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Effect modification(Causal inference: What if, Chapter 4)

Shuntaro Sato
November 25, 2020

Effect modification(Causal inference: What if, Chapter 4)

Keywords: 因果推論, Effect modification(効果修飾), Estimand

Shuntaro Sato

November 25, 2020
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Transcript

  1. Chapter 4 / EFFECT MODIFICATION ここまでは集団に関する平均因果効果(average causal effect)を見てきたが、 因果的な興味の対象が、全体ではなくその集団の一部にあるということもある。 平均効果を集団全体に対して考えるか、その一部分に対して考えるかはその

    解釈の目指すところによる。 全体に興味がある例 ◦ 国全体の水道水のフッ素化に関する施策を考えるときは。。。集団にしか興味がない。 一部に興味がある例 ◦ 1剤10万円するコロナの新しい薬を研究するときは。。。コロナ患者全員(放っておいても80% は治る)、よりもそのうちの誰に投与すると効果があるのかに興味がある。
  2. Table 4.1 はいつものゼウスの家族。 - !"#: 心臓移植を受けなかった場合のアウトカム (1=死亡) - !"$: 心臓移植を受けた場合のアウトカム(半事実)

    全体としてみれば - causal risk ratio: [!"$ = 1]/[!"# = 1] = 1 - causal risk difference: [!"$ = 1] − [!"# = 1] = 0 -> 因果効果なし
  3. 心移植をした場合の死亡リスクは [!"# = 1| = 1] = 6/10 = 0.6

    心移植をしない場合の死亡リスクは [!"$ = 1| = 1] = 4/10 = 0.4 causal risk ratioは 0.6 0.4 = 1.5 causal risk differenceは 0.6 − 0.4 = 0.2 となります。女性では心移植を行った方が、リスクが増加しているこ とがわかります。 女性
  4. 心移植をした場合の死亡リスクは [!"# = 1| = 0] = 4/10 = 0.4

    心移植をしない場合の死亡リスクは [!"$ = 1| = 0] = 6/10 = 0.6 causal risk ratioは 0.4/0.6 = 0.666. . . causal risk differenceは 0.4 − 0.6 = −0.2 となります。男性では心移植を行った方が、リスクが減少していること がわかります。 男性
  5. Effect modifierの定義1 V (ある因子) の状態によって、Y (アウトカム) に対するA (介入) の平均因果効果が異なるとき、 V

    は Y における A の効果に対する effect modifier であると定義します 種類1 Qualitative vs. quantitative effect modification ① Qualitative (質的) = effect の方向性自体が違う (効果を減少させるか増加させるか) ② Quantitative (量的) = effect の方向性は同じだが、大きさが違う (効果をどの程度減少させるか)
  6. 種類2 ① additive scale における effect modifier = causal risk

    difference が V の状態で異なる場合。 ② multiplicative scale における effect modifier = causal risk ratio が V の状態で異なる場合。 e.g.) [=0=1|=1]=0.8, [=1=1|=1]=0.9 [=0=1|=0]=0.1, [=1=1|=0]=0.2 - A = 1 の Y に対する causal risk difference はV = 1/0 に関わらず 0.1 - A = 1 の Y に対する causal risk ratio はV = 0 では 9/8 、V = 1 では 2/1 この場合 additive effect modification はないが、 multiplicative effect modification はある Effect modifierの定義2
  7. 1. 理想的なRCT (with unconditional randomization) 特に難しいことなし!! causal risk difference =

    ([=1=1]−[=0=1]) = ([=1|=1]−[=1|=0]) が成り立ち、かつ、この関係がV = 1 or 0 のそれぞれの層においても成り立ちます (A が V に関わらずすべての人で random なので) ↓ causal risk difference in women = ([=1=1|=1]−[=0=1|V=1]) = ([=1|=1,=1]−[=1|=0,=1]) が成立 (男性の場合: V = 0 も同様)。 そのため、effect modification を調べるためには、単純な層別化をすれば OK
  8. 2. RCT with conditional randomization つまり因子 L の有無によってランダム化を分ける場合 e.g.) 40人

    - (20人のギリシア人 (V = 1 / Table 3.1) と 20人のローマ人 (V = 0 / Table 4.2) ) を 重症度が高い (L = 1) なら 0.75 の確率で心移植 A = 1 重症度が低い (L = 0) なら 0.50 の確率で心移植 A = 1 に振り分け
  9. 2. RCT with conditional randomization 40人全体では 心移植施行した人 (A = 1)

    におけるリスクは [=1=1]=0.55 心移植施行した人 (A = 0) におけるリスクは [=1=0]=0.45 となり心移植をした人でリスクが高いことがわかります。 (標準化して計算) V = 0ローマ人 V = 1 ギリシア人
  10. 2. RCT with conditional randomization さて、conditional risks [=1=1|=] および [=0=1|=]

    を 計算するには以下のステップを踏みます。 1) v による層別化 2) L による標準化 (or IP weighting) V = 0ローマ人 V = 1 ギリシア人
  11. 2. RCT with conditional randomization さて、conditional risks [=1=1|=] および [=0=1|=]

    を計算するには以下のステップを踏みます。 1) v による層別化 2) L による標準化 (or IP weighting) V = 0ローマ人 V = 1 ギリシア人
  12. 2. RCT with conditional randomization 2) L による標準化 (or IP

    weighting) [=1=1] = [=1|=1] = [=1|=1,=0]∗[=0]+[=1|=1,=1]∗[=1] = 2/4∗8/20+6/9∗12/20 = 0.6 同様に[=0=1] = 0.3 より Causal risk difference = 0.3 Causal risk ratio = 2.0 なお、ギリシア人も同様に (Chap 2 で既出) Causal risk difference = 0 Causal risk ratio = 1.0 V = 0ローマ人 V = 1 ギリシア人
  13. 2. RCT with conditional randomization ギリシア人 (V = 1) Causal

    risk difference = 0 Causal risk ratio = 1.0 ローマ人 (V = 0) Causal risk difference = 0.3 Causal risk ratio = 2.0 以上よりギリシア人とローマ人の risk difference / ratio は異なるので、 国籍による additive & multiplicative effect modification があると結論 V = 0ローマ人 V = 1 ギリシア人
  14. Cause of effect modification Effect modification は必ずしも因果関係を示唆しません 上記では国籍が心移植の死亡に対する効果に対する effect modification

    を持つということを 示しましたが、これは国籍のせいではなく、単にギリシアでの心移植がローマよりもすぐれて いたという可能性もあります。 この場合 心移植の質 = “causal effect modifier” 国籍 = “surrogate effect modifier” またこのことを強調するために、 effect modifier の代わりに “V の状態における effect heterogeneity” という風に表現されることもあります
  15. 4.3 Why care about effect modification 1. 介入効果のある群を見つけるため 2. アウトカムと介入との間のメカニズムをより深く理解するため

    3. Transportability を検証するため ◦ “ある集団で確認された因果効果を他の集団に適用できるかどうか” ◦ 例えば、今回の例ではギリシア人とローマ人、男性と女性の間でそれぞれ心移植の死亡に対する因果効果は違い ました。このため、今回の集団 (40人) から得られた因果効果は、男女比率が異なったり、ギリシア人とローマ人の 比率が異なる他の集団には適用不能 (transportability がない) かもしれません。 ◦ Transportability はときに effect modifier を考えることで改善することもできます。例えば、今回の結果を他のギリシ ア人とローマ人の比率の異なる集団に適応するときに、ギリシア人とローマ人それぞれの層別の因果効果を求め、 新たな集団の重みをかけて全体の因果効果を求めることが出来るかもしれません。
  16. 4.4 Stratification as a form of adjustment 基本的には 標準化 (standardization)

    と IP weighting は L を調整するため 層別化 (stratification) は V による effect modification を見るため ですが。。。 実際には層別化を標準化 (や IP weighting) の代わりに、 L の A への影響を調整するために使う こともしばしば。その場合。。。 • 層別化は各層の因果効果しか計算できません (全体の因果効果は得られない) • 層別化で conditional exchangeability を得るためには、 (その層に対する興味の有り無しに関わ らず) exchangeability を成立させるためのすべての L に対して層別化をせねばなりません *Restriction :全ての層ではなく、特定の層でだけ因果効果を計算すること
  17. 4.5 Matching as another form of adjustment Matching は他の調整の仕方で、 L

    が同じ分布をしているサブセットを 抽出することです。 例えば、 =1,=0 のひとりひとりに対して、無作為に =1,=0 の人を、 また =0,=0 のひとりひとりに対して、無作為に =0,=1 の人を (1 or 複数人) 割り当てる ⫫| のため、 L が match されたこのサブセットにおいては、 ⫫ が成り立ちます (のでサブセット全体での因果効果が計算でき ます) 。なお、この場合、どちらかの群にしか属さないような状態の人 は match 出来ず除かれるため、常に positivity が成立します。
  18. 4.6 Effect modification and adjusted methods 標準化および IP weighting では

    [=1=1]/[=0=1]=0.8 という同じ結果になります。 層別化では [=1=1|=0]/[=0=1|=0] = 2.0 および [=1=1|=1]/[=0=1|=1] = 0.5 という 各層内での結果が得られます。 マッチング (この前で用いた) では [=1=1|=0]/[=1|=0]=1.0 これら4つはいずれも正しく、数値が違うのはここに effect modification が存在するからです。重症度 の低い人では心移植がリスクを 2 倍にして、重症度の低い人ではリスクを 0.5 倍にします。 全体ではリスクは 0.8 倍になり 、非治療群では、重症度の低い人が全体よりもこのサブセットで多いた め 1 となります。