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投資戦略202212

Pragmaworks
December 06, 2022
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 投資戦略202212

Pragmaworks

December 06, 2022
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  1. 金融引き締め局面の投資戦略 PWのポートフォリオ構築のための投資戦略骨子を確認します。 ◦経済情勢と大局観 2022年はここもと見られなかった本格的なインフレが確認され、グローバルな金融政策の引き締めと経済成長ペースの鈍化がテーマとなり、種々のアセット クラスが下落しました。債券のパフォーマンスが1980年以降で最も低調に推移し、主要株式指数も大きく調整。一方、ロシアウクライナの地政学リスクに関連 してコモディティは統計開始以来、最も大きくアウトパフォームしました。 2023年に向けて、引き続き金融緩和の段階的引き締め(2022年6月からはQTの開始、利上げ局面の到来)により過剰流動性が解消されること、堅調な労働 力市場、イールドカーブの平坦化、経済成長ペースの鈍化の可能性等を踏まえると、景気サイクルの終盤を意識しながらポートフォリオ運営を心がける必要 があります。リセッションリスクに対応できるよう、ポジションはやや軽め、ディフェンシブな銘柄選定でキャッシュフローをしっかりと確保することを推奨します。 ✓

    引き続き金融引き締めが継続す るため、株式市場全体の回復は 2023年中旬以降に後ずれする 見込み ✓ 個別企業の企業価値や成長性 に着目して選別的な投資(アル ファ)が必要 ✓ 世界的なインフレのピークアウト が顕著に表れるまで新規投資は 控えることが望ましい。 ✓ 成長のストーリーを描ける企業 の押し目買いチャンスが必ず来 ること、相当な割安感がある銘 柄も多いことから、購入銘柄の リストアップを予め実践 ✓ ETFを活用して、米国のみならず、 成長の見込める地域、セクター を選別した投資を検討する 株式 債券 通貨 オルタナティブ 1. 金利 ✓ 米国債10年利回りは経済指標に応 じてレンジで推移 ✓ 短期金利は高水準で推移 ✓ 超長期については水準次第 2. クレジット ✓ ポートフォリオのインカムゲインを 維持するパーツとして利用 ✓ 短期のTier2劣後債の活用 ✓ アンダーパーの銀行シニア債の活 用 ✓ リセッション時、時間分散にて優良 発行体のAT1銘柄を仕込む 3. デュレーション ✓ 戦略投資銘柄は長めの年限 ✓ 安定的な年限は3-5年ゾーン ✓ ポートフォリオとしては緩やかなラ ダーを構成 4. セクター・エリア ✓ 新興国については、米金利の高止 まりによる相対的な魅力低下、イン フレリスク・取引コスト等の観点から 引き続き慎重な見方 ✓ 2023年は日銀黒田総裁退任、ま た米国インフレ動向、それに伴う 金融政策の見直しが想定される ため上下に大きくぶれる可能性 がある ✓ ドル建て資産を購入するために 必要なUSDの手当てについては、 購入する資産から得られる中長 期的なリターンと、円高リスクと の見合いを検討 ✓ 環境に応じて、ドルを購入するタ イミングは分散する ✓ 新興国通貨は基本的に保有しな い 1. REIT ✓ 日本は個別銘柄、米国はイン デックス投資、私募REITの場合 はファンド活用 ✓ 絶対水準に割安感がないため、 選別的に検討 2. コモディティ ✓ 基本的にキャッシュフローを生み 出さない資産には投資しない 3. ヘッジファンド ✓ ヘッジファンドの銘柄を見て一部 検討 ✓ 流動性と残高に留意しつつファン ドマネージャーを吟味する 4. プライベートエクイティ投資 ✓ 米国PEマーケットにおける、ミド ル~レイトステージの有望な企業 へ投資は引き続き検討 ✓ ただしプライベート市場における バリュエーションの高止まりに注 意 仕組債 ✓ 円建てのニーズに対しては CLN,PRDC(元本確保型仕組債) の活用を検討 ✓ 金利水準上昇により元本確保型 のオルタナ商品でイールドピック アップの検討 Pragmaworksの投資戦略骨子 2
  2. 投資戦略(株式) 株式(Equity) ①足元のテーマ ②方向感 1 【原則】 1. 強固な参入障壁を持ち、決算が順調な会社はホールド(相場全体 が崩れても、決算に問題ない限り売却しない)。 2.

    もし決算をミスした場合、そのミスの内容を確認することが重要。 一過性の要因で決算が不調だった場合はホールドを継続。 3. インフレのピークアウト及びそれに伴う金融政策の転換が現れる つつあり株価の大底は打ったと思われるものの、引き続き金利環 境及び企業業績に警戒を要するためタイミングを分けて購入。 【具体的戦術】 1. CPIやFOMC等、12月中旬に大きなイベントを控えており、年末 年始に大型連休に入ることから過度なリスクテイクはしない。 新年入り以降、冷静に環境分析をしたうえでポジションメイクを再 開する。 2. 回復期の初期段階では、株式市場全体の回復メリットが狙える ETFの購入を推奨。 3. 世の中のトレンドや成長セクターを見極め、有望個別銘柄のリスト アップや研究を継続。 ③投資戦略 1. インフレの緩和傾向が継続するかどうか、12/13CPIに注目 2. 12月FOMCにおける利上げ幅と来年以降の利上げスタンス 3. 来年以降の景気動向及び企業業績 1. 10月初旬には年初来安値に接近、あるいは下回った株価は、同月 中旬以降FRB中心に先進国で政策転換(利上げペースの緩和、金 利のピークアウト等)に関する思惑が浮上したことで底打ちし、緩 やかに回復、米国株式指数は15-20%程度上昇した。 2. 米国インフレの根本解決については依然予断を許さない状況が継続 するものの、政策金利と共にピークが見えつつあることは、株式市場 には朗報である。 3. 2を背景に株価全体は大底を打ったと思われる。 ただし、インフレ及び金利のピークアウト期待による短期的な株価回復 は現状水準が限界。むしろ景気及び企業業績の悪化が織り込まれてい ないため、再度安値をトライするリスクに警戒。 3
  3. 債券(Fixed Income) ①足元のテーマ ②方向感 1 ③投資戦略 通貨(Currency)/米ドル円 ①足元のテーマ ②方向感 ③投資戦略

    投資戦略(債券・為替) 4 1. 米CPIの伸びが予想以上に鈍化。引き締め政策の効果期待。 2. ただし、FRBは過度な楽観視には警戒しており、経済指標の強弱 混在からも一定の揺り戻しには注意。今後のインフレ指標に一層注 目が集まる。 3. 投資適格債に妙味あり。短期セクターは将棋で言う「攻防の角」。 1. 金利がターミナルに近づいてくる中で、金利上昇のトレンド自体 はかなり弱まっている。中期的に金利に有利な局面が見込まれる。 2. 利上げ到達点は4.75~5.25%近辺か。短期金利は横ばい~も う少し上昇し、2y10yスプレッドは引き続きネガティブ方向へ。 3. 11月の資本性証券は信用スプレッド、金利ともに単価上昇方向に 寄与(7月以来)。株式のベアマーケットラリーとともに、年末にか けて底堅い動きを想定。ただし、引き続きボラティリティは高く、ス プレッドは将来的な景気後退を織り込む段には、拡大基調(単価下 落)が続く見通し。 1. 11月はCoCo債全般に単価堅調。ドル円の下落を補って円ベー スは横ばい。ポートフォリオの中核資産としてポジションを維持し、 中長期目線でキャッシュフローをしっかりと受取るスタンスは維 持。ポート内のドル、円のバランスに配慮。 2. 景気減速に伴う単価下落時は、資本性証券新規、追加購入の好機。 収益力があり、資本の厚い銀行(発行体)を選択。CoCosはしば らく不安定な値動きが続く想定のため、購入時はディフェンシブ に複数回にタイミングを分けてエントリしたい。短期~10年程度 までのシニア、劣後債を優先的に取り組む。 3. ベース金利のカーブ形状から、3-5年ゾーン中短期の欧米金融 IG債に投資妙味。米銀なら5%台後半~6%、欧州銀ならば6% 後半~7%を目線としてエントリしたい。 4. 短期セクターは流動性のある新発銘柄を利用して購入(最終利回 り重視)、長期セクター(10年近辺)は途中売却も視野に入れ、直 利も考慮。トレーディングタッチの金利低下ベットには10年超の 米国債等ハイクオリティ銘柄が有効。 1. FRBの金融政策の方向性 2. 米国の景気動向 1. 10月中旬の152円近辺をピークにトレンドが転換。 インフレ及び政策金利のピークが見えたことでドルの利食いが優勢となり 135円割れまで円高が進んだ。 2. 円安トレンドは一旦終了したものの、日米金利差が潤沢に残っているため、 円高トレンドには至らず。130円台中盤で落ち着きどころを模索する展開を想 定。 1. 従来からの保有しているUSDは引き続きキープし、USD建運 用のメリットを享受。 2. 各々の資産運用プラン(例:ドル建債券の購入)を実行するため に必要なドルの手当てについては積極的に進める。 引き続き、購入する資産の円高抵抗力の検証をすること、及び購 入タイミングを分散することは重要。
  4. 5 5 ご留意いただくポイント 〇想定リスク 各シミュレーションから算出された数値は、一定の前提条件の元で計算さ れた概算値のため、実行にあたっては、必ず金融商品取引業者等の専門 機関にご相談ください。 〇その他 本資料の内容は、2020年6月1日時点の税法、その他関連法規に準拠して います。今後の関連法規の改正等により相違が生じることがあり、対策内

    容の見直しが必要になる場合があります。 今後の政治経済情勢、業界動向の変化によっては、本資料の内容が適合 しなくなる可能性があります。 〇免責事項 本資料は、一般的な考え方の一部を参考資料として記載したものであり、 特定の取引の実現性・実効性を保証し、または実施を勧誘するものではあ りません。 弊社は、お客様に対し法律、税務、あるいは会計上の助言を供するもので はなく、本資料に関する法律、税務、あるいは会計上の十分性、適切性、有 効・妥当性について、いかなる見解を示すものでもありません。 〇その他 本資料に掲載された税務・会計・法律等に関わる事項に関しては、予めお 客様の顧問税理士、公認会計士、弁護士等の専門家にご相談のうえ、総合 的にご判断ください。 免責事項 5