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2022/Mar/04 長岡市講演 メイカーズマインド  メイカーとイノベーションの関係

2022/Mar/04 長岡市講演 メイカーズマインド  メイカーとイノベーションの関係

メイカーズマインド メイカーとイノベーションの関係

TAKASU Masakazu

March 04, 2022
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Transcript

  1. 高須正和 事業&研究&Community 深圳ほか世界各地のpartnerを開拓し、 IoT開発ツールを輸出入・共同開発、投資,企業間提携などを行う。 深圳大公坊国家级創客基地(iMakerBase),深圳MakerNet 国際事業開発 事業:日本Switch Science, Global Business

    Development 研究:早稲田大学Research Innovation Centre招聘研究員 ニコ技深圳コミュニティ 共同創業者 中国最大のOpen Source Alliance「開源社」 唯一の国際(非中国語ネイティブ)メンバー 美国MIT Media Lab Shenzhen 2019 Menter ガレージスミダ研究所 主任研究員 著書5冊「プロトタイプシティ」「ハードウェアハッカー」(翻訳)など Community:开源社、Nico-Tech Shenzhen
  2. Maker: 新しいカテゴリの発明家 伝統的な発明家 メイカー Idea/R&D/ Prototype 大学や大企業の研究所 インターネットやコミュニティで 学び、作る Produce

    会社の企画部が企画し、 技術部門が作る ホビイスト達がコミュニティで作り、 評価しあう Promotion 広告代理店を使って宣伝、 プロのセールスマンが売る クラウドファンディングなどで、 愛好家が発明を大きくする メイカーズ以前と以後(近代と現代)
  3. 伝統的な製品とコミュニティベースの違い 伝統的な製品 コミュニティベース team 大きい組織が承認ハンコを集めな がらつくる 小さい組織がagileにつくる Focus 数値で評価され、機能的 感覚的でセンスの善し悪しで判断

    される Customer 自組織のボスor会社外の消費者 自分たち Typical Product 機能的な製品や、 CCD、抵抗、マイクロチップといった コンポーネント ガジェットや、自分たちのための プロトタイピングツール
  4. 2008~成功したスタートアップが出資側にまわる ロバート T モリス 世界で最初にインターネット上で増殖するウィルス(ワーム)を作り、アメリカでサイバー犯 罪を取り締まる法律ができたときの、最初逮捕者になる。 その後グレアムと一緒にViawebを設立 ポール グレアム 伝説的なプログラマ

    作家としても有名で、著書に「ハッカーと画家」 世界で最初のサーバサイドサービスであるViawebを設立 (後にYahooに売却しYahoo Shoppingとなる) 成功したメイカーが、若いメイカーにお金を出資(ビジ ネスの手助け)する仕組み 「わかる人」に「わかる人」がお金を渡す
  5. ハードウェアイノベーションの民主化 アイデアのみで製造0のドリーマーは、Web のチュートリアルやキットが入手できる クオリティの足らないモノしか作れない プロトタイプメーカーに、 3Dプリンタなどのデジタル工作機械 発明はできるが量産できない大学教授 などに、量産請負サービスが 1000個単位での製造に必要なコストと マーケティングが、クラウドファンディン

    グで 宣伝・販売などのサプライチェーンが、 オンラインとSNSベースに -Seeedstudio 製 品 製 造 ロ ッ ト ソフトウェアに比べると設備も初期投資も必要なため、20世紀スタイルの研究開発(専門 家=大メーカー中心)だったハードウェアのイノベーションが民主化されつつある
  6. 開発ボードという製品 マイコンチップ、無線機能、I/O端子などをひとまとめにしたもの 用途や価格に応じて多様なボードが存在する 利用者はソリューションを開発するエンジニア、IoTシステム開発を学ぶ学生など 代表的な開発ボード RaspberryPi(英国)などを使って開発 ・適合するセンサを選ぶ ・センサーを処理するソフトをつくる ・動作確認の画面をつける ・ケースを3Dプリンタなどでつくる

    M5Stack シリーズを 使って開発 完成までまだまだ、 本質(ドアセンサー) 以外の時間がかかる.. 完成。 アイデアの検証が できる! (Proof of Concept) M5Stackシリーズは 「アイデア→実際に作ってみて試す」までの時間を最小化する 例:入退室を記録するシステムを開発する
  7. M5Stack(2018年日本発売開始) ・社長ジミー・ライは、もと中国南方電網のエンジニア ・しょっちゅうスマートメーターを開発している間に、 「多くのメーターに共通する機能を製品にしよう」と思 いついて起業 ・社長室に専用の部品ボックスと作業台を起き、プロト タイプを自分で作る。いつも身の回りには試作品が転 がっている ・Arduino IDEが利用可能で、IoT開発に必要なwifi/BTをあらかじめ備えたESP32シリーズの

    CPUを採用した開発ボード。日本でもArduinoを置き換える勢いで普及が進んでいる ・画面、バッテリ、ボタン、Grove,GPIOなどを備え、安価(1500-5000円程度) ・毎週1つ以上の新ハードウェア/センサー類を発表し、拡張性が高い オープンソースハードウェア(部品リスト,ピン番号などの 開発に必要な情報があらかじめ公開されているハードウェア) 買ってくれば使える。ソリューションを開発する上でM5Stack社の取引開始稟 議書、審査や許可が要らない。必要な情報はオンラインで公開されている
  8. 弊社/僕が得たメリット ▪時間や工数のメリット -多くの中国企業(中国以外の企業も含む)から、協業検討の依頼が届く ▪事業面でのメリット 深圳のイケイケのスタートアップに成長した M5 から頼りにされる 後述する 関連する企業からビジネスが広がっていく ▪財務/収益でのメリット

    -販売開始後、世界でも日本市場でも年間100%規模で成長する製品 「成功した会社と付き合いたい」と、多くの人が勘違いしている。 成功した会社には、あらゆる会社が(アリババもappleもamazonも)群がる。 スモールプレーヤーは、「小さいものを大きくするチーム」となるべき 一緒に大きくした経験は、簡単には代替できないし、そこから別の可能性 が開ける
  9. c 日本の発明家は、技術でもアイデアでも世界一 M5Stackを利用して、 スマートメーターじゃなくて 「かわいいロボット」を作った ししかわ @meganetaan さん 2021.8.12公開 オープンソース

    スイッチサイエンス/M5Stack 主催コンテスト受賞 アメリカHackaday.ioで金賞 2021.9.4 ドイツ国営Tvの 国際放送(スペイン語版, アラビア語版など) で紹介 2021.11.12 c 他のユーザも続々と派生プロジェクトを ついに公式も開発開始
  10. 「作りたいものを作る」日本のDIYマーケット、 同人ハードウェアは大きく拡大中 スイッチサイエンス 委託販売実績 この4年で5倍近くに 日本の同人誌の売り上げ総計に比べるとまだ0.1%未満 Maker Faire Tokyoの入場者数はコミケの5%ぐらい つまり、日本の同人ハードウェア市場は、まだまだ伸びる。

    もしコミケの2%だとすると、今の20倍伸びる 日本の製造業はまずいかもしれない。日本のハードウェアス タートアップはCESで存在感ないかもしれない。 日本の同人メイカーは世界で大人気で、市場はこれからだ。