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"おもしろい研究"への挑戦​(前半)​

 "おもしろい研究"への挑戦​(前半)​

佐藤誠先生ご退職記念シンポジウム「パターン認識と人工現実感の40年」​
"おもしろい研究"への挑戦(前半)​
20160319-ProfSato-前半

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Transcript

  1. “VRエンタテイメントシステム”の研究者  IVRC国際VRコンテスト運営・国際化 (2001年~)  “Manga Generator” 学生のコンペ作品を研究に引き上げる  欧州最大の国際VR展

    Laval Virtual デモ部門“ReVolution” Chair(2006~)  ゲーム技術を未来にアタッチしたい  多重化隠蔽映像 [Scritter],[2x3D],[ExPixel]… 東工大 佐藤誠研究室に 2001年4月~2004年3月まで在籍 白井 暁彦 Photo in Laval Virtual 2015
  2. 3

  3. 先史時代の絵画から ラスコー洞窟の壁画 15,000年前のクロマニョン人による 顔料も自作 遠近法を使用 そもそも 何のために? The author permits

    further using of the picture for private, public or commercial purposes. The author's name has to be mentioned in a visible manner. Inform the author w here you use the picture
  4. 「あそび」の研究とその歴史 ▼J.コラリー(洪,1870-1940) 科学的遊び批判(1933) 1880 1890 1900 1910 1920 1930 1940

    1950 1960 1970 1980 1990 ▲H.スペンサー(英,1820-1903) 余剰説を生物学に展開(1897) ▼D.エリコニン(露,1904-1984) 『遊びの心理学』(1978) ▼J.ホイジンガ(蘭,1872-1945 ) 『ホモ・ルーデンス』(1938) ▲S.ヴィゴツキー (露,1896-1934) 『思考と言語』(1934) ▲J.ピアジェ (瑞,1896-1980) 『新しい児童心理学』(1969) ▲M.ミンスキー (米,1927-) 『心の社会』(1988) -19世紀以前 中世,近代から現代(20世紀末)まで ▼R.カイヨワ(仏,1913- 1978) 『遊びと人間』(1958) 「遊びの分類」が 近代の傾向 発達心理学 年齢ごとの 遊びの分類 「観察と分析」が 現代の傾向 Research and its history of “Plays” [ドイツ]ヴント「実験物理学の父」 心理学を哲学から独立させ 社会との接点を持たせた(1887) Wilhelm Max Wundt (1832-1920) father of Experimental Psychology ★「カリアス書簡」…シラーと友人ケル ナーとの手紙のやり取りによって構築され た、美と芸術の理論化『人間の美的教育に ついて』 (1795)。感性衝動と形式衝動の衝 動に加えて第三の遊戯衝動について深く言 及している。 Johann Christoph Friedrich von Schiller (1759-1805) 思想家・詩人 [ドイツ]シラー「美学」 美と芸術の源流思想における 「遊戯衝動」について言及。 『自由/余剰エネルギー』 Herbert Spencer (1820-1903) 社会学者 「進化(evolution)」、 「適者生存(survival of the fittest)」の語を生 む Marvin Minsky (1927-) Artificial Intelligence ★子供は積み木遊びによって、多くの物理的法則を 発見していく。「子供は積み木で塔をつくるという 行為だけでも、高さと幅の独立性のようなことをた くさん発見していかなければならない」…『心の社 会』より Roger Caillois (1913-1978) ★『ホモ・ルーデンス』に影響されて『遊びと人 間』を執筆した。遊びをアゴーン(競争)、アレア(偶 然)、ミミクリー(模倣)、イリンクス(眩暈)の4種類に 分類して考察している。 言語的問題を整理
  5. 多義性:中国語における「遊び」 欧州言語と同様な多義性を確認できる 「遊」 ・・・旅行する(出歩く)友達のところへ行ったり,一緒に旅行したりする. 「游」 ・・・泳ぐ→水面を浮くようにして泳ぐこと (「泳」は水中を潜行しておよぐこと) 「戯」 ・・・たわむれる→動作や言葉に重点がある 「玩」

    ・・・もてあそぶ→愛でる.よい意味と悪い意味がある. 「弄」 ・・・たわむれる(手の動作に重点がある) その手段(触る,歩く,言葉,移動,泳ぐ)や対象によって, 異なる語であることが興味深い. 例えば英語の「Play」は…?
  6. 「遊び」の成立 全ての特徴がそろっているときに 「遊び」が成立,「遊戯状態」にあると定義する 遊び 隔離された活動 非生産的活動 虚構の活動 規則のある活動 未確定の活動 自由な活動

    自己目的性の行為 いつでもやめられる 日常と非連続 現実世界に富を生まない 現実とは区別がつく (写実でもよい) 遊びの世界を支配する =先が読めない 選択の自由がある =「遊ぶために遊ぶ」
  7. 現代における問題 「遊びを崩壊させる遊び」の台頭 =「ゲーム」ではあるが「遊び」ではないもの 遊び 隔離された活動 非生産的活動 虚構の活動 規則のある活動 未確定の活動 自由な活動

    自己目的性の行為 いつでもやめられる 日常と非連続 現実世界に富を生まない 現実とは区別がつく (写実でもよい) 遊びの世界を支配する =先が読めない 選択の自由がある パチンコ パチスロ 携帯電話 MMO /SNS RMT リハビリ 脳トレ 目的が別に存在 攻略本
  8. ピアジェの「遊びの段階説」 感覚運動遊び(sensorimotor play) 生後から1歳半~2歳ぐらいまで.感覚-運動的知能の獲得期. (=外界を操作できるだけで楽しい,走っているだけで興奮する) 象徴的遊び(symbolic play) 2歳~5,6歳まで.記号化から言語的想起まで. ごっこ遊び,空想,模倣遊びなど. ルールのある遊び(rule

    play) おおむね7歳以降.思考の具体的操作,個人間の関係理解,世 界観, 因果と偶然が理解できる.ルールのある遊び,社会的遊び. 注:ピアジェはそれぞれの 遊びが発現する年齢よりも 「順序は逆転しない」という 特徴に注目している。
  9. 「エンタテイメントシステム」とは何なのか? 定義 (Definition in this talk) 「人間の娯楽に作用するように デザインされたコンピュータシステム」 Computer systems

    that was designed to affect to human amusements. ビデオゲーム,体感ゲーム,テーマパークアトラクション メディアアート,科学館などの展示物,デジタルサイネージ 映画やDVDはかつては一部しか含まれなかったが, 例えば「YouTube」や「ニコニコ動画は」ネットワークに接続された 「娯楽に作用するようにデザインされたコンピュータシステム」といえる
  10. 16

  11. 神奈川工科大学着任まで…  NHK-ESでのポスドク  Global Illumination Renderer  奥行きカメラAxi-Vision 

    ワイヤード モーションコントロールカメラ  フランスENSAMでのVRテーマパーク開発  RoboGamer, GPUVision, AceSpeeder2  WiiMedia → 書籍「WiiRemoteプログラミング」  国際VR作品公募展ReVolution立ち上げ  日本科学未来館での科学コミュニケーター  DCEXPO  3F常設展示「アナグラのうた」基盤技術・基本設計  東工大 世界文明センター,ICUでの非常勤講師 19 博士以後の研究
  12. 20

  13. Slide ©Akihiko SHIRAI, Ph.D 書籍執筆 「WiiRemote プログラミング」 (オーム社開発部) (著)白井 暁彦,

    小坂 崇之, くるくる研究室, 木村 秀敬 単行本: 400ページ 2,940円 ISBN-10: 4274067505 単なるWiiRemoteのハッキングではなく インタラクティブ技術の教科書。