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Connpass-Xperia_Camera_App_by_HCD.pdf

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ソニー株式会社

January 19, 2026
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  1. Agenda 1. ソニーグループにおける人間中心設計( HCD )への取り組み 2. Xperia 1Ⅶ の開発でのHCD チャレンジ

    3. Xperia カメラ開発での HCD チャレンジ ~ アクセシビリティ ~ 4. ソニーグループの UX/HCD 浸透への取り組み
  2. Profile 小澤 優美 ソニー株式会社 技術センター 商品設計第2部門 ソフトウェア設計 3部 UIフロー設計、ユーザーテストなど HCD

    のアクテビティ活動、社内制度の立ち上げになどに従事。 現在は、 Xperia の開発チームと共に、開発プロセス上での HCD 利用の導入・実施に取り組んでいます。 • UI / インタラクション 設計 • 仕様のDocument 作成 フィーチャーフォン (ガラケー) • HCD の実運用とその手法の展開 • 活動状況のレポート、社内報告会の実施 • 社内ガイドラインの策定 • 社員モニター制度の立ち上げ ソニー製品全般 BRAVIA 、 Vaio 、 Walkman 、 Video 、 Camera 、 ICレコーダー、他 • HCD 活動の推進、実行、支援 • ソニー認定の HCD 専門家としての活動 ユーザビリティーテストの様子 • UI / インタラクション 設計 • ユーザビリティーテストなどの HCD 手法の導入 Xperia 担当製品 業務内容 ~20 08 年 ~20 13年 ~20 19年 ~現在
  3. Xperia 開発における HCD へのアプローチ ユーザーの理解を深め魅力ある顧客体験を実現するために、 HCD ( Human -Centered Design

    )を 商品化プロセスの各フェーズで実践 。 企画、設計、評価、などの職種に依存せずに 商品開発に関わる全てのメンバーが HCD に取り組む 一部の専任メンバーだけが顧客視点を持つ • 顧客体験が分断する • 他人任せになり顧客目線が浸透しない 商品化に関わるすべての人がお客さまに共感し、 一丸となって商品化する 魅力ある UX を実現するための変革 • 顧客の体験が途切れない • 一つのゴールに向かって同じ意識を持てる 実施している HCD の手法の一例 凡例:
  4. HCD 活動の導入初期に生まれた不安 • 企画だけが顧客の目線を持てばよいのでは? • ユーザーテストは専門性を持ったメンバーがやるべきでは? 評価 企画 マーケット 設計

    商品化には様々なメンバーが参加する HCD の導入初期に生まれた不安 生じるデメリット 顧客への共感度が低い ↓ 実装都合で顧客体験に 関わる重要な要素が 削られる HCD の手法を扱える 人材の固定化 ↓ 魅力的なUXの認知が 広がらない 顧客体験がリレー形式 で伝達される ↓ 企画した顧客体験が 最終段階で変化
  5. メンバーが HCD 活動に参加するための取り組み HCD 活動を牽引する有識者と、新たに取り組むメンバーが一緒に模索しています。 取り組みの具体例 評価 有識者による OJTの実施 HCD

    に初めて取り組むメンバーの不安や心理的な負担を軽減するために、 インタビューやモデレーター、アンケート作成などを有識者と共に伴走しながら実施。 少しずつ、 HCD の手法を自ら扱えるメンバーを増やした。 設計 情報の可視化 商品として提供する顧客価値や体験を、関係者が相違なく理解するために必要な情報を定義。 伝えるべき内容を漏れなく記載できるテンプレートを作成し、情報の視認性を上げ、 共有の効率化を図った。 企画 Trial & Error で実経験を蓄積 不慣れな作業や運用で課題が残る活動もあったが、そこから培った経験を KPT法などで振り返り、運用ルールや体制などのブラッシュアップを繰り返した。 新たな取り組みなども盛り込みながら HCD 活動を継続している。 全関係者
  6. プロフィール 白石 あゆみ ソニー株式会社 技術センター 商品設計第4部門 プラットフォーム 3部 • スマートフォンやタブレットの

    Android アプリ開発に従事 • カメラアプリ及び写真・動画アプリの UI設計やリーディングを担当 • HCD -Net 認定人間中心設計専門家、 Scrum Inc. 認定資格スクラムマスター • • • • • Human Interface (Walkman) Sony Tablet -> Xperia • 入社 Video Editor Movie Creator Scrum と出会う Album Videography Pro 2024 育休 休職*+育休 2022 【 現在の業務】 202 6-1H Xperia Camera App 担当 →UX開発部 UXデザイン /評価 ★ 2018 *: フレキシブルキャリア休職(海外赴任同行) HCD プロセス登場
  7. HCD プロセスの第一印象 企画 計画 設計 検証 レビュー ★ ★ ★

    ★ フェーズごとに実施するアクティビティ、判定項目・内容が決まっている 細かなアクションまでは決まっていない = やりざまの自由度が高い
  8. 企画 計画 設計 検証 レビュー 複数回実施 1 設計段階の初期から評価を計画+複数組む 課題 •

    判定のための評価「 1回」になってしまい、修正が間に合わない • 専任メンバーに頼ってしまう ★ ★ ★ ★
  9. 複数回実施 1 評価(1)のテスター 被写体を追う速度が速い。 普通はワンテンポ遅れる。 後追いでゆっくり動く設定 があるといいのかも。 追っていくという 意味だと 5だが、

    スムーズさの点で 3。 基本カメラが自動で被写体を追 いかけてくれてずっとカメラを 見る必要なく、撮りながら子供 の見守りもできる • 速度に対する指摘なし • 想定の体験が提供できている 速度パラメータ ーをチューニング 評価(2)のテスター オートフレーミング機能: AI が主役を追いかけ、切り出す
  10. 評価指標の定義 3 課題 評価で発見した UX課題のランク付け方法 • 不具合のランク付け → 指標あり •

    UX課題のランク付け → 指標なし 評価で出た UX課題の取り扱いが不明確
  11. ランク 判定基準 S ・・・ A ・・・ B ・・・ C ・・・

    開発チームで定義 • ランク付けがスムーズ • 実際のUX課題を理解 • 修正までのリードタイムの削減 • 継続して活用 評価指標の定義 3
  12. Xperia 1Ⅶ 開発 × HCD プロセス 1 複数回実施 2 社内リソース活用

    3 評価指標の定義 早期発見 UX課題を早めに発見できた 開発中に秘匿性を 守りながら評価が可能に 発見から修正までの リードタイムが削減した 経験 HCD プロセスを体験する人を 増やせた 社内の仕組みを活用する 経験ができた UX課題への理解が進んだ 評価を重ねる&チームで取り組む 体験を追求して提供
  13. Profile 五味 恵里奈 ソニー株式会社 技術センター 商品設計第4部門 プラットフォーム 3部 2017 年にソニーへ入社。デジタル一眼カメラ

    αの顔認識機能設計に従事。入社 4年目以降は、 Xperia カメ ラアプリの UI設計兼、ユーザー体験の検証から製品導入までを一貫して担当。 顔認識機能 ソフトウェア設計 ・ 実装 デジタル一眼カメラ α アクセシビリティ開発部に兼務 担当製品 業務内容 ~2020 年 ~現在 カメラアプリ UI ソフトウェア設計・仕様 顧客評価・検証 Xperia 2026 年~ 2025 年11月に 部署が新設
  14. アクセシビリティに取り組む背景 “誰ひとり取り残さない” No one will be left behind “人に近づく” Getting

    Closer to People SDG s 規模感 ソニー事業方針 出典: SDGs , 障害者のための健康公平に関するグローバルレポート:エグゼクティブサマリー 障がいのある人の 身近さを実感
  15. HCD 要件の1つ:アクセシビリティ インクルーシブ デザイン アクセシ ビリティ HCD (人間中心設計) 使いやすさを高めるための 設計アプローチ

    アクセシビリティ 多様な人が利用できるための達成条件 インクルーシブデザイン 特別な専用仕様を前提とせずに 利用できる人の範囲を広げる設計アプローチ HCD
  16. ユーザーを知り一緒に検証する 行動観察や対話する 1 ユーザー自身の生活スタイルや製品課題を知る • カメラを通すと視野が広がり、 景色全体を見渡せる • キーボードで操作している •

    意図通りに撮れているか分からない 上肢障がい者の声 • 手帳型のスマホカバーで工夫 • 右手または左手で操作しやすい • 片手の2本指操作は難しい 視覚障がい者の声 検証の様子 カメラの気づきを多く得られるように 視覚障がいのある方を中心に
  17. ユーザーに共感し 自分ゴトとして課題を再定義する 気づきをマッピング(感情曲線など) 2 ユーザーと一緒に気づきを整理する 検証で気づきをメモする まっすぐ撮れたのか分からない 持ち手で調整してるし大丈夫です 撮影機材が多くても 良い写真が撮れるので楽しいです

    画面の読み上げがないので困りました 気づきに共感 /整理する 表面的な課題 制約を楽しむ 本質的な気づき 共感度の高い問題を定義する 問題定義 人混みで手を伸ばして撮る時 画面を確認できない 技術 画面の傾きに合わせて 音や振動を鳴らす 技術で解決する 課題の優先度と対策 他に挙がった問題と比べると、 すべてのユーザーがこのシーンに 遭遇したことがあったり解決できそうだ! みんなの課題を技術で解決する 課題の優先度と対策を検討 (頻出度 x すべてのユーザーへの影響度など) 3 ×
  18. 開発事例① 水平状態の通知 自宅でのSNS用動画撮影で 水平に撮れているか分からない ずっと定位置に三脚を固定している 視覚障がいのある方 開発者とユーザーと一緒に くり返しプロトタイプを提案 /調整 鳴らすタイミングや回数、音の種類、振動の強さ

    傾きに合わせて 音と振動で通知 する改善 今日一番感動したかもしれません! 風景撮影の時に使います 視覚障がいのない 方 人混みで手を伸ばして撮る時 画面を確認できない 共通メニューとして欲しい アップデートで追加対応
  19. ボタンの選択状態が 分からない 色覚障がいのある方 塗りつぶし面積が大きく 認識率が上がった 色覚障がいのある方 開発事例② 表示デザイン (状態の伝え方) 変更前

    色だけで状態通知 変更後 形でも状態通知 視覚障がいのない方 デザインの質はそのまま 見やすくなった 開発者とユーザーと一緒に くり返しデザイン案を提案 /調整
  20. 迅速なプロトタイプ用意のための活用事例 ① 研究開発部門のプロトタイプを継承 インクルーシブデザインの提案 製品仕様へ移管 社内連携や標準ツール活用により ユーザーの声をすぐに反映 ② Android 標準の開発環境と検証ツールを活用

    • スクリーンリーダー等、ゼロからの事前実装は不要 • 専用ツール ( Accessibility Scanner )でデバッグ可能 ③ 分析ツール( Adobe Color Accessibility 機能)活用 • 配色のコントラスト比率をデバッグ可能 • デザインレビューを高速化
  21. UX/HCD 浸透のための仕組みづくり HCD 専門家・実践者による 知見共有イベント HCD 専門家 新卒採用 HCD 研修講座

    (希望選択制) 全社員向けHCD 入門 e-Learning 社外有識者による講演会 社内HCD 専門家認定制度 HCD 専門家候補者育成講座 (職場推薦) 新入社員向け HCD 講座 UI/UX デザイン・人間中心設計コース HCD 人材育成 実践者を増やす HCD 全社啓発 全社員がHCD を理解 1 2 3 4