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VRPの近傍操作SWAP*について調べてみた

 VRPの近傍操作SWAP*について調べてみた

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  1. 1 SWAP*に興味をもった経緯 • VRPにおける近傍操作のアルゴリズムの⼀つ • いくつかのアクティブなVRPのライブラリで取り⼊れられている ◦ https://github.com/VROOM-Project/vroom ☆1.3k ◦

    https://github.com/reinterpretcat/vrp ☆329 ◦ https://github.com/PyVRP/PyVRP ☆229 • ⽐較的最近提案されている ◦ 2020年にarxivで提案 ▪ https://arxiv.org/abs/2012.10384 ◦ 2022年にComputers & Operations Researchに掲載 ▪ https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S030505482100349X • 計算時間が愚直な実装に⽐べて → になる
  2. 3 VRPの解き⽅ • 混合整数計画法で解く ◦ 厳密な最適化ができ、解の品質が保証される ◦ 計算時間が⾮常に⻑くなる時がある • メタヒューリスティクスで解く

    ◦ 厳密な最適解ではないが、実⽤的に良好な解を得られる ◦ 計算時間は⽐較的短く、時間制約を設けて解を得ることも可能 ◦ 問題に応じてアルゴリズムを調整しやすい ◦ シミュレーテッドアニーリング / 遺伝的アルゴリズム など
  3. 5 SWAP操作について A B C D DEPOT E F G

    H Route1 Route2 SWAP前の2つのルート
  4. 6 SWAP操作について A B C D DEPOT E F G

    H Route1 Route2 ルート間でノードを交換する
  5. 8 SWAP操作について • 全体としては、 ◦ ルート間のノードペアがΘ(n^2)通り ◦ あるノードペアにおける挿⼊ポイントがΘ(n^2)通り ◦ で、Θ(n^4)通りの動きがある

    • 愚直な実装で、計算時間はΘ(n^3) ◦ (ノードペアにおけるベストな挿⼊ポイントの計算は、 ペアの⽚⽅ずつ独⽴に⾏えるのでΘ(n)の計算時間)
  6. 9 SWAP*について 1: EをRoute1に付け加えた時のコストを考える A B C D DEPOT E

    F G H C 0E CEA C0A Route1 Route2 上の例のコスト差分は、∆(E, 0, A) = C0E + CEA - C0A となる ※ルートのコストは各エッジのコストの和で決まるものとする
  7. 10 SWAP*について 1: EをRoute1に付け加えた時のコストを考える A B C D DEPOT E

    F G H CAE CEB CAB Route1 Route2 上の例のコスト差分は、∆(E, A, B) = CAE + CEB - CAB となる
  8. 11 SWAP*について A B C D DEPOT E F G

    H CBE CEC CBC Route1 Route2 上のコスト差分は、∆(E, B, C) = CBE + CEC - CBC となる 1: EをRoute1に付け加えた時のコストを考える
  9. 12 SWAP*について A B C D DEPOT E F G

    H CCE CED CCD Route1 Route2 上のコスト差分は、∆(E, C, D) = CCE + CED - CCD となる 1: EをRoute1に付け加えた時のコストを考える
  10. 13 SWAP*について 上のコスト差分は、∆(E, C, D) = CDE + CE0 -

    CD0 となる 1: EをRoute1に付け加えた時のコストを考える A B C D DEPOT E F G H CDE CD0 Route1 Route2 CE0
  11. 14 SWAP*について 上のコスト差分は、 ∆(E, B, D) - ∆(C, B, D)

    = (CBE + CED - CBD) - (CBC + CCD - CBD) = CBE + CED - CBC - CCD となる 2: Route1ではCを取り除いて、Cの場所をEで置き換えた場合を考える A B C D DEPOT E F G H CBE CBD Route1 Route2 CED CBC CCD
  12. 16 SWAP*について この中から最初コストとなるEの配置を選ぶ 1: EをRoute1に付け加える場合 2: Cの場所をEで置き換える場合 この中から最⼩コストとなるTop3を選ぶ ここからCを取り除く (差分コストはさらに∆(C,

    B, D)だけ引かれる) Cを取り除く場合にありえないパタンを除く (Top3の中でありえないパタンは最⼤2個なので、最⼩コストのものは残る) 枠の部分はRoute1で取り除くノードに関わらず 事前に計算して使いまわせる (計算量を”n回分”減らせる)