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July 03, 2025
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Distinct ERP profiles for auditory processing in infants at-risk for autism and language impairment

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  1. Distinct ERP profiles for auditory processing in infants at-risk for

    autism and language impairment 北海道大学 情報科学院 修士2年 進藤 稜真 - Ryoma SHINTO 2025/7/2 (Thu)
  2. 今回紹介する論文 1 Distinct ERP profiles for auditory processing in infants

    at-risk for autism and language impairment Title : 自閉症および言語障害のリスクを持つ乳児における聴覚処理の ERP プロファイルの違い Journal Name & Publication Year : Scientific Reports, 2018 First and Last Authors : DOI : Valentina Riva, Massimo Molteni https://doi.org/10.1038/s41598-017-19009-y
  3. Introduction - 目的と背景 01 4 自閉症および言語障害のリスクを持つ乳児における聴覚処理のERP の違いを 明らかにし, これらを早期に識別するための特徴を解明する 本論文の目的:

    研究背景: ・ASD は言語・社会性の障害+反復的行動を伴う遺伝的神経発達障害 貢献: ASD とLI のリスク児(HR-ASD, HR-LI) を直接比較した初のERP 研究 特に低レベル音声刺激へのERP 反応(P3, MMR )に注目 12 ヵ月時点における言語発達遅延とASD リスクの神経マーカーを発見 ・行動症状の出現は生後24 ヶ月以降が多く、診断は3 歳以降になることが多い ・ASD とLI( 言語障害) は, 早期言語習得遅延が共通。一部遺伝的な重なりも報告。 ・ASD とLI の神経基盤の違いは明確でなく、乳児期の識別が難しい。
  4. Introduction - 自閉症(ASD) と 言語障害(LI) 01 自閉症(ASD) 5 言語障害(LI) ・主な症状

    社会的相互作用・コミュニケ ーションの困難 限定的・反復的な行動 ・遺伝的要因と診断時期 遺伝率64〜91% 行動症状は24ヶ月頃に出現、 診断は平均3歳以降 ・主な症状 音の一時的特徴(時間・周波数) を捉えるのが困難 音声・非音声刺激へのERP異常 (MMR, P3)も報告 ・ASDとの共通点 言語遅延・感覚過敏 聴覚処理の異常が共通基盤の 可能性
  5. Methods - 研究デザイン概要 02 参加者 7 ASD ハイリスク児 (HR-ASD) :20

    名 ( 男:10/ 女:12) LI ハイリスク児 (HR-LI) :19 名 ( 男:14/ 女:6) 定型発達児 (TD) :22 名 ( 男:13/ 女:6) 測定スケジュール 12 ヵ月児:ERP 測定( 次ページ) 20 ヵ月児:Language Development Survey (LDS), M-CHAT 質問票 ( 次々ページ) HR選定基準 1 人以上の兄弟姉妹が ASD / LI の診断を受けていること 家族性リスクに基づいてHR と特定された乳児における発症率 ASD :約20.45% LI :約30.56% ※ イタリア人
  6. Methods - 12ヵ月児に対するERP実験設定 02 構成刺激:すべての刺激は「2音のペア」 8 1 音目(全条件共通) :周波数 100Hz,

    長さ 70ms 標準刺激 (STD), 2 音目:周波数 100Hz, 長さ 70ms 周波数逸脱刺激 (DEVF), 2 音目:周波数 300Hz, 長さ 70ms 持続時間逸脱刺激 (DEVD), 2 音目:周波数 100Hz, 長さ 200ms → 同じ音が二回鳴る → 周波数( 音の高さ) 変更 → 音の長さ変更 提示方式:受動的に聞き続けるだけ (passive oddball paradigm) STD (80% ), DEVF (10% ), DEVD (10% ) DEV 刺激の直前には必ず3 つ以上のSTD 刺激が入る 各ペア間の間隔(ITI )は700 ~900 ミリ秒(ランダム) Figure 5 :
  7. Methods - 20ヵ月児の評価指標 02 9 Language Development Survey (LDS) M-CHAT質問票

    乳幼児の行動に基づいてASDリスクを 評価するためのチェックリスト 社会性およびコミュニケーションに関わる6項目 (クリティカル項目)は、ASDの判別力が最も高い (1) お子さんは他の子どもに興味を示しますか? (2) お子さんは人差し指を使って何かを指し示したり、興味 を示したりしますか? (3) お子さんは物を親のところに持ってきて、何かを見せよ うとしますか? (4) お子さんはあなたの真似をしますか?(例:顔表情) (5) お子さんは名前を呼ばれたときに反応しますか? (6) あなたが部屋の向こうのおもちゃを指さしたとき、お子 さんはそれを見ますか? 本研究では、これらのうち2項目以上が「いいえ」と 回答された場合、ASDの症状を示しているとみなす ・14の意味カテゴリ (例:食べ物、動物、人、乗り物) ・310語 (例:パパ, スーパーマーケット) 子供が実際に発話する語の数を語彙スコアとする 18〜35ヶ月齢児の基準データが存在し、 これらの基準に対するパーセンテージで測る ※ イタリア語版
  8. Results - 波形解析 03 11 Figure 1 : Grand average

    waveforms for the three groups. 各群(TD, HR-ASD, HR-LI)の平均ERP波形を 左右の前頭中央部(fronto-central)から抽出 四角で囲まれた領域を統計分析 時間窓:350〜620ms DEVF, DEVD波形のピーク → P3 MMRF (DEVF – STD), MMRD (DEVD – STD) MMRF(周波数差分波) :ピークは約450ms MMRD(長さ差分波) :ピークは約520ms → DEVD刺激に対する反応の方が遅い Mismatch Respomse(MMR) : ・脳が音の変化を“検出した”ことを反映 ・逸脱音(DEV)と標準音(STD)の差分 ERP反応の時間的特徴
  9. Results 03 12 Figure 2. Topographical maps of the distribution

    of P3 amplitude ※ P3 刺激呈示からおよそ300ms後に出現する正の電位波 予測外の刺激や、意味のある変化に対して出現
  10. Results - 統計分析 03 13 P3振幅のグループ間比較 DEVF:全グループでDEVF > STD DEVD:HR-ASD

    > TD(p=0.027) HR-LIは中間的 (統計的には非有意) 図:Fig.3A (DEVD) 時間窓内の平均P3振幅 Table 1. Descriptive statistics of the P3 amplitude and MMR latency separate Figure 3. Bar graphs 潜時の長さが有意 全体的に MMRD > MMRF HR-ASD, HR-LI > TD 図:Fig.3B (MMR) MMRDとMMRFピークの平均 MMR潜時のグループ間比較 *は統計的に優位な差がある関係 *は統計的に優位な差がある関係
  11. Discussion - HR-ASDとHR-LIに共通する神経指標 04 16 ・HR-ASDとHR-LIの両群において、MMRの潜時がTD群より有意に遅延 (Figure3. B) ・MMRD潜時の短さが20ヶ月時点の語彙数と有意に相関 (Figure4.

    左図) 考察① HR-ASDとHR-LIに共通する神経指標:MMR潜時の遅延 ・本実験から得た根拠 ・過去研究との整合性 ・2ヶ月児時点でLIリスク児にMMR遅延が確認された研究とも一致 Friedrich, M., Weber, C. & Friederici, A. D. Electrophysiological evidence for delayed mismatch response in infants at-risk for specifc language impairment. Psychophysiology 41, 772–782 (2004).
  12. Discussion - ASDに特異的な神経指標 04 17 ・P3平均振幅の増大はHR-ASDのみに見られた (Figure3. A)  → 特に

    STD および DEVD 条件で顕著 ・DEVDに対するP3振幅が大きい乳児ほど、M-CHATスコアが高い (Figure4. 右図) 考察②:ASDに特異的な神経指標:P3振幅の増大 ・本実験から得た根拠 ・理論的背景: 「Enhanced Perceptual Functioning」仮説との整合性 ・ASDは低レベルの知覚情報に過敏で、局所情報への過剰特化が見られるとする仮説に一致 ・STD刺激に対してもP3が増大している(Table 1)ことから、単なる変化検出ではなく、 知覚過敏の可能性
  13. Conclusion 05 19 12ヶ月児のERP測定により、ASD・LIリスク児を識別可能 MMR潜時の遅延は、HR-ASD・HR-LI共通 → 言語発達の遅れと関連 P3振幅の増大は、HR-ASDに特異的 → ASD関連症状と関連

    MMRとP3は、それぞれ言語遅延とASDリスクの神経マーカーとなり得る 本研究の結論 研究の限界 20歳児のASD症状評価は親による質問紙(M-CHAT)のみに依存 各群のサンプルサイズが小さい 性比の偏り:ASD/LIに多い男児過多を反映していない 今後の課題 直接観察による臨床評価の導入 性差を考慮したP3・MMRの性別比較研究 ASDとLIの鑑別診断支援ツールとしてのERP応用可能性
  14. END