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組織貢献をするフリーランスエンジニアという生き方
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Takehata Naoto
February 13, 2025
Technology
1
140
組織貢献をするフリーランスエンジニアという生き方
2025年2月13日(土) 「Developers Summit 2025」の発表資料です。
Takehata Naoto
February 13, 2025
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Transcript
組織貢献をする フリーランスエンジニアという生き方 2025年2月13日 Developers Summit 2025 #devsumiE 竹端 尚人
自己紹介
概要 竹端 尚人 主にバックエンドエンジニア X: @n_takehata • 2006.04 公務員 •
2007.12 SES • 2014.04 サイバーエージェントグループ • 2020.12 フリーランス(現在)
登壇、執筆 • CEDEC 2018、2019登壇 • Software Design 2019年2月号〜4月号にて短期連 載執筆 •
2021年4月 書籍「Kotlin サーバーサイドプログラミ ング実践開発」出版 • 2023年4月 Techpitにて「Kotlin入門ガイドー言語 思想から特徴・歴史・使いどころまで、まるっと予 備知識がわかる教科書」執筆 • Kotlin Fest 2024 登壇 • Developers Summit 2025 登壇 ←NEW
ブログ • はてなブログ(エンジニア関連) https://blog.hatena.ne.jp/take7010/take-en gineer.hatenablog.com • note(マネジメント関連) https://note.com/n_takehata
コミュニティ活動 • Kotlin愛好会 https://love-kotlin.connpass.com • Server-Side Kotlin Meetup https://server-side-kotlin-meetu p.connpass.com
質問
フリーランスの人?
フリーランスになりたいと検討している人?
フリーランスはエンジニアの働き方の 有力な選択肢の一つ
今回の内容 フリーランスの働き方の一つの形を紹介
アジェンダ 1. フリーランスの一般的なイメージ 2. 私のフリーランスでの働き方 3. なぜフリーランスでやる意味がある のか? 4. フリーランスになってから現在の考
え方に至るまでの経緯 5. まとめ
アジェンダ 1. フリーランスの一般的なイメージ 2. 私のフリーランスでの働き方 3. なぜフリーランスでやる意味がある のか? 4. フリーランスになってから現在の考
え方に至るまでの経緯 5. まとめ
1. フリーランスの一般的なイメージ
こういうイメージを持っている人は 多いのではないでしょうか?
• 組織に縛られたくない • IC(Individual Contributor)でありたい • 色々な場所に行ってスキルを磨きたい
組織に縛られたくない
• 会社員として組織に管理されるのが嫌 だ • 組織に関するプロジェクト外の仕事(採 用や広報、イベントごとなど)はやりた くない
IC(Individual Contributor)でありたい
• 個人の成果を追い求めたい • 個人のスキルで勝負したい • マネジメントはやりたくない
色々な場所に行ってスキルを磨きたい
• 色々な現場に行くことで、違った技術 的な経験を積み重ねたい • プロジェクトを多く経験することで知 識を積み重ねたい • 同じ場所でずっと仕事するのは飽きる ので渡り歩きたい
自由と成長を求めている
アジェンダ 1. フリーランスの一般的なイメージ 2. 私のフリーランスでの働き方 3. なぜフリーランスでやる意味がある のか? 4. フリーランスになってから現在の考
え方に至るまでの経緯 5. まとめ
2. 私のフリーランスでの働き方
• 株式会社ヘンリーでフルタイムの業務 委託で働いています https://henry.jp • クラウド型電子カルテ・レセコンシス テム「Henry」の開発に携わっています
• 通常の開発業務 • マネジメント、チーム作り • 技術広報 • 採用活動 主な業務内容
通常の開発業務
• 通常の機能開発(設計、実装、テスト) • コードレビュー
マネジメント、チーム作り
• レトロスペクティブや各種MTGなど、 チームのアクティビティの運営 • 機能開発のオーナーとして進捗の管 理、推進
• 新規メンバーのオンボーディング • 懇親会やワークショップなど、チーム の交流を深めるための各種施策実施
技術広報
• イベントへの出展や協賛、自社イベン トの開催などの推進 • イベント出展時のスタッフ(技術書典の 売り子など) • 技術ブログへの寄稿 • 登壇時の会社の情報の発信
採用活動
• スカウトサイトでのピックアップ • 書類選考、面接 • スカウト送信や、知人のエンジニアへ のアプローチ(リファラル)
通常は社員の人がやるような業務も 定常的にやっています
アジェンダ 1. フリーランスの一般的なイメージ 2. 私のフリーランスでの働き方 3. なぜフリーランスでやる意味がある のか? 4. フリーランスになってから現在の考
え方に至るまでの経緯 5. まとめ
3. なぜフリーランスでやる意味があるのか?
よく言われること
「正社員にはならないんですか?」 「なんでフリーランスにこだわっているんですか?」
フリーランスであることのメリット
• ①契約、報酬の考え方がシンプル • ②入るのも辞めるのも手間が少ない • ③フリーランス故に自由に動け、相乗 効果も生める • ④気を抜いたらすぐ切られる可能性も あるヒリヒリ感
①契約、報酬の考え方がシンプル
• 給与だけでなく、有給休暇や福利厚生な どの利点も踏まえて考える必要がある • 会社の制度が変わったタイミングなど で、利益や不利益があって気にする必要 がある • スタートアップなどで制度がどんどん変 わるタイミングなどは特に面倒
正社員の場合
• 月に稼働がx時間想定でy円支払う • それに見合った成果を出せればOK • 以上 フリーランスの場合
②入るのも辞めるのも手間が少ない
• 入る時は何回も面接を重ね、リードタ イムが長くかかる傾向がある • 公的書類などの提出物も多い • 辞める時も人事面談や退職に関するオ リエンなどが発生することが多い 正社員の場合(1/2)
• タイミングによっては社保と国保の切 り替えなども発生して面倒 • iDeCoなど所属企業が変わった時に必要 な対応も発生する 正社員の場合(2/2)
• 業務委託契約であれば、面接回数が1〜2 回など少ない場合が多い(企業による) • 入る時は大体は契約書とNDAの書類を提 出するだけ • 辞める時は契約を更新しなければ終わり • iDeCoや国保の件も何も対応は発生しな
い(常に個人事業主なので) フリーランスの場合
③フリーランス故に自由に動け 相乗効果も生める
• 副業をしたい場合に禁止されていた り、できても報告が必要だったりする • 外部での登壇などする際に、会社の許 可やレビューを通さなければならない 場合もある • 外部で交流する時も「◯◯社の人」と いう看板を意識しなければならない
正社員の場合
• 兼業することは基本的に縛られない • 外部での登壇などもあくまで個人とし て出るので自由(会社のことを絡めた話 をする場合は除く) • 基本的にはフリーランスの人として外 部の人と交流するので気楽 フリーランスの場合(1/2)
• 外部により自由に出ていきやすいこと によって、より幅広い場所で得られた ものを企業に還元できる • 発表で事例を使うなど、都合のいい時 は会社の名前を出すこともできる フリーランスの場合(2/2)
④気を抜いたらすぐ切られる可能性もある ヒリヒリ感
• (少なくとも日本では)よっぽどのことが ない限り解雇はされない • なんとなく上手く行っていなくても、 給料をもらいながら会社には居続けら れてしまう 正社員の場合
• 契約期間単位で更新のタイミングが来る ので、そこで終了になる可能性はある • どんなに過去実績があっても、最近の成 果が落ちてきていたら更新してもらえる かはわからない • 予算などの事情により終了になる可能性 もある
フリーランスの場合(1/2)
• それ故に常に精進していくことを考え る必要があるし、ダレずに成長し続け られる • 逆に今の場所では難しいと判断した時 に、契約期間を目安に他の企業へ移る 選択肢も考えやすい フリーランスの場合(2/2)
人によってはデメリットと感じること (いつ切られるかわらかないというストレスなど)
個人的にはちょうどいい刺激だと思っています
• ①契約、報酬の考え方がシンプル • ②入るのも辞めるのも手間が少ない • ③フリーランス故に自由に動け、相乗 効果も生める • ④気を抜いたらすぐ切られる可能性も あるヒリヒリ感
まさに自由と成長が得られる
• 企業の枠にとらわれず外部との交流を 持っている • いち個人事業主として社員とは別の観 点で組織を見れる • 合わなくなってきたタイミングには契 約終了すればいい 企業にとってのメリット
以上がフリーランスのメリットです
おまけ(多分みんなが知りたいこと)
収入は増えるのか?
• フリーランスは会社員の1.5倍もらって トントンと言われる • 有給休暇や福利厚生、社会保険の折半 などがないため • 単価の相場感もこれらを考慮されたも のになっている
「フリーランスになると収入が増える」と 思っている人も一定いる
実際に私も会社員時代より多くもらっています
しかし、必要なお金も増える
• 休めば一切収入がない • 傷病手当も入らない • 年金は国民年金のみ
• 休めば一切収入がない • 傷病手当も入らない • 年金は国民年金のみ 自分で対策する必要がある
• 貯蓄を多めに作る • 就業不能保険や介護保険など、民間の 保険に多めに入る • iDeCoの掛け金を増やす • 税理士と契約する(収入が多い人は契約 した方が安全)
フリーランスはリスクヘッジにお金がかかる
目先の収入は増えるが、リスクとの天秤がある
参考: https://blog.takehata-engineer.com/entry/fr eelance_needs_money_for_risk_hedge
会社員の方が楽なこともあるので 自分に合う方を選びましょう
アジェンダ 1. フリーランスの一般的なイメージ 2. 私のフリーランスでの働き方 3. なぜフリーランスでやる意味がある のか? 4. フリーランスになってから現在の考
え方に至るまでの経緯 5. まとめ
4. フリーランスになってから現在の考え方に 至るまでの経緯
正社員時代の働き方
• リードエンジニア、EMなどマネジメン ト業務 • 採用、技術広報などの組織横断での業 務 • イベントなどの施策考案、実施 (上記をやりながら通常の開発業務も)
フリーランスになった当時の考え方
• 組織でマネジメントなどを多くやって きたので、いち開発者としてコミット して技術力を高めたい • システムの本当にコアな部分の開発を もっとやりたい • 組織に対して協力的な姿勢ではいる が、自分が中心になってマネジメント
するのは嫌だ
フリーランスになった当初は ICの意識が高かった
テックリードを任され考え方が変わった
2021年に株式会社サイカに参画 https://xica.net
テックリードをやる前提で契約し PdMと組んで新しいチームを立ち上げる
• 採用にも関わり、自らメンバーを集 め、チームを育てる • チームの開発フローや体制、文化づく り • 社内横断でのエンジニア組織の運営 や、各種施策にも関わった
その中で評価を得られたことで 自分の適性に気づく
• 自分では普通のことをやっているつも りでも、マネジメントで評価されるこ とが多く、チームの評価も高かった • 会社員時代の評価も併せ、マネジメン トや組織づくりなどに関わることが自 分の適正ポジションだと考え始める
自分が組織に関わって仕切っている方が 環境的なストレスが少ないことにも気づく
そして現在
• マネジメントなど、自分が声を上げて やれる環境が一番やりやすい • 組織での活動にも推進する気持ちで積 極的に関わっていきたい • フリーランスではいたいと思っている
フリーランスの業務委託でも、正社員との 区切りが少なく裁量を大きくもらえる環境 で働きたいと思っています
5. まとめ
フリーランスのイメージに囚われない 働き方をすることも一つの選択肢
• フリーランスは一般的にはICとしてやり たい人が多いが、そうでない選択肢もあ る • 一見正社員になればいいようにも見える が、それでもフリーランスならではのメ リットは多くある • ICのフリーランサーとも、正社員とも
違った新しい価値を出せる可能性がある
組織に強くコミットしながら働きたいと 思っている方も、必ずしも社員になる必要 はないです
ただ・・・
同じような働き方をするフリーランサーは ほぼ会ったことがない 企業側も社員として採用したいところが 圧倒的に多い
しかし現代は働き方も多様性の時代
組織貢献をするフリーランスエンジニアと いう働き方を選択する人 そういった働き方の人を受け入れる組織が 増えたらいいなと思っています
ご清聴ありがとうございました