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ソニーの事例から考えるプラットフォーム開発

 ソニーの事例から考えるプラットフォーム開発

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ソニー株式会社

August 03, 2025
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  1. 付帯項目 部署名 ライツ表記 日付 2 Agenda • ソニーにおけるクラウド活用 • ソニーにおけるサービス開発

    • SEEDS Cloud • SEEDS Cloudの例から考えるPlatform Engineering • Product as a Platform • ブランディング • セキュアバイデフォルト • 認知不可の軽減 • 今後 • まとめ
  2. 付帯項目 部署名 ライツ表記 日付 3 自己紹介 商業誌 (出版:SBクリエイティブ株式会社) 同人誌 顔

    • 佐藤瞬 • 経歴 • 2011-2016 SI企業 • 基幹システムからWebシステムまで色々 • 主にAWS上でのシステム開発・構築 • 2016- ソニー入社 • TVやAudio製品向けのサービス開発に従事 • 過去の発表スライド • https://www.slideshare.net/tenbo07 • https://speakerdeck.com/tenbo07 • 書籍 • AWS関連の書籍の執筆 • 同人誌の作成
  3. 付帯項目 部署名 ライツ表記 日付 4 ソニーにおけるクラウド活用 まずですが、今回こういった場にソニー所属のエンジニアとして登壇させていただいています。 この場に参加されている皆さんはほとんどがサーバーサイドのエンジニアだと思います。 おそらく、みなさんこう感じていると思います。 「ソニーってクラウド使ってるの?」

    「ソニーでなにしているの?」 けっこうこういう場に出させていただくと、 「ソニーがクラウドやサーバーサイドをやっているイメージがなかった」 と言われることが多いです。 なので、まず我々がどういったことをやっているのかというご紹介をしてから 今回の本題に入っていきたいと思います。
  4. 付帯項目 部署名 ライツ表記 日付 5 事例 Meta 360RA Creators' Cloud

    ブラビアみまもり →子どもがいるエンジニアも多いので刺さりそう SEEDS Cloud →これは今回の題材のため後ほど詳細に
  5. 付帯項目 部署名 ライツ表記 日付 6 TV番組情報配信サービス(Metaサーバー) TV SideView Music Center

    BRAVIA BD Recorder/Player Meta Service 171 4300万 15億 サービス対象国・地域 接続クライアント APIアクセス数 国・地域 台/Day 回/Day ※ディスプレイ・オーディオ事業領域のデータ例です
  6. 付帯項目 部署名 ライツ表記 日付 8 360 Reality Audio向けサービス 360 Reality

    Audio再生環境の個人最適化の実施 ①耳写真の撮影 ②撮影した耳写真を サーバーにアップロード ③耳写真から生成した パラメーターをダウンロード Server for 360 Reality Audio Server for 360 Reality Audio
  7. クリエイターの創作支援に、クラウドの力を最大限発揮 Creators’ App ファイル転送、リモート撮影やクラウドストレージ へのアクセス、「Discover」などが 利用できるモバイルアプリ Creators’ Cloud (Web) クリエイターの撮影から制作全般を

    サポートするプラットフォーム Master Cut (Beta) カメラのメタデータとクラウドAIにより、高速・高精 度に動画補正できるクラウドサービス Ci Media Cloud 使いやすいUIで、メディア共有や共同作業における 制作ワークフローを効率化するクラウド制作プラット フォームサービス Discover 撮影・制作した作品を世界中へ発信し、また 他ノクリエイターの作品を閲覧できるサービス
  8. 付帯項目 部署名 ライツ表記 日付 12 ソニー内でプラットフォームの位置づけを担うものは正直たくさんあります。 社内の開発者向けのプラットフォームもありますし、 センサーデバイスとクラウドを連携させるユーザー向けのプラットフォームもあります。 今回のPlatform Engineeringという文脈だと主にサーバーサイドの

    アプリ開発者に向けたプラットフォームを提供する事例が多いと思いますが、 今回ご紹介する我々が開発しているプラットフォームは 主にスマホアプリやデバイスの開発者向けのプラットフォームになります。
  9. 付帯項目 部署名 ライツ表記 日付 13 ソニーにおけるサービス開発 ソニーでは様々なプロダクトがあり、それぞれのプロダクトのエンジニアがいるので、 開発する中ではサーバーサイドのエンジニア以外が大多数になっています。 会社で見てもサーバーサイドのエンジニアはまだまだ少数派です。 そういった中でも、IoTというトレンドの中でソニー製品もインターネット接続し、サービスを

    提供することが当たり前になってきました。 ただし、当然デバイス側のエンジニアはネットワークやサーバーの知見がなく、 いきなりネットワークサービスを提供することは難しいです。 一方、プロダクトは多数ありますので、それぞれ対応するにはサーバーサイドのエンジニアも 足りません。そういった中で、各プロダクトの要件を集めてプラットフォーム化して サービス提供できるようにしていこうという考えになります。
  10. 付帯項目 部署名 ライツ表記 日付 14 SEEDS Cloud そこで我々が開発したものがSEEDS Cloudです。 これは我々が所属するCSD部が元々テレビのチームだったこともあり、

    HES製品向けのクラウドサービスプラットフォームとして提供しています。 機能としては基本的なもので、 認証、IoT基盤、データ配信基盤、データ分析・ML基盤といったものです。 一応のユーザー数としてはWWで1000万人を支えるプラットフォームになっています ただ、アカウントが1000万人なだけであって、ユースケースはそれぞれなので 同時接続数やリクエスト数はそこまでですが
  11. 付帯項目 部署名 ライツ表記 日付 15 SEEDS Cloudはなぜうまくいったかを振り返る 先ほどお話したようにソニーの中ではプラットフォームはたくさんあり、 消えていってしまったものも非常に多いです。そういった消えてしまったものを 振り返ってみると、Platform

    Engineeringで語られるアンチパターンに陥っていた と感じます。特に多いのが技術先行で作ったものの、後からAWSなどがサービス化して 不要になってしまうというケースがやはり多いです。 その中でSEEDS Cloudというプラットフォームは現状はうまくいっていると思っています。 それがなぜなのか?という部分をPlatform Engineeringのプラクティスを基に 振り返っていきたいと思います。 当然SEEDS Cloudを作り始めたときは今のようにPlatform Engineeringという 言葉もなかったので、結果論としてこうなっているのでこのプラクティスにはやはり意味が あるという形になります。 やはり、まだまだPlatform Engineeringというものの実体は見えにくいと 感じる部分もあるので、こういった実例をもとにこういうことだよねという解釈を お話して、議論できればなと思います。
  12. 付帯項目 部署名 ライツ表記 日付 16 Platform as a Product クライアントと一緒にユーザーにどういう価値を届けるかというのを

    把握した上で進めている クライアントからの要件・要求=機能ではない 様々なクライアントからの要求があり、それらに対して総合的に考慮したソリューション を考える。本当にやりたいことは?を徹底的に。 →SEEDS DataGateway
  13. 付帯項目 部署名 ライツ表記 日付 19 認知不可の軽減 悲しい話 社内申請の肩代わり 社内でどういう申請を通せばいいか知っている やっていいこと悪いことがわかっている

    マッチポンプのようなものだが、現実的にありがたい存在だったりするので、 大きな組織になれば、そういう価値提供もあってもいいかなと思いました。
  14. 付帯項目 部署名 ライツ表記 日付 20 今後 TBD THE Frugal Architecture?

    プラットフォーム開発メンバーの市場価値? プラットフォーム化の拡大? →まとめにはつなげやすい