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複数ロボットシミュレーション環境・箱庭 STAMP/STPAでの活用

Takashi Mori
February 24, 2024

複数ロボットシミュレーション環境・箱庭 STAMP/STPAでの活用

STAMP/STPAはAI/IoT技術が急速に発展する中での安全分析において、有効な手法として注目されていますが、学習と実践にはハードルが存在します。本講演では、教育・導入のハードルを減らすため、安全分析支援ツールとシミュレーションを融合した新たな分析スタイルを紹介します。具体的には、情報処理推進機構(IPA)が提供する「はじめてのSTAMP/STPA」を基に、安全分析支援ツール(astah* System Safety)とシミュレーション環境(箱庭)を組み合わせた分析スタイルです。ツールは、分析内容をモデル化しシナリオを抽出する作業を支援します。シミュレーションは、得られたシナリオを具体的に試すことで、イメージの共有を促進します。このアプローチを通じて、直感的な分析の支援、関係者間の理解の深化、そして分析シナリオの具体性と透明性を高めることが期待できます。AI/IoTのような複雑なシステムの分析には、知見の共有とコミュニケーションの促進が不可欠です。私たちは、このような分析スタイルを通じて、分析者の創造性を支え、安全性分析のプロセスを効果的に支援する環境になれることを目指しています。

Takashi Mori

February 24, 2024
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Transcript

  1. 5 ツール紹介︓astah* System Safety • ⾃動⾞、航空宇宙、ロボットなど、複雑かつ安全性が要求されるシステム開発現場向け MBSE+安全分析⽀援ツール SysML ⇔ STPA連携

    &トレーサビリティ 専⾨分野の異なる技術者間で、 開発対象システムを整理・共有 40⽇間無料でお試しできます。 https://astah.change-vision.com/ja/product/astah-system-safety.html システムの分析設計 モデル 安全分析 モデル,etc (MBSE ... Model Based Systems Engineering)
  2. 箱庭の背景 8 • IoT開発には様々な分野の技術領域 =技術者の結集が不可⽋ • 結合テストや検証が困難である • 問題発⽣時にはその原因と 経路の調査が複雑となる

    • 実証実験コストも⼤きくなる クラウド CAN ECU ⾞載PC 管制サーバ スマホ Web系 ⾃動運転 制御系 ECU制御系 バックエンド サーバ系 メカ系 エレキ系 ネットワーク系 IT系エンジニア 交通サービス系 ET系エンジニア 制御系エンジニア ICTエンジニア センサ
  3. 14 Unity Unreal Engine Python プログラム 組 込 み 機

    器 Athrill ロボット制御 プログラム ロボット 箱庭とはシミュレーションハブです 箱庭アセット 箱庭シミュレーション
  4. 対象システムの構成 16 • 始動点踏切制御⼦A, Bが列⾞の侵⼊を検知 • →踏切は警報⾳を鳴らし続け、警報灯を点滅し続け、遮断桿をおろす • 終⽌点踏切制御⼦Cが列⾞が通過し終えたことを検知 •

    → 踏切は⼀定時間経過した後、警報灯/警報⾳を終⽌し、遮断桿をあげる • 列⾞がAから侵⼊した場合 • →Bをマスク(センサーの⼊⼒を抑⽌)する. • 列⾞がBから侵⼊した場合 • →Aをマスク(センサーの⼊⼒を抑⽌)する 始動点踏切 制御⼦A 踏切道 終⽌点踏切 制御⼦C 始動点踏切 制御⼦B 踏切制御システム 踏切制御装置 補⾜︓ 本システム構成は、情報処理推進機構(IPA)で公開されてい る「はじめてのSTAMP/STPA」のシステム構成と同じものです
  5. 分析シナリオ • シナリオ(1) 1. 始動点踏切制御⼦Aを列⾞が通過し、制御装置は遮断桿を下ろす指⽰を出した 2. 遮断桿が下りる前に列⾞が踏切を通過してしまった • シナリオ(2) 1.

    終⽌点踏切制御⼦Cに⾞両が停⾞してしまった 2. そのまま時間が経過した場合や他の列⾞が近接した場合、何が起きるか 19
  6. 分析シナリオに応じたモデル・ロジック定義 • Pythonプログラムで各モデルのロジックを定義 • 分析シナリオに応じて、モデルのロジックやセンシング・タイミング等を変更 21 踏切制御装置 列⾞ <Python> [基本操作]

    ・モーター操作(⾛る、⽌まる) [センサ] ・タッチセンサの値取得 <Python> [基本操作] ・遮断桿操作(上げる、下ろす) ・警報⾳(鳴動開始、鳴動停⽌) [センサ] ・制御⼦A, B, C の値取得 ・タッチセンサの値取得 タッチセンサ タッチセンサ 走る 止まる 遮断桿 上げる 遮断桿 下ろす 警報音 鳴動停止 警報音 鳴動開始
  7. シミュレーション・アーキテクチャ 22 箱庭アセット (Python) 踏切の制御コード (Python) 箱庭通信データ (PDU) シミュレータ向け デバイス

    箱庭アセット (Python) 列⾞の制御コード (Python) 箱庭通信データ (PDU) シミュレータ向け デバイス 箱庭アセット (Unity) 踏切 モデル 列⾞ モデル EV3向けロボット制御コード (C#) 箱庭通信データ(PDU) 箱庭コア機能 共有メモリ
  8. 箱庭の実験⾵景 23 環境要因 イベント要因 センサ故障 モーター故障 通信遅延 障害物 摩擦係数 照度

    障害物 センサ故障 モーター故障 摩擦係数 [期待される効果] • 想定アクシデントをリアルに体感 • 様々なアイディアの創発 • ブレストの活性化 分析シナリオ 1. Xxx 2. Yyy 3. Zzz
  9. メリット • 具体性・透明性の向上 • 抽象的なガイドワードやUCAを具体的なシナリオや状況に落とし込むことが容易になる • →漠然とした想像ではなく、具体的なシナリオとシミュレーション結果をもとにした議論ができる • ⾒落としの減少 •

    現実の動作環境や条件を模倣し、実際のシステム動作を詳細に検証可能 • →単なる頭の中の想像や考慮もれを減少できる • 共有とコミュニケーション • 関係者間のコミュニケーションが効果的になる • 技術的背景が異なる関係者間でも、視覚的なモデルやシミュレーション結果をもとにした議論ができる • リアルタイムのフィードバック • 設計変更や仮定の変更をリアルタイムに反映させ、その影響をすぐに確認できる 28
  10. デメリット • 時間とコスト • 初期コスト/維持コスト • 学習曲線 • シミュレーション向けの作業は増える •

    過度な信頼 • 完璧さの錯覚 • モデリングやシミュレーション精度⾯の制限 • ツールやシミュレーションのバグ 29
  11. 将来展望︓AIエージェント連携した分析 31 AI エージェント 実験結果 (事実) ⾼レベルな理解 リフレクション 環境要因 イベント要因

    分析シナリオ 1. Xxx 2. Yyy 3. Zzz センサ故障 モーター故障 通信遅延 障害物 摩擦係数 照度 障害物 センサ故障 モーター故障 摩擦係数