤を持ちながら進もう🧭 ✅ “新しい”を始めるのは難しい。”当たり前”を変えるのは難しい。 品質 vs スピードに真正⾯から向き合ってきたからこそ⽣まれた⽂化👏
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 令和トラベルからのおしらせ 45
   令和トラベルは、毎⽉LT会を開催してます! 来⽉も勉強会開催予定なのでぜひご参加ください!

        Engineering Blog / Zennで技術発信中!   各ポジションにて、積極採⽤中! まずは、カジュアル⾯談からお話させてください。 「NEWT(ニュート)」で スマートに海外旅⾏してみませんか?
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 Have an amazing journey.

    Thank you! by @mii________san あたらしい旅行を、デザインする。