Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
Elixir以外の言語もよく使うエンジニアが考える、Phoenix LiveViewの使いどころ
Search
mokichi
May 17, 2024
Programming
1
250
Elixir以外の言語もよく使うエンジニアが考える、Phoenix LiveViewの使いどころ
【東京】Elixir/Phoenix 入門セミナー(初心者歓迎)
https://daimon-ex.connpass.com/event/312959/
mokichi
May 17, 2024
Tweet
Share
More Decks by mokichi
See All by mokichi
Rubyistから見たElixir
mokichi
1
380
動的画像変換サービス「imagepix」のご紹介
mokichi
1
240
Phoenix LiveViewをプロダクション利用してみた所感
mokichi
3
870
Phoenix1.6で標準搭載されたLiveViewに入門してみよう
mokichi
0
190
Ractorが出たからRubyの並列処理をおさらいする
mokichi
0
670
WebエンジニアのためのKubernetesサクッと入門
mokichi
1
110
未来予知できない凡人の生存戦略
mokichi
0
54
Other Decks in Programming
See All in Programming
AIレシート読み取り機能をRuby on Rails on AWSで実現するLLMにまつわるアレコレ / AI-based receipt reading function powered by LLM on Ruby on Rails on AWS
moznion
3
130
Оптимизируем производительность блока Казначейство
lamodatech
0
940
アクターシステムに頼らずEvent Sourcingする方法について
j5ik2o
6
700
ErdMap: Thinking about a map for Rails applications
makicamel
1
580
生成AIでGitHubソースコード取得して仕様書を作成
shukob
0
630
shadcn/uiを使ってReactでの開発を加速させよう!
lef237
0
290
『改訂新版 良いコード/悪いコードで学ぶ設計入門』活用方法−爆速でスキルアップする!効果的な学習アプローチ / effective-learning-of-good-code
minodriven
28
4k
良いユニットテストを書こう
mototakatsu
11
3.6k
PHPカンファレンス 2024|共創を加速するための若手の技術挑戦
weddingpark
0
140
Запуск 1С:УХ в крупном энтерпрайзе: мечта и реальность ПМа
lamodatech
0
940
KMP와 kotlinx.rpc로 서버와 클라이언트 동기화
kwakeuijin
0
290
Асинхронность неизбежна: как мы проектировали сервис уведомлений
lamodatech
0
1.3k
Featured
See All Featured
Bash Introduction
62gerente
610
210k
10 Git Anti Patterns You Should be Aware of
lemiorhan
PRO
656
59k
4 Signs Your Business is Dying
shpigford
182
22k
The Cult of Friendly URLs
andyhume
78
6.1k
Git: the NoSQL Database
bkeepers
PRO
427
64k
CSS Pre-Processors: Stylus, Less & Sass
bermonpainter
356
29k
GitHub's CSS Performance
jonrohan
1030
460k
Making the Leap to Tech Lead
cromwellryan
133
9k
Exploring the Power of Turbo Streams & Action Cable | RailsConf2023
kevinliebholz
28
4.5k
CoffeeScript is Beautiful & I Never Want to Write Plain JavaScript Again
sstephenson
160
15k
Evolution of real-time – Irina Nazarova, EuRuKo, 2024
irinanazarova
6
500
Art, The Web, and Tiny UX
lynnandtonic
298
20k
Transcript
Elixir以外の言語もよく使うエンジニアが考える、 Phoenix LiveViewの使いどころ 2024/05/17 @daimon.ex 株式会社スマートアルゴリズム 齋藤 和也
名前:齋藤 和也 (36) HN:mokichi 居住:東京都 出身:福岡県 🍜 X (旧Twitter):@mokichi_s12m GitHub:mokichi 株式会社スマートアルゴリズム 代表取締役 兼
エンジニア 複数社で技術顧問を務める クラウドインフラを含むバックエンド開発や DevOpsが得意 今までに使ったプログラミング言語: C, C++, Java, Ruby, PHP, JavaScript, Python, Objective-C, Elixir, TypeScript, Rust, Go, etc. 自己紹介
書籍『Elixir実践入門』を出版しました 🎉 2024年2月、技術評論社様より出版 (ISBN 9784297140144) WEB+DB PRESS Vol.127 (2022年2月) Phoenix特集の書籍化
Elixirコミュニティのメンバーと共著 全19章のうち、以下の4章分を担当 第7章:Phoenixの概要 第9章:phx.gen.authによる認証 第10章:LiveViewによるフロントエンドの開発 第11章:実践的な Webアプリケーションの開発
Phoenix LiveViewの概要
• (ほぼ) JavaScriptを書かずにElixirだけでSPAを開発できる • 宣言的な記述ができたり、機能やUIをコンポーネントに分割できたりと、現在 主流になっているSPA開発の開発体験とかなり近い • 加えて、データの更新を各クライアントにリアルタイムに反映するといった、一 般的に面倒なことがとても簡単に できる
• 「Twitterクローンを15分で作る」という動画が話題に https://www.youtube.com/watch?v=MZvmYaFkNJI Phoenix LiveViewとは
• フロントエンドとバックエンドの両方を高いクオリティで対応できる エンジニアは稀で、分業化が進みがち • ある機能を実装する際に、バックエンド側を対応しないとフロントエンド側が進 められず、ボトルネックが発生する (逆のパターンもあり) • OGPの設定が必要な場合のSSRや、JSのバンドルサイズが大きくなることに よるCore
Web Vitalsの各指標の悪化に頭を悩ませがち 現在主流になっているSPA開発の問題点
• (ほぼ) JavaScriptを書かずにElixirだけでSPAを開発できる ◦ フロントエンドとバックエンドがデータをやりとりするための APIを 何本も作らなくていい (つまりAPIドキュメントも作らなくていい) • すべてのクライアントとWebSocketでつながっている
◦ 状態をサーバに保持し、状態の更新をクライアントに反映させている ◦ ブラウザのCookieやLocalStorageのことを気にしなくていい ◦ サーバの負荷は当然増えるが、昨今はリソース調達が容易なため さほど大きな問題ではない (そもそもElixirはリソース効率が良い) Phoenix LiveViewの特徴
• Ruby ◦ Ruby on Rails ― Hotwire ※Rails以外でも使える •
PHP ◦ Laravel ― LiveWire • C# ◦ .NET ― Blazor など、非常に注目されている技術 他の言語にも同じような仕組みのものがある
Phoenix LiveViewの使いどころ
技術選定における大前提 • 銀の弾などない ◦ これを選べば万事OK...なんてものはない • 技術的優位性よりも環境を重視する ◦ Web開発においては、何を選んでもそこまで大きな差はない ◦
「札束で殴る」という選択肢を常に持っておく
• 組織を見る ◦ フロントエンドとバックエンドを分業しているか ◦ 開発チームが複数あるか ◦ 人の入れ替わりが激しいか ◦ 組織内での採用実績が豊富にあるか
→ 目的の達成を最優先する • 技術を見る ◦ 技術的優位性があるか ◦ ユーザの動作環境に適しているか ◦ 使い続ける覚悟があるか → 流行り廃りに惑わされない 普段、何を見て選んでいるか
• 組織を見る ◦ フロントエンドとバックエンドを明確に分業していない ◦ 開発メンバーが多くない ◦ 身近に経験者がいる (実務かどうかは問わない) ◦
しばらくは自分の手を離れることがない • 技術を見る ◦ ユーザのネットワーク環境が良いことを前提にできる ◦ システム構成をシンプルに保ち、金銭的・人的コストを抑えたい ◦ Elixirが好き!→ 長く運用するうえで無視はできない どんなときにPhoenix LiveViewを選ぶか
自社プロダクトでの採用事例
ユーザーがアップロードした画像を事前に変換しておくのではなく、参照される際に必 要なサイズ・フォーマットに変換して返すサービス https://www.docswell.com/s/s12m/ZXY7XP-imagepix 動的画像変換サービス「imagepix」
imagepix のアーキテクチャ概要 画像変換処理は TypeScriptで開発し、 AWS Lambdaで動かしている 管理コンソールは Phoenix LiveViewで開発し、 Fly.ioで動かしている
• 画像変換処理 ― どちらかというと技術重視 ◦ リクエスト数の変動に耐えられるようにしたい! ◦ インフラの面倒をできるだけ見たくない → AWS
Lambda ◦ Lambdaに載せるのが楽で、画像変換がやりやすい → TypeScript • 管理コンソール ― どちらかというと環境重視 ◦ 手間をかけず、早く確実に作りたい! ◦ 開発環境が整っていて採用実績もある (&Elixirが好き!) → LiveView ◦ インフラに手間とコストをかけたくない → Fly.io なぜ技術を使い分けているか
Phoenix LiveViewにチャレンジしよう! 興味があれば、後ほど imagepix の管理コンソールをチラ見せします