Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
いまいまMySQL2024 @ OSC Nagaoka
Search
sakaik
October 14, 2024
Technology
3
450
いまいまMySQL2024 @ OSC Nagaoka
2024年10月12日に新潟県長岡市で開催された オープンソースカンファレンス2024長岡(OSC2024 Nagaoka)での発表資料です。
sakaik
October 14, 2024
Tweet
Share
More Decks by sakaik
See All by sakaik
いまいまMySQL2024 @ OSC Ehime
sakaik
0
36
地理情報データをデータベースに格納しよう~ GPUを活用した爆速データベース PG-Stromの紹介 ~
sakaik
1
150
RDBMSで位置情報を扱おう~PostGIS超入門 / PostGIS introduction and PG-Strom
sakaik
2
210
イチサンゴーのミリョク
sakaik
2
300
MySQLユーザ会なにやってるの?とおさそいと / たいへんなのw
sakaik
1
300
MySQLのあらたしいリリースモデル LTSとIR
sakaik
1
330
いまいまMySQL~いよいよ姿を現したMySQL 8.4 LTS / iMyMaMySQL2024_at_osc_Hokkaido
sakaik
3
330
こんなに違うよ MySQLとPostgreSQL /
sakaik
21
13k
PG-Stromでの列指向フォーマットApache Arrow形式の活用 / pgstrom_with_apache_arrow_file
sakaik
0
310
Other Decks in Technology
See All in Technology
The Role of Developer Relations in AI Product Success.
giftojabu1
0
120
100 名超が参加した日経グループ横断の競技型 AWS 学習イベント「Nikkei Group AWS GameDay」の紹介/mediajaws202411
nikkei_engineer_recruiting
1
170
dev 補講: プロダクトセキュリティ / Product security overview
wa6sn
1
2.3k
スクラム成熟度セルフチェックツールを作って得た学びとその活用法
coincheck_recruit
1
140
Incident Response Practices: Waroom's Features and Future Challenges
rrreeeyyy
0
160
Making your applications cross-environment - OSCG 2024 NA
salaboy
0
180
Amplify Gen2 Deep Dive / バックエンドの型をいかにしてフロントエンドへ伝えるか #TSKaigi #TSKaigiKansai #AWSAmplifyJP
tacck
PRO
0
370
AIチャットボット開発への生成AI活用
ryomrt
0
170
Lexical Analysis
shigashiyama
1
150
ドメインの本質を掴む / Get the essence of the domain
sinsoku
2
150
The Rise of LLMOps
asei
5
1.3k
Amazon CloudWatch Network Monitor のススメ
yuki_ink
1
200
Featured
See All Featured
Principles of Awesome APIs and How to Build Them.
keavy
126
17k
A Philosophy of Restraint
colly
203
16k
Producing Creativity
orderedlist
PRO
341
39k
YesSQL, Process and Tooling at Scale
rocio
169
14k
Speed Design
sergeychernyshev
24
610
Templates, Plugins, & Blocks: Oh My! Creating the theme that thinks of everything
marktimemedia
26
2.1k
The MySQL Ecosystem @ GitHub 2015
samlambert
250
12k
The Art of Delivering Value - GDevCon NA Keynote
reverentgeek
8
860
A better future with KSS
kneath
238
17k
Code Review Best Practice
trishagee
64
17k
VelocityConf: Rendering Performance Case Studies
addyosmani
325
24k
Scaling GitHub
holman
458
140k
Transcript
いまいまMySQL2024 ~いよいよ姿を現した MySQL 8.4 LTS~ オープンソースカンファレンス2024 Nagaoka 202/10/12 日本MySQLユーザ会 坂井
恵 ( @sakaik )
自己紹介 坂井 恵 @sakaik From 千葉県 • 日本MySQLユーザ会副代表 • OSGeo.JP
運営委員 • (有)アートライ代表取締役 • OSC長岡/新潟 は毎回楽しみにしています!
本が出ました(2024年5月) MySQL運用・管理[実践]入門 〜安全かつ高速にデータを扱う内部構造・動作原理を学ぶ yoku0825,北川健太郎,tom__bo,坂井恵 著 技術評論社 2024年5月22日発売 B5変形判/232ページ 定価3,080円
今日覚えて帰ってほしいこと 本番環境では MySQL 8.4.x を 使おう ※とりあえず 2026年4月頃までは、これ一択!
ThinkITさんの記事も ご参照ください 結構わかりやすいと思うので、 このあたりの情報に興味を持ってい る周りの皆さんにもお勧めしてくだ さい! 今日の皆さんには、今日たっぷりお 伝えします!
今日のメニュー 『MySQL 8.4シリーズ登場』 • MySQLの新しいリリーススタイル • LTS版の特徴 • Innovation Releaseの特徴
• MySQL 8.0 回顧録 • MySQL 8.4 を知るための情報源
MySQL 8.4 ~ 新しいリリーススタイル これまでの主なリリースの歴史 MySQL 9.0 2024/07 ★Now!New! MySQL
8.4 2024/04 ★Now!New! MySQL 8.0 2018/04 ※2026/04にEoL予定 MySQL 5.7 2015/10 ※2023/10にEoL済 MySQL 5.6 2013/02 ※2021/02にEoL済 LTS IR
MySQL 8.4 ~ 新しいリリーススタイル 2023年7月 オラクル社から重大発表! 【要約】 「これからは、Innovation Releaseと LTSバージョンの二本立てで
行くよ!」 https://blogs.oracle.com/mysql/post/introducing-mysql-innovation-and-longterm-support-lts-versions
MySQL 8.4 ~ 新しいリリーススタイル Innovation Release (MySQL 9.x.x) • 積極的に新機能や大きな改善も加えて進化させていくバージョン
• 時に非互換の修正も厭わずに行う • サポート期間は超短い(次のバージョンが出たら終了) LTS Version (MySQL 8.4.x) • Long-Term Support • 同一LTSバージョン内では、非互換となるような修正や新機能は加え られない • リリース後、8年間のサポート期間
MySQL 8.4 ~ 新しいリリーススタイル 個人的につけた愛称 Innovation Release • 「意欲的バージョン」 •
「やんちゃするバージョン」 LTS Version • 「安定バージョン」 • 「安心バージョン」 • 「本番環境用バージョン」
L TS(Long-Term Support) 版 • 2年に1度、新しいLTS版をリリース(メジャーバージョン) • 3ヶ月ごとにパッチリリース(マイナーバージョン) • 8.4.1,
8.4.2, 8.4.3 .... • 同一メジャーバージョン内ではデータ形式の変更は行われない ことを明言 • アップグレード/ダウングレードが可能に
図解:L TS版のリリースサイクル ここまでの話を図にしました。 • 2年に1度LTSがリリースされる • サポート期間は8年間 ※バージョン番号については、 このあと説明します
Innovation Release • バグ修正、セキュリティ修正、新機能を含む • 非互換の修正が含まれることも • サポート期間は、次のバージョンが出るまで • つまり基本的には3ヶ月間のみ
• 3ヶ月後に次が出ると、前のバージョンはメンテされなくなる • 2年間のInnovation Releaseの開発成果を、次のLTSへ • 非推奨となった機能等は最低1年は削除されないと明言 • 逆に言うと、たった1年経つと削除されるかもしれないということ (少し目を離しているとあっという間ですね) →まぁ、「8.0のときみたいなもん」だと思います
Innovation Releaseはβ版なのか? • No! • Production releaseであることが明言されている • とは言え、課題も多く、本番での使用は個人的には勧めない •
サポート期間の短さ • 互換性の非保証 • ダイナミックな修正に伴う部分的不安定の混入リスク • 公式アナウンスでは「本番環境での使用を推奨」とは言っいますが・・・ (採用するならトコトン面倒を見る覚悟で)
Innovation Release どんな人にお勧めなのか • 最新機能にいち早く触れたい人 (私もここです) • 次のLTSがどのようになるのかをチェックしておきたい人 • 勇者(ぜひ本番環境に)
ワクワクするのは、Innovation Release
L TSとInnovation Releaseの リリーススケジュールの関係 おさらい • LTSは2年に1度メジャーバージョンアップ • LTSサポート期間は8年間 •
LTSは3ヶ月に1度マイナーバージョンがリ リース • LTSの合間にはInnovation Releaseがリリー ス • Innovation Releaseも3ヶ月ごとにリリース • 2年ごとにInnovation Releaseの修正の集大成 として次のLTSがリリース
L TS版への経緯 ~ MySQL 8.0とは何だったのか~ • MySQL 8.0シリーズ • 「継続的デリバリモデル」
• メジャーバージョン内でも積極的に新機能や挙動の改善を • Windows 10 と同じような感じ
継続的デリバリモデルのメリデメ • メリット • 世間が欲する最新の機能を、次のメジャーバージョンを待たずに導入 可能 • 新機能や新しい動作を早く導入し早く反応を得られることによる開発 の高速化 •
デメリット • マイナーバージョンアップ(パッチリリース)なのに非互換 • 非互換による同一メジャーバージョン内でのダウングレード不可発生 • マイナーバージョンアップ時に大量の検証が必要に(=アップグレード をしにくい) • マイナーバージョンアップなのに、新機能によるバグ混入リスクが上 昇
L TS版の登場 安定した/安心して最新化できるバージョンを求める声 「バージョン上げたら動かなくなったよ!!」 「安心してバージョンアップできるのを作ってよ!!」 「もう、バージョンアップしない!!!!」 「プロダクションリリースなのに実験的な事やめて!!」 「継続的バグ混入バージョン!」 「おなかすいたー」 →これらの要望に応えるべく採用されたのが「LTS」
→しかし新機能開発を止めるわけにもいかないので、 別ラインとして「Innovation Release」版にて進化を継続
MySQL 8.4の特徴・新機能など • 「8.0から8.4へ、ここが大きく変わった!」というものは、ほ とんどない • 8.0の最新リリースという程度(直前まで機能追加してきたので)
古いパスワード形式は無効なので注意 • mysql_native_password という古いパスワー ド形式を使っている場合要注意 • アップグレード後に接続できない(認証で きない)状態になります • mysql_native_password認証プラグインが
MySQL 8.4 からデフォルトでは無効化され たため • プラグインを有効にすれば接続できるよう になります • 非推奨のパスワード形式なので、お早めに caching_sha2_passwordへの移行を https://sakaik.hateblo.jp/entry/20240430/mysql_8_4_0_lts_is_coming
MySQLの情報源 • MySQL公式マニュアル「What is new in MySQL 8.4 since MySQL
8.0」 • https://dev.mysql.com/doc/refman/8.4/en/mysql-nutshell.html • とみたまさひろ氏の「MySQL Parameters」 • https://mysql-params.tmtms.net/mysqld/?vers=8.0.37,8.4&diff=true • Twitter(X) や Blueskyの ハッシュタグ #mysql_jp
まとめ • これからのMySQLは「LTS版」と「Innovation Release版」 • LTSのサポート期間はリリース後8年間 • 同一LTS内では「真のマイナーバージョンアップ」 • 新機能のウォッチは
Innovation Releaseでワクワクしよう
None
今後のMySQLのリリースモデル https://blogs.oracle.com/mysql/post/introducing-mysql-innovation-and-longterm-support-lts-versions より