【デブサミ2025関西】つくる力をうちから、ダイキンのアジャイル内製改革

https://event.shoeisha.jp/devsumi/20250917/session/6276

Transcript

1. つくる力をうちから、 　　ダイキンのアジャイル内製改革 ダイキン工業株式会社 テクノロジー・イノベーションセンター　森鳰武史 ファインディ株式会社 Findy Team+事業部 　渡邉順 Developers Summit 2025 KANSAI（2025.09.17）
2. 自己紹介（ダイキン工業株式会社）
3. 自己紹介（ダイキン工業株式会社） EneFocus α
4. ▍森鳰武史 チームマネージャー（アジャイル内製センター代表） 経歴 2016年 AI機械学習エンジニア 2019年 ソフトウェアエンジニアへ 内製開発チーム立ち上げ 補足 内製開発コミュニティ 運営 日本OR学会　関西支部運営委員 2023年 Ph.D.（情報科学） 2025年 アジャイル内製センター立ち上げ MBA（科目聴講） 趣味 ゲーム開発 音楽（作曲、ベース、ピアノ） 自己紹介（ダイキン工業株式会社）
5. アジャイル内製センター紹介 1. 事業部横断型のプロジェクト型仮想組織 2. 設立までの道のり 3. 社外活動
6. 1. 事業部横断型のプロジェクト型仮想組織
7. 2019年（4名） 有志（未経験）を集め、内製チームを立ち上げ 補助金事業を事業部と改革、工数を9割削減 2020年（8名） 補助金に頼らない事業として商材化（EneFocus α） 2023年（13名） 社内向け、開発者コミュニティ立ち上げ 2025年（18名） アジャイル内製センター（仮想組織）立ち上げ 2. 設立までの道のり https://codezine.jp/article/detail/19731
8. ▍検査、学習のために積極的に活動 スクラム関係 Scrum Fest 仙台 Scrum Fest 新潟 Scrum Fest 三河 Regional Scrum Gathering Tokyo Scrum Fest 大阪 Scrum Fest 沖縄 そのほか JaSST'23 Kansai JaSST'24 Tokyo EdgeTech+ 2022 EdgeTech+ 2023 内製開発Summit 開発生産性カンファレンス etc... 3. 社外活動
9. アジャイル推進の課題 1. サービス拡大に伴う認知負荷の増加 2. チームの自律性と開発組織化 3. ステークホルダー（事業部）との関わり
10. ▍サービス拡大のためのメンバーの増員 事業計画、〇月までに△対応により契約数を伸ばせる状態にしたい 開発人員は増えるがシステムも複雑化 → 認知負荷が増加、懸念の声が上がる 1. サービス拡大に伴う認知負荷の増加 https://jp.findy-team.io/
11. 1. サービス拡大に伴う認知負荷の増加 RSGT2025 激録・開発密着10ヶ月！！〜拡大したスクラムチームの衝突〜
12. 1. サービス拡大に伴う認知負荷の増加 RSGT2025 激録・開発密着10ヶ月！！〜拡大したスクラムチームの衝突〜
13. 1. サービス拡大に伴う認知負荷の増加 RSGT2025 激録・開発密着10ヶ月！！〜拡大したスクラムチームの衝突〜
14. ▍チームが増えるとチーム間の衝突も増える 特に自律性を重視していると衝突は起きやすい 他チームの協力が必要なストーリーの場合、優先度が衝突 他チームの意思決定に対する納得性が低い 所属チーム以外への関心の薄れ 2. チームの自律性と開発組織化 仕事のやり方に一貫性がないと、人材の異動は難しくなります。異動が難しいという ことは、仕事のやり方に一貫性がない可能性が高いということです。それがどんどん 悪化し、いつの間にか同じ会社で働いているという感覚が薄れてしまいます。 Spotify doesn’t use “the Spotify model” and neither should you. https://www.jeremiahlee.com/posts/failed-squad-goals/
15. ▍なぜ自律性の重視が弊害を引き起こすのか 仮説 自律性の意味することがチーム毎に異なる 各チームの自律性で網羅されていない組織の課題がある 検証方法：チームの権限整理（デリゲーションポーカー的） チーム内で決められること チーム間で合意が必要なこと 決められないこと チームの自律性によって実現しないもの（暗黙知、属人性） 2. チームの自律性と開発組織化 https://www.oreilly.co.jp/books/9784814401147/
16. ▍チームの権限整理（デリゲーションポーカー的） 2. チームの自律性と開発組織化
17. ▍統一（標準化）による制約はチームの自由度を下げうる 権限整理により得られる効果 メンバーがプロセスに参加するため納得性が高い 制約の理由を理解することでトレードオフが認識できる 2. チームの自律性と開発組織化 働き方にはそれぞれ多くの暗黙のトレードオフがあり、そうしたトレードオフは現在 のプロセスにフラストレーションを感じている人々には見えていないことが多い。 エンジニアリング統括責任者の手引き https://www.oreilly.co.jp/books/9784814401147/
18. ▍開発者はドメインへ、事業部はアジャイルへDeepDive Before 優先度の判断は課長に委ねられる POは開発チームとの調節役 After 課長含む開発チーム全体で、 共通言語（プロダクトゴール、MVP）に よりプロダクトの議論ができるように 3. ステークホルダー（事業部）との関わり ScrumFest仙台2025 スクラムはチームだけでは完結しない！営業と共に歩むアジャイルジャーニー
19. ▍改善のために事業部（営業）の方々と何をしたか 社外の内製開発チーム（東京ガス様）との交流会に招待 他社事例から学び刺激を受ける カンファレンス登壇に同行 社外の熱量を体感して動機づけする スクラムワークショップ（ITプレナーズ様）に一緒に参加 スクラムやアジャイルに関する認識を一致させる 3. ステークホルダー（事業部）との関わり ScrumFest仙台2025 スクラムはチームだけでは完結しない！営業と共に歩むアジャイルジャーニー
20. 開発生産性の観点から３つの課題を考える 1. サービス拡大に伴う認知負荷の増加 2. チームの自律性と開発組織化 3. ステークホルダー（事業部）との関わり
21. ▍指標から問題に気づく、または改善の検査は可能 Negative Indicatorとしての検査 または相対的な変化、関係による検査 人数が増えてもリードタイム伸びてないか＝スケールできているか 1. サービス拡大に伴う認知負荷の増加 https://jp.findy-team.io/
22. ▍数値計測で確認できなくともマネジメントすべき 権限整理の期待効果 チーム間の協力がしやすくなる チームの自律性、メンバーの納得性が向上する 一貫性によりチーム間の移動がしやすくなる 2. チームの自律性と開発組織化 人は「効率」という言葉を聞くと、無意識に、最も数値計測しやすい要素に目が向く のだ。...数値計測できるかどうかに関係なく、マネジメントすべきものはマネジメン トすべきなのだ。ミンツバーグの組織論 https://www.diamond.co.jp/book/9784478118160.html
23. ▍アウトプットを追うと逆効果になる可能性 アウトプットを見ていても事業部との関わりの課題は見えてこない 改善に時間を充てる分、一時的にアウトプットは落ちるかもしれない 改善に時間を充て、想定通りアウトプットが落ちたなら安心すればいい ステークホルダー（事業部）との関わり The paradox is the more things you do make an organization more efficient now, the greater you impede its ability to change and reinvent later on as the business environment changes. Summary: Slack: Review and Analysis of DeMarco's Book https://www.diamond.co.jp/book/9784478118160.html
24. さいごに 開発文化の改革にむけて
25. ▍開発生産性スコアを改革の根拠のひとつに これまで 事前に要件を定義して、 開発は外部に委託すれば良い これから 状況の変化に合わせて、 継続的に開発運用していくことで成長する 開発文化の改革にむけて https://jp.findy-team.io/
26. ▍内製開発コミュニティ 背景 内製に関して、これまで10社以上との交流会を実施 カンファレンス経由で知り合った企業がメイン 講演では聞けない込み入った話も 得られる知見が多い 企業の枠を超えた内製開発コミュニティ 議論の場を提供（Discordサーバー） 企業間交流会の促進 参加している各社が交流先を見つけられる 内製に関するアンケート 開発文化の改革にむけて
27. ご清聴、ありがとうございました