1. インフレ根強く、経済指標も堅調となり、大きく金利上昇。市場の年 内利下げ織込み:2.7回→1.7回へ剥落。利下げ初回コンセンサス は7月→9~11月へ後ずれ。 2. 4月末(5月初)FOMCは政策金利据え置き。QTは減速決定。 パウエル議長は利上げを示唆せず。ハト派印象。 3. FOMCは利下げに向けてデータを見定める体制堅持。 4. 地政学的リスクやサプライチェーンの変化で構造的インフレ。 5. 株式対比で債券の魅力度が高い状態、投資適格債に妙味。 6. 主要米銀は概ね予想を上回る決算。GS,MSなどのIB系がアウト パフォーム。新発シニア魅力的なクーポン水準で起債。 7. 日銀:4月は政策変更なし。5月に入り、為替動向次第では金融 政策対応が必要、と植田総裁のコメント。 1. 金利動向。インフレの粘着性、強い米経済により4月に長期金利が 節目の4.5%を越えましたが、土俵際で持ちこたえた印象。金利上 昇方向の圧力が強かった月。5月は経済指標軟調にスタート。 2. 利下げを実施したスイスに続き、英国、ECBも追随の気運。ただし、 欧米ともに政策シフトの影響を精査しながら進む旨の意見が散見され、 極端な金利低下にはつながらない可能性。(連続的な利下げパスに ならない可能性。) 3. 中期的には債券有利な局面が見込まれ、金利高止まりでドル債投 資の好機に。 1. 質の高い発行体選択、分散(発行体・資本構成・タイミング)が重要。 ポートフォリオの中核資産として質の高い発行体のポジションを維持し、 中長期目線でキャッシュフローをしっかりと受取るスタンスを維持。ポート 内、ドル、円バランスに配慮。長期~超長期を含めたラダーポート構築を 意識。 2. 金利低下時にアウトパフォームするのはIG債と想定。 シニア、劣後債を 優先的に取り組み、年限を分散したポートへ。発行体は各国トップ銀行 を中心に選択(現時点ではAT1も継続保有可)。欧州銀のハイベー タネーム新規はシニア、選択的に劣後債までが望ましい。相対的に高リ スク発行体、低弁済順位債はポート内の中短期ゾーンで活用。 3. 金利のカーブ形状がフラットになり、短期ゾーンの妙味やや後退。欧米金 融IG債に投資妙味(金利上昇が続く局面では、随時償還する短年 限の債券を金利の高い環境下で順次再投資するのが有効)。米銀な ら4%台後半~5%台前半(10年程度の劣後債ならば5%後半~ 6%台)、欧州銀ならば6%台を目線としてエントリしたい。 4. 個人投資家は金利(時価)変動に一喜一憂せず、確定利回りの目 線をそれぞれ設定し、高クオリティの投資適格債を高金利環境下で買い 付けていくことが肝要。 5. 短期セクターは流動性のある新発を利用して購入(最終利回り重視)、 長期債(10年近辺)は途中売却も視野に入れ、直利も考慮。金利 低下ベット及び為替のダウンサイドリスクには10年超~20年の米国スト リップス債等ハイクオリティ銘柄が有効。 6. 米銀(Q1決算後シニア債新発豊富)、邦銀のTLACシニア、日系 生保劣後債にも5%台半ば~6%弱の利率で新発債が見られており 選択肢に。