Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
僕の前に道はない 僕の後ろに道は出来る ~UX獣道のススメ~
Search
Recruit Technologies
June 27, 2019
Technology
0
4.2k
僕の前に道はない 僕の後ろに道は出来る ~UX獣道のススメ~
2019/6/27 CREATIVE X night#2 「UXキャリア夜会」での反中の講演資料になります
Recruit Technologies
June 27, 2019
Tweet
Share
More Decks by Recruit Technologies
See All by Recruit Technologies
障害はチャンスだ! 障害を前向きに捉える
rtechkouhou
1
640
Flutter移行の苦労と、乗り越えた先に得られたもの
rtechkouhou
3
11k
ここ数年間のタウンワークiOSアプリのエンジニアのチャレンジ
rtechkouhou
1
1.5k
大規模環境をAWS Transit Gatewayで設計/移行する前に考える3つのポイントと移行への挑戦
rtechkouhou
1
1.9k
【61期 新人BootCamp】TOC入門
rtechkouhou
3
42k
【RTC新人研修 】 TPS
rtechkouhou
1
41k
Android Boot Camp 2020
rtechkouhou
0
41k
HTML/CSS
rtechkouhou
10
50k
TypeScript Bootcamp 2020
rtechkouhou
9
45k
Other Decks in Technology
See All in Technology
フロントエンド設計にモブ設計を導入してみた / 20241212_cloudsign_TechFrontMeetup
bengo4com
0
1.9k
事業貢献を考えるための技術改善の目標設計と改善実績 / Targeted design of technical improvements to consider business contribution and improvement performance
oomatomo
0
100
NilAway による静的解析で「10 億ドル」を節約する #kyotogo / Kyoto Go 56th
ytaka23
3
380
【re:Invent 2024 アプデ】 Prompt Routing の紹介
champ
0
150
C++26 エラー性動作
faithandbrave
2
750
OpenAIの蒸留機能(Model Distillation)を使用して運用中のLLMのコストを削減する取り組み
pharma_x_tech
4
560
LINEスキマニにおけるフロントエンド開発
lycorptech_jp
PRO
0
330
KubeCon NA 2024 Recap: How to Move from Ingress to Gateway API with Minimal Hassle
ysakotch
0
200
祝!Iceberg祭開幕!re:Invent 2024データレイク関連アップデート10分総ざらい
kniino
3
300
スタートアップで取り組んでいるAzureとMicrosoft 365のセキュリティ対策/How to Improve Azure and Microsoft 365 Security at Startup
yuj1osm
0
220
AWS re:Invent 2024で発表された コードを書く開発者向け機能について
maruto
0
190
re:Invent をおうちで楽しんでみた ~CloudWatch のオブザーバビリティ機能がスゴい!/ Enjoyed AWS re:Invent from Home and CloudWatch Observability Feature is Amazing!
yuj1osm
0
130
Featured
See All Featured
YesSQL, Process and Tooling at Scale
rocio
169
14k
Design and Strategy: How to Deal with People Who Don’t "Get" Design
morganepeng
127
18k
Building a Scalable Design System with Sketch
lauravandoore
460
33k
How to Create Impact in a Changing Tech Landscape [PerfNow 2023]
tammyeverts
48
2.2k
[Rails World 2023 - Day 1 Closing Keynote] - The Magic of Rails
eileencodes
33
2k
StorybookのUI Testing Handbookを読んだ
zakiyama
27
5.3k
Principles of Awesome APIs and How to Build Them.
keavy
126
17k
Six Lessons from altMBA
skipperchong
27
3.5k
Put a Button on it: Removing Barriers to Going Fast.
kastner
59
3.6k
Building Your Own Lightsaber
phodgson
103
6.1k
Writing Fast Ruby
sferik
628
61k
Practical Tips for Bootstrapping Information Extraction Pipelines
honnibal
PRO
10
810
Transcript
僕の前に道はない 僕の後ろに道は出来る ~UX獣道のススメ~ Nozomu Tannaka Recruit Technologies Creative X night
#2 UXキャリア夜会
はじめに ~本日の登壇タイトルについて~
僕の前に道はない 僕の後ろに道は出來る ああ、自然よ 父よ 僕を一人立ちにさせた廣大な父よ 僕から目を離さないで守る事をせよ 常に父の氣魄を僕に充たせよ この遠い道程のため この遠い道程のため ―高村光太郎「道程」
煽りすぎて後悔してます
「俺すごい」と 言いたいわけではない
誰もが「獣道」を歩んできた
• ロダンに衝撃を受け、彫刻の道へ • 24歳の時に自費で渡米→渡英→渡仏 • 帰国後、画廊を開くが失敗 • 33歳になってはじめての詩集を出す • 最愛の妻、智恵子を亡くし『智恵子抄』を出す
• 終戦後、7年間ぼろ小屋で独居自炊(62歳の時…!)
その1つのサンプルとして 楽しんでもらえれば
自己紹介
反中 望(たんなか のぞむ) 39歳 株式会社リクルートテクノロジーズ プロダクトデザイン本部 マネージャー/UXデザイナー • 「SUUMO横断」 「SUUMOカウンター」のプロダクトデザイン
• ゼクシィ、カーセンサー等のUX担当を歴任 • リクルートグループ内のUX人材育成、ナレッジ流通促進 • 登壇芸人
リクルートグループについて 11 創業 1960年3月31日 「大学新聞広告社」としてスタート グループ 従業員数 45,856名 (2019年3月31日時点) 連結売上高
23,107億円 (2018年4月1日~2019年3月31日) 連結経常利益 2,230億円 (2018年4月1日~2019年3月31日) グループ 企業数 344社 (子会社および関連会社、2019年3月31日時点) 目指す世界観 「あなた」を支える存在でありたい
リクルートの事業内容について 12 ライフイベント領域 進学 就職 結婚 転職 住宅購入 車購入 出産/育児
旅行 ビジネス支援 生活/地域情報 グルメ・美容 ライフスタイル領域 選択・意思決定を支援する情報サービスを提供し、 「まだ、ここにない、出会い。」を実現する。
リクルートのビジネスモデルについて 13 リクルートには、ユーザーとクライアントという2つのお客様が存在します。 企業と人(B to C)、企業と企業(B to B)、人と人(C to C)、すべての間に立ち、双方にとって最適な
マッチングを図る「場」を提供しています。 ユーザーとクライアントを新しい接点で結び、 「まだ、ここにない、出会い。」の場を創造する。
リクルートテクノロジーズの組織構成について 8つの統括本部で構成。各統括本部の下に、さらに部・グループが続きます。 8 企画統括本部 ITマネジメント販促領域本部 リクルートテクノロジーズ ITソリューション本部 プロダクトデザイン本部 経営企画、広報、経理/人事/総務などのコーポレートスタッフ機能。 先端技術の研究開発部門(ATL)も配置
リクルートグループ共通の社内システムやインフラ、セキュリティ関連 ソリューションの企画・開発・運用 ITインテグレーション本部 ビジネス検討、UI/UXのデザイン、デザインマネジメントの推進 ITエンジニアリング本部 各事業領域におけるプロダクトの開発(内製開発を含む)、横断でのAP 基盤の開発・運用 ICTソリューション本部 ITマネジメントHR領域本部 HR領域の事業と一体となり、開発ディレクションや開発マネジメントを 通じて日々のシステム改善を推進 販促領域の事業と一体となり、開発ディレクションや開発マネジメントを 通じて日々のシステム改善を推進 大規模開発やオフショア開発ソリューション、データ利活用・ネットイン フラも含む統合ソリューションの提供 リクルート内外のデータを活用したアドテクノロジーソリューションの 開発・運用
UXデザイナーとは?
反中 望(たんなか のぞむ) 39歳 株式会社リクルートテクノロジーズ プロダクトデザイン本部 マネージャー/UXデザイナー • 「SUUMO」 「SUUMOカウンター」のプロダクトデザイン
• リクルートグループ内のUX人材育成、ナレッジ流通促進 • 登壇芸人
反中 望(たんなか のぞむ) 39歳 株式会社リクルートテクノロジーズ プロダクトデザイン本部 マネージャー/UXデザイナー • 「SUUMO」 「SUUMOカウンター」のプロダクトデザイン
• リクルートグループ内のUX人材育成、ナレッジ流通促進 • 登壇芸人 UXデザイナー??
ビジュアルデザイン作れない Sketch, Illustrator, Photoshop,,, どれも使えない… Windows PCしか触ったことがない…
フロントエンドも書けない マークアップははるか昔、大学の授業でやったきり… CSS, JSは「なんとなく読める」くらい…
「xxデザイナー」という 肩書は名乗りづらい
それでも自信を持って 「UXデザインをやっている」 とは言える気がする
UXデザインは「スキル」ではない UXデザインを実践するために必要なスキルはいろいろ リサーチ、ログ分析、課題設定、WF設計、デザイン、コーディング、 ディレクション、プロジェクト推進、合意形成…
UXデザインは 「思想」であり「態度」 大きな思想のもと、個別具体的なスキルを活用することで、 UXデザインを実践することができる
(好きなツイート) https://twitter.com/sogitani_baigie/status/961782698162311168
UXデザインは 「つなぐ」「翻訳する」仕事
UX カスタマーニーズ ビジネスニーズ 【つなぐ①】 ユーザーニーズとビジネスニーズをつなぐ
UX カスタマーニーズ ビジネスニーズ 【つなぐ①】 ユーザーニーズとビジネスニーズをつなぐ 楽に家計管理したい 長く使い続けても らってお金をいただ きたい ※家計簿アプリの場合(想像)
カスタマーニーズ クライアントニーズ ビジネスニーズ 【つなぐ①】 ユーザーニーズとビジネスニーズをつなぐ UX リクルートの場合、カスタマー、クライアント、リクルートの3つをつなぐのがUX
カスタマーニーズ クライアントニーズ ビジネスニーズ 【つなぐ①】 ユーザーニーズとビジネスニーズをつなぐ UX リクルートの場合、カスタマー、クライアント、リクルートの3つをつなぐのがUX 家を探したい 家を売りたい SUUMOを使ってもら
うことでお金をいた だきたい ※某不動産情報サイトの場合(イメージ)
【つなぐ②】 「世界観」と「実装」をつなぐ デザインの言葉 テクノロジーの言葉 実現したい世界観 UX ぼんやりした「世界観」を実現に落とし込むため、 実装可能なデザイン・テクノロジーの言葉に翻訳する
【つなぐ②】 「世界観」と「実装」をつなぐ デザインの言葉 テクノロジーの言葉 実現したい世界観 UX ぼんやりした「世界観」を実現に落とし込むため、 実装可能なデザイン・テクノロジーの言葉に翻訳する 一人ひとりの結婚準 備に寄り添いたい
フェーズと嗜好性に 合わせたコンテンツ のパーソナライズ ※某ウェディング情報アプリの場合(イメージ)
UXデザインとは 大きな思想のもと、個別具体的なスキルを活用することで、 UXデザインを実践することができる
ユーザーの気持ちや行動を 具体的に思い浮かべながら、 実現したい世界観を 実装に落とし込む仕事
いろんなつなぎ方がある中で、 自分の得意なことで 価値を発揮すればいい
私の獣道
たまたまその時々で面白いと 思ったことを選んでいたら、 いつの間にか こんなところに来ていた
2006年(25歳)~ なんちゃってエンジニア時代 • 文系大学院修了後、某ERPパッケージベンダーへ • なんとなくコンサルをやるつもりで入ったが、気が変わって エンジニアに • 「どうせやるなら、その会社で主役の仕事をやりたい」 •
が、やっぱりエンジニアは合わない&ERPも興味を持てず2年 弱で転職 教訓 合わないことはすぐやめよう。 でも、どんな経験もなにかの役に立つ。
2008年(27歳) ~ ユーザビリティ暗黒時代 • たまたまご縁で、某ウェブコンサル(当時社員30人)へ • 「やっぱりウェブの仕事がしたい!」 • 「ユーザビリティ」という概念へのワクワク感 •
収入は•割ダウン…! • 未経験で、いきなりクライアント先へ。爆死。 • 未経験で、いきなりユーザビリティテスト。爆死。
2008年(27歳) ~ ユーザビリティ暗黒時代 • たまたまご縁で、某ウェブコンサル(当時社員30人)へ • 「やっぱりウェブの仕事がしたい!」 • 「ユーザビリティ」という概念へのワクワク感 •
収入は•割ダウン…! • 未経験で、いきなりクライアント先へ。爆死。 • 未経験で、いきなりユーザビリティテスト。爆死。 暗黒時代のはじまり… 教訓 直感だけで動くと、死ぬ思いをする
2008年(27歳) ~ ユーザビリティ暗黒時代 • 思えば、はじめての挫折経験。ボロボロ。 • ただ、スキルは着実に身についていた • ユーザ調査/ログ分析/コンセプト策定/画面設計/制作ディレクション… •
プロジェクト管理、合意形成 • 「ビジネス成果を出す」という筋が一本通っていたことが成 長につながった 教訓 なんだかんだで、若いうちにリスク取るべき
2011年(30歳) ~ 変革の時代 • たまたまアサインされた某地方銀行のプロジェクト • 単なるウェブリニューアルではなく、それを通じて「会社を 変革したい」という熱意 • 自分のスキルを使って、変革のブースターになれるという自
信と役割意識
https://www.bebit.co.jp/old-case/article/jyoyo
2011年(30歳) ~ 変革の時代 • たまたまアサインされた某地方銀行のプロジェクト • 単なるウェブリニューアルではなく、それを通じて「会社を 変革したい」という熱意 • 自分のスキルを使って、変革のブースターになれるという自
信と役割意識 教訓 もがき苦しんだ末に、 自分なりの価値の出し方=スタイルを見つけること
2013年(32歳) ~ UXリサーチ全盛時代 • 飽きてきたタイミングで上司に見透かされ、UXリサーチ専門 チームの立ち上げに • 方法論の磨き込みよりも「いかにビジネスに価値ある示唆を 提供するか」へのこだわり 教訓
手法にフォーカスしない。価値にフォーカスする。
2015年(34歳) ~ データUXの先駆け時代 • エージェンシーに飽きてきた頃に、たまたま縁があってリク ルートへ • 折しもビッグデータ、機械学習ブーム • 「データ×UX」の取り組みの機会をもらっていろいろ実験
• 社内表彰案件にも選出
2015年(34歳) ~ データUXの先駆け時代 https://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1511/25/news015_2.html
“AI eats UX”と題した勉強会を開催 • 「AIの登場・進化によってUXにどのよ うな変化が起きているのか」を考える 勉強会を友人と共催 • 「UXデザインのプロセスや価値の源泉 が、AIによって大きく変質してしまうの
ではないか」という課題意識
いろいろとメディア露出の機会もいただき
2015年(34歳) ~ データUXの先駆け時代 • エージェンシーに飽きてきた頃に、たまたま縁があってリク ルートへ • UX組織・UX改善の内製化が進んできたタイミング • 折しもビッグデータ、機械学習ブーム
• 「データ×UX」の取り組みの機会をもらっていろいろ実験 教訓 時代のビッグウェーブに乗ろう!w
2018年(38歳) ~ UX組織づくりの時代 • 一通りやりきった感もあったところで、たまたま組織再編な どあり、マネージャー任用いただく • リクルートのUX横断組織を一気に整備するタイミング • グループ各社に散らばっていたUX事例・知見共有、人材交流
の仕組みを絶賛デザイン中 教訓 いつでも新しいチャレンジのステージはある
「飽きたから」「たまたま」の 意思決定を繰り返しながら
気づいたら (ある意味で)先端に来ていた、 いう感覚
圧倒的川下り型キャリア 山登り型 川下り型
“Planned Happenstance” (計画された偶発性) “Weak Ties” (弱い紐帯)
大事にしている考え
ビジネス成果を出すのがUXデザイン • ビジネス成果にコミットする (自分の成長、手法にフォーカスしない) • 自分の手持ちの武器で どう貢献できるかを考える
面白い仕事は人の縁が持ってきてくれる • オファーはいったん断らない。無駄になる 経験は一つもない • なんでもいいから期待を越える • 言われたとおりには、やらない
いろんな機会のオファーください
僕の前に道はない 僕の後ろに道は出來る ああ、自然よ 父よ 僕を一人立ちにさせた廣大な父よ 僕から目を離さないで守る事をせよ 常に父の氣魄を僕に充たせよ この遠い道程のため この遠い道程のため
おしまい