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部署横断チームとしてのCCoE活動のむずかしさ / 20251107 Hironobu Otaki

部署横断チームとしてのCCoE活動のむずかしさ / 20251107 Hironobu Otaki

2025/11/7 APN Japan Business Leaders Hub 第3回オンサイトイベント
https://aws.amazon.com/jp/blogs/psa/2025-apn-japan-business-leaders-hub-application/
株式会社SHIFT
チーフ・シニアAWSセキュリティコンサルタント
大瀧 広宣

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SHIFT EVOLVE PRO

November 07, 2025
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Transcript

  1. 自己紹介 2 • 大瀧広宣(おおたきひろのぶ) • 経歴 • IT業界歴30年以上、時代のトレンドに沿ったカテゴリーを選んで転職 • ソフトウェアエンジニア(JavaやHTMLの創成期にWebシステム構築)

    • ネットワークエンジニア(R&D、自社ネットワークアプリ開発) • “カー!と言えばグー”でお馴染みの会社でAWS事業責任者(データセンターのAWS延伸) • クラウド会計のfreeeでCIO補佐(コロナ禍による情シスのクラウド化、モダン情シス化) • Serverworks(AWSプレミアパートナー)で急成長顧客を担当するPM兼マネージャー • 副業で”なんぼや“でお馴染みの企業でAWSのセキュリティ対策PM(DLP対策、個人情報保護) • AWSセキュリティコンサル、CCoE推進リーダー (株式会社SHIFT セキュリティ・ネットワークサービス部) • 個人資格 • 2025 AWS Ambassadors • 2025 Japan AWS Top Engineer (Security) • 2024-2025 Japan AWS All Certifications Engineers • 企業資格 • AWS アドバンストティアサービスパートナー認定 • APN Certification Distinction 300 • AWS Foundational Technical Review認定 • AWSセキュリティアセスメントサービスが認定取得 • AWS Service Delivery Program(WAF) • 内製化支援推進 AWSパートナー認定
  2. はじめに 3 SHIFTにはAPN活動を行う専門の部署は存在しておらず、 AWS有識者の有志活動として 部署横断のCCoEチームを結成し活動しています。 そろそろ結成から2年になろうとしていますが、 その苦労や今後の展望について共有し、 同じ境遇にあるパートナー様、または同じような経緯をもつパートナー様と 親交が深められればうれしいです。 APN

    LeadersHubに参加してみて学んだ教訓(CCoEの各社現状を知れた) • 野良AWS案件の検知には、どの会社も苦労している • CCoEチームの人間関係で野良AWS案件を撲滅しているという事実 • CCoEチームの在り方は会社によって違う • AWS表彰エンジニアとCCoEチームの関わり方は各社バラバラであるという事実 • APNのTierUp効果の計測にはどの会社も苦労している • “銀の弾丸“は存在しないという事実
  3. 結成の背景 5 会社の規模は大きかったが、AWS業界への知名度ゼロ o 特に公共などのAWS関連の入札案件などは致命的 o 大規模AWS案件がこなせるスキルや体制がない AWS案件はやっていたが、各部署単位で実施しノウハウが分散 o 同じような案件をやっていたとしても、部署が変わればゼロから構築。。

    部署横断でAWS案件を取りまとめるCCoEチームを AWSへの熱い想いをもった 有志メンバー3名+VPoE (Vice President of Engineering)で結成 <結成当時の状況> ・従業員数12,000名以上(連結) ・東証プライム企業 ・AWS表彰エンジニア:All Certが3 名のみ ・AWSパートナーTier:セレクトTier ・AWSイベントへの登壇&協賛実績: 無し ・ACE登録数:5件/月5,000ドル ・AWS認定資格数:80個
  4. なにをすべきか考える 6 社内のAWS受注スキームの整備、 ノウハウ集約、会社としてのAWS への向き合い方が明確にできる 結局、AWSのTierを上げる活動と、 社外社内へのAWS技術者の積極的な露出活動が一番成果につながると判断 AWS関連の社外イベントへの協賛と登壇 AWSのTierを最低でもアドバンストに昇格させる •

    ACE登録案件をかき集める(成約数20件以上/年) • ビジネスプランを作る(社内承認・AWS承認含む) • 公開事例を作る • 特化性をもったAWSソリューションをリリースする 社内イベントに登壇し、社内にAWS案件ができることを知ってもらう 社外への露出は優秀なAWSエンジニア の採用に繋がり、社内への露出はAWS をやりたいエンジニアを増やす起爆剤 になる ◼ CCoEチームとしてなにをベースに活動するかは紆余曲折あったが、明確で結果が外部から見えやすい目標を設 定した。
  5. 発足当時の苦労 7 メンバーの作業負荷増大と業績評価の問題 • メンバーは本業である案件稼働があり、平日日中帯は、そちらに注力する必要があった。 • 活動は定時後、休日の有志活動となるパターンがほとんど(無償稼働) • メンバーは本業の稼働が業績評価の対象となるため、CCoEの活動自体が評価されることはむずかしかった。 •

    JAWSのように個人の活動として頑張れるメンバーとしか活動できない。。(活動を無理強いできない) Tierのランクアップ効果は何なのか説明がむずかしい • Tierのランクアップが会社にどんなメリットをもたらすのか、理解してもらう必要があった。 • Tierが上がるとどれくらい売上につながるのか?どれくらいAWSから案件紹介がくるのか?に話題が フォーカスされがち。 • 「Tierを上げることで売り上げが向上する」というわけではなく、Tierを上げるプロセスのなかで売り 上げを向上させる企業体質が形成され、結果的に売り上げ向上につながるという仕組みになってい る。 ◼ SHIFTのCCoEチームのメンバーのほとんどは、案件稼働率と売上額をもとにクオーター単位で業 績評価を受けています。発足当時は以下のような課題がありました。 ★主な発足効果は次スライドに記載
  6. 2025年にはAWS CCoEチームはここまで増強 9 社内AWS有識者を中心に部署横断のメンバーで構成。 統括 VPoE:池ノ上 リード 大瀧 営業推進(プリセ含む) ★公共事業部、アジャイル

    推進部、セキュリティサービ ス部の管理者メンバーと連 携 企業ブランディング推進 ★広報、DevRelグループ (エンジニアブランディング チーム)と連携 事務局 ACE登録など時間のかかる 作業を実施するメンバーを有 志で配属してもらった AWS • アカマネ・営業への連携 • オポチュニティ収集 • CSAT • 事例獲得 • 案件獲得(パートナーアラ イアンス含む) 人材育成 ★トレーニングセンターおよび 人事メンバーと連携 • 情報発信 • 社内ブログ (Teams) • 社外ブログ • 登壇(社内・社外) • イベント企画実行 • 各種プレス発表 ・CCoE運営/APN管理 ・ユーザー管理 ・APNサイト管理 CCoEリーダー: クラウド全般のリード AWSビジネス推進 AWSビジネス企画 AWS案件リード • 人材育成 • 教育コンテンツ作成 • 社内講師 • 社内勉強会 • 資格補助金制度推進 • 資格取得推進 企業認定推進 ★AWS表彰エンジニア 6名で構成 • SDP/コンピテンシー推進 • 構築標準規定(プ レイブック)策定 • 案件適用(監査) • リセールビジネス推進 SHIFT AWS SHIFT 経営陣 強固なパートナーシップ 成果の定期報告の実施
  7. 2025年度AWS表彰エンジニア 表彰の内容 • 2025年度はSHIFTからは全4部門延べ14名が選出。 *2024年度は1部門(Japan All AWS Certifications Enginners4名) *2025/6/26

    プレスリリース 表彰カテゴリ(全4部門) 山下 生真 大瀧 広宣 大瀧 広宣 寅野 理司 松尾 光敏 山下 生真 大瀧 広宣 海野 統哉 辺見久美子貝田 崇浩古野真太郎 寅野 理司 松尾 光敏 武之内 徹 • グローバルプログラム • Japan AWS Top Engineers の上位認定という位置づけ(日 本) • 所属するAWSパートナー企業のな かでAWSビジネス推進の第一人 者として知られ、パートナー内に留 まらず外部にも影響を与える人物 を認定 • 日本独自プログラム • AWSの技術面をリードし、 AWSビジネス拡大に積極的 に貢献している人物を表彰 • 日本独自プログラム ★入社3年目までが対象 • 一定のAWS技術があり、社内の AWSコミュニティをリードでき、今 後Top Engineers/ Ambassadorsを目指すことが 期待される人物を選出し、育成を 行うコミュニティ Japan AWS All Certifications Engineers • 日本独自プログラム • 一定の基準を満たすAWSパート ナー企業に所属し、指定されたすべて のAWS認定資格を保持する人物を 表彰
  8. 5件のAWS企業認定を取得 12 • AWS アドバンストティアサービスパートナー認定(2024年11月取得) • APN Certification Distinction 200(

    2024年11月取得) • AWS ファンデーショナルテクニカルレビュー認定(2024年11月取得) (AWSセキュリティアセスメントソリューションが認定対象) • AWS Service Delivery Program(WAF) (2025年6月取得) • APN Certification Distinction 300( 2025年8月取得) • 内製化支援推進AWSパートナー認定取得(2025年10月)
  9. 発足効果が出て変わりつつあること 13 ◼ とはいえ、アドバンストTierに昇格し、売り上げ向上、AWSエンジニア露出も増え、プレミアTier を目指して頑張るという方向性が経営層に理解されはじめ、改善に向かっています。 メンバーの作業負荷増大と業績評価の問題 • CCoEプロジェクトが発足。メンバーに一定のCCoE稼働工数(0.3人月/人程度)が割り振られ、 本業の業務負荷が0.7人月程度に軽減された。 •

    認定資格取得を進めるとともに、技術発信の質と量を高め、表彰エンジニアになることでメンバーのス キルとモチベーションがUP。結果としてエンジニア単価や本業の売上も上昇方向になり、メンバー個々 人の業績評価も上昇方向へ転換している。 Tierのランクアップ効果は何なのか説明がむずかしい • Tierランクアップ後、AWSとの連携が強化され(SHIFTがプレミアTierを目指して頑張ると宣言した効 果も大きい)、AWSからの紹介案件が爆発的に増大。 • 社内からもTierが上がったことでAWSに強い会社という認知度が向上。AWS案件を獲得する営業が増 え、CCoEチームが案件に適切に関与することで受注確率・案件成功確率が確実に上昇した。