Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
レイトレーシングとGoroutine
Search
Takumasa Sakao
December 18, 2018
Programming
2
1.1k
レイトレーシングとGoroutine
Takumasa Sakao
December 18, 2018
Tweet
Share
More Decks by Takumasa Sakao
See All by Takumasa Sakao
k9s のプラグイン機構とモダンな watch コマンド、viddy の紹介
sachaos
0
1.4k
Cloud Run でシェルスクリプトを動かす
sachaos
0
2.6k
GAE を利用したゲーム内通貨管理サービスの運用〜可用性を損なわないための工夫〜
sachaos
0
1.2k
Go の静的解析ツールの作成と活用
sachaos
0
2.8k
OSSを作っている時に 考えていること ーUNIX哲学を添えてー
sachaos
2
480
GCPをフル活用したゲームログ収集基盤の構築
sachaos
6
2.9k
Other Decks in Programming
See All in Programming
PSR-15 はあなたのための ものではない? - phpcon2024
myamagishi
0
400
QA環境で誰でも自由自在に現在時刻を操って検証できるようにした話
kalibora
1
140
Amazon Nova Reelの可能性
hideg
0
200
各クラウドサービスにおける.NETの対応と見解
ymd65536
0
250
技術的負債と向き合うカイゼン活動を1年続けて分かった "持続可能" なプロダクト開発
yuichiro_serita
0
300
Swiftコンパイラ超入門+async関数の仕組み
shiz
0
170
週次リリースを実現するための グローバルアプリ開発
tera_ny
1
1.2k
선언형 UI에서의 상태관리
l2hyunwoo
0
270
PHPで作るWebSocketサーバー ~リアクティブなアプリケーションを知るために~ / WebSocket Server in PHP - To know reactive applications
seike460
PRO
2
770
Androidアプリの One Experience リリース
nein37
0
1.2k
「とりあえず動く」コードはよい、「読みやすい」コードはもっとよい / Code that 'just works' is good, but code that is 'readable' is even better.
mkmk884
6
1.4k
AHC041解説
terryu16
0
370
Featured
See All Featured
What's in a price? How to price your products and services
michaelherold
244
12k
Evolution of real-time – Irina Nazarova, EuRuKo, 2024
irinanazarova
6
500
JavaScript: Past, Present, and Future - NDC Porto 2020
reverentgeek
47
5.1k
Fontdeck: Realign not Redesign
paulrobertlloyd
82
5.3k
The Pragmatic Product Professional
lauravandoore
32
6.4k
RailsConf 2023
tenderlove
29
970
Music & Morning Musume
bryan
46
6.3k
How GitHub (no longer) Works
holman
312
140k
Responsive Adventures: Dirty Tricks From The Dark Corners of Front-End
smashingmag
251
21k
Site-Speed That Sticks
csswizardry
2
270
Building Your Own Lightsaber
phodgson
104
6.2k
Fashionably flexible responsive web design (full day workshop)
malarkey
406
66k
Transcript
レイトレーシングと Goroutine golang.tokyo #20 @sachaos
自己紹介 • @sachaos (サカオスと読みます) Twitter, GitHub もこれでやってます。 フォローしてくれると嬉しいです。
• 所属: 株式会社アカツキ 新卒 3 年目 技術基盤開発 主に GAE/Go を触っています。 Go エンジニア募集中です。
レイトレーシングとは? • 3D を描画する手法の一つ。 • Pros 光の反射を綺麗に描画できる。 アルゴリズムが直感的。
• Cons 非常に計算時間がかかる • リアルタイムに描画しなければならないゲームではあまり使われていない • 映画など予め描画して映像を作成できれば済むようなものに使用される
そもそも 我々はどのようにして物を”視る“のか? 僕は赤を強く 反射する 赤い
そもそも 我々はどのようにして物を”視る“のか? 僕は赤を強く 反射する 赤い そもそも 我々はどのようにして物を”視る“のか? • 光源が光を発する •
光は空間内の物体にぶつかったら反射・屈折する • 反射・屈折してたまたま目に入った光から 情報を結合して物を認識する。
レイトレーシングでは逆に カメラからレイ(視線)を飛ばす 僕は赤を強く 反射する
レイトレーシングでは逆に カメラからレイ(視線)を飛ばす 僕は赤を強く 反射する • スクリーンの各ピクセルからレイ(視線)を飛ばす • 空間内の物体に衝突したら反射・屈折させる • 再帰的に最終的なピクセルの色を計算する
レイトレーシングでは逆に カメラからレイ(視線)を飛ばす
これを Go で フルスクラッチ実装してみました • https://github.com/sachaos/go-simple-raytracer • 実装的にはそこまで難しくはない • 高校数学(ベクトル)を理解できていれば
コーディングできます
主な部品
カメラ • ピクセル毎にレイ(視線) を飛ばす。 • アンチエイリアス: ピクセル毎にランダムに N個のレイを飛ばす。 N=3 N=100
反射するマテリアル • 金属、鏡のような 質感の物 • 単純にベクトルを 反射させる 入射レイ 反射レイ
乱反射するマテリアル • マットな質感の物 • レイが来た時にランダム に反射させる ランダムに 方向を決める 入射レイ
Go を使うメリット • 標準パッケージで十分書ける image/png で PNG を吐き出したりがシュッとできる。
ベクトル計算は筋肉で書きました。 • レイトレーシングは並行処理が可能 Goroutine で計算することができる! (補足: 本来は GPU で並列計算します)
筋肉で書いた vector.go
並行処理が可能なので シュッと Goroutine にしてみる • これで速くなるはず!
並行処理が可能なので シュッと Goroutine にしてみる • これで速くなるはず! • 実際にやってみると速くならない!!! むしろ遅くなった
(51s => 1m24s)
なぜか? pprof を使って見てみる • rand/math が原因である事がわかった。 • rand/math は goroutine
safe で ロックを取っているので競合してしまう。
mono0x/prand を使ってみた • https://github.com/mono0x/prand • rand を複数作っておいて プールして使い回す実装の様子 • Goroutine
間で競合が起こるのを防ぐ事ができる。
問題解消、速くなった! • 51s => 30s に!
Go で書いた感想 • シュッと Goroutine が決まると気持ちいい • 標準パッケージだけでも こんなに遊べるので Go
は楽しい • 演算子オーバーロードできないのは ベクトル演算の時に若干辛かった
ご静聴ありがとうございました