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あえてEmbulkを使ってログ監視すると幸せになれる状況、およびその導入事例 / Embulk...

あえてEmbulkを使ってログ監視すると幸せになれる状況、およびその導入事例 / Embulk Meetup Tokyo #2

Embulk Meetup Tokyo #2 の LT で発表しました。
意味のある情報を取り出せないログが大量にある場合に、Embulkを活用したログ監視システムを導入し、サービスの現状把握および改善活動に繋げた事例の紹介です。

Masahiro Yoshizawa

December 15, 2015
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Transcript

  1. 5 まれによくありがちな状況 • 開発プロジェクトに後から参加した • ERRORレベルのログが出ると、アラートメールが飛ぶ • それも大量に飛んでくるが、“ほとんどは”無視していいらしい • 当初の開発者はもういない

    • 慣れた担当者なら、無視してはいけないメールがわかるらしい • その判断基準はどこにも書かれてない • その担当者は最近いなくなった • 最終的には… • “動かなくなったら、とりあえず再起動するしかない”
  2. 8 意味のある分類ができない例 • よくあるコード try { // Do something }

    catch (Exception e) { logger.error("must not happen", e); }
  3. 9 意味のある分類ができない例 • エラーの種類を特定するための情報が、ログごとに違う場所に入っている [日時] [ログレベル] [クラス名] [メソッド名] [行番号] [エラーメッセージ]

    [例外クラス名1]: [例外メッセージ1] at [スタックトレース1.1] at [スタックトレース1.2] (中略) Caused by: [例外クラス名2]: [例外メッセージ2] at [スタックトレース2.1] at [スタックトレース2.2] (後略) エラーメッセージは一意か? 直前の例外メッセージで 特定できるか? スタックトレースをさらに 追う必要があるか?
  4. 15 Fluentdでの複数行ログのパース • in_tail input plugin (multiline parser plugin) を使う

    – http://docs.fluentd.org/articles/in_tail – 正規表現で設定するため、複雑な処理は書きづらい • 自作の parser plugin を書く – Parser クラスを継承して実装
  5. 16 in_tail input plugin (format multiline) format multiline format_firstline /¥d{4}-¥d{1,2}-¥d{1,2}/

    format1 /^(?<time>¥d{4}-¥d{1,2}-¥d{1,2} ¥d{1,2}:¥d{1,2}:¥d{1,2}) ¥[(?<thread>.*)¥] (?<level>[^¥s]+)(?<message>.*)/ Configuration:
  6. 17 in_tail input plugin (format multiline) 2013-3-03 14:27:33 [main] ERROR

    Main - Exception javax.management.RuntimeErrorException: null at Main.main(Main.java:16) ~[bin/:na] 2013-03-03 14:27:33 +0900 zimbra.mailbox: {"thread":"main","level":"ERROR","message":" Main - Exception¥njavax.management.RuntimeErrorException: null¥n at Main.main(Main.java:16) ~[bin/:na]”} Input: Output:
  7. 18

  8. 19 Embulkのメリット • わかりやすい動作 – サーバ1台、プロセス1個で動き、ログの最後まで読み込んだら止まる – 試行錯誤を重ねる必要がある時は嬉しい • プラグイン構造

    – Fluentd と同様に、独自の parser plugin を書く仕組みがある – input/output/filter plugin が多数あり、ログ分析でよく必要になる処理は 開発不要 • パーサの開発支援機能 – embulk preview, embulk guess など
  9. 22 事例 • ログ監視システムの構築時期 – 2015年5月末 • 使用したバージョン – Embulk

    0.6.11 • 規模 – Webサーバ: 10台未満 – 取り込むログの件数: いくつかの条件で絞り、平均 2,000〜3,000 件/日
  10. 23 目指した運用(どこまで頑張るか) 1. ログの検索 • 毎日 • ERRORログの件数/日を確認 • 直近数日の件数が急増していたら、ログを検索して原因調査

    2. ログの集計 • 数週間〜1ヶ月に1回 • ログの種類ごとに、ERRORログの件数/日を集計、確認 • 特定の種類のログが急増、または新たに現れるようになっていたら、 ログを検索して原因調査
  11. 24 gzip decoder plugin myapp parser plugin elasticsearch output plugin

    table: myapp_abst file input plugin gzip decoder plugin myapp parser plugin postgresql output plugin file input plugin myapp abstract filter plugin Servers PC Log Monitoring System index: myapp
  12. 26 gzip decoder plugin file input plugin Servers Log Monitoring

    System ログファイルのコピー • パーサ開発のために、ログファイルを転送 • 監視対象のログファイルは日付や時間単位でローテートするように なっている必要あり
  13. 28 parserプラグインの開発 [日時] [ログレベル] [クラス名] [メソッド名] [行番号] [エラーメッセージ] [例外クラス名1]: [例外メッセージ1]

    at [スタックトレース1.1] at [スタックトレース1.2] (中略) Caused by: [例外クラス名2]: [例外メッセージ2] at [スタックトレース2.1] at [スタックトレース2.2] (中略) timestamp log_level_name class_name method_name line_number message second_line caused_by_class_name third_line caused_by_message
  14. 30 gzip decoder plugin myapp parser plugin elasticsearch output plugin

    file input plugin Servers Log Monitoring System index: myapp Kibanaの設定 • ERRORログの確認に適した形に、ダッシュボードを設定 PC
  15. 32 確認手順 ② 特に急増しているログの クラス名、メソッド名、エラーメッセージ などを調べる ③ Discover 画面に移動し、 該当ログの詳細を確認する

    ① 直近数日でログが急増しているか、 もし急増しているなら どのサービス、どのホストかを調べる
  16. 36 Embulkのfilterプラグインの開発 • 集計のために、ログの抽象度を上げるfilterプラグインを開発 • 例: "Login Error: userId=xxxxxxx" →

    "Login Error" • postgresql inputプラグインには「前回読んだところの続きから読む」 機能はないため、出力先テーブルを毎回作り直し(mode: replace) gzip decoder plugin myapp parser plugin postgresql output plugin file input plugin Log Monitoring System Servers table: myapp myapp abstract filter plugin postgresql output plugin postgresql input plugin table: myapp_abst PC
  17. 39 gzip decoder plugin myapp parser plugin elasticsearch output plugin

    table: myapp_abst file input plugin gzip decoder plugin myapp parser plugin postgresql output plugin file input plugin myapp abstract filter plugin Servers PC Log Monitoring System index: myapp
  18. 40 コード量 • 期間 – Rubyで書いた作りかけのパーサがある状態から、 プラグイン開発および環境構築まで1週間ほどで完了 • 開発物 –

    Embulkプラグイン2個(いずれもRuby) – 後日、共通処理をembulk-filter-insertプラグインとして切り出し • ホスト名やサービス名の挿入に利用 • id:sonots のembulk-filter-columnに似たプラグイン • 最終的なコード量 – Parserプラグイン: 172行 – Filterプラグイン: 85行 • 一度やり方が分かれば、非常に手軽に実装できた
  19. 41 プラグイン開発時に、面倒に感じた点 • サーバ/サービスごとにEmbulkの設定ファイルを分ける必要あり – ログファイルのファイル名に、サーバ名やサービス名が含まれているとファイ ルのprefixが変わる • ファイル名から情報を取り出せない –

    サーバ名やサービス名を、何らかの手段でEmbulkに渡す必要あり – 自作のfilterプラグイン(embulk-filter-insert)で挿入 • あくまで一時しのぎであり、長期的にはFluentdなどを用いた リアルタイムなログ分析・可視化が望ましい
  20. 44 本日の元ネタ • ERRORログが多すぎるWebアプリに出会ったら http://recruit.gmo.jp/engineer/jisedai/blog/struggle-against-too-many-errors/ • 謎の独自ERRORログをEmbulk + Elasticsearch +

    Kibana + PostgreSQLで 監視する:運用設計からシステム構築まで http://recruit.gmo.jp/engineer/jisedai/blog/embulk-elasticsearch-kibana- postgresql/