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フィードバックの伝え方、受け身のココロ / The Way of Feedback: Word...

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July 14, 2025

フィードバックの伝え方、受け身のココロ / The Way of Feedback: Words and the Receiving Heart

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Aki

July 14, 2025
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Transcript

  1. © Kumu Inc. 『The Great ScrumMaster』共同翻訳 
 『Everyday Rails -

    RSpecによるRailsテスト入門』共同翻訳 • スクラムギャザリング東京実行委員会理事 • 日本Rubyの会理事 
 • スクラムフェス大阪実行委員(代表) • スクラム道関西ファウンダー 
 • ほか色々 Aki (spring_aki) Catalyst, Coach • 組織変容コーチ • 関係性そのものを扱うコーチ 
 (ORSC® システム・コーチング®) • エグゼクティブコーチ • リーダーシップ・サークル・プロファイル/集合的 リーダーシップアセスメント 認定プラクティショ ナー(LCP/CLA) 
 • パーソナルコーチ (Co-Active® Coaching) • スタートアップ支援、PoC支援 
 • Management 3.0 ファシリテータ • LEGO® SERIOUS PLAY® メソッドと教材活用トレー ニング修了認定ファシリテータ • Certified Scrum Professional(CSP)
  2. © Kumu Inc. ① 事実を伝える
 具体的な行動・機能・場面を明示する 「◦◦画面で"次へ"を押したあと…」
 ② 感じたことを伝える
 率直な印象を述べる(ポジネガどちらでもOK)「どこに進むのか不安になりました」


    ③ 期待とずれた点を伝える
 自分の想定や他の体験と比較する「以前使ったXアプリではすぐ確認画面に移りました」
 ④ 理由や文脈を説明する
 なぜそう感じたか、自分の状況も開示 「私は視覚的なヒントがないと迷いやすい傾向がありま す」
 ⑤ 提案や問いを含める
 改善の糸口・新しい視点を提示 「画面下に説明があると安心かも。どう思いますか?」
 フィードバック 

  3. © Kumu Inc. 課題:ボタンの配置が適切でないと感じたケース 
 🔴「ボタン、なんか使いづらいです」
 👉 「なんとなく」「使いにくい」「ダサい」など、主観的で曖昧な表現。相手に伝わりづらい。
 
 🟡

    「ボタンが一番下にあるのって変じゃないですか?」
 👉 配置は指摘していて場所のヒントはあるが、いつどう困るのか理由や影響が不明瞭。
 
 🟢 「送信ボタンがスクロールの一番下にあって、入力が終わってもすぐに押せず迷いました」
 👉 実際の操作・観察内容が具体的で、問題が明確に伝わる。
 
 

  4. © Kumu Inc. 🟢 Good よかった点「このポイントはいいねー」 
 「フォーム全体がシンプルで、入力項目が整理されていてとても分かりやすかったです。
 とくにボタンのラベルが「送信」ではなく「申し込む」になっている点が、アクションの意図 を明確にしていてよかったです。」


    
 💡 More よくするために 「さらに言うと〜 」 
 「送信ボタンがページの一番下にあり、入力後にスクロールしないと見えないため、少し 戸惑いました。
 入力後すぐにアクションできるように、ボタンを画面の下部に固定表示 したり、入力完了 と同時にボタンが自然に表示されるような設計 にすると、もっとスムーズな操作体験に なると思います。」
 

  5. © Kumu Inc. フィードバックのチェック観点 (一例) 
 🎯 目標に結びついているか: 目的や基準が明示されているか
 🧠

    学習プロセスに焦点があるか: 結果だけでなく、やり方・考え 方への言及があるか
 🚀 次の行動につながるか:「次にどうするか」が具体的か
 🔄 自分で気づける支援になっているか: 自己調整力を育む問い やフィードバックになっているか
 ❤ 適切な距離感・言葉選びか: 相手が安心して受け止められる 伝え方か。考えられる余地があり成長に繋がる伝え方か

  6. © Kumu Inc. フィードバックのチェック観点 (具体例) 
 🎯 目標に結びついているか 
 目的や基準が明示されているか?

    
 「この画面は“初めて使うユーザーが迷わずに登録できること”が目的で すよね。その点で、手順の見通しは立ちやすくなっていると思います。た だ、もう少し“次に何が起こるか”が予測できる工夫があると、ゴールにさ らに近づけるかもしれません。」
 ✔ 目的と照らして具体的な評価・提案がなされています。
 

  7. © Kumu Inc. フィードバックのチェック観点 (具体例) 
 🧠 学習プロセスに焦点があるか 
 結果だけでなく、やり方・考え方への言及があるか?

    
 「この並び順は、ユーザーが自然に読み進められるように設計したんで すよね?その意図が伝わってきました。実際に手を動かしながら確認し たプロセスが活かされていますね。」
 ✔ 単なる「良い/悪い」ではなく、プロセスや判断への関心とリスペクト を示し ています。
 

  8. © Kumu Inc. フィードバックのチェック観点 (具体例) 
 🚀 次の行動につながるか 
 「次にどうするか」が具体的か?

    
 「たとえば“次へ”ボタンの位置をもう少し下げて、スクロールに合わせて 常時表示させる設計もありかもしれません。次回のユーザーテストで試 してみのもいいかもね?」
 ✔ 「次にどうすればよいか」を実行可能なレベルで示している 点が重要です。
 

  9. © Kumu Inc. フィードバックのチェック観点 (具体例) 
 🔄 自分で気づける支援になっているか 
 自己調整力を育む問いやフィードバックになっているか?

    
 「この構成って、どの順番が一番スムーズだと当初感じてましたか?もし ユーザーが途中で戻ったとき、どこに戸惑いそうだと思いますか?」
 ✔ 指摘ではなく問いかけによって内省を促している ので、学習を自律的に支 援しています。
 

  10. © Kumu Inc. フィードバックのチェック観点 (具体例) 
 ❤ 適切な距離感・言葉選びか 
 安心して受け止められ、成長につながる伝え方か?

    
 「全体としてすごく丁寧に作られているのが伝わってきました。その上 で、“このボタンって誰にとって自然?”といった視点を持つと、さらに良く なると思います。初期段階でここまで整理できているのは本当にすごい と思います。」
 ✔ リスペクトを伝えたうえで、余白のある表現で否定ではなく提案にとどめて いるため、防御的反応を生みにくくなります。
 

  11. © Kumu Inc. ① ものに関するフィードバック (プロダクト、資料、コード…)
 ② やり方に関するフィードバック (プロセス、方法、判断…)
 ③

    人・関係に関するフィードバック (チーム、関係性…)
 ④ 思考や意図へのフィードバック (意図、目的意識…)
 ⑤ 組織的な構造・文化へのフィードバック (文化、制度…)
 何に対してのフィードバックか 

  12. © Kumu Inc. プロセスに対してフィードバック 
 自分達のプロセスにフィードバックをかける
 • 周囲からの観察結果を取り入れることも大事
 • 自分達で他の人達にはわからない活動や感情をふりかえる

    (自分達の良いところもうまくいってないところも全部認知して 場に出してみよう。まずは認識するところから)
 • より良いフィードバックの出し方、受け取り方もふりかえって、 もっとうまくなれるとイイネ !!

  13. © Kumu Inc. 1. 🎯「これは私の意見/プロダクト」だけど「これは私そのもの」ではない 
 フィードバックはあなた個人に対してではなく、意見やプロダクトに向けら れたものです。
 • あなたが心を込めて作ったものに意見がつくと、つい「自分が否定された」

    と感じてしまうことがあります。
 
 • でも、その意見はあくまで次の改善可能性へのヒント です。
 
 • 自分とプロダクトを切り離して考える ことで、冷静に、前向きに受け取るこ とができます。
 
 • 「自分が悪い」と決めつける必要はありません。まずは 「ふーん。そう見え るんだな」と受けとめることから。
 󰩓 「なるほど、そう見えてたんですね。ちょっと考えてみます」

  14. © Kumu Inc. 2. 🧠 「役に立つ部分」を選んで拾えばいい 
 すべてを真に受ける必要はありません。自分にとって、プロダクトにとっ て役立つ部分 を選び取る意識が大切です。


    
 • 意見が全部正しいわけではありません。矛盾していることだって結構あ る
 
 • フィードバックは「取り入れるべき指示」ではなく、「より良くするための 視点が増えるということ」
 
 • 「確かにここは見直してみよう」「この点は今は優先度を下げよう」など、 自分たちで判断して使えばいいよ 
 

  15. © Kumu Inc. 4. 💬 うまく言えてないフィードバックの中にも宝があるかも...? 
 表現がぎこちなくても、そこにユーザー視点(他者視点)のヒント が眠っ ているかもしれません(直感を信じて探索してみよう)


    • 「使いづらい」「違和感ある」という声の中には、直感的な重要な気づき が含まれていることがあります。
 
 • 表面の言葉に反応せず、「どこでそう感じたのか?」「なぜそう見えたの か?」を一緒に探っていく姿勢が大切です。
 
 

  16. © Kumu Inc. フィードバックは、自分の可能性を広げてくれる「鏡」や「地図」のようなも の。
 • 落ち込むためではなく、自分の力を磨くための素材 だと考えてみましょ う。
 


    • 「怖いもの」から「役に立つかもしれないもの」へ。そう考えられるように なると、どんな環境でも学び続けられる力になります。
 
 • ここまでできているヒトはこのモードも試してみてね
 6. 💡 自分の“可能性モード”をONにする