地理院地図ファンクラブ2023年2月定例会 法務省地図XMLデータ公開の経過と有志によるアダプト活動
2023/02/11 地理院地図ファンクラブ 2023年2⽉定例会 1駒澤⼤学⽂学部地理学科・准教授東京⼤学空間情報科学研究センター・特任准教授https://tossetolab.github.io/法務省地図XMLデータ公開の経過と有志によるアダプト活動瀬⼾ 寿⼀ @tossetosupported by ”amx-project”の皆さんA02KOMAZAWA UNIVERSITYVisual Identity GuidelinesΫʴจϩΰλΠϓ,ϚʔΫʴจϩΰλΠϓͷΈ߹ΘͤɺࠨͷछͰ͢ɻԣجຊܗͱ͠ɺ༏ઌతʹ༻͠·͢ɻԣϫϯϙΠϯτͳͲɺʮԣʯ͕ஔ͠ʹ͍͘߹ʹ༻͠·͢ɻॎॎܕαΠϯͳͲɺࡉ͍ஔʹ༻͠·͢ɻඞͣϚελʔσʔλΛ༻͍ͯͩ͘͠͞ɻࠨهҎ֎ͷΈ߹ΘͤΛ࡞͠ͳ͍Ͱ͍ͩ͘͞ɻܗʣϙΠϯτʣ ॎErasmus of Rotterdam @MET Museum
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2023/02/11 地理院地図ファンクラブ 2023年2⽉定例会 2Contents• 法務省地図XMLデータ公開の背景・流れ• 地図XMLアダプトプロジェクトの経過• ウェブ地図を通じた様々な派⽣• 私⾒に基づくWork in progress• アダプト (adopt): 採⽤・養⼦縁組等– 例︓各⾃治体の「アダプト制度」は, 住⺠・企業等が主体となって清掃・草刈等の美化活動を中⼼に公共空間を「わが⼦のように⾯倒をみる」⼿法として制度化されたもの(広島県など)
2023/02/11 地理院地図ファンクラブ 2023年2⽉定例会 32023/1/20 午後に法務省から⼀般公開について公式発表https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00494.html・国⼟交通省「地番・不動産番号・住所等のデータの整備・オープン化の状況」より地図情報について、法務省は、令和3年度までに登記所備付地図データの提供を可能とすることとされている(「未来投資戦略2017」(平成29年6⽉9⽇閣議決定)・「世界最先端デジタル国家創造宣⾔・官⺠データ活⽤推進基本計画」(令和2年7⽉17⽇閣議決定))。
2023/02/11 地理院地図ファンクラブ 2023年2⽉定例会 4法務省⺠事局の説明資料https://www.moj.go.jp/content/001387736.pdf
2023/02/11 地理院地図ファンクラブ 2023年2⽉定例会 5登記所備付地図データの提供範囲と⼤まかな定義参考資料︓⽇本地図学会(2021)監修・森⽥喬ほか編『地図の事典』朝倉書店.• 不動産登記法第14条第1項及び第4項に規定する地図及び地図に準ずる図⾯に係る電⼦データ。登記所(法務局・⽀所・出張所など)に備え付けられている– 法14条地図(地図)︓地籍調査*などで作成され,平⾯直⾓座標系により統⼀的である地図。縮尺は1:250〜1:5000程度で,境界を⼀定誤差の範囲内で復元可能(滝沢, 2021)– 地図に準ずる図⾯(公図)︓⼟地の⼤まかな位置や形状,地番,道路,⽔路などを表した図⾯。⼤半は明治期の地租改正の際に作られたもので,⼟地の異動などで現状と異なる場合がある(⼤場,2021)• *地籍調査︓1951年国⼟調査法に基づき,主に市町村が主体となって⼀筆ごとの⼟地の所有者・地番・地⽬を調査し,境界の位置と⾯積を測量する調査
2023/02/11 地理院地図ファンクラブ 2023年2⽉定例会 6登記所備付地図データを扱う上で知っておきたい⼟地の基礎知識([email protected] さん)https://qiita.com/kntoshiya/items/b1472cf8c29ed9b1d706
2023/02/11 地理院地図ファンクラブ 2023年2⽉定例会 7地籍調査状況マップ(国⼟交通省)http://www.chiseki.go.jp/map/https://twitter.com/Yfuru2454/status/1619172372720001025◀暖⾊系が地籍調査の進捗率が低い地域を⽰す。
2023/02/11 地理院地図ファンクラブ 2023年2⽉定例会 81/23 正午よりG空間情報センターで各市区町村単位のZIP圧縮形式で無償公開開始https://front.geospatial.jp/
2023/02/11 地理院地図ファンクラブ 2023年2⽉定例会 9実際のファイルの中⾝の例(つくば市)・search-list.csv①地図名・②地図番号・③縮尺分⺟・④市区町村コード・⑤市区町村名・⑥精度区分・⑦座標値種別⑧⼤字コード: 093⑨丁⽬コード: 000⑩⼩字コード: 0000⑪予備コード: 00⑫⼤字名: ⼤字今福⑬地番: 643…地⽬や不動産番号は無し
2023/02/11 地理院地図ファンクラブ 2023年2⽉定例会 101/23デジタル庁よりXMLからGeoJSONへの変換ツールの提供開始• オープンソースとしてGithubで提供• Pythonベース• 筆のポリゴンデータ+属性情報のみ抽出。基準点、筆界点、筆界線は出⼒しない。• 公共座標系のデータは、座標値を経度・緯度(JGD2011)に換算。属性に代表点座標を追加。– 変換後、元データの仕様で、測地系や座標が正しいかはチェックしたほうがベター• 任意座標系のデータは、座標値の換算はできない– 幾何補正等の作業が必要https://www.digital.go.jp/news/4b7250a3-3fcf-4b83-8d52-4bb131e1ba9d/
2023/02/11 地理院地図ファンクラブ 2023年2⽉定例会 11法務省地図XMLアダプトプロジェクトAdopt Map XML: AMX project (hfu⽒発案:13名参加)• kuwanauchi– データ⾃体の再配布• ベクトルタイルデータの⽣成・オープンデータ化– PMTiles(CloudOptimized)形式– IPFS(惑星間ファイルシステム⽅式)• 法務省地図XMLに関するissue共有– ⽤語集の作成など• 変換ツール等のforkhttps://github.com/amx-project
2023/02/11 地理院地図ファンクラブ 2023年2⽉定例会 12ベクトルタイルデータの配布(amx-a:アマクサ)• PMTiles形式で配布&OSSで構築• デモサイト– https://amx-project.github.io/a(w/ UNVT Portable)– https://amx-project.github.io/a/habs.html(w/ habs mirror)– https://amx-project.github.io/a/ipfs.html• データ配布– curl -o a.pmtileshttps://x.optgeo.org/ipfs/QmTZHWMAnRC5zNiNvdVuTDacThKkj4jKbwsZtKQkAC4R69– https://habs.rad.naro.go.jp/spatial_data/amx/a.pmtiles– 惑星間ファイルシステム(IPFS)も• 仕様︓https://github.com/amx-project/a-spechttps://amx-project.github.io/a
2023/02/11 地理院地図ファンクラブ 2023年2⽉定例会 13登記所備付地図データ⽤ XML Viewer(株式会社ジオロニア)※ソースコードもGPLで公開https://geolonia.github.io/chiban-viewer/
2023/02/11 地理院地図ファンクラブ 2023年2⽉定例会 14amx-aプロジェクトのベクトルタイルを⽤いたOSSのビューワーの⼀例https://shi-works.github.io/MojMap/▼shi-worksさんによるものhttps://office-shirado.github.io/Moj_Maps/▼「今ここ何番地︖」(オフィス⽩⼟)
2023/02/11 地理院地図ファンクラブ 2023年2⽉定例会 15登記所備付地図データの公共座標・任意座標系データの⽐率調査https://geolonia.github.io/chiban-zahyo-map/▼登記所備付地図データ 公共座標整理状況マップhttps://github.com/sakaik/kuwanauchi_xml_digest▼登記所備付地図データダイジェスト
2023/02/11 地理院地図ファンクラブ 2023年2⽉定例会 16地番検索くん(サグリ株式会社)※2/11現在⼀部地域のみ対応https://sagri.tokyo/2023/01/23/chiban_kensakukun/
2023/02/11 地理院地図ファンクラブ 2023年2⽉定例会 17緊急企画︓法務省地図XMLハックナイト〜奥深き公図の世界にようこそ〜(Code for Japan主催)https://www.youtube.com/watch?v=1_q18JNoURk
2023/02/11 地理院地図ファンクラブ 2023年2⽉定例会 18私⾒に基づくWork in progress• データに関する「リテラシー」の向上– 閲覧サイトとしてのウェブ地図サービスの普及XML形式からデスクトップGISで可読可能な形式への変換⽅法のわかりやすい⼿段の提供– 地図XMLデータ関連⽤語の解説の必要性(cf. 公図・法14条地図など)• データの再配布・バックアップの強化– G空間情報センターから提供されているデータをマスターとした場合,現状はamx project(Github)のみである点をどのように考えるか– ベクトルタイルデータは,UNVT PortableとHABS(ミラー)でホスト。IPFSの展開も期待︖• データそのものに関する検証– 「任意座標系」に定義されているものでも実際には座標系が定義可能なデータも。⇔ 座標系の間違い– データの間違い等をフィードバックする仕組みが明確には存在しない(従来は各法務局へ)– 任意座標系の変換と活⽤も(変換ツールは農⽔省で開発進⾏中)• データ更新性– 法務省によれば今後も年1回更新を予定– 登記所備付地図データダイジェスト(@sakaikさん)のまとめを参照
2023/02/11 地理院地図ファンクラブ 2023年2⽉定例会 19Thank you![email protected]https://tossetolab.github.io/