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組織と現場がつながる“協働”アジャイル ── 双方が納得する、現実的なプロジェクト推進の秘訣/...

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December 10, 2025
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組織と現場がつながる“協働”アジャイル ── 双方が納得する、現実的なプロジェクト推進の秘訣/ 20251210 Takeshi Watarai

2025/12/10 プロジェクトマネジメントDAY 2025 アンコール
https://products.sint.co.jp/obpm/pmday2025_encore

株式会社SHIFT
アジャイル推進部 イノベーション推進グループ
渡会 健

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December 10, 2025
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  1. Copyright SHIFT Inc, All Rights Reserved. 2025 / Copyright SHIFT

    Inc, All Rights Reserved. 1 PMDAYアンコール2025 株式会社SHIFT アジャイル推進部 イノベーション推進Gr. アジャイルエバンジェリスト Takeshi Watarai 10 12 Session05 17:10-17:55 渡会 健 組織と現場がつながる“協働”アジャイル ~双方が納得する、現実的なプロジェクト推進の秘訣~
  2. 2 Copyright SHIFT Inc, All Rights Reserved. 自己紹介 渡会 健|Takeshi

    Watarai 株式会社SHIFT アジャイル推進部 イノベーション推進G アジャイルエバンジェリスト 業務経歴 マネジメントを極めるためPMコンサル会社入社 • アジャイル文化の無い社内にアジャイル開発を 導 入し、3年で3億円以上を売り上げる • その後、様々なケースのアジャイル開発マネジメント 経験を20案件以上積み重ねる • アジャイルコーチ、導入コンサル、アジャイルや PMBOK🄬系の研修講師、システム開発のマネジメ ントを務める • ソフトウェアシステム開発(WF開発)のPMとして活動 • JAXAへ4年間出向し、受発注双方でPMとして活動 著書 資格等 2007年 2018年 2009年 1996年 2020年 マネジメント系コンサル会社入社 1991年 アジャイル実践のため、キャリアチェンジして 中小規模の独立系ITベンダーに入社 アジャイルコーチ転身のためコンサル会社入社 財閥系宇宙関連ソフトベンダーに入社 その他所属等 • 一般社団法人PMI日本支部 アジャイル研究会元代表 • 独立行政法人情報処理推進機構(IPA) アジャイルWG元メンバー 2025年 さらなる飛躍のため株式会社SHIFTに入社 2008年にPMO現場で、アジャイルに出会う 2005年 PMP資格取得。PMI日本支部会員の活動開始 • アジャイル事業を1人から立ち上げ、5年間で30名の部 隊に育て上げ、5億円を売り上げ • コンサル時代を合わせアジャイル50案件以上 ダイアモンド社 リックテレコム社:共著 PMI日本フォーラム2025 優秀登壇者第6位 Since2005 • WF/アジャイルどちらの現場経験 豊富なアジャイルの専門家 • PMBOK🄬にも精通し、目的達成 のためにはアジャイルにこだわりすぎ ないのが座右の銘
  3. 3 Copyright SHIFT Inc, All Rights Reserved. SHIFTグループは、ソフトウェアの「品質保証」を起点に サービス作り全体のお手伝いを手がけている会社です 会社概要

    5.5兆円のブルーオーシャン市場で圧勝 ◼ 売上高1兆円を狙えるポテンシャル ◼ サービス開始以来、高い売上高を維持している ◼ ITはますます人材不足→2030年には、79万人の不足が予想される (経済産業省平成28年度調べ) ◼ エンジニアがやりたがらない仕事を圧倒的に優秀な人材が実施 非エンジニアが活躍できる市場をつくった ◼200万件に及ぶ膨大な不具合DBを活用した品質保証 ◼人材を選定するCAT検定、人材を育てるヒン大、管理をするCATを開発 ◼上流支援、開発、インフラ、セキュリティ、デザイン、CSなど総合的に展開 「品質保証」の強みを軸に、IT総合サービスを展開 2005年9月7日 設立日 連結:14,726人 単体:7,815人 メンバー数 ※ パートナー、派遣含む 2025年5月末時点 40社 グループ会社数 2025年12月時点 ※ 参照:2025年8月期 第3四半期決算説明会資料
  4. 4 Copyright SHIFT Inc, All Rights Reserved. DXの総合サービスを提供し、累計顧客数は約3,200社へ(2024年5月末時点) 事業の変遷 はじまりは「ソフトウェアテスト」

    2009年 市場をブルーオーシャンとして捉え成長 出所:SHIFT. 統合報告書 2022. 2023年4月20日, 20p. コンサルティング 開発 セキュリティ 性能 デジマ ERP アジャイル AI 人事コンサル PMO ソフトウェア開発産業の市場規模は 約16.5兆円 ※ソフトウェアテスト業務は全開発工程の33.8%と想定 (ソフトウェア開発データ白書2018‒2019) ※経済産業省 2021年情報通信業基本調査(2020年度実績) (ソフトウェア開発に関連する業界の売上高合計より算定) ※検証工程を専業とする国内企業の売上高規模による推定
  5. 10 Copyright SHIFT Inc, All Rights Reserved. アプローチの観点の違い WFアプローチ ・明確なゴールが決まっている前提

    ・そこに至る道筋も時間をかければ予想可能という前提 ・であれば逆算して綿密な計画立案が可能 ・前提が崩れない限り立てた計画を順守すればゴールは達成できる ・なので途中は迷わず一直線に進めることができる アジャイルアプローチ ・明確なゴールがなくても、方向性さえわかれば、その方向にまず動き出せる ・そのために、見通しのきく小さなゴールを定め、短い計画を立て実行し結果を出す ・実行した結果得られた経験とその時の最新の周囲の状況(変化)を取り込む ・取り込んだ変化を踏まえて次の短い計画を立案し実行し結果をだす ・変化を取り入れた小さなゴールを積み上げて一歩すつ適応しながら前に進む 出典:アジャイルに困った時に読む本(ダイヤモンド社) 渡会健著
  6. 11 Copyright SHIFT Inc, All Rights Reserved. アジャイルの計画 計画の立て方と動く成果物生成のタイミングの違い スプリント

    計画 WFの計画 要件定義 X月X日予定 設計 X月X日予定 開発 X月X日予定 テスト X月X日予定 全体計画 動く成果物 比較的長期 計画と計画の間で 経験や変化を取込む 動く成果物 短い計画 動く成果物 短い計画 動く成果物 短い計画 動く成果物 短い計画 1~4週間の短期 WFアプローチ ・プロジェクト開始前に全期間(比較的長期)分がつくられる ・全期間分の計画を立てるので計画立案に時間がかかる(数ヶ月単位) ・大・中・小日程と細分化することはあるが、原則計画は一つだけ ・フェーズごとに期限が切られ、その枠内でやりきることが前提 ・追加要件などがでれば、その都度残りの期間の全計画の見直しが必要 ・よって一度立てた計画はなるべく変えないで進行することがよしとされる ・何故このような計画になっているのかの理由を知らずとも現場は作業できる ・なので、計画の遂行=プロジェクトの遂行となる形になりやすい ・実際に使える、動く成果物は計画の一番最後に生成される アジャイルアプローチ ・1~4週間で定められるスプリント周期ごとに短い計画を立案しつづける ・計画立案期間が短いため、計画にかかる時間も短くて済み、すぐにはじめられる ・スプリント計画はそのスプリントがはじまった直後に作られる ・なので前のスプリントで得た経験、その時起こった変化を取込むことができる ・また、前のスプリントの成果をみて方向性を次のスプリントで即時変更できる ・これがアジャイルが変化に対応しやすいといわれるからくりのひとつ ・先々のスプリントの計画をあらかじめつくったりはしない(つくっても無駄になる) ・テスト済みの動く成果物は小さいが、スプリントの終わりに必ず生成される ・1スプリントで生成する動く成果物は小さいが、スプリントごとに結合され徐々に 成長 出典:アジャイルに困った時に読む本(ダイヤモンド社) 渡会健著
  7. 12 Copyright SHIFT Inc, All Rights Reserved. ビジネスの観点(投資回収のタイミング)の違い WFアプローチ ・全部をつくりきった最後でないと成果物ができない

    ・よってその間は投資 ・プロジェクトが完了して初めて市場に出せる ・投資が回収できたかどうかの判断はもっと先になる つまり、まとまった経営資源がなければ実行に移すのは難しい なので、成功の確率が高くないと実行できないため慎重な見極めが必要 アジャイルアプローチ ・小さな、でも完成した成果物を順次リリースできる ・さらにそれを機能を追加しながら成長させることができる ・最も投資を回収できそうな機能からリリースし、投資を回収しながら進められる ・仮にリリースした機能が市場に受けなければ、次のリリースではその反省を活かせる つまり、まとまった経営資源がなくともすぐにスタートできる また市場の反応もみれるので、投資中止の判断も全部つくりきらない段階で可能 結果、無駄な投資も防げ、経営資源の有効活用が可能 出典:アジャイルに困った時に読む本(ダイヤモンド社) 渡会健著
  8. 13 Copyright SHIFT Inc, All Rights Reserved. モノづくりの観点の違い WFアプローチ ・最終形の完成が自動車とわかっていることが前提

    ・専門家のリソース効率を最大化するため、パーツごとに作成 ・ただし、パーツはそれだけでは利用者にとって価値がない ・また、よほどうまく調整しないとパーツごとに発生する在庫は避けられない ・価値ある成果物を得るのは最後に自動車が完成した時まで待つ必要がある アジャイルアプローチ ・何をつくるかではなく、どういった価値を生み出すかでモノづくりをはじめる ・上記は「移動を楽に行いたい」という価値を生み出す例 ・何もないなか、最短で提供できる価値はスケボーだったのでそれを提供 ・顧客はかなり初期の段階で、歩くよりより楽に移動できる価値を手に入れられる ・その後曲がれるという価値を取り入れリリースして改善する ・その流れで「座れる」、「動力で動く」、「安定して走りたい」の価値を実装していく ・次は「渋滞を避ける」価値を届けるために空飛ぶ自動車になる可能性もある ・完成形のイメージが持てない段階から、短い期間で価値を提供し続けることが可能 出典:アジャイルに困った時に読む本(ダイヤモンド社) 渡会健著
  9. 14 Copyright SHIFT Inc, All Rights Reserved. 要件定義 設計 開発

    テスト 品質の守り方の違い WFの場合 前提:不具合は必ず入り込むもの アジャイルの場合 前提:不具合のない状態を保つ 品質を守る 不具合を洗い出す・摘出して可能な限り少なくする 品質を守る 不具合がない状態を保ちながら成果物を大きくする 動く成果物 レビュー レビュー レビュー 例) レビュー指摘密度 レビュー工数密度 レビュー指摘効率 例) バグ密度 テスト密度 テスト まず大きな部屋を作り、 その部屋を掃除するイメージ 「今までのプロジェクト実績の傾 向をみると、これくらいの規模で、 これくらいの数値であればある程 度の不具合は抽出されており、 品質がよいと言って問題ない」 =品質指標の考え方 SP10 SP2 1つのものとして 動く成果物 動く成果物 スプリント1 スプリント2 スプリント10 1つのものとして 動く成果物 SP1 SP1 SP1~9 新規テスト 既存テスト 新規テスト 既存テスト 新規テスト 既存テスト 既存テスト 既存テスト 既存テスト 既存テスト 既存テスト 既存テスト 既存テスト …… …… 小さな無菌状態を作り それを徐々に膨らませるイメージ スプリントごとに成果物と同時 にテストも作成・実施し、不具 合がない状態を保ちながら、成 果物を大きくする スプリントを重ねるごとテストが 増えるので、アジャイルでは 自 動テスト導入がMustと言われる 無菌 状態 出典:アジャイルに困った時に読む本(ダイヤモンド社) 渡会健著
  10. 15 Copyright SHIFT Inc, All Rights Reserved. アジャイルが欧米では主流は幻想、Vs.じゃない! 出典:アジャイルに困った時に読む本(ダイヤモンド社) 渡会健著

    全社的に活用している 事業部で活用している 活用を検討している 活用してない この手法・技術を知らない
  11. 21 Copyright SHIFT Inc, All Rights Reserved. こんなに広がっている「なんちゃってアジャイル」これが日本の現状 こんなはずじゃ… なんちゃって

    スクラムの沼 これは、2025年11月13-14日に 開催された、Agile Japan2025という 日本最大のアジャイルイベントに おいて、シルバースポンサーの「ITプレ ナーズ」様が出展したブースで参加者に、 あなたのアジャイルはどこにいますか?を アンケートしシールを貼ってもらったものです。 他にも落とし穴的な状況は多々あれど、 ほとんどがこの「なんちゃってアジャイル」に 集中してはみ出していることがわかります。 有料イベントなので、それなりのアジャイル 経験者が集うなかでのこの結果。 いかに現状「なんちゃってアジャイル」が 広がってしまっているかがハッキリと可視化 されています。 ITプレナーズ様に許可を得て掲載
  12. 22 Copyright SHIFT Inc, All Rights Reserved. スウェーデンの航空機メーカー SAAB社 戦闘機の開発にスクラムを導入

    日本語での事例紹介の例 (Agile Japan 2019 平鍋氏の発表) • https://2019.agilejapan.jp/session.html#l-03 • https://2019.agilejapan.jp/2019/session/ten2-1_Scrum.pdf アメリカの 民間航空宇宙メーカー スペースX社 ファルコン9などのロケットなどを アジャイルで開発 参考:https://news.mynavi.jp/techplus/article/flight_proven-3/ ソフトウェアにとどまらず、こんな分野にもアジャイルを適用 とはいえ、アジャイルの導入の可能性は広がっている 日本のJAXA 小惑星探査機(はやぶさ2)を アジャイルで開発 PMI®が定期発行している 会員向け機関紙 『PM Network®』 (2019年2月号) 「はやぶさ2」プロジェクトの挑戦 参考:https://www.pmi.org/learning/library/rock-hoppers-japan-space- agency-applied-lessons-learned-land-jumping-robots-asteroid-11485 ) Ernst Vikne - originally posted to Flickr as JAS Gripen, CC 表示-継承 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=8602843 Go Miyazaki - 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=36294998 写真の出典はWikipedia
  13. 25 Copyright SHIFT Inc, All Rights Reserved. 私たちは、ソフトウェア開発の実践 あるいは実践を手助けをする活動を通じて、 よりよい開発方法を見つけだそうとしている。

    この活動を通して、私たちは以下の価値に至った。 プロセスやツールよりも個人と対話を、 包括的なドキュメントよりも動くソフトウェアを、 契約交渉よりも顧客との協調を、 計画に従うことよりも変化への対応を、 価値とする。すなわち、左記のことがらに価値があることを 認めながらも、私たちは右記のことがらにより価値をおく。 Kent Beck Mike Beedle Arie van Bennekum Alistair Cockburn Ward Cunningham Martin Fowler James Grenning Jim Highsmith Andrew Hunt Ron Jeffries Jon Kern Brian Marick Robert C. Martin Steve Mellor Ken Schwaber Jeff Sutherland Dave Thomas © 2001, 上記の著者たち この宣言は、この注意書きも含めた形で全文を含めることを条件に自由にコピーしてよい。 アジャイルソフトウェア開発宣言 https://agilemanifesto.org/iso/ja/manifesto.html アジャイルマニフェストとは ⚫ ここでは、価値実現のための抽象的な 4つの価値概念を示しています ⚫ 「これが最善ですので、従いましょう」ではなく、 最善について考えつづけましょうということを言っています ⚫ つねに進化しつづけるという意味です ⚫ ここでは、文字通り左記のことがらを 蔑ろにするのではなく、価値があることを認めながら、 右記のことがらにより価値をおきましょうと言っています ⚫ 宣言の中ではソフトウェア開発にフォーカスしていますが、 今ではソフトウェア開発以外にも使われているため ソフトウェア=成果物と読み替えられます 個人と対話 動くソフトウェア 顧客との協調 変化への対応 プロセスやツール 包括的なドキュメント 契約交渉 計画に従う 大事 もっと大事 だけど
  14. 28 Copyright SHIFT Inc, All Rights Reserved. アジャイル宣言の背後にある原則 私たちは以下の原則に従う: 顧客満足を最優先し、

    価値のあるソフトウェアを早く継続的に提供します。 要求の変更はたとえ開発の後期であっても歓迎します。 変化を味方につけることによって、お客様の競争力を引き上げます。 動くソフトウェアを、2-3週間から2-3ヶ月という できるだけ短い時間間隔でリリースします。 ビジネス側の人と開発者は、プロジェクトを通して 日々一緒に働かなければなりません。 意欲に満ちた人々を集めてプロジェクトを構成します。 環境と支援を与え仕事が無事終わるまで彼らを信頼します。 情報を伝えるもっとも効率的で効果的な方法は フェイス・トゥ・フェイスで話をすることです。 動くソフトウェアこそが進捗の最も重要な尺度です。 アジャイル・プロセスは持続可能な開発を促進します。 一定のペースを継続的に維持できるようにしなければなりません。 技術的卓越性と優れた設計に対する 不断の注意が機敏さを高めます。 シンプルさ(ムダなく作れる量を最大限にすること)が本質です。 最良のアーキテクチャ・要求・設計は、 自己組織的なチームから生み出されます。 チームがもっと効率を高めることができるかを定期的に振り返り、 それに基づいて自分たちのやり方を最適に調整します。 http://agilemanifesto.org/iso/ja/principles.html ⚫ 「アジャイル宣言の背後にある原則」は、 「アジャイルソフトウェア開発宣言」の4つの価値を実現するために 具体的に何をするべきかという行動指針です。 ⚫ とはいえ具体的な言及はせず、ある程度抽象化されているため、 時代が変わっても使える普遍的な行動指針になっています。 ⚫ 時代や状況の変化に合わせて、必要があれば文言は読み替える 必要があります。 ⚫ 「自分たちがアジャイルを実施できているか」を測る基準になりま す。定期的に自分たちに問いかけて見ましょう。 ⚫ アジャイルをはじめる際には、チームメンバーのみならず、 関係者全員が12の原則を理解することからはじめましょう。 12の原則を遵守しているか、または 遵守しようと努力しているか
  15. 29 Copyright SHIFT Inc, All Rights Reserved. 原則1の協働 顧客満足を最優先し、価値のあるソフトウェアを早く継続的に提供します。 “Our

    highest priority is to satisfy the customer through early and continuous delivery of valuable software.” プロジェクトの成功指標を「計 画の遵守率」から「顧客が価値 を実感するまでの時間」へと転 換させましょう。 チームと顧客の対話を促し、 「顧客にとっての本当の価値と は何か?」をつねに問いつづけ ることが、あなたの新しい役割 です。 具体的なヒント
  16. 30 Copyright SHIFT Inc, All Rights Reserved. 原則2の協働 要求の変更はたとえ開発の後期であっても歓迎します。 変化を味方につけることによって、お客様の競争力を引き上げます。

    “Welcome changing requirements, even late in development. Agile processes harness change for the customer’s competitive advantage.” 変更を管理・抑制する役割から、 変更がもたらす価値とコストを チーム・顧客とともに評価し、顧 客が価値を最大化するための意思 決定を支援するファシリテーター へと役割を変革しましょう。 つくる側の都合ではなく、使う側 の価値(競争力)を高めることが 大事です。 具体的なヒント
  17. 31 Copyright SHIFT Inc, All Rights Reserved. 原則4の協働 ビジネス側の人と開発者は、プロジェクトを通して日々一緒に働かなければなり ません。

    “Businesspeople and developers must work together daily throughout the project.” コミュニケーションの「パイプ役」で はなく、両者が直接かつ頻繁に話せる 「場と機会」を設計するコーディネー ターになりましょう。 情報の透明性を確保し、チーム全体が 常に同じ文脈を共有できるよう支援し ます。 そしてビジネスのプロとモノづくりの プロの協働を生み出しましょう。 具体的なヒント
  18. 32 Copyright SHIFT Inc, All Rights Reserved. 原則11の協働 最良のアーキテクチャ・要求・設計は、自己組織的なチームから生み出されます。 “The

    best architectures, requirements, and designs emerge from self-organizing teams.” チームに「How(どうやるか)」 を細かく指示するのをやめ、達成 すべき「Why(なぜやるか)」と 「What(何をすべきか)」を明 確に示し、解決策の探求をチーム に委ねましょう。 あなたの役割は、チームが自己組 織化できるよう、明確なゴール設 定とガードレール(制約条件)を 提供することです。 具体的なヒント 複雑な問題に対する最良の解決策は、一人の天才が トップダウンで設計するのではなく、多様な視点を 持つチームがボトムアップで生み出します。 自己組織化とは: 誰かに指示されるのを待つ のではなく、チームが自ら課題を発見し、解決 策を議論し、実行プロセスを決定し、行動する ことです。 なぜ最良なのか: 現場に最も近いメンバーが 持つ具体的な知見やアイデアが直接反映される ため、より現実的で、堅牢かつ革新的な解決策 が生まれやすくなります。
  19. 33 Copyright SHIFT Inc, All Rights Reserved. 原則12の協働 チームがもっと効率を高めることができるかを定期的に振り返り、 それに基づいて自分たちのやり方を最適に調整します。

    “At regular intervals, the team reflects on how to become more effective, then tunes and adjusts its behavior accordingly.” 究極の「協働」と は、チームが自分 たちの働きを「協 働」して改善し続 けることです。 「協働」、なくし て持続的なチーム の成長はなく、価 値の実現もできま せん。 具体的なヒント
  20. 40 Copyright SHIFT Inc, All Rights Reserved. スプリントを始める前にやるべきこと インセプションデッ キは、誰かがつくっ

    たものを共有ではな く、「協働」でつく ることが一番大事。 「協働」で作る過程 で全員の方向性が 合ったならば、10個 全部作る必要もない。 具体的なヒント プロジェクトの目的、スコープ、リスクなど を 10の質問を通じて明確にするワーク ショップ。 出典:アジャイルに困った時に読む本(ダイヤモンド社) 渡会健著
  21. 41 Copyright SHIFT Inc, All Rights Reserved. アジャイルで会議が多い本当の意味 スペシャリストの 知識が必要な場面

    は、会議を行って 全員で対応し、誰 もができる作用ま でタスクを落とし 込むのがポイント。 そうすれば、他の チームメンバーで も実行時にはスペ シャリストの知見 が入った手順で迷 わず作業できる。 具体的なヒント 出典:アジャイルに困った時に読む本(ダイヤモンド社) 渡会健著
  22. 44 Copyright SHIFT Inc, All Rights Reserved. やらせてもらえないアジャイルとやらされアジャイル • 症状:

    現場はアジャイルで進めたいが、マネジメントがWF的な管理 (詳細な事前計画、マイクロマネジメント)を手放さない。 • 結果: チームに権限がなく、自律的に動けない。「許可待ち」でス ピードがでない。 • 症状: 経営層の号令で導入が決まるが、現場は目的を理解せず、 手法だけを強制される。 • 結果: チームは「なぜやるのか」が分からず主体性が生まれず、 朝会やふりかえりが形骸化する。 組織から現場へ:権限移譲(Empowerment) 何を: 「How(どうつくるか)」の意思決定を チームに委ねる。 なぜ: 現場が最も状況を理解しており、最速で 最善の判断ができるため。 効果: チームの当事者意識と責任感が向上する。 現場から組織へ:透明性(Transparency) 何を: チームの状況(進捗、課題、リスク)を 正直かつタイムリーに共有する。 なぜ: 組織が安心して任せられるようになり、 適切な支援を行えるようにするため。 効果: 組織は建設的なサポートが可能になる。 権限移譲 透明性 組織 現場 出典:アジャイルに困った時に読む本(ダイヤモンド社) 渡会健著