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September 10, 2025

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shunsuke mori

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  1. カテゴリー戦略とは ▪ カテゴリー戦略=No.1になれる新市場をつくること ナンバーワンブランドに共通するのは、どのブランドも、新しい市場を創造し、 カテゴリーとして⼀番⼿のポジションを実現し続けていることです。 私たちが普段「市場」と呼んでいるものは、実は企業が勝⼿に定義しているので はなく、顧客の頭の中に存在しています。「⻭磨き粉」「エナジードリンク」 「スマートフォン」といった⾔葉は、単なる商品名ではなく、顧客の認識によっ て形成されたカテゴリーです。 カテゴリー戦略とは、この「顧客の頭の中の引き出し」を新しくつくり出し、そ

    の第⼀想起(No.1)に⼊り込むことを狙う戦略です。 既存カテゴリーで⼀番⼿になれなければ、カテゴリーを創造して⼀番⼿になるこ とが重要です。ほとんどのカテゴリーにおいて、⼈々は2つ、多くて3つのブラ ンドを想起し、その中から購⼊するものを選択するといわれています。 カテゴリー戦略の本質は、既存の⼟俵で戦うのではなく、新しい市場を⾃らの⼿ で創出し、そこに旗を⽴て、未開の地でNo.1となることにあります。これは 「既存市場での消耗戦」ではなく「新市場での先駆者利益」を得る⽅法であり、 既存のルールで戦わず、⾃分に有利なルールを新たに作り出す考え⽅です。 既存カテゴリー 新規カテゴリー 競合A ロボット掃除機 ルンバ なら スキマバイト タイミー なら フードデリバリー Uber Eats なら 宅急便 ヤマト なら SFA Salesforce なら ほとんどの⼈は同じブランド名/サービス名を思い浮かべる = 第⼀想起を獲得できている ⾃社 競合 B 競合 C ⾃社
  2. カテゴリー戦略が現代に重要な理由 ▪ 顧客からの第⼀想起を獲得せよ カテゴリー戦略は新しい概念ではなく、カテゴリー⾃体は20世紀末から重要視 され続けてきました。しかし、VUCA(ブーカ)と呼ばれる時代に⼊り、さらに その重要性が増していると⾔われています。 従来のマーケティングでは、「ブランド選好モデル」が重視されてきました。顧 客が検討する商品群の中から、選ばれるブランドになること、そして競合に打ち 勝つことに集中する戦略を取っていましたが、現代では、同時に「ブランド‧レ レバンスモデル」を考える必要があります。

    ブランド‧レレバンスモデルとは、特定のカテゴリーにおいて、顧客にとって 「関連性(レレバンス)」のあるブランドが選ばれ、⽣き残るという考え⽅で す。「レレバンス」は、「頭に浮かぶ」「馴染みがある」と考えると捉えやすい かと思われます。 常に変化によって⽣まれる⼈々の課題に注視し、またテクノロジーやソリュー ションの進化にキャッチアップしながら、⼈々に選ばれる新しいカテゴリーを創 造し、そのカテゴリーでNo.1になることが求められています。 カテゴリー創造者は、市場の定義そのものを主導し、評価基準を設定する特権を 持ちます。この特権こそが、現代における最も強⼒な競争優位性となります。
  3. カテゴリー戦略の5つのメリット その1 カテゴリー戦略は単なるマーケティング施策ではなく、企業全体を貫く経営戦略 です。経営層から営業、⼈事、開発に⾄るまで全部⾨が関わり、さらには顧客も 巻き込む包括的なアプローチです。 製品開発から⼈材採⽤まで、ビジネスのあらゆる側⾯に影響を与えるこの戦略の メリットを5つ解説します。 ① 市場優位性の確⽴:「⽐較検討すらされない」圧倒的な存在感を築く ②

    ⾮連続な成⻑:「カテゴリーの価値基準」そのものをデザインする ③ 収益構造の⾰新:「価格と価値の関係性」を⾃ら構築する ④ 組織の⼀体化と⾰新:「理念と⾏動」を強固に結びつける ⑤ ⼈材エコシステムの構築:「ビジョンに共感する優秀な⼈材」を引き寄せる ▪ ① 市場優位性の確⽴ あらゆる市場が飽和し、多くのカテゴリーで激しい競争環境が⽣まれている現在 にとって、多くの企業が頭を悩ませているのが「コモディティ化」の問題です。 コモディティ化とは、製品やサービスの違いが分かりにくくなり、結局は価格だ けの競争になってしまう状態です。 カテゴリー戦略の最⼤のメリットは、このコモディティ化から脱却できることで す。例えば、「電気⾃動⾞」といえばテスラが真っ先に思い浮かぶように、新し いカテゴリーと⾃社ブランドを強く結びつけることができれば、他社との⽐較検 討の段階に⼊る前に選ばれる状態を作れるのです。 A 社 価格競争に陥ってしまう = コモディディ化 “⾃動⾞”カテゴリー “電気⾃動⾞”カテゴリー T社 新カテゴリーを創出する = 他社と⽐較されずに勝つ B 社 C 社 D 社 E 社 F 社
  4. カテゴリー戦略の5つのメリット その2 ▪ ② ⾮連続な成⻑ 既存市場での競争は、いわば「ゼロサムゲーム」です。誰かのシェアが増えれ ば、誰かのシェアが減る関係になっています。⼀⽅、カテゴリー戦略では、新た な市場区分を創り出すことで⾮連続的な成⻑が可能になります。 カテゴリー戦略の実践者は、そのカテゴリーにおける「価値のルール」を⾃ら定 義できるという⼤きな利点があります。どのような機能や性能が重要で、何が良

    い製品‧サービスなのかという評価基準そのものを設定できるのです。 多くの場合、スタートアップや新規事業において、既存カテゴリーに後から参⼊ して⼀番⼿を獲得することは現実的ではありません。⾃ら新カテゴリーを創造 し、その内部を⽀配していくことが、成⻑の源泉になっていきます。 ▪ ③ 収益構造の⾰新 カテゴリー戦略の3つ⽬のメリットは、プライシング(価格決定)の⾃由度が⾼ まることです。ビジネスにおいて、適切な利益を確保することは持続的成⻑のた めに不可⽋ですが、新たなカテゴリーを創出することで、既存の価格相場に縛ら れない独⾃の価値基準で価格を設定できるようになります。 例えば、レッドブルは従来の栄養ドリンクとは⼀線を画した「エナジードリン ク」というカテゴリーを確⽴。栄養ドリンクの相場を⼤きく上回る価格設定が可 能になりました。カテゴリー戦略によるプライシングの再定義は、価格と価値の 関係性そのものを変え、「この価格だからこそ、この価値がある」という新たな ⽂脈を作ることができるのです。 既存カテゴリー 新規カテゴリー A社 B社 C社 S社 栄養ドリンクとエナジードリンクの差 原価 40〜60% 販促/流通 10〜20% 利益 10〜20% 100円 その他 10〜20% 原価 25〜40% 販促/流通 20〜30% 利益 20〜30% 200円 その他 10〜20%
  5. カテゴリー戦略の5つのメリット その3 ▪ ④ 組織の⼀体化と⾰新 カテゴリー戦略の4つ⽬のメリットは、企業のミッション‧ビジョンを具体的な 実務に落とし込む架け橋となることです。多くの企業がミッションやビジョンを 掲げていますが、それが⽇々の業務にどう結びつくのか、社員が実感できない ケースも少なくありません。 例えば、パタゴニアの「環境に配慮したアウトドアウェア」というカテゴリーポ

    ジションは、同社の環境保護への強いコミットメントというミッションを製品開 発や事業活動の中⼼に据えることを可能にしました。 カテゴリー戦略の実践には、「何が⾃社の強みか」「どのような顧客ニーズに応 えるのか」「何を⼤切にするのか」という本質的な問いに向き合う必要がありま す。この過程で、企業理念と事業活動の⼀貫性が強化されていきます。 ▪ ⑤ ⼈材エコシステムの構築 カテゴリー戦略の5つ⽬のメリットは、採⽤市場における競争⼒の向上です。優 秀な⼈材は単に給与や福利厚⽣だけでなく、「⾃分の仕事が社会にどんな影響を 与えるか」「どれだけ成⻑できるか」といった要素も重視します。新しいカテゴ リーを創造し、市場をリードする企業は、⼈材からも「働きたい会社」として選 ばれやすくなります。 また、カテゴリーリーダーとしての地位は、業界内での知名度や評判を⾼め、採 ⽤活動における認知度の向上にもつながります。創造性と⾰新を重視する⽂化 は、チャレンジ精神旺盛な⼈材を引きつける磁⽯のような役割を果たすのです。 既存カテゴリー 新規カテゴリー MVV 実務 連動できていないことが多い × MVV 実務 連動させることができる カテゴリーリーダーとしての地位を確⽴ 社会への 影響 ⾮連続な 成⻑実現 知名度 の向上 優秀な⼈材を獲得しやすくなる
  6. カテゴリー戦略事例 その1 ▪ 事例① ⾻伝導イヤホン「Shokz」 Shokz (ショックス。旧:AfterShokz)は、「⾻伝導イヤホン」とい う新たなカテゴリーを切り拓き、市場に定着させたリーディングブラ ンドです。2023年には全世界での累計販売台数が1,500万台を突破 し、⾻伝導イヤホン市場の70%以上(2023年1⽉時点)を占めるな

    ど、圧倒的なシェアを獲得しています。 Shokz は、⾻伝導という頭の⾻を通じて⾳を内⽿に伝える技術を⽤い て、「⽿をふさがずに⾳楽を聴けるイヤホン」を製品化しました。特 にこのコンセプトが響いたのが、ランナーやサイクリストといったス ポーツユーザー層です。 屋外で運動する⼈々にとって、「イヤホンで⾳楽を聴きたいが、周囲 の⾞や⼈に気付きにくい」というトレードオフは、⻑年の潜在課題で した。Shokz はこの潜在課題を捉え、「⾻伝導イヤホンなら、⽿をふ さがないから安全で快適」という独⾃価値を提供しました。 特に注⽬すべきなのは、コミュニケーションにおいて、ランナーが⾻ 伝導イヤホンを活⽤しながら爽快に⾛り抜けるシーンを効果的に活⽤ していることです。「⾻伝導イヤホン」というキーワードだけでは伝 わりにくい価値を、直感的に伝えることができている秀逸な事例だと ⾔えます。 ▪ 事例② ⾼級ティッシュ 「⿐セレブ」 ネピアの「⿐セレブ」は、「⾼級ティッシュ」という新たなカテゴ リーを確⽴した好例です。それまでティッシュは「安くて⼤量に使う 消耗品」という既成概念が強く、花粉症による⿐周りの肌荒れも「仕 ⽅ない」と諦められていました。 当初は保湿成分配合の「ネピアモイスチャーティッシュ」として発売 されましが、真の価値が伝わらず苦戦。「⿐セレブ」への改名と、⿐ が特徴的な動物をパッケージにした戦略的転換により、「セレブ御⽤ 達」という⾼級感と「⾃分の⿐を⼤切にする」という新しい価値観を 提案しました。 その結果、売上は10倍に急増。「いたわる」「ご褒美」「かわい さ」という、ティッシュに全く新しい意味づけを加えることで、価格 よりも価値を重視する新たな市場を創造することに成功したのです。 この事例は、既存の課題が当たり前だと⾒なされている領域にこそ、 事業の余地が⼤きいことを⽰しています。そして、潜在課題を解決す る独⾃価値、その価値の体験、さらに動物のようなわかりやすいイ メージを作り直感的に訴求することが、新たなカテゴリーの浸透につ ながることを教えてくれます。
  7. カテゴリー戦略事例 その2 ▪ 事例③ ロボット掃除機「ルンバ」 ロボット掃除機、特に市場を切り拓いたiRobot社の「ルンバ」は、家 事の概念を変⾰し「家事の⾃動化」という新たなカテゴリーを確⽴し た好例です。2002年の初代ルンバ発売以来、現在では数多くの企業が 参⼊する⼤きな市場へと成⻑しています。 このカテゴリー創造の背景には、共働き世帯の増加や個⼈の⾃由時間

    の価値向上といった社会変化がありました。「⽇々床が汚れるが、忙 しく時間が限られる中で隅々まで掃除する⼿段がない」という潜在課 題に対し、「⾃動掃除で⼿間を最⼩限に、確実に床を綺麗にできる」 という価値を提供しました。 カテゴリー名としての「ロボット掃除機」は、その名称だけで価値が 直感的に伝わる優れたネーミングでした。特にルンバは技術的価値だ けでなく、⼦どもやペットと過ごす温かな⽇常の中で、静かに、そし て頼もしく働くロボットの姿を伝えることで、単なる掃除機ではなく 「家族の⼀員」のようなポジションを確⽴しました。 この成功は、単に製品機能だけでなく、「掃除という家事の解放」と いう⽣活者のより⼤きな⽂脈の中での価値提案が、新しいカテゴリー を確⽴する上で重要であることを⽰しています。ロボット掃除機は、 その後の⾷洗機の普及や洗濯乾燥機の進化など、「家事の⾃動化」と いう⼤きなカテゴリーの先駆けとなりました。 ▪ 事例④ ⾷べるラー油「⾟そうで⾟くない少し ⾟いラー油」 2009年に登場した「⾷べるラー油」は、調味料カテゴリーに⾰命を 起こした好例です。特に桃屋の「⾟そうで⾟くない少し⾟いラー油」 は、その⽕付け役として知られています。 このカテゴリー創造の本質は、調味料だったラー油を「そのまま⾷べ られるおかず」として再定義した点にあります。それまでラー油は単 体で⾷べるという発想は⼀般的ではありませんでした。しかし、フラ イドガーリックやフライドオニオンなどの具材を加えることで、ご飯 に直接のせて⾷べるという新しい⾷習慣を提案したのです。 ⼀時的な流⾏に⾒えたこの商品は、驚くべきことに市場に定着し、⼀ つの⾷⽂化を形成。2009年のラー油市場は18億円規模でしたが、 2010年には121億円と爆発的に拡⼤。ブーム後も2020年には41億円 と、ブーム前と⽐較して2倍以上の市場規模を維持しています。 特筆すべきは、売り場⾰新によるカテゴリー浸透です。「⾷べるラー 油」の登場により、おかず、ふりかけ、ご飯のお供といった棚にも展 開されるようになり、顧客接点が⼤幅に広がりました。これは既存の 商品カテゴリーの使われ⽅を⾒直し、⾏動そのものを再設計すること で、新しいカテゴリーが創造できることを⽰す好例です。
  8. カテゴリー戦略事例 その3 ▪ 事例⑤ SaaS「Salesforce」 セールスフォースは、企業向けソフトウェア市場において⾰命的な変 化をもたらしました。彼らが登場する以前、企業向けソフトウェアは ⾼額なライセンス料を⽀払って購⼊し、⾃社のサーバーにインストー ルして運⽤する「オンプレミス型」が当たり前でした。 セールスフォースの創業者マーク‧ベニオフは、この状況に疑問を投

    げかけ、「Software as a Service(SaaS)」という全く新しいカテ ゴリーを創造。ソフトウェアをインターネット経由でサービスとして 提供し、⽉額制のサブスクリプションモデルで利⽤できるようにした のです。 セールスフォースは単に技術的な⾰新を⾏っただけではありません。 彼らは「Why buy software when you can rent it?(なぜソフトウェ アを買う必要があるのか、借りればいいじゃないか)」という新しい 考え⽅を市場に浸透させるために、積極的なマーケティング活動を展 開しました。 セールスフォースの事例から学べることは、新カテゴリーの創造が単 に製品の技術的⾰新にとどまらず、市場の認識を変え、新しい価値観 を浸透させるための⼀貫した取り組みが必要だということです。 ▪ 事例⑥ インテントセールス「Sales Marker」 Sales Markerは、BtoB営業分野で「インテントセールス」という新 カテゴリーを確⽴した企業です。これは海外の「セールスインテリ ジェンス」を⽇本市場向けに再定義したもので、企業の検索⾏動や興 味関⼼といった「インテント(意図)」を分析し、ニーズを持つ⾒込 み客に最適なタイミングでアプローチする顧客起点の営業⼿法です。 従来のBtoB営業は、潜在顧客への⼤量のアプローチによる「宝探 し」的な⾮効率さが課題でした。Sales Markerは「WEB検索データを 元に、今ニーズがある企業を特定し、タイムリーにアプローチでき る」という解決策を提供。この価値提案は、営業担当者の無駄な活動 を減らし、顧客にとっても関⼼のあるタイミングで適切な情報を得ら れるという双⽅向のメリットを⽣み出しています。 注⽬すべきは、単にツールを提供するだけでなく、SFA/CRMツール やマーケティングメディア、コンサル企業などと連携したエコシステ ムを構築し、カテゴリーの浸透を加速させている点です。既存概念の 単純な輸⼊ではなく、⽇本市場に合わせた再定義と明確なビジョンに より、500社以上の導⼊実績と営業⽣産性の向上を実現しています。
  9. カテゴリー戦略実践4STEP その1 新カテゴリーを創出するためには、①「顧客が抱える潜在課題」を捉えた上で、 ②「独⾃価値」、③「想起」、④「連想」の論点から設計することが必要です。 これらを1つの戦略モデルとしてまとめたものが、カテゴリー戦略モデル 「4C 」です。 ▪ STEP1:顧客が抱える「潜在課題」を⾒極める カテゴリー戦略の出発点は、顧客が「⾔語化できていない課題」を

    発⾒することです。 多くの企業は「顧客の声を聞け」というアドバイスに従い、 アンケートやインタビューで明⽰的なニーズを集めようとします。 しかし、⾰新的なカテゴリーは、顧客⾃⾝も気づいていない潜在的な課題から⽣ まれることが多いのです。 「いつどこで、誰が、何を、どんなふうに」という観点で、お客様の認知‧ 購⼊‧利⽤に関する⾏動フロー、思考プロセス、感情の変化をヒアリングし、事 実に基づく理解から、顧客が有する潜在課題の仮説を⽴てることが重要です。 また、潜在課題を捉えるには、アンケートやインタビューだけでなく、 顧客の⾏動観察や⽂脈理解も必須です。「顧客が何を⾔っているか」ではなく、 「顧客が何をしているか、何に不満を感じているか」を深く観察しましょう。 カテゴリー戦略モデル “4C” 1.Customer Problem 顧客が抱える 「潜在課題」 を 見極める 3.Category Keyword 2.Category Value 4.Category Perception 顧客にとっての 「独自価値」 を定義する 顧客が価値を 「想起できるキーワード」 (=カテゴリー名)を定義する 顧客が価値を 「直感できるイメージ」 を定義する When どのような時‧シーンで課題に直⾯するか? Where どのような場所‧機会で課題に直⾯するか? Why 何が真の課題か?(=潜在課題) WHO 顧客が直⾯している顕在課題は? and / or “顧客が諦めている/⾔語化できない潜在課題を⾔語化する”
  10. カテゴリー戦略実践4STEP その2 ▪ STEP2:顧客にとっての「独⾃価値」を定義 潜在課題を⾒つけたら、次はそれを解決する「独⾃の価値」を定義します。 ここで⼤切なのは、⾃社の強みと掛け合わせることです。 「誰もが気づいていない課題」を発⾒しても、それを解決する能⼒がなければ意 味がありません。逆に、⾃社の強みを活かせる課題であれば、持続的な競争優位 性を確⽴できます。 例えば、Apple

    iPadが「タブレット」というカテゴリーを確⽴したのは、 Appleのハードウェア設計⼒やソフトウェア開発⼒という強みと、 「PCほど複雑ではないが、スマートフォンより⼤きな画⾯で直感的に操作 したい」という潜在ニーズを掛け合わせることで実現しました。 独⾃価値の創出とは、単なるスペックやアイデアの発明ではなく、 特定の顧客層と彼らの潜在課題に対する最適な解決策をピンポイントで ⾒つけ出すプロセスです。これは⼀度の試みで完成することはほとんどなく、 思考の解像度を上げ、仮説検証を繰り返す中で少しずつ磨かれていくものです。 ⾃社の強みは何か、それはどんな顧客課題と相性がいいのか、競合が簡単に 真似できない価値は何か。これらの問いを丁寧に検討してみましょう。 2.Category Value カテゴリ 独⾃価値 価値根拠 (RTB) ⾃社だけが顧客に 提供できる重要価値 顧客に価値を提供できると 信じられる理由 インテントセールス 今ニーズのある 顧客が分かるから いい商談が獲得できる WEB検索⾏動などの インテントデータ スキマバイト スキマ時間に すぐ働けて すぐお⾦がもらえる 求⼈掲載数No.1 700万⼈が利⽤ “顧客の差し迫った課題を解決できる or 明確に重要な価値を⾔語化する” KPIに紐づく 重要な価値 差し迫った課題を 解決する価値
  11. カテゴリー戦略実践4STEP その3 ▪ STEP3:顧客が価値を「想起できるキーワード」 (=カテゴリー名)を定義 独⾃価値を定義したら、それを「想起しやすい形」に落とし込みます。 これが、多くの企業が⾒落としがちな重要なステップです。 いくら⾰新的なカテゴリーを作っても、顧客の記憶に残らなければ意味が ありません。カテゴリー名やコンセプトは、シンプルで直感的、そして記憶に残 るものである必要があります。

    特にスタートアップや新規事業、テクノロジー系のプロダクトでは、 新しい価値を届けるために新しい概念が必要になるため、この設計の精度が 事業が広がるスピードと規模の両⽅に⼤きく影響します。 適切なカテゴリー名は拡散が早く、間違った定義は市場浸透の速度を 遅らせるだけでなく、最終的な市場の広がり⾃体も制限してしまいます。 専⾨的な⽤語や複雑な説明は避け、「こういうものです」と⼀⾔で説明できるシ ンプルな表現を⽬指しましょう。⼦どもにも説明できるくらいシンプルな ⾔葉が理想的です。 2.Category Value 新規性 分かりやすさ ⾔いやすさ 社会性/トレンド 競合優位 信頼性 “たった⼀⾔のキーワードで、独⾃価値を浸透させる” “スキマ バイト” 課題に応える 新しい価値 既存 カテゴリー + 満たすべき要素 必要な要素 *ただしCategory Perceptionで補完も可能 “クラウド 会計 ” 社会性⾼い 新しい価値 既存 カテゴリー + “⾻伝導 イヤホン ” 課題に応える 新しい価値 既存 カテゴリー +
  12. カテゴリー戦略実践4STEP その4 ▪ STEP4:顧客が”価値を直感できるイメージ”を定義 最後に、定義したカテゴリーを「連想しやすい形」に落とし込みます。 これは、顧客のどんな場⾯や状況と結びつけるかを考えるステップです。 重要なのは、顧客が真に「価値を強く感じる瞬間」を正しく捉えることです。 どのタイミングで、どの接点で、なぜその価値が⼼に刺さったのか。 これを深く理解するには、顧客インタビューなどを通じて、実際の体験を 「いつどこで、誰が、何を、どんなふうに」という観点で分析することが

    ⽋かせません。 価値認識の瞬間を特定し、最も価値を伝えるのに必要なイメージを設計していく ことが、強いカテゴリーをつくる鍵となります。 ⾔葉で「想起」させて着⽕した⽕を、イメージで「連想」させて⼤きな炎へと変 えていく。こうしたステップを経て、あなたが創出したカテゴリーは、 お客様の頭の中で揺るぎないポジションを築いていくこととなります。 “独⾃価値を直感できるイメージをつくる、ただし⼀瞬で” “プラズマクラスターは シャープだけ♩” ビジュアル 歌詞 サウンド キャラクター モーション グラフ / 図 空気清浄機 プラズマクラスター SFA (THE MODEL) ⾷べるラー油
  13. BtoBにおけるフェーズ別カテゴリー浸透施策 その1 ▪ Phase1:イノベーター向け この段階では、最初のお客様になる「イノベーター層」に向けて、 新カテゴリーの仮説を市場に投げかけ、初期反応を観察します。 市場全体を狙う前に、⼩さく鋭く刺さる領域がどこにあるかを探索し、 想定していたコアターゲットに対して課題仮説が当てはまっているか、 独⾃価値が本当にフィットするのかを検証しましょう。 ‧PR(toC/toB):カテゴリーを社会に投げかける

    ‧展⽰会(toC/toB):顕在層接点でカテゴリー浸透と検証を実現する ‧イベントブランディング(⼤規模イベント‧カンファレンス) (toB):  お客様との強い接点をカテゴリー浸透の起点とする ‧オウンドメディア (カテゴリーSEO、SNS発信、キング事例) (toC/toB):  カテゴリーにおける課題啓蒙と信頼獲得の⼟台をつくる ‧動画チャンネル(toC/toB):リアリティから理解‧共感を⽣み出す ‧インフルエンサー活⽤(toC中⼼):インフルエンサーのインサイトと影響⼒を  活⽤する
  14. BtoBにおけるフェーズ別カテゴリー浸透施策 その2 ▪ Phase2:アーリーアダプター向け 次の段階では、より広範に新しい価値を求める「アーリーアダプター層」に 向けて、カテゴリーの意義や有⽤性を伝えていきます。 このフェーズは、製品やサービスに対する「社会的証明」を積み上げていく 段階であり、信頼の獲得が鍵となります。初期導⼊企業の事例や成功体験、 共感を⽣むコンテンツなどを通じて、カテゴリーの存在と意味を社会に じわじわと浸透させていくイメージです。

    ‧タクシー広告‧エレベーター広告(toB中⼼):BtoBマスメディアで決裁者に  カテゴリー啓蒙を⾏う ‧コミュニティ‧アンバサダー施策 (toC/toB):顧客との深い関係性を基盤に  カテゴリー浸透を加速する ‧パートナーマーケティング/アライアンス(toC/toB) :カテゴリー浸透の輪を  確実に広げる ‧シンクタンク‧リサーチPR(toB中⼼):ファクトで啓蒙を加速させる
  15. カテゴリー戦略ファーム「suswork」   Category Strategy - 戦略策定 カテゴリー戦略 (WHO / WHAT

    / HOW) を1-2ヶ⽉の戦略プログラムで策定。 Category Growth - 戦略伴⾛ カテゴリー戦略から事業成⻑にむけた戦略実⾏、「勝ち筋」発掘に伴⾛。 グロース OS - ⼈材育成 「AI時代の仕事術」を学べる完全無料のe-ラーニング。 会社概要 カテゴリー戦略策定 Category Strategy カテゴリー戦略を起点に 事業成⻑を実現せよ グロース実績豊富な専⾨家が 戦略⽴案を⽀援 顧客起点の5ステップワークで WHO/WHAT/HOWを体系化 実務で活⽤できるドキュメント キットや仕組みづくり 最短1ヶ⽉で 戦略をアウトプット 専⾨的 体系的 実務的 
 短期集中 
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  16. 会社概要 suswork株式会社 代表取締役 ⽥岡 凌 京都⼤学卒業後、ネスレ社にてネスカフェ、ミロのブランド担 当。外資系ブランドマーケティング責任者を経て、マーケティング スタートアップ CMOに。 現在、suswork株式会社

    代表取締役として、スタートアップから ⼤⼿企業まで約30社の事業成⻑、カテゴリー戦略を⽀援。株式会 社Sales Marker外部顧問。著書に「急成⻑企業だけが実践するカ テゴリー戦略 頭に浮かべば、モノは売れる」。ギャラップ社認 定クリフトンストレングスコーチ。