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SRE_20220312_TrackB_Recruit

Recruit
March 11, 2022

 SRE_20220312_TrackB_Recruit

2022/3/12 開催 6社合同SRE勉強会におけるリクルートの小林および甲谷による講演資料になります。

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March 11, 2022
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  1. 4 (株)リクルート 創立 従業員数 メディア&ソリューション事業 売上収益 目指す世界観 果たす役割 1960年3月31日 「大手新聞広告社」としてスタート

    15,807人 (2021年4月1日現在 / アルバイト・パート含) 6,720億円 (2020年4月1日~2021年3月31日) Follow Your Heart まだ、ここにない、出会い。 より速く、シンプルに、もっと近くに。 引用元:https://recruit-holdings.com/ja/about/profile/
  2. 12 自己紹介 小林直樹 株式会社リクルート インフラソリューションユニット SRE部 住まい領域SREグループ グループマネージャー ▪ 経歴

    ▪ 2003~ SIer リクルートWebサービス支援 ▪ 2016~ 飲食、スポーツ業界 EC/APPサービス開発推進 ▪ 2020~ リクルート入社 ▪ 2021~ 住まい領域SREグループ GM着任 ▪ 趣味 ▪ トレイルランニング、言語習得(喋るほう)
  3. 13 住まい事業の歴史 1976 「住宅情報」首都圏版創刊 1996 住宅情報 On The Net 2009

    SUUMOブランド統一 2010 SUUMO SPサイト SUUMOスマホアプリ • 日本の住環境向上を目指して「住宅情報」月刊紙を創刊。業界に先駆け、ネットサービス展開。 • 複数の住まいサービスを集約し、『SUUMOブランド』として統一。 • ネットサービスの変遷とともに歩み続け、そして四半世紀。
  4. 15 住まいの開発機能・体制 ものづくり ビジネス検討 / 要件定義 / 設計 / PG

    / テスト サービス運用 モニタリング / 障害対応 / 資源計画 / 運用改善・・ 分析~ビジネス戦略立案 企画 エンジニアリング 戦略 サービスマネジメント (SRE) • 住まい事業におけるSREは、サービスマネジメントの一機能としての役割。 • その責務は機会毀損回避。
  5. 19 モニタリング環境整備とアクション -事例①【傾向対策】- ①賃貸領域 常態的アクセスピークへの対応 • 『SUUMO』全体PVの50%を占める賃貸領域。繁忙期1月はアクセス数前月比30%up。 • モニタリングデータとアクセス傾向分析から、繁忙期のアクセスPVを予測。 •

    安全に繁忙期を乗り切るために必要なリソース(API、検索、DB、Web・・)を見立て事前に環境を整える。 • 実績データを蓄積、振り返りを経て次期繁忙期の参考データとし、年々予測と対応の精度を上げる。 繁忙期 モニタリング データ解析 ビジネス合意 リソース整備
  6. 20 モニタリング環境整備とアクション -事例②【突発対策】- ②突発アクセスや不正アクセスへの対応 • メディア露出による短時間ピークアクセスへの対応(〇〇砲)。 • botなどによる不正アクセス、DoS。 • 独自フィルタリング機能を複数設置。

    • 特定条件を整備、完全自動でフィルタしリソース保護する。 • アプリケーション連動させ、フィルタ条件は柔軟に変更可能。 モニタリング アクション 解析 分析データの取得と可視化 • アクセスパターンの解析 • 受けるか、拒否するか • 予期可能か、突発的か • 共通項を見つけ出す! • 計画的な増強 • API異常検知制御(ストップフラグ) • 複数の特定条件フィルタ • 不正アクセス検知と制御 メディア露出で前週比60%増! 進化し続けるフィルタ実装
  7. 23 自己紹介 • 名前: 甲谷 悠(カブトヤ ユウ) • プロダクティビティエンジニアリンググループ GM

    兼 • 旅行・飲食・ビューティー SREグループ GM • 略歴: • ~ 2014/10 某コンサルファームでアーキテクト • ~ 2017/01 サービスマネジメントとしてRJB所属 • ~ 2018/10 ~ 旧RLS HotpepperBeautyにて運用改善&基盤T所属 • ~ 2020/04 ~ 旧RLS テックリード任用 • 2020/04 ~ 現職 • 座右の銘: • 崖から飛び降りながら飛行機を組み立てる
  8. 25 旅行・飲食・ビューティーの(ざっくりとした)システム構成の概念 • 我々が扱う領域はリクルートの「リボンモデル」に基づいてサービスが構築されているものが多い。 • このモデルに基づいたサービスをシステムとして構築する場合、トランザクションの整合性を安全/ シンプルに担保する構成を採用している事が多い。 • そのため、永続化層(≒DB)の負荷がスループットの最大のボトルネックとなるケースが多くなる。 (C)

    Recruit Co., Ltd. All rights reserved. Action (Recruit) Customer Client カスタマ提供価値 クライアント提供価値 社会提供価値 カスタマの多種多様なニーズを満た したり、新たな気付きを与えること クライアントのサービスをカスタマ に適切に届けること カスタマとクライアントのベスト マッチングを最大化すること データストア 入稿/登録 検索
  9. 26 消費マインドの変化に対するサービス影響 • (当然のことながら)消費したいユーザーが増えることで消費財を提供する企業/店舗が活性化する。 • 日常消費の領域ではユーザーの行動心理に影響を与える変数が多くあり、企業が出すキャンペーン だけでなく、国の施策や、テレビ放映などでもサービスへのアクセス量が大きく変化する。 (C) Recruit Co.,

    Ltd. All rights reserved. コロナ禍、まんえん防止/緊急事態にて日常消費は大きく落ち込んだ ※ただし美容領域は飲食/旅行に比べて、例えば「髪が伸びたら切る必 要がある」といった消費マインドとの相関は相対的に低い。 マイナス要素 (アクセス減) プラス要素 (アクセス増) 他要素 (アクセス不安定) Go To トラベルやGo To Eatといった国の消費喚起施策によって 一時的だが急激かつ予測しづらい消費行動が発生した。 定期的に発生するbotアクセスによるアクセス(検索エンジンによる クローラーだけでなく、悪意のあるbot含む)が不定期に発生し アクセススパイクが発生 ここからはSREの取り組みの中でも「急激なアクセス増加が発生しても利用 し続けられる状態」を維持するために行った取り組みを紹介していきます。 コロナにて消費が落ち込む中でGoTo関連は 特に消費傾向を下げてはならないという使命感
  10. 27 変化に対するSREの取り組み • SREの行う業務は様々あるが、アクセス増加に向き合うために行っている「(SLOに基づく)モニタリング サイクル」を紹介する。 • モニタリングにおいてはサービスレベルオブジェクト(目標)の定義から必要となるモニタリング要素 (SLI)を要素分解し、各SLIに基づいたモニタリングのためのツールを選定(時には実装)を行っている。 (C) Recruit

    Co., Ltd. All rights reserved. 次項から、国の施策や需要の変化をベースに、直近起こった“変化への対応” の事例を紹介します。 業務 概要 アーキテクチャ 設計/構築 ✓ 信頼性、可用性、保守性etcを担保するためのシステム構成の 設計と実装 キャパプラ/ 性能改善 ✓ サービスレベルの目標値を定義しサービスレベルの遵守 ✓ システム性能/品質分析 ✓ 品質とコストのコントロール 開発プロセス 改善 ✓ システム運用分析 ✓ 開発基盤、運用プロセス設計と構築 1. インディケーター(SLI)の 剪定 2. ツールによるモニタ/分析 3. 問題点の改善 実施サイクル
  11. 28 事例1:国の施策(Go To Eat)による急激なアクセス増加 • 前述の通りコロナの蔓延により緊急事態宣言が発令。消費の減少に伴いアクセス数が落ち込んだ。 • その後、一時期のコロナの落ち着き時に国の施策としてGo To Eatが打ち出された。

    • これにより需要喚起が発生しマシンリソースが急激に逼迫、その中で一部のユーザにてログイン状態が 不安定になる事象が発生した。 (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved. • Go To Eatの開始当日のピーク時間帯からアクセス 数が急増(その後継続)。 • それに伴って各マシンリソースの使用量も増加した。 • その中でユーザがログインできない状態が顕在化。 • 調査をしていくとセッション利用しているRedisにて evict key(メモリ溢れによるキー削除)が増加してい ることが判明。 $ /app/XX/redis/rtssesXX/bin/redis-cli info | grep evicted_keys evicted_keys:3901958 Go To Eat前 インスタンス数 PV数(月間) 約30台 ***PV Go To Eat後 インスタンス数 PV数(月間) 約30台 4倍のPVに インスタンス数の増減を極力 抑えてアクセス増を乗り切る アクセス増に伴い、各種マシンリソースの 利用状況も跳ね上がった
  12. 29 事例1:国の施策(Go To Eat)による急激なアクセス増加とその対応 • RedisのEviction(データ溢れ)が発生する原因としてデータ件数、サイズ、TTLの設定値をベースにキャッシ ュアウトのタイミングをモデル化、特定のデータ構造が(サイズは小さいものの)データを肥大化させる構造 であることが判明した。 • さらに、分析したところTTL値は正常だが利用されないデータとなり、それが消されることなくキャッシュ

    される実装であることが判明した。 (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved. セッション名 有効期間 1分あたりの発行数 memory 30分 850 token 2日 1765 permanentdb 30日 22 info 30日 2637 • 格納されるデータとTTLの再整理 • Redisのコードに基づくexpire keyの削除 アルゴリズムの把握 データ増加量のモデル化 明らかに想定メモリ量を超え ているため以下を実施。 • RedisDBのTTL単位での 分離 • 参照されない有効データ の定期削除(Lua)
  13. 30 事例2:需要の変化によるアクセス傾向の変化 • 旅行領域でもコロナ感染者の増減に需要が左右される構造。その中で消費対象にも変化が発生した。 • Go To トラベルという国の施策により国内需要が大きくなったことと、近場での旅行にあらためて注目 が集まったことを一因に今まで安定していた機能にてスローダウンが発生した。 (C)

    Recruit Co., Ltd. All rights reserved. • 機能単位でシステムを分けてサービスを運営。 • 今まで注視していなかった機能にてスローダウンが発生する ようになった。 (定期的にサチュレーションが発生するようになった。) • 他のマシンリソースに対してはスパイクがみられず、 アクセスPathからも特定機能にたいする偏り等もない。 • 暫定的にスケールアウトを増やしサービス全体のスロー ダウンリスクを低減させつつ、該当時間のProfileを実施。 Go To トラベル前(複数プロダクト計) インスタンス数 PV数(月間) 約130台 ***PV Go To トラベル後(複数プロダクト計) インスタンス数 PV数(月間) 約140台 2倍のPVに プロダクト毎に乗り切り方を設計 国内旅行 遊び/観光 海外旅行 … 需要高 (想定外) 需要高 (想定) 需要低 (想定)
  14. 31 事例2:国の施策(Go To トラベル)によるアクセス傾向の変化とその対応 • 該当機能はJavaにて構築されており、そのプロファイリングを行うためにCloudProfilerを導入。 • JVM側の処理のCPU Timeが高かったため、CPUスパイク時にperfを実施する監視機能を作成した。 •

    perfによる詳細分析の結果、code cacheの不足によりリコンパイルが多発しCPU負荷が上昇する原因と なっていた。 (C) Recruit Co., Ltd. All rights reserved. • libjvm.soのCPU Timeが多くperfにて詳細確認。 • compiler_thread_loopの処理が大部分を占めて おりコードの再コンパイルが多数発生していた。 • そのことからcode cacheの枯渇が発生している と推測し、設定値の見直しを実施。 • 実際にcode cacheを含むnon_heap領域が頭打ちの 状態からCPUスパイクのタイミングで解放→増加が 発生していた。 (code cacheのメトリックは取得していなかった。) code cacheのデフォルト値が 240MBのため倍に指定。 -XX:ReservedCodeCacheSize480m