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出張整備に関する制度改正のご提案

 出張整備に関する制度改正のご提案

車の出張修理・整備・パーツ取付サービスを全国で展開する株式会社Seibiiは、出張自動車整備を推進するため「出張自動車整備推進協会」を設立し、政策提言も併せて発表いたしました。
安全性を確保しながら、出張で行うことのできる整備の範囲を拡大するために必要な法制度改正を提言していきます。

株式会社Seibii

August 25, 2022
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  1. 出張整備に関する制度改正のご提案 出張自動車整備推進協会 2022.08

  2. 2 目的 2022年6月9日(任意団体) 設立 • 株式会社Seibii(会長、出張整備のプラットフォーム運営) • 一般社団法人日本自動車車体補修協会(自動車整備事業者約1800社加盟) • 東京工科自動車大学校世田谷校

    • 株式会社アラカン • glafit株式会社 • 株式会社FOMM 等 ※随時会員を募集中 参加 メンバー 出張自動車整備推進協会とは 出張による自動車整備を推進し、安全に社会に実装していくこと
  3. 3 AGENDA 1. 自動車整備事業の課題 2. 出張自動車整備とは 3. 制度改正のご提案

  4. 4 1. 自動車整備事業の課題

  5. 5 売上:2,138億円 店舗数:約600 上場:1,200億円 非上場 非上場 非上場 売上:46億円 店舗数:約500 売上:41億円

    店舗数:約1,000 売上:600億円 店舗数:約350 非上場 売上:55億円 ※2011年日経新聞 上場:625億円 上場:5,500億円 上場:550億円 売上:3,000億円 店舗数:約550 売上:800億円 営業利益:370億円 売上:620億円 営業利益:50億円 約90,000工場 ⮚ ディーラー:約16,000 ⮚ 家族経営::60,000弱 自動車整備工場は全国にコンビニより多い90,000工場あり、自動車整備事業は 自動車産業を支える社会インフラである 自動車整備事業の位置付け 自動車整備 事業領域
  6. 6 まとめ:自動車整備事業の課題 自動車整備における需要サイドの上昇トレンドに対し、供給サイドの現状との 乖離が大きく、消費者の利便性低下や不正車検の常態化などを招いている 既 存 市 場 新 規

    市 場 • 平均使用年数・車齢の上昇による 故障リスク、継続検査台数増加 • 自動車の高度化に伴う、リコール 件数・台数増加 • ディーラー網をもたない自動運転 やEVなど新興カーメーカー誕生 • 低賃金/厳しい労働環境により 人材流出 • ディーラーへの過度な集中 • 事業場制度の制約 • 事業場がないと整備できない • 特定整備を伴う場合、要入庫 • 予約しづらいなど 利便性低下 • 不正車検の常態化 など安全性懸念 • 新興カーメーカー の参入/成長障壁 • 上記に加え、志望者減少、 高齢化による深刻な人手不足 需要サイドのトレンド 供給サイドの現状 市場への影響
  7. 7 出典)(財)自動車検査登録情報協会 10年以上 5-10年 3-5年 0-3年 ※令和3年3月末時点 需要サイド:「車」のマクロトレンド 自動車の平均使用年数上昇に伴い車齢が伸び継続検査台数増加、自動車の高度化 によるリコールも増加し、自動車整備・修理必要台数増に繋がっている

    平均使用年数と平均車齢の上昇 • 乗用車平均使用年数(除軽) • 乗用車平均車齢 自動車整備・修理必要台数の増加 • 継続検査台数 • リコール件数&台数 1989年 2021年 ※軽自動車:15.57年 出典)国土交通省「各年度のリコール届出件数及び対象台数」
  8. 8 • 自動車整備業から他業種に転職した理由 (n=176人) 出典)国土交通省 「自動車整備人材の確保・育成に関する検討会報告書」 整備士の課題:低賃金・厳しい労働環境 整備台数の上昇に対し売上高は上昇幅が少なく、一台当たり平均単価は減少 整備士に対する低賃金と厳しい労働環境が、他業種への人材流出を招いている 人材流出

    • 所定内月額給与(2021年度) • 定期点検整備売上高・整備台数・ 平均単価の動向(前年度比) (万円) 出典)厚生労働省「賃金構造基本統計調査」 30.7万円 28.0万円 出典)(一社)日本自動車整備振興会連合会 (令和3年度版自動車整備白書) (%) +4.0% -1.8% 売上高 整備台数 平均単価 +2.1% 平均単価減少 低賃金 (人)
  9. 9 出典) 厚生労働省「職業安定業務統計」 整備工場の課題:深刻な人手不足 人材流出に加え、整備士志望者である自動車整備学校の入学者数も大きく減少、 高齢化も加速し、深刻な人手不足になっている • 自動車整備要員の有効求人倍率 人手不足 出典)(一社)日本自動車整備振興会連合会

    (令和3年度版自動車整備白書) 出典)文部科学省「学校基本調査」 • 自動車整備要員の平均年齢 • 自動車整備学校入学者数 (年度) 自動車整備業 全職種 (年度) (年度) 自動車整備学校入学者数 高等学校卒業者数 高齢化 志望者数減
  10. 10 (出典)首相官邸ウェブサイト (総理会見より抜粋) 整備士の不足についても御指摘がありました。こういったことについては、先ほども申し上げた車車検の電子化等によっ て、整備業務の生産性の向上に努めていかなければならないということなのだと思いますし、新技術に対応した様々な設備 の導入ですとか、あるいは技術の習得、人材育成という点においても、様々な工夫が必要になってくるのではないか、この ようなことも感じたところであります。 あわせて、こうした自動車の分野で頑張っている皆さんの処遇改善、業界全体の収益力の向上と併せて、お一人お一人の 賃上げ、こういったことも考えていかなければならない。今日限られた時間ですが、視察し、車座で話を聞く中で、今申し 上げたようなことを感じた次第です。

    参考)岸田総理と整備士の車座対話(令和4年1月13日) 岸田総理は整備士との意見交換し、「全体の収益力向上と合わせて、一人ひとり の賃上げも考えていかなければならない」と記者団に強調
  11. 11 整備工場の課題:ディーラーへの過度な集中 人手不足の中、ディーラーに業務が過度に集中することにより、予約ができない 消費者への弊害、度重なる不正車検につながっていると言われている • 人数に対する車検入庫台数が 多く、全整備項目の審査が困 難なことが、不正車検の要因 の一つと考えられている 人手不足&

    ディーラー への 過度な集中 • ディーラーに修理等を予約でき るのは、通常2〜3週間後にな ってしまう • ディーラーも民間工場も、 一見顧客を断るようになってき ている 消費者の利便性への影響 自動車の安全性への影響 整備工場の課題
  12. 12 • 自動車製造に新規参入する事業者にとって、 ディーラー網の整備は巨額の費用と時間がか かるため大きな参入障壁となる • しかし、出張整備が広く許容されれば、ディ ーラー網を整備する必要がなくなる 出典)INSIDE EVs

    2020年5月17日 自動車産業の課題:自動運転/EV新規カーメーカーの参入障壁 自動運転やEVについて、国内でも複数のスタートアップが誕生している ディーラー網を持たないこうした企業は、出張整備を行うことが必須となる • 実際、テスラでは、ディーラー網が存在せず、 修理等は出張対応することが基本となってい る テスラの事例 新規カーメーカーの参入障壁
  13. 13 2. 出張自動車整備とは

  14. 14 出張自動車整備とは

  15. 15 参考)お客様の声 お客様 (車保有者) • 「普段ディーラーに修理を出すが、最近忙しいのか、予約が取りにくいのでSeibiiを利用 した。家にいながら整備士さんが来てくれるのは本当に助かる」 (東京都在住40代女性) • 毎日クルマ使うので、とにかく早くすぐ来て欲しくてSeibiiを利用した。ディーラーに何

    社も電話したものの1週間後の作業だったが、Seibiiは翌日対応してくれた。JAFは会員だ が、どうせレッカーして工場に持ち込み、そこから更に時間が掛かるので使わなかった。 (埼玉県在住30代男性)
  16. 16 出典)(過去の合格者数について)国土交通省調べ、(一社)日本自動車整備振興会連合 会 (令和3年度版自動車整備白書) 注:1、2、3級の過去40年間累計合格者数は約160万人いるところ、重複して取得している整備 士がいるため、実数はより少ない。しかし、2級の合格者累計(過去40年)は約100万人であり、 1級は累計1.7万人であるため、2級と3級の重複を考慮しても少なくとも100万人以上は存在 • Seibiiに登録されている出張整備士約300名のう ち、約100名が、他の業種で働いていたが整備

    業界に戻ってきた整備士資格者 • また、ディーラーや民間工場で働く整備士の副 業を加速化させている • 出張整備が人気な理由は、(1)好きな時間に 自由に働けること、(2)報酬単価が高いこと。 「整備士」を一つの士業・プロフェッションと して意識することもできる • 他業種からの流入及び副業の加速により、自動 車整備業界の人材不足に貢献できる 人手不足の改善:出張自動車整備士のポテンシャル 出張整備士人材として他業種からの流入及び副業の加速により、現在自動車整備 の仕事をしていない資格保有者100万人以上の一部を、整備業界に戻す 自動車整備士の潜在人数 • 整備士として働いていないが、整備士の資格 を保有している者は、推計で100万人前後存在 Seibii事例
  17. 17 他業種 現状の整備業界 出張整備人材 (2022年8月のSeibii整備士400人) 副業増加に よる人材 供給量増 他業種からの流入に よる人材供給量増

    • ディーラーとの人材の奪い合いにならない理由(推定) 1. ディーラーの業務は特定車種への業務の限定や業務のシステム化により技能が偏る傾向があり独立しにくいこと 2. ディーラー整備士の転職は、他業種への転職や同工場の営業職へ転職が一般的であること 参考)Seibii登録整備士の内訳 出張整備を認めることで、ディーラーとの人材の奪い合いにはならず、整備業界 全体の人材供給量は増加することが見込まれる ディーラー (約16,000工場) 民間工場 (約71,000工場)
  18. 18 参考)Seibiiによる業務の内訳 顧客 出張整備士 ディーラー 民間工場 ディーラーから 業務委託:150件/月 *ディーラー事業場又はその関連事業者で整備 個人宅に派遣:1,220件/月

    法人に派遣:1,000件/月 民間工場から 業務委託:10件/月 *民間工場で整備
  19. 19 • 「元々、某カー用品店とトラック専門の整備工場で働い ていたが、職場環境がひどく、給与もかなり低く、他の 仕事がないか探していたらSeibiiを見つけた。最初は興味 本位で整備士登録をしたが、直ぐにSeibiiから整備依頼を 頂いた。出張整備を副業でやっていくうちに、Seibiiでフ ルタイムでやった方が明らかに職場環境も改善され、勤 務時間も減るのに、給与が以前の2倍以上稼げるように なると気付き、Seibiiでフルタイムで働くことにした。

    加えて、頑張ったら頑張った分だけ給料に反映されるの でモチベーション高く仕事が出来るのもいい。」 • 現在の年収は600~850万円ほどで、認証工場で勤務して いた時と比較して、圧倒的に給与が上がった。また時間 の束縛がなくなり、妻や子供の予定に合わせて仕事を切 り上げることができるようになり、働きやすい。 Seibii登録整備士(フルタイム)インタビュー 出典)厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(2021年度)、Seibiiは2022年1月から6月の実績に基づき推計 注:自宅・作業場所・勤務地間の移動時間は1時間と仮定 拘束時間は、従事者は労働時間数(超過分含む)と往復通勤時間、Seibiiは移動時間と標準作業時間の合計 賃金および労働環境の改善 出張であるため移動時間が長くなるものの、業務報酬の単価は既存の整備士より も大きく上回る 作業時間当たりの時給 1日の平均拘束時間 Seibii 自動車整備/ 修理事業者 Seibii 自動車整備/ 修理事業者
  20. 20 • 体力の衰え、賃金の問題で55歳で工場勤めを引退。ハローワークで整備業の求人を探したが、前職以上 に低賃金の条件しかなかったが、出張整備士としての働き方は、技能さえあれば高給も稼げることを知 り、フリーランスで出張整備士になり、給与水準は1.3倍改善された。 • 出張整備士は新たな高齢者整備士の雇用口になっていくと確信しており、同世代の整備士にも紹介し、 数名、実際に出張整備士として活躍しており、定年退職後に出張整備士として第二のキャリア設計を考 えている整備士仲間も数名いる。 高齢

    出張整備士 女性 出張整備士 • 重作業は男性と比較して力がないので、同僚にサポートをしてもらっていたが、同僚の離職が重なり、 社内での整備士不足が顕在化し、一人一人のマンパワーが必要になり、働きづらくなった。 • 結婚を機に、子供が出来、現場作業を続けることは困難となり退職。ディーラー時代に特に辛かったの が、生理休暇などで休みを取得することだった。制度もあるが、男性メインの職場で常に忙しく、休み を取ることが億劫に感じた。 • 出張整備士として働く場合、「自分の好きな時間、自分が出来る作業、自分の体調に合わせた働き方、 育児を加味した働き方」が実現出来る。 • Seibiiではリモートで車の故障診断を行うコールセンターを配置しており、在宅で好きなタイミングで 勤務が出来、整備士資格、これまで培ってきた車に関する知見・キャリアが活かせる。 参考)女性・高齢の出張整備士の声
  21. 21 社会的な 地位の低さ 社内での 地位の低さ 社内/社会的 地位 不自由な 労働時間 肉体的な辛さ

    自由のきかない 労働時間 低い給与水準 歪んだ 評価構造 実感できない 「やりがい」 整備士としての 努力が正当に 評価されない 整備士個人が抱える不満の改善(全体像) 出張整備事業により労働環境を改善、社会的認知度も高まれば社会的地位を向上 させられる可能性がある 不満 要因 出張整備事業による改善可能性 • 収入アップ • お客さんからのダイレクトな評価 • 働きたい時に働きたいだけ働く • 士業・プロフェッショナルとしての 職業再構成
  22. 22 参考)出張整備士へのアンケート結果 (n=154人) • 好きな時間に働くことができることが出張整備士の最大の魅力 • 他業種で働く有資格者が整備士の仕事をしたくて戻ってきている 出張整備士を始めた理由 (複数回答可) 出張整備の仕事の魅力

    (複数回答可) 民間工場/ ディーラー 出身 (130人) 他業種 出身 (25人) (人) (人) (人) (人) (人)
  23. 23 出張整備事業で行う「業務」のイメージ(業務平準化と役割分担) ディーラーでしかできない業務(④リコールや⑤車検)はディーラーで実施 ②修理や③法定点検などは、出張整備により、業務の平準化・役割分担を図る 業務内容 現状の主な対応事業者 出張整備事業での対応領域 ⑤車検 ③法定点検(車検時除く) (例)リース車両のメンテナンス等

    ② 特定整備を伴う修理等 (例)故障診断、ブレーキパッド、エンジンマウント交換 等 ディーラー カー用品店 等 ディーラー ディーラー ① 特定整備を伴わない修理等 (例)故障診断、バッテリー交換、電装品取付等 ディーラー カー用品店 等 現行法でも可能 ◎ ◎ 特定整備を伴わないものは現行法でも可能 × ④リコール対応 ディーラー △ 作業内容による ※対応できる ようにすべき ※対応できる ようにすべき
  24. 24 参考)業界関係者の声 整備 事業者 • 「本当に人手が足りていない。ディーラー現場では個人ユーザーの細かい修理まで対応 しきれなくなっており、Seibiiが出張整備をすることでディーラーでやらなくても良い 整備を選別ができ、急な訪問者が少なくなり、現場が楽になる」 (ディーラーA・整備士) •

    「フリーの整備士が、ディーラーのサポートに来てくれることはありがたい」 (ディーラーB・整備士) • 「ディーラーは土日出勤が当たり前で、なかなか家族との時間を確保することが難しい。 そもそも人が足りなく、休みは当然取りにくく、子供の運動会にもいけなかったことも ある。このような理由から整備士という職種を離れる人は数多いるが、Seibiiがサポー トしてくれることで、月に何回か土日休みが取れ、ワークライフバランスが改善され た」 (ディーラーC・店長)
  25. 25 自宅又は自社内で 自動車修理を受けられる (利便性・安全性向上) 整備士の人材増加、賃金アップ、 新たな士業としての地位確立 委託による業務量の 軽減/回転率UP 出張対応による 業務増加/効率化

    顧客 ディーラー 民間工場 緊急・軽整備 出張整備 緊急・軽整備 出張整備 重整備 工場整備 緊急・軽整備は 委託 故障診断 納車引取 電装品修理 オイル交換 BT交換 ブレーキ修理 異音点検 日常点検 エアコン点検 ドラレコ取付 車検 リコール対応 エーミング OBD診断 板金塗装 事故修理 工場での作業が効率的 出張での作業が効率的 加えて、新規メーカーの誕生等、 自動車産業の活性化 参考)出張整備事業が実現した場合のイメージ 出張整備 士
  26. 26 • ディーラー工場等を訪問しなければ 整備を行えない 消費者 (車保有者) • 自宅にいながら迅速に整備を受けられる(安全性の向上) • 過疎地でも整備を受けやすくなる可能性

    整備士 • 低賃金 • 厳しい労働環境 • 長い拘束時間 • 女性や高齢者が働きにくい環境 • 自由な働き方の実現による整備士の副業促進、別仕事につ いている資格者の帰還、女性・高齢者の働きやすさ改善 • 「設備」でなく「技術」に重きを置く制度(士業・プロフ ェッションとしての地位確立)への変更による、若い整備 士の市場参加 • 単価の上昇による賃金増加 自動車 産業 • リコールへの対応増加 • 新興カーメーカーが誕生しない (ディーラー網構築の必要性) • リコール対応の迅速化による安全性向上 • 新興メーカー誕生の促進(ディーラー網が不要) 整備工場 • 人手不足 • ディーラーへの過度な業務集中 • 人手の供給 • ディーラーにおける業務の平準化 • 民間工場の業務増加、大型案件の効率化 出張整備の主体別の意義 現状の課題 出張整備の解禁によるメリット 主体
  27. 27 3. 制度改正のご提案

  28. 28 • 整備のうち、「特定整備」(道路運送車両法規則3条)を事業として行う場合、 特定整備を行う「事業場」(整備工場)ごとに、「認証」を得なければな らない(道路運送車両法78条) • 事業場ごとに認証が行われることの解釈から、特定整備は認証を受け た事業場で行わなければならない • 事業場について、規模(間口5m、奥行13m以上等)、設備、人員(2人以上で1人

    は整備士資格保有者)の要件が定められている(規則57条) 現行法令:事業場制度
  29. 29 • バッテリー交換 • オイル交換 • タイヤ交換 等 特定整備以外 (法令の規制

    対象外) 特定整備 (法令の規制 対象) • 原動機の取り外し • 動力伝達装置のクラッチ、トランスミッション • 走行装置のフロント・アスクル • かじ取り装置のギア・ボックス • 制動装置のマスタ・シリング、ホース、ディスクブレーキ • 緩衝装置のシャシばね 等 現状の「出張整備」は ここに限定 法令により認証を受けた 「事業場」で なければできない 現行法令:整備の種類 法令の規制対象である「特定整備」以外の整備はバッテリー交換、オイル交換、 タイヤ交換などに限られる 整備の種類 整備内容 出張整備可否
  30. 30 (認証)第七十八条 1. 自動車特定整備事業を経営しようとする者は、自動車特定整備事業の種類及び 特定整備を行う事業場ごとに、地方運輸局長の認証を受けなければならない。 2. 自動車特定整備事業の認証は、対象とする自動車の種類を指定し、その他業務 の範囲を限定して行うことができる。 3. 自動車特定整備事業の認証には、条件を付し、及びこれを変更することができ

    る。 4. 前項の条件は、自動車特定整備事業の認証を受けた者(以下「自動車特定整備 事業者」という。)が行う自動車の特定整備が適切に行われるために必要とす る最小限度のものに限り、かつ、当該自動車特定整備事業者に不当な義務を課 することとならないものでなければならない。 参考)道路運送車両法
  31. 31 (特定整備の定義) 第三条 法第四十九条第二項の特定整備とは、第一号から第七号までのいずれかに該当するもの(以下「分解整備」という。)又は第八号若しくは第九号に該当するもの(以下「電子制御装置整備」という。) をいう。 一 原動機を取り外して行う自動車の整備又は改造 二 動力伝達装置のクラッチ(二輪の小型自動車のクラッチを除く。)、トランスミッション、プロペラ・シャフト又はデファレンシャルを取り外して行う自動車の整備又は改造 三

    走行装置のフロント・アクスル、前輪独立懸架装置(ストラットを除く。)又はリア・アクスル・シャフトを取り外して行う自動車(二輪の小型自動車を除く。)の整備又は改造 四 かじ取り装置のギヤ・ボックス、リンク装置の連結部又はかじ取りホークを取り外して行う自動車の整備又は改造 五 制動装置のマスタ・シリンダ、バルブ類、ホース、パイプ、倍力装置、ブレーキ・チャンバ、ブレーキ・ドラム(二輪の小型自動車のブレーキ・ドラムを除く。)若しくはディスク・ブレーキのキャリパを 取り外し、又は二輪の小型自動車のブレーキ・ライニングを交換するためにブレーキ・シューを取り外して行う自動車の整備又は改造 六 緩衝装置のシャシばね(コイルばね及びトーションバー・スプリングを除く。)を取り外して行う自動車の整備又は改造 七 けん引自動車又は被けん引自動車の連結装置(トレーラ・ヒッチ及びボール・カプラを除く。)を取り外して行う自動車の整備又は改造 八 次に掲げるもの(以下「運行補助装置」という。)の取り外し、取付位置若しくは取付角度の変更又は機能の調整を行う自動車の整備又は改造(かじ取り装置又は制動装置の作動に影響を及ぼすおそれがあ るものに限り、次号に掲げるものを除く。) イ 自動車の運行時の状態及び前方の状況を検知するためのセンサー ロ イに規定するセンサーから送信された情報を処理するための電子計算機 ハ イに規定するセンサーが取り付けられた自動車の車体前部又は窓ガラス 九 自動運行装置を取り外して行う自動車の整備又は改造その他の当該自動運行装置の作動に影響を及ぼすおそれがある自動車の整備又は改造 (認証基準) 第五十七条 法第八十条第一項第一号の事業場の設備及び従業員の基準は、次のとおりとする。 一 事業場は、常時特定整備をしようとする自動車を収容することができる十分な場所を有し、かつ、次に掲げる作業場及び別表第四に掲げる規模の車両置場を有するものであること。 イ 分解整備を行う場合にあつては、別表第四に掲げる規模の屋内作業場 ロ 電子制御装置整備を行う場合にあつては、別表第四に掲げる規模の電子制御装置点検整備作業場。ただし、電子制御装置点検整備作業場は、屋内作業場(車両整備作業場及び点検作業場に限る。次号におい て同じ。)と兼用することができる。 二 屋内作業場及び電子制御装置点検整備作業場の天井の高さは、対象とする自動車について分解整備又は点検を実施するのに十分であること。 三 屋内作業場及び電子制御装置点検整備作業場の床面は、平滑に舗装されていること。 四 事業場は、別表第五に掲げる作業機械等を備えたものであり、かつ、当該作業機械等のうち国土交通大臣の定めるものは、国土交通大臣が定める技術上の基準に適合するものであること。 五 電子制御装置整備を行う事業場にあつては、法第五十七条の二第一項に規定する自動車の型式に固有の技術上の情報(第三条第九号の自動車の整備又は改造を行わない場合にあつては、自動運行装置に係る ものを除く。)及び運行補助装置の機能の調整(第六十二条の二の二第一項第六号において「エーミング作業」という。)に必要な機器を入手することができる体制を有すること。 六 事業場には、二人以上の特定整備に従事する従業員を有すること。 七 事業場において特定整備に従事する従業員について、次のイからハまでに掲げる事業場の区分に応じ、当該イからハまでに定める要件を満たすこと。 イ 分解整備を行う事業場(ハに掲げるものを除く。)少なくとも一人の自動車整備士技能検定規則の規定による一級又は二級の自動車整備士の技能検定(当該事業場が原動機を対象とする分解整備を行う場合 にあつては、二級自動車シャシ整備士の技能検定を除く。ハ前段並びに第六十二条の二の二第一項第七号イ及びハにおいて同じ。)に合格した者を有し、かつ、一級、二級又は三級の自動車整備士の技能検定に 合格した者の数が、従業員の数を四で除して得た数(その数に一未満の端数があるときは、これを一とする。)以上であること。 ロ 電子制御装置整備を行う事業場(ハに掲げるものを除く。)少なくとも一人の自動車整備士技能検定規則の規定による一級の自動車整備士の技能検定(一級二輪自動車整備士の技能検定を除く。ハ前段並び に第六十二条の二の二第一項第七号ロ及びハにおいて同じ。)に合格した者又は同規則の規定による一級二輪自動車整備士、二級の自動車整備士、自動車車体整備士若しくは自動車電気装置整備士の技能検定に 合格した者であつて電子制御装置整備に必要な知識及び技能について運輸監理部長若しくは運輸支局長が行う講習を修了した者を有し、かつ、一級、二級若しくは三級の自動車整備士、自動車車体整備士又は自 動車電気装置整備士の技能検定に合格した者の数が、従業員の数を四で除して得た数(その数に一未満の端数があるときは、これを一とする。)以上であること。 ハ 分解整備及び電子制御装置整備を行う事業場少なくとも一人の一級の自動車整備士の技能検定に合格した者又は同規則の規定による一級二輪自動車整備士若しくは二級の自動車整備士の技能検定に合格した 者であつて電子制御装置整備に必要な知識及び技能について運輸監理部長若しくは運輸支局長が行う講習を修了した者を有し、かつ、一級、二級又は三級の自動車整備士の技能検定に合格した者の数が、従業員 の数を四で除して得た数(その数に一未満の端数があるときは、これを一とする。)以上であること。 参考)道路運送車両法施行規則
  32. 32 • 以上の通り、整備士における深刻な人手不足・高齢化、自動車の車齢の長期 化、自動運転の進化等により、整備業界は大きな変革が必要となっている • こうした状況の中、出張整備は、これらの課題に大きく貢献する可能性を秘 めている。しかし、整備は「事業場」で行わなければならないという戦後間 もない時期に定められたルールが残っていることが、出張整備の拡大の障壁 となっている •

    一方、工具の小型化、自動車部品の小型化等、技術が進化したことにより、 一定の作業においては出張整備を安全に実施することが可能となっている • そのため、自動車整備における場所規制の必要性と合理性について、抜本的 に見直すべきである 提言:場所規制の見直し
  33. 33 出典)JAFウェブサイト、エマーソン機器(40×20×82)、興和精機 CO/HCテスター 参考)整備事業の法令制定時からの技術変化例 技術の変化により、作業によっては必ずしも事業場で行う必要がなくなっている 法令制定時 現在 • ドラムブレーキを採用し ている車が多かった

    • ブレーキの調整のために、 公道走行の前にブレーキ の効きを確認する必要が あった 例1: ブレーキ • ディスクブレーキが普及し、数回ブ レーキペダルを踏むことでパッドと ディスクが適切に調整される機構が 備わったため、細かい調整が不要な ケースが増加した • 大型であった 例2:油圧 ジャッキ • 小型の機器により数トンを 持ち上げることが可能になった • 大型であった 例3: 一酸化炭素 測定器 • 小型化
  34. 34 提言:安全性を担保した出張整備事業のご提案 以下により安全性を担保した上で、事業場ではない場所でも一部の特定整備を 可能とする制度を創設すべき 対象作業要件 • 特定整備のうち、スペースを要しない作業であって、かつサイズの大きい設備を 要さない作業を、出張整備により対応できる作業として限定 (原動機を車外に取り外さない等) 人的要件

    • 整備士の国家資格を有する者に限る ※認証工場又は指定工場における3年以上の実務経験の要件を設けることも考えられる ※出張で対応できない特定整備が生じた場合に委託する認証工場との契約を要件とすることも考えられる ※保険加入を要件とすることも考えられる 場所的要件 • 出張で作業する場所について、一定のスペースがあること、平滑に舗装されている こと、道路上等の許可されない場所で作業を行わないこと 等 要件 詳細
  35. 35 • 人的要件 • 整備を実施する者は、自動車整備士技能検定規則の規定による一級、二級又は三級の自動車整備士の技能検定に合格した者であること • 認証工場又は指定工場における3年以上の実務経験を有すること • 出張で対応できない特定整備が生じた場合に委託する認証工場との契約を締結していること •

    整備作業中及び作業完了後の対物・対人への損害を賠償する保険に加入していること • 場所的要件 • 対象作業に係る分解整備を実施する上で十分なスペースがあること • 道路交通法における「道路」で行うものではないこと • 屋内の場合、天井の高さが、対象作業に係る分解整備を実施するのに十分であること • 屋外の場合、雨天時は行わないこと • 床面が平滑に舗装されていること • 作業場で作業を行うことが困難となった場合、当該作業を行う前の状態に復元した上で、事業場を有する認証事業者による作業が必要であることを依頼 者に説明すること • 分解整備の作業中に原動機を稼働させないこと(ただし一酸化炭素測定器・炭化水素測定器を持ち運ぶ場合を除く) • 作業機械要件 • 対象作業に係る分解整備を実施する上で必要な作業機械を持ち運ぶこと • 具体的な作業機械は以下の通り(道路運送車両法施行規則別表第5参照) • ブレーキパッド関連・・・ジャッキ、トルクレンチ • オルタネータ関連・・・ジャッキ、トルクレンチ、サーキット・テスター • スターターモータ関連・・・ジャッキ、トルクレンチ、サーキット・テスター ※原動機を稼働する場合は一酸化炭素測定器・炭化水素測定器 • その他要件 • 作業に係る料金を依頼者に通知すること 参考)安全性担保策のご提案
  36. 36 出典)マツダHP、Cartreatments.com 提言:具体的な対象作業について ユーザーの自宅車庫等において小型工具のみで作業可能で、国家整備士資格保有 者であれば安全に実施でき、ニーズが大きい3つの作業を対象とすべき ブレーキパッド の交換 発電機 (オルタネータ) の交換

    スタータモーター の交換 対象作業 特定作業該当部 • 交換に伴うディスク ブレーキのキャリパの 取り外し等 • 一部の車両で交換に伴う 原動機、フロントアクス ルの取り外し等 (取り外しにボルトを緩める行為 も含む等のため) • 一部の車両で交換に伴う 原動機、フロントアクス ルの取り外し等 (取り外しにボルトを緩める行為 も含む等のため) スペース 必要工具 • 小型なもので対応可能 (ハンドツール、ジャッキスタン ド、ディスクブレーキセパレー タ、ブレーキブレーダーツール) • 不要 • 小型なもので対応可能 (ジャッキ、トルクレンチ等) • 不要 • 小型なもので対応可能 (ジャッキ、トルクレンチ等) • 不要
  37. 37 出典)国土交通省ウェブサイト 出典)自動車点検整備推進協議会ウェブサイト 参考)3作業を対象にしている理由:ブレーキパッド交換 ブレーキパッド交換ができるようになれば、(車検を伴わない)法定定期点検の 多くを出張で実施できるようになる • 法定定期点検の実施率は50%を下回っている • 主な理由は「面倒だから」「時間がないから」があげられ

    ている 法定定期点検の課題 法定定期点検の頻度 *車検に伴う定期点検については、保安基準に適合しない車 両の部品交換等(特定整備)が必要となることが大半である ため、(制度改正をしたとしても)出張で行うことは困難
  38. 38 参考)3作業を対象にしている理由:発電機、スタータモータ交換 自動車が動かなくなる緊急性の高い故障において、特定整備の中では発電機(オル タネータ)、スタータモータの故障が最も頻度が多い 特定整備 以外 特定整備 自動車不動要因(JAF出動原因) 出典)JAFウェブサイト •

    8位が発電機(オルタネータ) • 9位がスタータモータ • それ以外の故障内容は、特定整備に該当し ないため、これら2つの故障が特定整備のう ち最も故障頻度が多いこととなる
  39. 39 • 自動車整備を行うには、“Automotive repair dealer”(a person who, for compensation, engages

    in the business of repairing or diagnosing malfunctions of motor vehicles)(Business and Professions Code 9880.1)は、当局への登録が 必要(9884.6) • “certificate of compliance or adjustment”(車検証)を発行するためのブレーキシステムおよびランプシステムの調整等 は、事業場(”official stations”)で実施する必要(California Code of Regulations 3305)。また、”Smog Check Inspection or Repairs”も、許可を受けたstationsで実施する必要(同, Article5.5) • 一方、上記以外は、ユーザーの自宅でも実施することができる • また、カリフォルニア州では、出張修理を行う事業者のためのルールがある(”Mobile Automotive Repair”制度) • (出張修理事業のためのルール概要)*California Code of Regulation 3351.7.3 • “mobile automotive repair”(automotive technicianを派遣して修理を実施すること)として特別な登録番号が付さ れる • インターネットにおける広告では、以下について表示しなければならない • (1) 氏名(automotive repair dealerとして登録されている氏名) • (2) 登録番号 • (3) 電話番号 • 顧客の見積もり、作業指示書、請求書等の要件に従って業務を行わなければならない 等 • *なお、カリフォルニアでは、整備士資格は、上記のブレーキ・ランプのCertificateの発行、及びSmog Checkを 行う場合にのみ必要 • *出張整備であっても、事業者の事務所の登録は必要(当局が立入検査をする等)。ただし、設備の要件が課され るのはエアコンの作業等一部の場合に限られる。 参考)米国カリフォルニア州の規制
  40. 40 (1)新たな認証のカテゴリー創設(法律改正) 法律の改正により「出張自動車整備事業」という新たなカテゴリーを設ける (2)特定整備の定義変更(省令改正) スペースの要否等に鑑み、特定整備の範囲を再整理する (3)事業場の認証基準の特例(省令改正) 1. 出張整備事業者も認証を得ることを前提とし、「事業場」の広さの要件等に特例 を設ける 2.

    認証に際して、「業務の範囲を限定」(78条2項)、「条件」(同3項)を付す (対象作業の限定、人的要件、場所的要件の設定) 参考)考えられる制度改正の手法(案)