4年間で開発メンバーを30名から100名へ エンジニア採用戦略と事業をスケールさせる組織設計 https://peatix.com/event/3112465/view
のイベントで発表したスライドです。 Chatwork開発組織における直近の組織戦略と開発人事(DevHR)での取り組みについてまとめました。
© Chatwork2022-02-08 ヒカ☆ラボChatwork株式会社プロダクト本部 DevHR (開発人事)門田 矩明開発組織拡大に耐えうる組織戦略と開発人事チーム1
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© Chatwork自己紹介2● 門田 矩明 (カドタ ノリアキ)● 前職○ エンジニア➢ エンジニアリングマネージャー➢ SaaS組織責任者 兼 採用人事● Chatwork株式会社 プロダクト本部○ 2020年夏 入社○ DevHR(開発人事)チーム○ 2021年10月〜 副本部長兼任
© Chatwork会社概要会社名Chatwork株式会社代表取締役山本 正喜従業員数251名(2021年12月末日時点)所在地東京、大阪、ベトナム、台湾設立2004年11月11日3
© ChatworkChatworkは日本最大級のビジネスチャットサービス3月リリース30万社突破!20万社突破!導入社数34.3万社を突破!(2021年12月末日時点)4※ Nielsen NetView 及びNielsen Mobile NetView 2020年6月度調べ月次利用者(MAU:Monthly Active User)調査※ 調査対象44サービスはChatwork株式会社にて選定10万社突破!
© Chatwork5メディアChatworkの働く人や組織について、Chatworkのことを幅広く知ることができるメディアです。Chatworkのエンジニアとデザイナーたちが集う、クリエイターによるブログです。https://chado.chatwork.com/ https://creators-note.chatwork.com/Chatworkメンバーの仕事内容紹介、インターンシップや研修制度などの取り組みの裏側をまとめています。https://www.wantedly.com/companies/chatwork/プロダクトデザイン&BX組織でfun & creativeに働く様子もお伝えしていくブログです。https://note.com/chatworkdesign/Chatwork Designマガジン
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© Chatworkアジェンダ1. 組織拡大と組織課題2. 人事とのスクラムチーム (DevHR)3. まとめ7
© Chatwork01組織拡大と組織課題8
© Chatwork開発組織 2014-2015● サービスグロース期● 20名ぐらい● CTO一人で直轄● 提供機能別の組織デザイン9
© Chatwork開発組織 2016-201910● サービス利用規模 拡大● 30-40名ぐらい● 開発本部機能を追加● SREを追加○ インフラ安定化● 技術領域で組織を集約
© Chatwork開発組織 2020 (門田が入社した頃)● サービス利用規模 超 拡大● 60名● 詳細職種での組織細分化● 職種部署毎にMGRを配置● プロダクトマネージャー組織規模が拡大、機能開発の方向性も多角化11
© Chatwork組織課題1. エンジニアリングマネージャー(EM)の希少性2. プロジェクト型開発12
© Chatwork参考: エンジニアリングマネージャー(EM)の一般的な職務13ピープルマネジメントプロジェクトマネジメントプロダクトマネジメントテクニカルマネジメント※Chatworkでは、プロダクトマネージャーが専任で存在するためEMはプロダクトマネジメントをしていません
© Chatworkエンジニアリングマネージャー(EM)の希少性● なり手が少ない○ 職務にテクニカルマネジメントが含まれている■ 一定レベル以上の能力が求められる■ いわゆるテックリードにマネジメント全般をやってもらう必要がある■ コード書く時間が確実に減る■ やりたい人が少ない● 採用が難しい○ エンジニア業界全体においてもレアリティが高い■ 転職市場での母数が少なく、各社争奪戦が繰り広げられている■ 職種ピンポイントで探す場合、更にレアリティがあがる● 例) Scalaテックリードレベル x マネジメント経験14
© Chatworkエンジニアリングマネージャー(EM)の希少性ゆえの問題● 組織のスケールアウトが出来ない○ マネージャーがいない = 部署を増やすことができない■ それでも、どんどんと人数はスケールする○ 常にスケールアップ = 既存MGRの能力向上 しか選択肢がない● 単一障害点(SPOF)になりやすい○ 権限や情報がマネージャーに集中している (シングルポイント)■ サブを配置する場合も、常日頃からの冗長化は出来ない事が多い○ 転職などで離職する場合に代わりを用意するのが難しい■ 育休・産休・ケガや病気による入院の場合も同様○ 障害(離任)発生時、簡単に組織が機能不全に陥る15
© Chatworkエンジニアリングマネージャー(EM)の組織課題への打ち手➢ エンジニアリングマネージャーの希少性は高い前提で組織設計する✓ 組織のスケールを超えるスピードでの育成、採用を前提としない✓ 少ないEM人数で組織の設計を行う方法を検討する➢ エンジニアリングマネージャーを冗長化する前提で組織設計する✓ マネージャーの役割を見直し、権限と情報を集中しないようにする✓ 1組織単位に対して、複数名のマネージャーで冗長化する16
© Chatworkプロジェクト型開発1. Chatworkでは、1つの機能開発に対して都度プロジェクトを編成する○ プロジェクトマネージャー (≒EM) を都度決定している○ 各職種(部署)から要件に応じて都度メンバーをアサインしている○ 機能リリースのタイミングでプロジェクトが解散される2. Chatworkでは、プロジェクトの成果物 を各部署にて運用保守している○ プロジェクトで作成されたサービスを部署に持ち帰る○ 持ち帰る前提のため、プロジェクト中から品質保証を各部署で行っている■ 設計レビュー、コードレビュー、運用レビュー■ プロジェクトに関する情報を部署内で逐次共有しながら進めている17
© Chatworkプロジェクト型開発の問題● プロジェクト体制づくりのコストが高い○ 編成における準備期間が長く、調整役のPjM(≒EM)の負荷が高い○ チームビルド(コミュニケーション)のコストが高い● 継続的な機能改善が行いにくい○ 機能リリース後に解散しているため、機能改善が出来ない○ プロジェクトを再招集した場合に、同じメンバーがアサインできない■ 都度、1から説明し直す必要がある● 各部署の負担が月日とともに増大する○ 持ち帰るたびに各部署内の運用保守タスクが増えている○ 各部署が全プロジェクトの品質保証を行う必要がある○ プロジェクトアサインメンバーがプロジェクトにフルコミット出来ない18
© Chatworkプロジェクト型開発の組織課題への打ち手➢ プロジェクトを用いずに開発する前提で組織設計する✓ 1機能開発において必要な職種を内包するチームで編成する✓ プロジェクトマネージャーを極力必要としない設計とする➢ 特定の機能に対する開発運用チームを固定化する前提で組織設計する✓ 機能コンテキスト単位でチームを編成、固定化する✓ 機能の追加や拡張が発生した場合に、チームの追加や再編成を行い、1チームの負荷を均一に出来る設計とする19
© Chatwork開発組織 Future● 機能分割チーム構造○ 職種混合でメンバー編成● マネジメント機能の分離○ ピープルマネジメント専任● 横断支援型 技術チーム設置20
© Chatworkエンジニアリングマネージャー(EM)の職務を分解21ピープルマネジメントプロジェクトマネジメントプロダクトマネジメントテクニカルマネジメントピープルマネージャープロダクトマネージャープロジェクトマネージャーエンジニアチームアーキテクト※Chatworkでは、プロダクトマネージャーが専任で存在するためEMはプロダクトマネジメントをしていません
© Chatwork開発チームからマネジメントを分離する✓ 開発チームにテクニカルマネジメントを委譲する○ チームの外にアーキテクトを設置し、技術支援する✓ プロダクトマネージャーを各開発チームにアサインする○ 中間に位置するプロジェクトマネージャーを置かない✓ タスクマネジメントを行わず、自己管理化されたチームを目指す○ チームに閉じて立案 / 開発 / 運用を自己解決できるようにする22
© Chatworkピープルマネージャーと開発チームの関わり✓ ピープルマネージャーと開発チームを 多 対 多 の関係にする○ 1ピープルマネージャーは、複数のチームを担当する■ ピープルマネージャーのリソース効率を最大化する○ 複数のピープルマネージャーで、1チームを担当する■ ピープルマネージャーを冗長化する✓ ピープルマネージャーは以下の業務を行う○ 1on1、目標設定、考課査定○ 採用、アサインメント○ 各種ワークフロー対応 (勤怠、経費承認)○ チームで対応できない障害の除去 (スクラムマスターのサポート)23
© Chatwork組織とエンジニアリングマネージャーの変更イメージ24
© Chatwork最新の開発組織体制25● 現在 90名 (そろそろ22新卒も!)● 職種別部署から、Featureチーム体制への移行中● ピープルマネジメント専任(門田)で1年運用中ピープルマネージャー約55名 約25名職種別部署メンバー Featureチームメンバープロダクトマネージャー約10名
© Chatwork現在の課題● 新しい組織体制への不安解消○ 成功体験をたくさん作って、聞けるようにする■ ≒ バイラルマーケティング● ピープルマネジメントの冗長化○ 1チームに対して複数マネージャーを当てる場合の運用上の問題洗い出しと解消● モノリシックなアーキテクチャの分割● 技術的な品質保証に関する課題の解消● などなど26
© Chatwork02人事とのスクラムチームDevHR(開発人事)27
© Chatworkよくある話 〜人事 x 開発 採用定例〜28今困ってるポジションあります?Aチームにめちゃ強いエンジニアをアサインしたいんですよねー人事開発人事了解です!頑張ります!人事母集団20人とカジュアル面談3件獲得しました!(血眼)他チームのエンジニアアサインできそうなので解決しました!開発人事えっ開発えっ〜1週間後〜
© Chatworkなんでこんな事が起きるの?✓ ミッションが異なる○ 人事が採用をメインとするのに対し、組織開発は改善アクション全般○ 組織改善アクションにおいては、採用は一つの策でしかない✓ 情報や認識の共有にラグがある○ 採用優先順位やペルソナは組織課題によって日々少しづつ変化する○ 組織課題は継続的に事情を知っておかないと理解が難しい○ 定例会議などピンポイントで会話していては情報が足りない29
© ChatworkDevHR (開発人事) ってなに?30組織開発 採用広報ピープルマネジメント 採用DevHR DevHRCTO 広報DevHR人事DevHRMGR広義で人事的な組織課題アクションに対して一貫したオーナーシップを持つチーム
© ChatworkDevHR (開発人事) の体制● 人事と組織開発+エンジニアでワンチーム○ 組織開発 2名○ エンジニア 1名○ 人事 2名● スクラムチームでタスクに取り組む○ 朝会での情報共有○ タスク横断での優先度判断○ ペア・モブワークの実施31
© ChatworkDevHR の最近の活動● 組織開発○ 中期プロダクト開発組織の組織設計案作成● 中途採用○ 新規募集ポジションのペルソナ策定、募集ページの作成● 新卒採用○ 新卒採用戦略の立案、説明用資料の作成○ インターンシップ企画案出しワーク● 技術広報○ だいくしーのスクラムBar #2 企画運営● その他○ 雇用契約書作成32
© Chatwork採用の話3368 88+20人(約30%増)2020/Q3時点 2021/Q3時点
© Chatworkプロダクト本部 (開発組織) 人数推移34※ IRの資料を参考● 1年間の採用人数とその裏にある採用計画が右肩上がりで増えている● ゆえに採用に対してスクラムで取り組む(乗り切る)必要がある
© ChatworkダイレクトスカウトにおけるDevHR内アクションの例352. アウトプットを拝見する 3. 文面を考えて送る1. タレントリストを作る4. 返信や日程調整をするDevHR(組織開発)DevHR(人事)5. カジュアル面談するCTOにもお願いしたり6. 次のアクションを考える
© Chatwork2021年テックイベント36イベント集客数 BEST3● Chatwork Dev Day → 442人 (新規 366人)● 0 から考える SaaS セキュリティ → 184人 (新規 165人)● だいくしーのスクラム Bar 🍺 #0 → 114人 (新規 69人)conpass累計メンバー数自社イベント実施回数 21回78人1,086人→
© Chatworkイベント開催におけるDevHR内アクションの例372. イベントを企画する 3. イベントを開催する1. 現場からネタを集める4. イベント結果を分析するDevHR(エンジニア)DevHR(人事)5. 会社に興味を持っていただいた方とお話する
© ChatworkDevHR 活動を通じてのGoodPoint✓ エンジニアなど専門職の知見と、人事の知見を組み合わせて組織改善に取り組めた✓ 開発部署横断の全体最適な採用がチームで行えるようになった✓ 組織状態の変化を毎日共有し、全員が常に最新の状態に保てるようになった✓ 今、何で忙しいのかわかるようになった✓ 職域を超えて、タスクのヘルプ・巻取りが容易になった✓ スクラムイベントを通して、チーム活動としての改善が行えるようになった38
© ChatworkレコメンドDevHRチームの田中さんがブログ記事書いてるのでそちらも覗いてみてください39https://creators-note.chatwork.com/entry/what-is-devhr
© Chatwork03まとめ40
© Chatwork本日のまとめ1. 開発組織規模拡大により、従来のエンジニアリングマネージャー(EM)を中心とした組織設計から、開発チームとマネジメントを分離した組織設計へ、大きくアプローチ変更を行っている2. 開発組織規模拡大のカオス期を乗り切るため、開発組織と人事がスクラムチーム(DevHR)を組んで、リアルタイムに情報共有しながら課題解決を共同で行っている41
© Chatwork最後にPRDevHRチームで一緒に組織開発やりませんか?組織開発, VPoE, 技術職採用にご興味ある方はぜひお声がけください!42https://meety.net/matches/GwCfNmpnMfdT https://meety.net/matches/nCAqmcEGyQEJ
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