STAMP/STPAはAI/IoT技術が急速に発展する中での安全分析において、有効な手法として注目されていますが、学習と実践にはハードルが存在します。本講演では、教育・導入のハードルを減らすため、安全分析支援ツールとシミュレーションを融合した新たな分析スタイルを紹介します。具体的には、情報処理推進機構(IPA)が提供する「はじめてのSTAMP/STPA」を基に、安全分析支援ツール(astah* System Safety)とシミュレーション環境(箱庭)を組み合わせた分析スタイルです。ツールは、分析内容をモデル化しシナリオを抽出する作業を支援します。シミュレーションは、得られたシナリオを具体的に試すことで、イメージの共有を促進します。このアプローチを通じて、直感的な分析の支援、関係者間の理解の深化、そして分析シナリオの具体性と透明性を高めることが期待できます。AI/IoTのような複雑なシステムの分析には、知見の共有とコミュニケーションの促進が不可欠です。私たちは、このような分析スタイルを通じて、分析者の創造性を支え、安全性分析のプロセスを効果的に支援する環境になれることを目指しています。