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定電圧振幅楕円に着目した新しい座標系を用いた 永久磁石同期モータ駆動システムの高性能化に関する...

定電圧振幅楕円に着目した新しい座標系を用いた 永久磁石同期モータ駆動システムの高性能化に関する研究 / PMSM Control Based on a New Coordinate System

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August 23, 2019
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  1. 定電圧振幅楕円に着目した新しい座標系を用いた 永久磁石同期モータ駆動システムの高性能化に関する研究 / PMSM Control Based on a New Coordinate

    System 名古屋大学 大学院 工学研究科 電子情報システム専攻 道木研究室 松木 洋介 名古屋大学 大学院 工学研究科 電子情報システム専攻 道木研究室 松木 洋介 公聴会 2019/8/23
  2. 2 博士論文目次案 •学会誌論文 ▪国際会議 第1章 序論 第3章 定電圧振幅楕円に着目した新しい座標系の提案 ・各座標系の概要および特徴 ・定電圧楕円に着目したn-t座標系

    第4章 電圧位相制御+ 電圧振幅制御 へのn-t座標系適用 第5章 簡易位置 センサレス制御 へのn-t座標系適用 第6章 結論 •学会誌論文,電気学会論文D, Vol.138, No.7, pp563-573 (2018) ▪国際会議, IPEC,May 20-24, Niigata (Japan)(2018) • 学会誌論文,電気学会論文D, Vol.135, No.11, pp1123-1129 (2015) • 学会誌論文,電気学会論文D, Vol.138, No.7, pp563-573 (2018) ▪ 国際会議, EPE,September 11-14, Warsaw(Poland)(2017) 第2章 PMSM制御法の比較・整理,各制御法の特徴 ・d-q座標系に基づくPMSMの数式モデルとベクトル制御 ・PMSM制御法に用いられる状態量についての考察 ・PMSM制御法の比較・整理 ・ベクトル制御以外のPMSM制御法 特徴・課題・解決アプローチ
  3. 3 背景(エネルギー消費とモータの関係) 46% エネルギー消費の高効率化にはモータの高効率化が必要とされる 電力消費に モータが占める割合 IEA Energy Efficiency Series,

    Paul Waide, Conrad U. Brunner, et al. 2011 エネルギー消費に 電力が占める割合 23% 石油製品 18% 液体燃料 23% その他 36% エネルギー白書2013, 経済産業省, 2013
  4. 4 DC Motor PMSM Induction Motor Swiched Reluctance Efficiency (10%

    load) 80~87% 90~92% 79~85% 78~86% Max. efficency 89~91% 95~97% 94~95% ~90% Cost ratio Motor 1 1.0~2.0 0.8~1.2 0.6~1.0 Controller 1 2.5 3.5 4.5 Weight and size △ ◎ ◦ ◎ Reliability △ ◎ ◎ ◎ Responce ◦ ◎ ◦ ◎ 主なモータ駆動システムの特徴 http://www.nisri.jp/jisedai/docs/lecture_20111114_kosaka.pdf 永久磁石同期モータ(PMSM: Permanent Magnet Synchronous Motor)駆動システムは 最も効率がよく、また高効率・小型軽量・高信頼・高速応答の特徴を有する 本研究の目標:エネルギー消費の高効率化に向けた PMSM駆動システムの適用拡大
  5. 5 一般的なPMSM駆動システムの構成 駆動回路 電源 モータ 負荷 制御回路 回転 Gate signal×6

    センサ 電流センサ 交流電流 回転位置センサ A/D 3相インバータ(2レベル) Reference signal 直流電流 Vdc/2 −Vdc/2 3相PMSM (制御周期5-20kHz) ・ファン ・ポンプ ・車輪 等 PMSM 制御法 Time 相電圧 Vdc/2 0 vu vu -Vdc/2 vv vw 6つのSW素子のON/OFFで 3相交流電圧を模擬 3相のコイルに 交流電流が発生 永久磁石とコイル=電磁石 の関係によりトルク発生し回転 本研究の焦点:PMSM制御法の開発による高性能化 理由①ハードウェア性能の限界を引き出すことが可能 ②ハードウェアと比べ設計変更が容易 PMSM 制御法
  6. 6 PMSM制御法の構成 状態量 変換法 PMSM制御法 指令値信号 センサ信号 操作量/ 3相電圧 変換法

    操作量 決定法 状態量 操作量 3相電圧 指令値 Time 相電圧 0 vu vv vw 最終的な出力は必ず3相電圧指令値であるが、 他の部分はPMSM制御法の種類によって異なる
  7. 7 一般的なPMSM制御法 d-qベクトル制御適用に必要な要素 ①位置センサの利用 ②電流センサの利用 ③高速演算装置の利用 ④インバータ線形領域での利用 =瞬時トルク制御が可能な、PMSM制御法の理想解 状態量 変換法

    PMSM制御法 電流指令値 位置センサ 電流センサ 操作量/ 3相電圧 変換法 操作量 決定法 状態量 操作量 3相電圧 指令値 Time 相電圧 0 vu vv vw d-q座標系: 磁石磁束を 基準とした回転座標系 ベクトル制御:電流ベクトルを状態量、 電圧ベクトルを操作量とする制御法 , , d-q座標系に基づくベクトル制御(d-qベクトル制御)
  8. 8 適用拡大に向けたPMSM制御法の課題 I. 高効率 II. 小型高出力 III. 出力の高速応答・高安定 主たる制約:コスト PMSM制御法の課題:

    d-qベクトル制御適用が困難な状況下において 出力の高速応答・高安定の実現と低コストを両立させること 主にPMSM制御法によって実現される PMSM駆動システムへの要求: 2000年以降における要求 ・位置センサを用いないPMSM駆動 ・電流センサを用いないPMSM駆動 ・高速演算装置を用いないPMSM駆動 ・インバータ非線形領域でのPMSM駆動 主要要求 d-qベクトル制御適用に必要な要素 ①位置センサの利用 ②電流センサの利用 ③高速演算装置の利用 ④インバータ線形領域での利用 背反
  9. 9 一般的な座標系 用途指向座標系 ベクトル制御 応答性・安定性〇 コスト△ ベクトル制御以外の PMSM制御法 応答性・安定性× コスト◎

    PMSM 制御法 座標系 課題解決のアプローチと本研究における着眼点 課題: d-qベクトル制御適用が困難な状況下において 出力の高速応答・高安定の実現と低コストを両立させること 解決アプローチ一覧 d-qベクトル制御の 応用
  10. 10 ベクトル制御以外のPMSM制御法の特徴 ▪短所 瞬時トルク制御は困難、平均値制御を実現 ▪⾧所 d-qベクトル制御に必要な要素が揃わずともPMSM駆動可能 いずれも操作量は極座標基準の 電圧振幅 、電圧位相 を用いる

    vd vq d q N S Magnet 電圧 振幅 Va 位相 δ =d-qべクトル制御適用が困難な状況下における現実解 d-qベクトル制御 に必要な要素 ②,③不要 d-qベクトル制御 に必要な要素 ④不要 d-qベクトル制御 に必要な要素 ①,③不要
  11. 11 一般的な座標系 用途指向座標系 ベクトル制御 応答性・安定性〇 コスト△ ベクトル制御以外の PMSM制御法 応答性・安定性× コスト◎

    PMSM 制御法 座標系 課題解決のアプローチと本研究における着眼点 課題: d-qベクトル制御適用が困難な状況下において 出力の高速応答・高安定の実現と低コストを両立させること 解決アプローチ一覧
  12. 12 PMSM制御法に用いられる座標系 d q N S 概 略 図 短所

    d q N S M T 名称 所定の用途に最適化されているため、 所定外の用途ではd-q座標系に基づくベクトル制御に劣る ⾧所 ― 用いられる PMSM 制御法 d軸となす 角度 ベクトル制御 d q N S γ δ 簡易位置 センサレス制御 ベクトル制御, 位置センサレスベクトル制御, 簡易センサレスベクトル制御, 電圧位相制御, 電圧位相制御+電圧振幅制御 d-q座標系 M-T座標系 γ-δ座標系 dm -qm 座標系 f-t座標系 d q N S qm dm d q N S f t 位置センサレス ベクトル制御 ベクトル制御, 位置センサレス ベクトル制御 MTPA Torque Curve 定義 d軸=磁石磁束方向 M軸=磁束ベクトル δ軸=電圧ベクトル qm 軸=MTPA曲線上 に存在する所定の 電流ベクトル f軸=現在の電流 ベクトルを通過する 等トルク曲線の接線 電圧位相 IPMSM位置センサレス ベクトル制御にて MTPA制御を容易実現 位置センサや複雑な 演算,パラメータ なしでPMSMを駆動 高い汎用性,ベクトル制御 と組み合わせて高速応答 高安定を実現可能 局所性能の実現には アルゴリズム複雑化 を招く 用途指向座標系 適用により数式モデルが変化 アルゴリズム複雑化せず、局所性能を低コストで実現
  13. 13 一般的な座標系 用途指向座標系 ベクトル制御 応答性・安定性〇 コスト△ ベクトル制御以外の PMSM制御法 応答性・安定性× コスト◎

    PMSM 制御法 座標系 課題解決のアプローチと本研究における着眼点 課題: d-qベクトル制御適用が困難な状況下において 出力の高速応答・高安定の実現と低コストを両立させること 本研究で着眼 × 課題解決 × 課題解決 × 課題解決 解決アプローチ一覧 状態量 変換法 PMSM制御法 指令値信号 センサ信号 操作量/ 3相電圧 変換法 操作量 決定法 状態量 操作量 3相電圧 指令値 , 新しい座標系を提案
  14. 14 博士論文目次案 •学会誌論文 ▪国際会議 第1章 序論 第2章 PMSM制御法の比較・整理,各制御法の特徴 ・d-q座標系に基づくPMSMの数式モデルとベクトル制御 ・PMSM制御法に用いられる状態量についての考察

    ・PMSM制御法の比較・整理 ・ベクトル制御以外のPMSM制御法 特徴・課題・解決アプローチ 第3章 定電圧振幅楕円に着目した新しい座標系の提案 ・各座標系の概要および特徴 ・定電圧振幅楕円に着目したn-t座標系 第4章 電圧位相制御+ 電圧振幅制御 へのn-t座標系適用 第5章 簡易位置 センサレス制御 へのn-t座標系適用 第6章 結論 •学会誌論文,電気学会論文D, Vol.138, No.7, pp563-573 (2018) ▪国際会議, IPEC,May 20-24, Niigata (Japan)(2018) • 学会誌論文,電気学会論文D, Vol.135, No.11, pp1123-1129 (2015) • 学会誌論文,電気学会論文D, Vol.138, No.7, pp563-573 (2018) ▪ 国際会議, EPE,September 11-14, Warsaw(Poland)(2017)
  15. 15 d-q座標系に基づくベクトル制御の数式モデル 数式モデル 行列Aが対角 (非干渉制御適用時) ただし = , u =

    高速応答・高安定な電流制御=トルク制御を実現 d軸電圧 状態量 d軸電流 q軸電流 q軸電圧 操作量 操作量と状態量が1対1 共振なし 静 特 性 動 特 性 ゲイン (dB) 目標 現在
  16. 16 ベクトル制御以外のPMSM制御法の数式モデル 数式モデル 行列Aが対角でない ただし = , u = 高速応答・高安定に制御すること困難

    本問題の解決に適した新しい座標系を提案、解決を目指す 電圧振幅 状態量 d軸電流 q軸電流 電圧位相 操作量 Hz 目標 現在 静 特 性 動 特 性 操作量と状態量が1対1でない 共振あり
  17. 17 博士論文目次案 •学会誌論文 ▪国際会議 第1章 序論 第3章 定電圧振幅楕円に着目した新しい座標系の提案 ・各座標系の概要および特徴 ・定電圧振幅楕円に着目したn-t座標系

    第4章 電圧位相制御+ 電圧振幅制御 へのn-t座標系適用 第5章 簡易位置 センサレス制御 へのn-t座標系適用 第6章 結論 •学会誌論文,電気学会論文D, Vol.138, No.7, pp563-573 (2018) ▪国際会議, IPEC,May 20-24, Niigata (Japan)(2018) • 学会誌論文,電気学会論文D, Vol.135, No.11, pp1123-1129 (2015) • 学会誌論文,電気学会論文D, Vol.138, No.7, pp563-573 (2018) ▪ 国際会議, EPE,September 11-14, Warsaw(Poland)(2017) 第2章 PMSM制御法の比較・整理,各制御法の特徴 ・d-q座標系に基づくPMSMの数式モデルとベクトル制御 ・PMSM制御法に用いられる状態量についての考察 ・PMSM制御法の比較・整理 ・ベクトル制御以外のPMSM制御法 特徴・課題・解決アプローチ
  18. 22 博士論文目次案 •学会誌論文 ▪国際会議 第1章 序論 第3章 定電圧振幅楕円に着目した新しい座標系の提案 ・各座標系の概要および特徴 ・定電圧振幅楕円に着目したn-t座標系

    第4章 電圧位相制御+ 電圧振幅制御 へのn-t座標系適用 第5章 簡易位置 センサレス制御 へのn-t座標系適用 第6章 結論 •学会誌論文,電気学会論文D, Vol.138, No.7, pp563-573 (2018) ▪国際会議, IPEC,May 20-24, Niigata (Japan)(2018) • 学会誌論文,電気学会論文D, Vol.135, No.11, pp1123-1129 (2015) • 学会誌論文,電気学会論文D, Vol.138, No.7, pp563-573 (2018) ▪ 国際会議, EPE,September 11-14, Warsaw(Poland)(2017) 第2章 PMSM制御法の比較・整理,各制御法の特徴 ・d-q座標系に基づくPMSMの数式モデルとベクトル制御 ・PMSM制御法に用いられる状態量についての考察 ・PMSM制御法の比較・整理 ・ベクトル制御以外のPMSM制御法 特徴・課題・解決アプローチ
  19. 23 電圧位相制御+ 電圧振幅制御の特徴 Block diagram Performance d-q座標系に基づくベクトル制御 電圧位相制御+振幅制御 ・線形領域では高速応答性・高安定性 ・インバータ非線形領域への適用は困難

    ・非線形領域への適用が容易だが、 ベクトル制御に対し応答性・安定性劣化 課題:電圧位相制御+振幅制御の短所である応答性・安定性劣化を アルゴリズムを複雑化させることなく解決する 線形領域 非線形領域 3相電圧指令値(p.u.) 実際の出力電圧 (p.u.) × 線形領域 非線形領域 3相電圧指令値(p.u.) 実際の出力電圧 (p.u.) PMSM モデル式 ∗ ∗ PMSM モデル式 ∗ トルク ∗
  20. 24 応答性・安定性劣化の原因 b) PMSM自身が持つ 電気的共振特性 a) 2制御器間に発生する 相互干渉 Re Im

    qh dh q d e qh dh ah L L L L j L L L R s     2 Poles of ΔPTq2 Gain[dB] Frequency[Hz] Bode plot of ΔPTq2 (s) T    0 1 2 20 21 2 a s a s b s b L L V s P Tq Tq qh dh ao Tq       qh dh ah L L L   * PMSM model d i T  C   s P 11    s P Tq2    s P 12    s P Tq1      * T    * d i  a V  v C Amp. Controller Phase Controller Gain[dB] Frequency[Hz] Torque transfer Characteristic (T/T*) トルク伝達関数の次数*:4次 減衰定数:0.06 ※極零相殺が成立する前提 操作量と状態量 が1対1でない
  21. 25 原因対策のためのアプローチ Re Im Motor model d i T 

    C   s P 11    s P Tq2    s P 12    s P Tq1      * T    * d i  a V  v C Amp. Controller Phase Controller 干渉ループの切断 b) PMSM自身が持つ 電気的共振特性 a) 2制御器間に発生する 相互干渉 極配置による共振抑制 ・t軸電流 it は電圧位相 微小変化に対して感度最大 ・n軸電流 in は電圧位相 微小変化に対して感度なし 本アプローチをn-t座標系におけるn軸電流を用いて実現
  22. 26 =0 δ と in の関係を示す伝達関数ΔPn2 (s) は  

        0 1 2 0 1 2 2 a s a s L L sL V a s a s L L L R sL V s P i qh dh th ao qh dh tn e c th ao n n                 n軸電流 in の持つ特徴 これら2つの特徴が原因解決のアプローチにそれぞれ対応 ・ it は電圧位相 微小変化に対して感度最大 ・ in は電圧位相 微小変化に対して感度なし 特徴 i. ΔPn2 (s) の分子はsの1乗項のみ含む 特徴 ii. 低周波数条件ではΔPn2 (s) ≒0 (about under 100Hz)
  23. 27 n軸電流利用の効果 特徴 i. ΔPn2 (s) の分子はsの1乗項のみ含む Motor model n

    i T  C   s P n1    s P Tq2    0 2   s P n   s P Tq1      * T    * n i  a V  v C Amplitude Control Phase Control Proposed n-t 特徴 ii. 低周波数条件ではΔPn2 (s) ≒0 in in * in b) PMSM自身が持つ 電気的共振特性 a) 2制御器間に発生する 相互干渉 干渉ループ切断を実現 極配置による共振抑制を実現 トルク伝達関数の次数*:2次 減衰定数:0.48
  24. 28 実機における検証結果   s P n1  PID T

      s P Tq2  a V PID   s P Tq1       * T       0 2   s P n   Current Reference MAP(MTPA) K d-q座標系に基づく 電圧位相制御+振幅制御 in in *   s P 11  I T   s P Tq2  a V I   s P Tq1       * T       s P 12    Current Reference MAP(MTPA) id id * PID controller State FB control Voltage Amp. Control using in Block diagram Torque step Low response, divergence Torque[Nm] 20ms T* T high response (5 times as high as conventional method) 20ms Torque[Nm] T* T n-t座標系に基づく 電圧位相制御+振幅制御 電圧位相制御+振幅制御の短所である応答性・安定性劣化を アルゴリズムを複雑化させることなく解決 PMSM model
  25. 29 博士論文目次案 •学会誌論文 ▪国際会議 第1章 序論 第3章 定電圧振幅楕円に着目した新しい座標系の提案 ・各座標系の概要および特徴 ・定電圧振幅楕円に着目したn-t座標系

    第4章 電圧位相制御+ 電圧振幅制御 へのn-t座標系適用 第5章 簡易位置 センサレス制御 へのn-t座標系適用 第6章 結論 •学会誌論文,電気学会論文D, Vol.138, No.7, pp563-573 (2018) ▪国際会議, IPEC,May 20-24, Niigata (Japan)(2018) • 学会誌論文,電気学会論文D, Vol.135, No.11, pp1123-1129 (2015) • 学会誌論文,電気学会論文D, Vol.138, No.7, pp563-573 (2018) ▪ 国際会議, EPE,September 11-14, Warsaw(Poland)(2017) 第2章 PMSM制御法の比較・整理,各制御法の特徴 ・d-q座標系に基づくPMSMの数式モデルとベクトル制御 ・PMSM制御法に用いられる状態量についての考察 ・PMSM制御法の比較・整理 ・ベクトル制御以外のPMSM制御法 特徴・課題・解決アプローチ
  26. 30 位置センサレス制御 種類と特徴 Overview v i Motor model Motor model

    Filter + ー ー + e IPMSM -1 e ˆ × × △ センサレスベクトル制御 拡張誘起電圧方式 外乱重畳方式 アルゴリズム 複雑 複雑 簡易 安定性 課題:簡易位置センサレス制御にて発生する、低速度域での安定性劣化 をアルゴリズムを複雑化させることなく解決する 低速域で安定性劣化 全速度域で安定 全速度域で安定 簡易位置 センサレス制御
  27. 31 低速域における安定性劣化の原因 システム極の回転速度依存性 Re. Im. ωm = 1p.u. ωm =

    0.1p.u.   JL K P j L R L K k s e n eo o eo e     2 2 2 cos 2 1     システム極の理論式 従来の簡易位置センサレス制御のブロック図 制御安定化に 軸電流を利用 極の実部が回転速度に依存、低速ほど右方向へと移動 このことが原因で低速度域における安定性劣化が発生している :PMSM回転速度 d q N S γ δ γ-δ座標系 PMSM モデル式 ∗ ∗ × 1/s P
  28. 32 Re. ωm = 0.1p.u. ωm = 1p.u. δ FB

    FB 原因対策のためのアプローチ JL K P j K s e n    2 Im. K:FB gain 制御安定化に電圧位相 を使用 極の実部が 回転速度 に 依存しない システム極 システム極の回転速度依存性 ただし、位置センサレスの条件では電圧位相 の利用は困難 ・t軸電流 it は電圧位相 微小変化に対して感度最大 ・n軸電流 in は電圧位相 微小変化に対して感度なし ⇒n-t座標系におけるt軸電流を用いて本アプローチを実現 ⇒電圧位相δの代用として最適と考えられる PMSM モデル式 ∗ ∗ × 1/s P
  29. 33 t軸電流利用の効果(数式モデル) 従来の簡易位置センサレス制御はシステム極が に依存 これに対しt軸電流利用の場合は 依存であり、依存度軽減 δ FB Re. Im.

    ωe = 0.1p.u. FB it FB ωe = 1p.u. システム極の回転速度依存性 (State FB gains are the same) Proposed: it FB JL K P j L R K s e n o eo              cos 2 1 2 JL K P j K s e n    2 1 JL K P j L R K s e n o eo              cos 2 1 Conv. : FB Ideal : δ FB システム極の理論式 制御安定化に t軸電流を利用 提案する簡易センサレス制御のブロック図 L R Here eo ≪  , L R Here eo ≪  , PMSM モデル式 ∗ ∗ × 1/s P
  30. 34 解析・実機における検証結果 Low speed(10%) High speed(100%) Mid. speed(20%) 0.2sec 250rpm

    250rpm 0.2sec 250rpm 0.2sec Proposed (n-t) Conv. (γ-δ) Rotational speed Torque load Torque load Torque load Simulations Experiments 0.2sec 250rpm 250rpm 0.2sec 250rpm 0.2sec Rotational speed Torque load Torque load Torque load 簡易位置センサレス制御にて発生する、低速度域での 安定性劣化をアルゴリズムを複雑化させることなく解決 Proposed (n-t) Proposed (n-t) Proposed (n-t) Proposed (n-t) Proposed (n-t) Conv. (γ-δ) Conv. (γ-δ) Conv. (γ-δ) Conv. (γ-δ) Conv. (γ-δ)
  31. 35 博士論文目次案 •学会誌論文 ▪国際会議 第1章 序論 第3章 定電圧振幅楕円に着目した新しい座標系の提案 ・各座標系の概要および特徴 ・定電圧振幅楕円に着目したn-t座標系

    第4章 電圧位相制御+ 電圧振幅制御 へのn-t座標系適用 第5章 簡易位置 センサレス制御 へのn-t座標系適用 第6章 結論 •学会誌論文,電気学会論文D, Vol.138, No.7, pp563-573 (2018) ▪国際会議, IPEC,May 20-24, Niigata (Japan)(2018) • 学会誌論文,電気学会論文D, Vol.135, No.11, pp1123-1129 (2015) • 学会誌論文,電気学会論文D, Vol.138, No.7, pp563-573 (2018) ▪ 国際会議, EPE,September 11-14, Warsaw(Poland)(2017) 第2章 PMSM制御法の比較・整理,各制御法の特徴 ・d-q座標系に基づくPMSMの数式モデルとベクトル制御 ・PMSM制御法に用いられる状態量についての考察 ・PMSM制御法の比較・整理 ・ベクトル制御以外のPMSM制御法 特徴・課題・解決アプローチ
  32. 36 結論:本研究の成果 PMSM駆動システムの適用範囲拡大に向けては、PMSM制御法の理想解で あるd-qベクトル制御の適用が困難な状況下にて出力高速応答・高安定と 低コストを両立させることが課題であった。 適用事例1.電圧位相制御+電圧振幅制御の高速トルク応答実現 適用事例2.簡易位置センサレス制御の低速時安定性向上 ◆学術論文:3件 ◆国際会議:2件 ◆国内会議:3件

    松木 洋介・梶浦 裕章, 「電圧振幅・位相制御に適した新座標系に基づくIPMSMの高 応答トルク制御法」,電気学会論文D, Vol.135, No.11, pp1123-1129 (2015) 松木 洋介・ 道木 慎二, 「n-t座標系での状態フィードバック制御を用いたIPMSMの 高速トルク応答の実現」,電気学会論文D, Vol.138, No.7, pp563-573 (2018) 松木 洋介・ 道木 慎二, 「n-t座標系での状態フィードバック制御を用いたPMSMの V/f制御の低速時性能向上」,電気学会論文D, Vol.138, No.12, pp911-919 (2018) 本研究では定電圧振幅楕円に着目したn-t座標系を提案。n-t座標系は現実解 であるベクトル制御以外のPMSM制御法の数式モデルを、理想解=ベクトル 制御のモデルへと可能な限り近づける効果があり、適用により課題を解決。
  33. 37 今後の課題  n-t座標系に基づく電圧位相制御+電圧振幅制御の性能限界明確化  n-t座標系に基づく簡易位置センサレス制御法のさらなる高性能化  用途指向座標系のさらなる応用・提案 概 略

    図 短所 名称 ⾧所 用いられる PMSM 制御法 d軸となす 角度 定義 d q N S M T 所定の用途に最適化されているため、 所定外の用途ではd-q座標系に基づくベクトル制御に劣る ベクトル制御 d q N S γ δ 簡易位置 センサレス制御 M-T座標系 γ-δ座標系 dm -qm 座標系 f-t座標系 d q N S qm dm d q N S f t 位置センサレス ベクトル制御 ベクトル制御, 位置センサレス ベクトル制御 MTPA Torque Curve M軸=磁束ベクトル δ軸=電圧ベクトル qm 軸=MTPA曲線上 に存在する所定の 電流ベクトル f軸=現在の電流 ベクトルを通過する 等トルク曲線の接線 電圧位相 トルク制御と 力率1制御の 両立を実現など IPMSM位置センサレス ベクトル制御にて MTPA制御を容易実現 IPMSMにて トルク脈動抑制した 外乱重畳を実現する等 位置センサや複雑な 演算,パラメータ なしでPMSMを駆動 d q N S n t 定電圧 振幅楕円 t軸=現在の電流ベクトル を通過する定電圧 振幅楕円の接線           o d q L L   tan tan 1 電圧位相制御+ 電圧振幅制御, 簡易位置センサレス制御 n-t座標系 ベクトル制御以外の PMSM制御法にて 高速応答・高安定実現