世界四連覇AIエンジニアが教える「探索アルゴリズム」の魅力

著書「ゲームで学ぶ探索アルゴリズム実践入門～木探索とメタヒューリスティクス」の発売記念イベントで使用したスライドを元にweb用に修正して公開します。

著書amazon URL
https://www.amazon.co.jp/dp/4297133601/

イベントURL(終了)
https://connpass.com/event/273198/

Transcript

1. 青木栄太 2023年2月17日 1
2. • 自己紹介 • 本書の概要 • 執筆の動機 • 読了したら • ここがすごい！ • 裏話 • 質疑応答 2
3. • 自己紹介 • 本書の概要 • 執筆の動機 • 読了したら • ここがすごい！ • 裏話 • 質疑応答 3
4. ▪仕事など • ～今：HEROZ㈱にてゲームAI開発 • 3月～： ㈱ GRIDにて最適化に専念 ▪プライベート • 国際ゲームAIコンペで7回優勝 • Qiita記事でトレンド1位達成 "世界四連覇AIエンジニアがゼロから教える ゲーム木探索入門" 4
5. • 自己紹介 • 本書の概要 • 執筆の動機 • 読了したら • ここがすごい！ • 裏話 • 質疑応答 5
6. ・探索アルゴリズムを体系的に学ぶ ・章立て 第1章 ゲームと探索の世界 第2章 開発環境の準備 第3章 文脈のある一人ゲーム※ 第4章 文脈のない一人ゲーム※ 第5章 交互着手二人ゲーム※ 第6章 同時着手二人ゲーム※ 第7章 よりよい探索※ 第8章 実際のゲームへの応用 ※章名を一部省略 6
7. ・探索アルゴリズムを体系的に学ぶ ・章立て 第1章 ゲームと探索の世界 第2章 開発環境の準備 第3章 文脈のある一人ゲーム※ 第4章 文脈のない一人ゲーム※ 第5章 交互着手二人ゲーム※ 第6章 同時着手二人ゲーム※ 第7章 よりよい探索※ 第8章 実際のゲームへの応用 ※章名を一部省略 7 ゲームと探索アルゴリズムとの 関係性、 探索アルゴリズムが活用できる シチュエーションについて説明
8. ・探索アルゴリズムを体系的に学ぶ ・章立て 第1章 ゲームと探索の世界 第2章 開発環境の準備 第3章 文脈のある一人ゲーム※ 第4章 文脈のない一人ゲーム※ 第5章 交互着手二人ゲーム※ 第6章 同時着手二人ゲーム※ 第7章 よりよい探索※ 第8章 実際のゲームへの応用 ※章名を一部省略 8 C++の開発環境を準備し、 本書のサンプルプログラムを動作で きるようにする
9. ・探索アルゴリズムを体系的に学ぶ ・章立て 第1章 ゲームと探索の世界 第2章 開発環境の準備 第3章 文脈のある一人ゲーム※ 第4章 文脈のない一人ゲーム※ 第5章 交互着手二人ゲーム※ 第6章 同時着手二人ゲーム※ 第7章 よりよい探索※ 第8章 実際のゲームへの応用 ※章名を一部省略 9 ゲームの特性ごとに 有効な探索アルゴリズムを紹介 サンプルコードを交えて 実践的に学べる
10. ・探索アルゴリズムを体系的に学ぶ ・章立て 第1章 ゲームと探索の世界 第2章 開発環境の準備 第3章 文脈のある一人ゲーム※ 第4章 文脈のない一人ゲーム※ 第5章 交互着手二人ゲーム※ 第6章 同時着手二人ゲーム※ 第7章 よりよい探索※ 第8章 実際のゲームへの応用 ※章名を一部省略 10 6章までで学んだ探索アルゴリズム に工夫を加え、 より効果的な探索をする方法を紹介
11. ・探索アルゴリズムを体系的に学ぶ ・章立て 第1章 ゲームと探索の世界 第2章 開発環境の準備 第3章 文脈のある一人ゲーム※ 第4章 文脈のない一人ゲーム※ 第5章 交互着手二人ゲーム※ 第6章 同時着手二人ゲーム※ 第7章 よりよい探索※ 第8章 実際のゲームへの応用 ※章名を一部省略 11 伝統的なゲーム「コネクトフォー」 の対戦AIを実装しながら、 本書で学んだ内容を実際のゲームに 落とし込む方法を紹介
12. • 自己紹介 • 本書の概要 • 執筆の動機 • 読了したら • ここがすごい！ • 裏話 • 質疑応答 12
13. 身近な知り合いが書籍を出版していてうらやましかった 13
14. • 近年のコンテストの普及で初学者が増えた 14 フランスの ゲームAIコンテストサイト 登録者数300万人超 探索が活きるコンテストも多い 日本の 競技プログラミングサイト 最近追加された 得点を競う形式のコンテストで 探索が活躍 CodinGame
15. • 人に物を教えるのが好きだと気づいた 15 筆者がきっかけでオセロ AI世界一になった方も！ 探索 おもしろいよ
16. • 筆者が初学者の頃、 体系的に探索アルゴリズムを扱う資料がなかった 16 MCTS 焼きなまし法 DUCT ビームサーチ Chokudaiサーチ 情報が点在 してるよぅ、、
17. 17 • 初学者でも本書を読むだけで 最低限の探索アルゴリズムを網羅できるようにしたい！ 自分で調べなくて いいから楽！
18. • 自己紹介 • 本書の概要 • 執筆の動機 • 読了したら • ここがすごい！ • 裏話 • 質疑応答 18
19. • 自作ゲーム向けにAIを開発できる！ 19 対戦相手として プレイヤーと遊ぶAI レベル調整も 自由自在
20. • コンテストで熱い戦いを繰り広げられる！ 20 CodinGame AtCoder （ヒューリスティック）
21. • たとえば 21 ボンバーマン 死なずに本をとりたい ４ 爆弾は4ターン後に 背景黄色マスで爆発する
22. • 本書を読まない場合、、 22 爆破まで4ターン+移動2ターンで 6ターンもかかってしまう、、 ４ 爆弾が怖いから、 爆発するのを待って から 本をとるルールで AIを実装できそう ボンバーマン 死なずに本をとりたい
23. • 本書を読んだ場合 23 ４ 「探索」によって 将来を シミュレーション しよう ボンバーマン 死なずに本をとりたい
24. • 本書を読んだ場合 24 3 シミュレーション中 （1ターン後） ボンバーマン 死なずに本をとりたい
25. • 本書を読んだ場合 25 2 シミュレーション中 （2ターン後） ボンバーマン 死なずに本をとりたい 本の取得までわずか2ターン！
26. • 本書を読んだ場合 26 1 シミュレーション中 （3ターン後） ボンバーマン 死なずに本をとりたい
27. • 本書を読んだ場合 27 シミュレーション中 （4ターン後） ボンバーマン 死なずに本をとりたい 爆弾が爆破後も生存！
28. • 本書を読んだ場合 28 ４ よし、 今すぐ動いても 爆破ターンまで生き 延びられるな。 すぐに本を回収だ！ ボンバーマン 死なずに本をとりたい
29. • 自己紹介 • 本書の概要 • 執筆の動機 • 読了したら • ここがすごい！ • 裏話 • 質疑応答 29
30. • 問題に合わせて体系的にアルゴリズムを説明！ 30
31. • フルカラーの図解がわかりやすい！ 31 1本目の ビーム 2本目の ビーム
32. • フルカラーの図解がわかりやすい！ 32 1本目の ビーム 2本目の ビーム もしも 1色なら、、
33. • 説明用にオリジナルゲームを用意！ 33 今までも 将棋AI本や 囲碁AI本で 探索アルゴリズム を扱っていたけど、 ルールが複雑だよ なぁ
34. • 説明用にオリジナルゲームを用意！ 34 シンプルで探索アルゴリズムに集中できるルール設計 キャラクターを 4方向に移動させ 床のポイントを 取得して スコア加算 最終スコア を高くする ゲーム
35. • 充実したサンプルコードで実践的に学べる！ 35 まずは図解で アルゴリズムを 説明し、
36. • 充実したサンプルコードで実践的に学べる！ 36 学んだ内容を サンプルコードで 実装、実行して 定着させる！
37. • 充実したサンプルコードで実践的に学べる！ 37 class State { State() {} // ゲームの終了判定 bool isDone() const { /*処理*/ return /*(bool)終了判定*/; } // 探索用の盤面評価をする void evaluateScore() { this->evaluated_score_ = /*(ScoreType)評価結果*/; } }; 本文中で紹介するゲーム以外に も汎用的に使える おまけコードも収録！ 未完成の関数をゲームに 合わせて自分で実装すれば、 すぐに探索アルゴリズムを適用 できる！
38. • 他の資料ではあまり見かけない有用アルゴリズムも掲載 38 Chokudaiサーチ：Chokudai氏考案 手軽な多様性確保策 Thunderサーチ：著者考案 盤面評価を活かした探索 DUCT：同時着手ゲームの雄 CodinGameで猛威を振るう
39. • 上級者にも歯ごたえのある応用編！ 39 ビット演算による 高速化 ポインタを用いた コピー回数の抑制
40. • 自己紹介 • 本書の概要 • 執筆の動機 • 読了したら • ここがすごい！ • 裏話 • 質疑応答 40
41. • アルゴリズム説明に都合のいい盤面を探すのが大変 41 αカットと βカットが両方発生
42. • アルゴリズム説明に都合のいいゲームづくりが大変 42 ▪盤面上のキャラが場外に出ない限り、 4方向に自由に動けるルール Good: シンプルでわかりやすい 探索アルゴリズム自体の説明に 有用 Bad: シンプルすぎて工夫の余地がない 終盤の工夫の章には不向き
43. • アルゴリズム説明に都合のいいゲームづくりが大変 43 ▪キャラは壁(#)に侵入できないルールを 追加 Good: 工夫の余地がある 終盤の工夫の章にも有用
44. • 原稿を書き終えても校正ゲラの直しが大変 44 Qiitaのようなスクロール記事では 余白を気にせずよいが、、
45. • 原稿を書き終えても校正ゲラの直しが大変 45 見開きに大きな余白
46. • レビューでより良い本になった 46 レビュー前 0~9の値をとる整数(point)を文字'0'~'9'に直すコード char c = '0' + (char)point; なんで'0'に数値を足すの？ c++に慣れてないと 何やってるかわからないよ レビュー後 わかりにくいキャストや加算を排除してシンプル化 std::stringstream ss; ss << point;
47. • 出版社による組版ですごくきれいになった 47 組版前の仮PDF
48. • 出版社による組版ですごくきれいになった 48 組版後
49. • 表紙の選定が楽しかった 49
50. • 表紙の選定が楽しかった 50 タイトルと 背景図のバランスがいい 案を選定
51. • 表紙の選定が楽しかった 51 より目立つ彩色とフォントに修正！
52. • 表紙の選定が楽しかった 52 トレードマーク 「雷」の絵を つけてもらうか 迷いました（笑）
53. • 自己紹介 • 本書の概要 • 執筆の動機 • 読了したら • ここがすごい！ • 裏話 • 質疑応答 53
54. Q：スライド中のキャラクターは何？ 54 A：スライド中のキャラクターは何？ 昔出場したコンテストのキャラクターを 長い間ツイッターアイコンとして 使用していたのですが、 他人の著作物は 自分の制作物に載せたりする際に 都合が悪いです。 そこで、 元のアイコンの雰囲気を保ったまま、 （無関係な）オリジナルキャラクターを 自分でデザインしました。 LINEスタンプもあります。 https://store.line.me/stickershop/product/3059034/ja
55. Q：執筆のきっかけは？ 55 A： Qiitaに掲載した似た記事を元に 出版社から声がかかりました。 https://qiita.com/thun-c/items/058743a25c37c87b8aa4 Qiita記事執筆のきっかけは、 本スライドの「執筆の動機」と同じです。
56. Q：執筆のタイムスケジュールは？ 56 A： Qiita記事を掲載したのが2022/1/25、 編集者から初めての連絡が2022/1/26のようです。 今調べて僕もびっくりしました。 1日しかたってないんですねぇ。 そこから4月頃まで編集部向けの企画書を練り、 企画が通った後は10月頃まで原稿執筆、 2023年1月頃まで校正ゲラの直しです。 amazon予約が始まった後も直しがあったのは ドキドキでした。
57. Q：前身となるQiita記事との違いは？ 57 A： 追加手法や応用テクニックが豊富です。 ・Thunderサーチ ・焼きなまし法（山登り法） ・応用編（7、8章） もともと記載していた手法も、説明を増やしました。 ・図解の詳細化、増強 ・サンプルコードの刷新、サンプルと照らし合わせた 実装の説明 ・説明用ゲームルールの刷新