Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
中規模イベントに急造で変なネットワークを構築する
Search
stonriver
August 17, 2019
Technology
1
750
中規模イベントに急造で変なネットワークを構築する
運営として参加させていただいた高専カンファレンス北海道2019での10分LT登壇資料です。
stonriver
August 17, 2019
Tweet
Share
More Decks by stonriver
See All by stonriver
並行処理入門 -Goで遊ぶ-
strvworks
0
220
ターミナル雑記
strvworks
2
1.2k
お手軽金盾体験
strvworks
1
690
Kosen_LT_ONLINEのおしらせ
strvworks
0
72
Minecraft概論
strvworks
0
300
日本列島の移動速度に関する考察
strvworks
1
120
PythonにおけるGUIフレームワークのはなし
strvworks
0
310
快適な読書環境のご提案
strvworks
0
110
テクノ手芸
strvworks
0
62
Other Decks in Technology
See All in Technology
LINEスキマニにおけるフロントエンド開発
lycorptech_jp
PRO
0
330
How to be an AWS Community Builder | 君もAWS Community Builderになろう!〜2024 冬 CB募集直前対策編?!〜
coosuke
PRO
2
2.8k
GitHub Copilot のテクニック集/GitHub Copilot Techniques
rayuron
29
12k
podman_update_2024-12
orimanabu
1
270
NilAway による静的解析で「10 億ドル」を節約する #kyotogo / Kyoto Go 56th
ytaka23
3
380
AWS re:Invent 2024 ふりかえり
kongmingstrap
0
130
Amazon Kendra GenAI Index 登場でどう変わる? 評価から学ぶ最適なRAG構成
naoki_0531
0
110
ハイテク休憩
sat
PRO
2
140
成果を出しながら成長する、アウトプット駆動のキャッチアップ術 / Output-driven catch-up techniques to grow while producing results
aiandrox
0
280
KubeCon NA 2024 Recap / Running WebAssembly (Wasm) Workloads Side-by-Side with Container Workloads
z63d
1
240
DevOps視点でAWS re:invent2024の新サービス・アプデを振り返ってみた
oshanqq
0
180
Fanstaの1年を大解剖! 一人SREはどこまでできるのか!?
syossan27
2
160
Featured
See All Featured
Code Review Best Practice
trishagee
65
17k
Distributed Sagas: A Protocol for Coordinating Microservices
caitiem20
330
21k
Chrome DevTools: State of the Union 2024 - Debugging React & Beyond
addyosmani
2
170
Building a Modern Day E-commerce SEO Strategy
aleyda
38
7k
[RailsConf 2023 Opening Keynote] The Magic of Rails
eileencodes
28
9.1k
How to Ace a Technical Interview
jacobian
276
23k
Music & Morning Musume
bryan
46
6.2k
Dealing with People You Can't Stand - Big Design 2015
cassininazir
365
25k
We Have a Design System, Now What?
morganepeng
51
7.3k
Site-Speed That Sticks
csswizardry
2
190
Git: the NoSQL Database
bkeepers
PRO
427
64k
The Language of Interfaces
destraynor
154
24k
Transcript
中規模イベントに急造で 変なネットワークを構築する ⾼専カンファレンス北海道での構築事例 すとんりばー
⾃⼰紹介
3 ⾃⼰紹介 名前: すとんりばー (@strvert) 所属: 苫⼩牧⾼専 情報系 休学中 好きなもの:
Linux, Vim, Go, C++, UE4, 情報っぽいもの 活動: プログラミング教育活動, サークル運営 技術系アルバイト, まれにイベント運営
ことの発端
5 ことの発端 今回の⾼専カンファレンス北海道を 開催するにあたって、運営は当初か ら参加者にWi-Fi環境を提供する予 定だった。
6 ことの発端 また、遠⽅などで参加が難しい⽅に 向けて、ライブ配信も⾏いたいと考 えていた。
7 ことの発端 ですので、この会場(札幌産業振興セン ター)をレンタルするにあたってもイン ターネット接続有りというのを踏まえてレ ンタルを⾏った。 ここまでの⾄って順調 な流れが6⽉中旬まで の出来事。
8 ことの発端 特にネット環境について⼼配することなく 別の事項を進めていた運営ですが……。
9 ことの発端 特にネット環境について⼼配することなく 別の事項を進めていた運営ですが……。 7⽉20⽇、あることに気づきます。
10 産業振興センターHPより
11
12 完全なる運営の 確認不⾜ もちろん産振センターさんに⾮はない
13 ことの発端 だからといって、ここで会場のネット環境 も配信もなしにしてしまうのはちょっと寂 しい。 なんとか会場に予算内でそれなりのネット 環境を構築できないか?というのが今回の 変なネットワーク構築の発端。
実現したい環境
15 実現したい環境 - 参加者約95⼈が接続可能なWi−Fi - 動画配信ができる有線回線
16 実現したい環境 - 参加者約95⼈が接続可能なWi−Fi → 最⼤250台くらいを想定 - 動画配信ができる有線回線
17 実現したい環境 - 参加者約95⼈が接続可能なWi−Fi → 最⼤250台くらいを想定 - 動画配信ができる有線回線 →ゲーム配信とかじゃないので、ビット レートは低くていい。画質は
1280x720あれば⼗分?
18 実現したい環境 つまり、全体として⾼速回線である必要は ない。 快適にブラウジングができる程度の回線を 元に、⼤⼈数に提供可能なネットワークを 構築するのが優先と考えた。 また、ネットワーク全般の予算は約5万円 として考えることになった。
実現⽅法
20 実現⽅法 ⼀般的に、イベント会場に回線を⽤意する 場合、NTTなどの業者に頼んで臨時回線を 引いてもらうらしい。 でも、⼯事費諸々の費⽤を含めると、臨時 回線を引くだけで4万円ほどかかってしま う。
21 実現⽅法 とはいえ他に案がなかったのでNTTに問い 合わせをしてみたのが8⽉2⽇。
22 実現⽅法 とはいえ他に案がなかったのでNTTに問い 合わせをしてみたのが8⽉2⽇。 ↓ 「規定により20⽇前までの受付となってお ります」と⾔われてしまう。
23
24 それはそう 動くのが遅い
25 実現⽅法 この時期から固定回線を新たに⽤意するの は困難だった。 でも諦めるのは悲しい……
26 実現⽅法 先駆者の⽅々に助⾔をいただきつつ案を考 えていると、ある案が浮上してきた。
マルチホーミング
28 マルチホーミング マルチホーミングとは本来、1つのネット ワークがインターネットに接続するために 複数の経路(ISP)を経由する技術。
29 マルチホーミング 要するに、「バックに複数の回線があるか ら、1つなくなっても⼤丈夫。」みたいな 冗⻑性⽬的でよく⽤いられる技術。 ISP1 ISP2 ルーター 内部ネットワークへ
30 マルチホーミング 今回の回線構築の構想は、これをモバイル ルータでやればそれなりの回線が錬成でき るのではないか?というもの。 モバイル ルーター1 モバイル ルーター2 ルーター
イベント回線!
やってみた
32 やってみた まず、必要な機材を考える。
33 やってみた まず、必要な機材を考える。 - つよめのルーター
34 やってみた まず、必要な機材を考える。 - つよめのルーター → RTX1200
35 やってみた まず、必要な機材を考える。 - つよめのルーター → RTX1200 - つよめのAP複数台
36 やってみた まず、必要な機材を考える。 - つよめのルーター → RTX1200 - つよめのAP複数台 →
Aironet1600 (4台)
37 やってみた まず、必要な機材を考える。 - つよめのルーター → RTX1200 - つよめのAP複数台 →
Aironet1600 (4台) - ふつうのモバイルルーター複数台
38 やってみた まず、必要な機材を考える。 - つよめのルーター → RTX1200 - つよめのAP複数台 →
Aironet1600 (4台) - ふつうのモバイルルーター複数台 → L01 (3台)
39 やってみた 考えたので、できるだけ安く⼊⼿する。
40 やってみた 考えたので、できるだけ安く⼊⼿する。 - RTX1200 → Amazonの中古で約9000円 - Aironet 1600
→ ヤフオクで1台1900円 - L01モバイルルータ → 3台でレンタル約20,000円
41 やってみた また、APのPoE給電のためスイッチを追加 購⼊。 - Catalyst 3560 PoE-8 → ヤフオクで約3000円
42 ヤフオク最強
43 やってみた こんな感じで機材を揃え、送料⼿数料込み で約5万円で「あとは構築するだけ」とい うところまで持っていった。
44 やってみた こんな感じで機材を揃え、送料⼿数料込み で約5万円で「あとは構築するだけ」とい うところまで持っていった。 しかし、ここで重⼤な問題があった。
45 やってみた 僕がネットワークを触ったことがなかった。
46 やってみた 僕がネットワークを触ったことがなかった。 先週くらい。
47 やってみた とりあえずたくさんググっ て、YAMAHAとCiscoの基本コマンドから 気合でなんとかした。
48 今朝
49 できた
最終構成
51
52 最終構成 RTX1200ポート分割機能を使ってマルチ ホーミング⽤のセグメントを確保し、ス イッチ経由でAPに給電をして……。 APはバンドセレクトや負荷分散を設定し て……。 みたいな構成になりました。
まとめ
54 まとめ 10分に収めるため細かい話はできませんで したが、全く未知の分野に特攻してみるの は楽しかったです。
55 まとめ 結果として現在、⾼速ではなくと も、Twitterができて、安定した配信が⾏え る環境が構築できていることを嬉しく思い ます。
56 まとめ スポンサーの⽅々のお⼒もあって実現でき たネットワーク、本当に楽しかった。 楽しかった……。でも……。
57 運営は計画的に!
58 おしまい